【ソッカー(男子)】第17節 残留争うライバルにふがいない敗戦…光の見えぬ4連敗 桐蔭横浜大戦

泥沼から、抜け出せない。現在リーグ戦3連敗中の慶大は今節、ホーム・下田グラウンドで最下位の桐蔭横浜大と対戦。残留を争うライバルとの直接対決は今後を占う大一番となったが、立ち上がりから相手の勢いに押されて30分に先制を許す。67分には中盤の連係ミスからカウンターで2失点目。81分に田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)のゴールで1点を返したものの、反撃はここまで。1-2で敗れ、2部降格の文字もちらつき始めている。

 

第91回関東大学サッカーリーグ戦 第17節

 

2017/10/14(土)14:00KO@慶應義塾下田グラウンド

 

【スコア】

慶應義塾大学 1-2 桐蔭横浜大学

 

【得点者】

0-1 30分 浅沼大和(桐蔭横浜大学)

0-2 68分 岩下航(桐蔭横浜大学)

1-2 81分 田中健太(慶應義塾大学)

 

慶大出場選手

GK上田朝都(2・横浜F・マリノスユース)

DF井出悠介(3・桐蔭学園高)57 松岡瑠夢(1FC東京U18)

DF野村京平(2・国学院久我山高)

DF鴻巣良真(3・国学院久我山高)

DF中井健太(4・青森山田高)

MF手塚朋克(4・静岡学園高)

MF落合祥也(2・横浜FCユース)68 片岡立綺(4・桐蔭学園高)

MF近藤貫太(4・愛媛FC)

MF渡辺夏彦(4・国学院久我山高)

FW池田豊史貴(4・浅野高)68 小谷春日(3・藤枝東高)

FW田中健太(4・横浜F・マリノスユース)

 

ホーム・下田グラウンドでの試合となった

慶大は前節の順大戦(0●2)を落とし、現在リーグ戦3連敗中。後期も苦しい戦いが続いている。今節は、残留を争うライバルである最下位・桐蔭横浜大をホーム・下田グラウンドに迎えた。集中応援日ということもあり、多くの観客が慶大を後押しする。負傷離脱した北城俊幸(総2・青森山田高)に代わり、中井建太(総4・青森山田高)が左サイドバックに入った。

 

桐蔭横浜大に先制を許す展開

「うちは硬すぎた」。須田芳正監督がそう語った通り、慶大は立ち上がりから桐蔭横浜大の勢いに押されてしまう。守備から入る堅守速攻のスタイルとは言え、防戦一方の状況に。いつ堤防が決壊してもおかしくない状況の中、30分だった。中央の相手選手に慶大DF2人が引き付けられると、慶大は左サイドをフリーにしてしまい、折り返しを中央で豪快に蹴り込まれて失点。桐蔭横浜大に先制を許すと、その後も反撃の糸口を見出せないまま前半を折り返した。

 

田中健太(10番)のゴールで1点を返した

後半立ち上がりは慶大が盛り返す。56分、右サイドを駆け上がった手塚朋克(環4・静岡学園高)のクロスを大外で渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)がヘディングで合わせたが、相手に当たりゴールとはならない。62分にも渡辺夏が左サイドから中に切れ込んでシュートを放ったものの、上に外れてしまう。すると、慶大は66分に中盤の連係ミスからカウンターを受けて追加点を献上。ビハインドが2点に広がる。ここで、指揮官は池田豊史貴(総4・浅野高)と落合祥也(商2・横浜FCユース)を下げて小谷春日(環3・藤枝東高)と片岡立綺(総4・桐蔭学園高)を投入。ロングボール主体の攻撃から短いパスでつないでいくサッカーにシフトする。これにより相手を押し込み始めた慶大は81分、後方からの浮き球パスに反応した小谷のシュートが相手GKに弾かれたところを田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)が拾ってゴール。1点を返し、その後も得点を目指したが、同点弾とはならず試合終了。最下位に勝ち点3を与えてしまう痛すぎる結果で、リーグ戦4連敗となった。

 

