【競走】慶大は3位、新一年生も活躍!東京六大学対抗陸上

100mで優勝した本橋

東日本大震災から3週間あまり、東京六大学対抗陸上競技大会が国立競技場で開催された。慶大はトラック競技で51点、フィールド競技で61点を獲得して合計112点。早大、法大に続く3位だった。また、この大会では震災への募金活動も行われた。なお、応援合戦は自粛された。

2011年4月2日(土)東京六大学対抗陸上大会@国立競技場

マイルリレーで優勝してガッツポーズを見せる選手たち

数多くの選手が好記録を残した今大会。中でも目立ったのは強豪・早大など、2位以下に圧倒的大差をつけて勝利したマイルリレーだ。メンバーは400mの慶大記録を持ち、前回大会に続き今年開催される世界陸上にも出場が有力視される廣瀬(環4)に加え、春山、古賀、昨年のインターハイ400m2位の新入生・茅田という「練習で走れていた選手と新1年生で走れていた選手」(廣瀬)たち。昨年度と比べると大きく陣容が変わった。

レースは1走の春山が中盤に力走。1位の早大に話されずに2位で2走の茅田へバトンを渡す。茅田は「個人的なラップタイムはまだ本調子ではない」と話すが、前を走る早大を抜いて1位でバトンを渡す。続く3走の古賀は最初のカーブで早大に抜かれるが、後半に挽回。再び早大を抜き返し、差をつけて最終走者の廣瀬にバトンを渡した。今まではエース・廣瀬が「最後に何人抜けるか」という展開が多かった慶大だったが、1位で廣瀬にバトンを渡すと後は余裕の展開に。ラスト100mではスピードをやや落としながらも、大差で圧勝した。

慶大新記録を跳んだ川島

また、今大会では1年生の活躍が目立った。「あくまで活躍してもらうのは来年以降と考えている」(三浦主将)としながらも、マイルリレーで茅田が堂々の走りを見せ、棒高跳で川島がいきなり慶大記録をマークして優勝するなど能力の高さを見せつけた。他にも三段跳で和泉が2位につけて得点を稼いだ。

この大会には出場しなかったが、100m国体優勝の山縣やインターハイ200m400mで共に入賞を果たした八木ら好選手が多数入部した慶大。2年生以上の選手も自己ベストを記録するなどひと冬を越えて、個人競技ではあるがチーム全体の成長度は高い。チームの目標である「関東インカレで総合入賞するのと、全日本インカレでも一桁入賞、そして早慶戦勝利」(三浦)も十分射程圏内だろう。有望な新戦力に底上げされた好選手たち、今年度の競走部から目が離せない。

慶大選手の結果は以下の通り

種目 選手 記録 結果
100m 本橋 秀章九嶋 大樹 10秒7911秒14 1位7位
110mH 古賀 友矩小島 弘毅 14秒7215秒00 5位7位
400m 大野 三津雄三浦 洋平 49秒2950秒67 5位予選敗退
800m 笹村 直也浅井 克弘 1分53秒461分54秒48 2位3位
1500m 福島 健介 4分10秒19 7位
3000mSC 鐵本 智大松田 昂大 9分36秒6410分34秒90 8位11着
5000m 平塚 知成門出 康孝 15分07秒7916分06秒56 8位11着
4×100mR 本橋‐谷口‐寺尾‐外谷 40秒69 2位
4×400mR 春山‐茅田‐古賀‐廣瀬 3分10秒31 1位
走高跳 宇都宮 健佑詫摩 知弘 1m95cm1m80cm 3位6位
円盤投 堀内 隆太伊藤 悠一 39m61cm30m61cm 3位8位
三段跳 和泉 理久 14m49cm 2位
棒高跳 川島 優杉本 侑嗣 5m00cm3m40cm 1位6位
砲丸投 秋本 壯樹キアラシ・ダナ 15m76cm13m76cm 1位6位
走幅跳 長尾 勇佑 7m18cm 3位
やり投 西森 大展堀内 隆太 61m71cm56m07cm 3位4位
 

By Tomoki Kakizaki

 