忍び寄る“降格”の影を断ち切りたい

日体大との後期開幕戦(0△0)、第13節・法大戦(2〇1)でチームは波に乗ったかに見えた。だが、そこからまさかの4連敗。ロングボールを主体とした堅守速攻のスタイルで安定感を取り戻したように思われたが、ここ5試合で11失点を喫している。ボール奪取から前線の池田にロングボールを当て、そこを起点にゴールを目指すというサッカーを後期は一貫してきたものの、この日はその戦術を放棄してパスサッカーに転じるなど、戦い方にもブレが見え始めてきた。混迷を極めるチームは、別会場で勝利を挙げた11位・日体大に勝ち点で並ばれ、2部降格も笑い話ではないレベルにまで近づいている。残り5節となった2017年の関東リーグ。荒鷲軍団は、プライドを見せられるか――。

 

(記事 小林将平)

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試合後コメント

 

須田芳正監督

(試合を振り返って)相手の気迫の方が勝っていたということじゃないかな。それは感じたかな。(入りから相手の方が勢いがあった)勢いがあったね。それに押されちゃった。まあ硬かったね。ちょっとうちは硬すぎたかな、今日は。もちろん大事なゲームっていうのをみんな分かっていて、良い意味での緊張感ならよかったんだけどちょっと硬くなりすぎちゃったかな。そういう持っていき方をしちゃったんでね…。(残留を争う上で非常に重要な試合を落としてしまったが)まあもう終わったことなんで、しょうがないし、まだ(残留争いが)終わったわけじゃないんで、これからの戦いになると思うんで、やれるのは我々しかいないから、選手も含めて。ここをどう乗り切るか、みんなで力を合わせてやっていくしかないんで、こういう時ほど力を合わせてやっていくしかないんでね、前を向いてやっていくしかない。それしかないかな。(後半途中から選手交代も含めて戦術を短いパス中心に変更したがその意図は)もし負けていたらもう点数を取りに行くしかないから、そういう選手を入れてゴールを目指そうというのに切り替えた。(結果的にそれで勢いが出たように見えたが、今後スタートからそういう戦術を取る可能性はあるのか)まあちょっと考えて、もちろん相手を見ながら。もうちょっと考えていこうかなと思います。(3連戦3連敗となったがこの結果をどう受け止めているか)いやもう厳しい状況だけれども、だからと言ってまだこれからあるんで。ここで下を向いて負のスパイラルになるのが一番怖いんで、必ず来週の日曜日にはもう試合があるんで、そこの気持ちの切り替えのところをしっかりとやってそれで次のゲームに臨みたいなと思います。(次節は前期に完敗を喫した東洋大が相手となる)まずは気持ちの切り替えをして、こういう時こそ本当に前を向いてやるしかないんで、チーム一丸となってやっていきたいと思います。

 

手塚朋克(環4・静岡学園高)主将

(試合を振り返って)負けちゃいけない試合だったので、正直死ぬ気で勝ちにいかないといけなかったんですけど、非常に残念な試合でした。(残留争いをするチームとの対戦だったが)自分が言ったのは、今日を終えて良い1日だったと言えるようにしようということだったんですけど、それは試合内容もそうだし、勝利することでスッキリ終わろうと、自信を持ってぶつかれば何も怖くないと言ったんですけど、ただやっぱり前半の入りもちょっと中途半端になってしまったり、なかなかうまくいかずにズルズルいってしまったなという感じです。(ここ2試合ではサイドハーフでの出場が続いているが)当然警戒はされるので、自分のそこでの役割というのは攻撃で相手を1枚剥がしてクロス供給することなんですけど、今日は相手にすごく詰められて回数は出せなかったんですけど、そういう部分ではもっと自分が主将としてそういうパフォーマンスを上げていかないといけないと思いました。(後半途中から戦い方を変えたが)負けていたらつなごうという話にはなっていたので、そういう意味では自分もストロングポイントを出しやすいんじゃないかなと思っていたんですけど、なかなか自分の良さも出せなかったので残念です。(それでもここからまた勝ちに行かなければならないが)まずは切り替えないといけないし、切り替えたところで気持ちの部分だけじゃ勝てないと思うので、サッカーの内容とか修正するところは修正して、まずは原点に立ち直って自分にまず向き合うこと、チームに向き合うこと、そういうことを徹底していかないといけないと思います。(次節に向けて)もう1試合1試合どの相手にも負けられないので、死ぬ気で戦います。

 

鴻巣良真(総3・国学院久我山高)

(試合を振り返って)絶対落としてはいけないゲームを落としてしまった、というのが全てですね。明らかに相手の方が気持ちが入っていましたし、それはもう試合の入りで分かったし、こっちが受け身の状態になっちゃったのが良くなかったと思います。(前半のゲームプランは)もちろん前半は0-0で、というプランですね。できれば立ち上がり相手がそんなに入っていない時間、10分くらいで1点取れればすごくラッキーかなってくらいの感じで0-0を意識していました。(後半の戦術変更について)前半からロングボールを多用しすぎて、そのおかげか相手が間延びしていたので、もっとボールをつないで縦パスを入れたり横に広げさせたり、自分たちのリズムを作っていこうということを話しました。(試合後、コーチを交えたミーティングをしていたが)明らかにこっちが受け身になっちゃったね、という。試合の入りから相手が勝っていた、そこがまずありえない。このゲームに勝つ気があったのかじゃないですけど、勝てない一つの理由はそれでしたね。明らかにこっちが受け身になってしまった、という話をしました。(次節に向けて)勝つために一人ひとりがどういうことをしないといけないかという事を考えて行動しないといけないというのが全てで、その危機感、勝たなきゃいけないという危機感を自分から発信していかなければいけないと思います。

 

上田朝都(2・横浜F・マリノスユース)

(試合を振り返って)今日は相手が最下位の桐蔭で、絶対に落とせないという話をしていたのに落としてしまった結果は非常に残念に思っています。自分たちがやりたいサッカーというのを監督も強調していたんですけど、選手の中ではあまり共通意識が持てていなかったのかなと。自分たちがやりたいサッカーがあまり分からないまま、個人のやりたいサッカーをやっている人が多かったイメージで、勝ちたいという思いはみんな持っていたと思うんですけど、それが良くない働き方をしたというか、一人ひとりが勝手に動いちゃったかなと思います。(前節の順大戦では、敗れはしたものの戦い方はチームとして統一されていた)順大戦も東国大戦も前半はすごく良かったんですけど、後半どう戦うかとなったときに崩れて3失点してしまって本当にもったいない試合でした。戦い方の統一という意味では、ディフェンスラインからFWに当ててこぼれ球を拾って、守備はしっかりブロックを作ってというのはしっかりしていて、ただ後半は前から行くのか引いて待つのかというところが後ろと前でずれちゃったのかなというところはありました。今日に比べたら統一できていた面も確かにあったかなと思います。(4連敗となったが、やはり失点が多い)そうですよね。後期もう10以上失点していますよね。前期は、筑波だったり順天だったり結構大事なところをゼロに抑えることができていたんですけど、今は格上相手にも予想通りの戦いをしちゃうじゃないですか。それでこうやって下位との対戦も落としちゃうと…。失点が多いのは自分の責任なので、そこは自分が改めなきゃいけないですけど、もっとこの結果にみんなが向き合って、何をしたいかより何をするべきかに焦点を当てていけたらと思います。(後期の自身のパフォーマンスについて)納得は全然していないです。前期は止めてたいというのはあるんですけど、この短期間で変わることはないですし、守備っていう面ではディフェンスラインは安定してきているし、良くやってくれていると思います。その中でも決定的なピンチというのは来て、それは一見ノーチャンスに見えるかもしれないですけど、そういうのを止めないとダメだし、止められるからこそ監督やコーチは僕を使ってくれていると思うので、止めないと俺が出ている意味はないと思っています。(次節に向けて)ここからはもう全部自分たちより上の順位のチームなので、勝ち点を拾って積み重ねるしかないですよね。幸いにもまだ降格圏には落ちていないですから、それをポジティブに捉えて、ここから必死に勝ち点を1でも多く取ることが大事になると思うので、謙虚にやっていきたいなと思います。

 

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