選手のコメント

三浦主将

(チームが3位だったが)目標は法政大学を倒すことだったんですけど、個人として関カレ標準を切ったり自己ベストを出す人が何人もいてチームとして良い状態だと思います。(得点は112点だったが、何点を目指していたのか)法政に勝つには135点以上が必要なことは分かっていました。得点すべきところで得点できなかったことなどがあったので、もう少し(得点が)いけるんじゃないかとも感じるんですが、今の実力を十分発揮できての得点だと思うので、今は満足していますね。(フィールドの選手が多く得点を稼いでいたことは去年の慶大にない強みでは)去年の宮岸暖主将(法卒)はとても強い主将で、その流れが今もあって、とても勢い付いています。日本一の選手はいないんですけど、みんなアベレージが高くて、底上げをこのひと冬を越えてできたのが強みだと思います。(冬はチームとしてどんな意識を持っていたか)パート毎にまとまって、切磋琢磨しあえる環境を主将として部の環境作りで意識してやってきました。(1年生が活躍していたが)短距離中心に棒高跳びでも良い選手が入ってきてくれて、塾記録も誕生して良い流れだと思っています。これから先は怪我をしないように練習してもらって、あくまで活躍してもらうのは来年以降と考えているので今年活躍できるのはもちろん良いんですけど、基本は来年ですね。(自身の走りについては)自分の走りでチームを引っ張るのは大前提だと思うので、それができなかったことは残念です。試合の3日前に41度の熱が出てしまったこともあったので、ここから徐々に調子を戻していって、今後しっかり活躍できるようにしたいです。(今後のチームの目標は)前半戦は関東インカレで勝つことですね。総合入賞できればいいかなと。関カレ全体で一桁入賞があるんですけど、その中でも8位以内を狙っていけるんじゃないかと今大会では確信しました。(今年度の目標をチーム、個人で)チームとしては前半戦は関東インカレで総合入賞するのと、全日本インカレでも一桁入賞、そして早慶戦勝利が目標です。個人としては競技で引っ張っていく、ということで関東インカレ、全日本インカレで出場してチームに良い流れを与えたいです。

廣瀬

(リレーを振り返って)慶應は今までは僕がアンカーで最後に何人抜けるかだったんですが、今日はトップでバトンが来たので安心してレースをすることができました。強豪の早稲田に断トツで勝てたので、今年は全日本インカレも狙えるような良いメンバーが集まっていると思いました。(メンバーはどのようにして決めたのか)練習で走れていた選手と新1年生で走れていた選手ですね。元々、僕と新1年生のみで走ってみて誰が1年生で走れるか見ていたんですけど、今日出なかった(1年生の)2人が走れていなかったので、今日のメンバーになりました。(リレーで自身の走った400メートルについては)ラップも調子の良い時のタイムですし、最後100メートル流したにしては良いタイムだったので、良かったと思います。今年は去年より1秒くらい速くなるんじゃないか、というくらい調子が良いので今年は良い感じがしますね。(大会記録にも迫っていたが)申し訳ないですね、それは(笑)僕もその後の大きな大会などもあるので全力で走り過ぎると後に疲労とかが残ってしまうので、最後は少し抜かせてもらいました。(この大会の位置付けは)今年、調子が良いというのは分かっていたので、その確認みたいな大会として臨みました。(今後はどういった大会に焦点を当てるか)まずは、静岡国際というのがあって、そこで45秒70の世界陸上のB標準を切りたいと思います。そして、川崎スポーツフェスティバルでもっと上を目指していければいいですね。大きな大会に出るには日本選手権で決まるのでそこに焦点を当てて練習していきたいです。(今年は世界陸上が大きな目標か)そうですね。2度目になるんですけど、また出場できるように頑張ります。(今年、年間を通じての目標を)今まで2位しか取ったことないので、ずっと断トツで1位の金丸選手に勝てるように頑張っていきたいです。

秋本

(2連覇を成し遂げたが)2連覇は最低限の目標でした。慶大に8点を持ってくるような投げができるように、というのを意識していました。昨シーズンの後半、すごく調子が悪くて自分の投げが出来ませんでした。だからこの冬修正してきたことを今日しっかり確認しながら試合に臨みました。この(2連覇という)結果だったので、自分のなかでは自信になりました。また、冬やってきたことが間違っていなかったな、と思えました。良かったです。(今日の自身を振り返って)今シーズン初戦だったので、自己ベストを出すというのはなかなか難しいかな、と思っていました。そんななかで、1本でしたが自己ベストが出せました。僕としては初戦でそういう結果が出せたという意味ではすごい良かったと思っています。ただ、15m80に上がってしまった日本選手権出場の標準を、今日と4月下旬のグランプリシリーズ、東京選手権の3試合のどこかで切らなければならなかったなかで、今日切れれば良いな、とは思っていました。あと4センチだったので、次また頑張ります。(今シーズンは幸先良いスタートで、期待がかかるが)もう自分は3年生になりましたし、結果をしっかり出さなければいけないという責任もあると思います。今年は特に記録にこだわってやっています。今シーズンの目標は最低でも16m50は投げたいと思っていて、今日の調子でいけば投げられるような感じがするので、これからも練習を積んで目標にむけて頑張っていきたいです。

古賀

(優勝できたことについて)練習できちんと出来ていたので予想通りという感じです。(今日のリレーのメンバーについては)メンバーが決まったのはつい最近のことでした。ですが、全体的に冬の練習でみんな追い込むことが出来ていました。個人個人が充実した練習をしていたので、安心して走れました。(今日のレースを振り返って)もうすこし前半に課題が残っていると思います。後半はまあまあでした。(後半の直線で1位の早大を抜くことが出来たが)もう少し前半上手くいっていれば、ああいう展開にならなくて済んだと思います。今日のような不安な要素をなくして走っていきたいです。(今年の目標、抱負は)今年のチームとしての目標は関東インカレ、全日本インカレで優勝することです。個人では今年世界陸上があるので、代表になれたら良いな、と思っています。

本橋

(今日の走りを振り返って)3月くらいから調子は良くなくて、やっとここ2週間くらいで徐々に試合モードになってきた感じで、自分の中でどれくらい記録が出るのかすごい不安だったんですが、そんな状況の中で初戦としてはいい結果だったと思います。(今シーズンの目標は)100mはタイムだと10秒45で、日本選手権に出ることと、春は関東インカレで決勝に残ることです。リレーは関東インカレの表彰台です。(今日は目標に近いタイムでしたが)そうですね、自分ではもうちょっとタイムが出るかな、と思ったんですけど決勝は力んでしまって。課題が残りましたね。(リレーの走りを振り返って)リレーは自分はちょっと遅かったんですけど、このあとの公式戦も今日のメンバーで走れるかわからないんですけど、バトンも何回かミスがあった中でもまぁ良いタイムが出たので次につながるような結果が出せたと思います。(新1年生が入ってきましたが)短距離には山縣っていう1年生がいるんですけど、リレーでも100mでもいいライバル、仲間なので一緒に切磋琢磨して速くなっていければと思います。

春山

(今日の走りを振り返って)2、3、4走と実力のある選手ばかりだったので、自分がトップでつなげれば優勝できるかなと思っていて、気分的には軽かったです。まぁいい走りは出来たかなと思っています。(シーズン最初の試合だったが)最高の形でスタートが切れたかなと思います。まだまだ目標とする大会はこれからなので、それに向けてこれからも練習を続けていきたいと思います。(今シーズンの目標は)5月の関東インカレが部としても自分としても1番大事な大会なんですが、その舞台でどれだけ活躍できるかが自分の中で1番大きいのでその試合に向けて今日はいいスタートが切れたと思います。(新1年生も入ってきましたが)これからメンバー争いが熾烈になっていく中で自分がどう生き残れるかっていう段階なので、1年生は速いですけど、自分のレースをちゃんとすれば結果はついてくると思うので、自分次第だと思っています。

和泉

(今日の競技を振り返って)調子は良いと思っていました。目標は関カレのB標準を切ることだったので、あと20センチくらい足りなかったので、残念でした。(2位という結果について)2位を取れてチームに貢献できたのは良かったと思います。でも、B標準を切るというのが目標だったので満足はしていないです。(慶大に入って初めての試合だったが、ユニフォームはどうだったか)引き締まりましたね。これから始まるんだな、というか。(これから4年間でどのように成長していきたいか)周りの新1年の仲間が強いので、自分も負けないように、全国レベルに活躍できるように4年間頑張っていきたいです。(桐朋高からはどのように入ったのか)指定校推薦で入りました。(この試合の位置付けは)初戦だったんですけど、B標準を切ることだけを考えていました。(コンディションは)体調とかは別にして、記録とかが最近良かったので、自分の中でも期待していました。(今年度の目標を)A標準の15メートル15を切って、来年の関カレに余裕を持って出られるようにしたいです。

茅田

(慶大入学後初の試合でしたが)今年初めての試合だったのでどのくらい走れるか不安だったんですけど、春山先輩がいい流れでつないでくれたのでその勢いのまま走れました。(満足できる走りだったか)そうですね、ただ個人的なラップタイムはまだ本調子ではないかなという感じです。(リレーでは唯一の1年生だったが)先輩たちがみんな速いので安心して走れました。今回はたまたま出られましたけど、今後はどんどんメンバー争いが熾烈になっていくので、今日は今日で一区切りしてまた明日から頑張ろうと思います。(4年間の目標は)やっぱり世界大会に出たい、ということもありますし、リレーでは全カレで優勝したいです。

川島

(今日が大学生としての初戦となったが)関東インカレが第一目標で、本大会には合わせていませんでした。だから調整はしていなかったのですが、5m20くらいは跳びたいな、と思っていました。今日の結果はいまいちです。(優勝したことについて)優勝は出来ましたが、記録が5m00と自分のなかでは低いので、(チームとして)8点取れたということは嬉しいものの、そんなに満足はしていません。だから正直なところ、そこまで嬉しくはないです。(今日の自身を振り返って)助走がちょっと走れませんでした。そのあたりはこれから関東インカレに向けて練習で合わせていけるかと思います。課題が見つかったということに関しては良かったです。(今後の抱負)第一目標は関カレで印象すること、そしてそこでA標準を跳ぶことです。今年の日本選手権は僕の地元、埼玉で行われるので、その大会で優勝したいと思います。日本選手権優勝は大学1年生の一番大きな目標なので、それに向かってこれから頑張ります。(大学4年間を通しての目標は)大学生のうちに世界大会に出場したいです。3年目にあるユニバーシアードや、その他のシニアの大会にも出たいです。そういう舞台で結果を残せるように準備していきたいと思います。 

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