慶應スポーツ新聞会

【野球】秋メイジを乗り越えろ! 明大戦展望

第3週、慶大が2戦目として戦うのは明大だ。昨季は激しい優勝争いを繰り広げた強敵。そしてこれまでのシーズンで明大は春より秋に好成績を残す傾向があり、最も警戒すべき相手と言えるだろう。その一方で前週は宿敵・法大相手に引き分けの後連敗を喫し、早くも優勝に黄色信号が灯っている。これまでの明大の秋季の内容を振り返り、前週明大が苦しんだポイント、そして慶大がいかに戦うべきかを考察した。

1.秋メイジの強さとは

勝率

打率

防御率

17秋

.727②

.293①

3.00①

17春

.455⑤

.221⑤

2.99②

16秋

.818①

.296①

1.78①

16春

.667①

.254②

1.83①

15秋

.692②

.249③

2.51①

15春

.500④

.256③

1.90②

14秋

.692①

.246③

2.06①

14春

.538③

.265③

2.72④

13秋

.750①

.254②

2.29④

13春

.714①

.247④

1.88①

12秋

.538④

.224④

2.11③

12春

.538④

.298①

2.54②

11秋

.769①

.307①

2.87③

11春

.538④

.239③

2.10②

※橙が優勝、赤が日本一

昨年までの8年で春の優勝は2度だが、秋の優勝は4度。春に優勝した年は必ず秋も優勝しており、秋に強いと言っていいだろう。この要因は春から秋に向けての準備だ。一昨年の春は優勝しながらも全日本大学野球選手権では貧打に泣き初戦敗退。その悔しさをバネに打撃強化に励んだ結果圧倒的な打力で六大学と神宮大会を制し日本一に輝いている。昨年も春はチーム打率リーグ5位という打撃不振に陥りながら秋は3割打者4人、規定未到達ながら20打席以上で4割越えが2人と切れ目のない打線でチーム打率は3割に迫った。投手力についてもここ4年は改善される傾向にあり、チーム力として更に強化されているのがわかる。昨季はチーム打率が.295と3割に迫りリーグ1位、チーム防御率は2.94で3位だった。打率がこれ以上良くなるとは思えないが、防御率は改善の余地がある。秋は明大の投手力に要警戒となるだろう。

 

2.前週の明法戦をクローズアップ

ここまで秋の明大は春以上の強さを持つと紹介したが、明大は初戦となる法大戦を連敗で落としてしまった。

2試合2完投で防御率2.00と安定した働きをみせる森下暢

まず初戦、明大はエース森下暢仁(政経3・大分商業)の先発でスタート。森下暢は3回までパーフェクトピッチングを見せたが4回5回と連打を浴びて失点。7回に期待の新星内山竣(商3・静岡)の代打同点適時打で追いつくと、8回は2死から渡辺佳明(政経4・横浜)、逢澤崚介(文4・関西)、越智達矢(経営4・丹原)の3連打でついに勝ち越した。しかし最終9回に追いつかれると、その裏チャンスを作るも好守にはばまれ引き分けに持ち込まれた。

2戦目はリーグ戦初先発の竹田祐(政経1・履正社)が先発。初回に逢澤の隙を付く明治らしい好走塁で先制するも、4回5回と長打がらみで失点し逆転を許す。7回に同点に追いつくも、最後は7回から登板の3番手・入江大成(政経2・作新学院)が力尽きてサヨナラ負けを喫した。

負けられない3戦目、初戦で150球完投の森下暢が中1日で先発のマウンドへ上がった。森下暢は疲労こそ見せながらも8回まで散発の被安打4と丁寧な投球。一方で明大打線は毎回のようにランナーを出しながらなかなか得点が奪えない。そして9回、1死二塁から先制の適時打を許すと、さらにエラーも絡みもう1失点。裏の攻撃でも得点が奪えず完封負けとなった。

投手はエース森下暢を中心に3試合で失点8と安定した投球を見せた。気になるのは総失点の半分の4点を9回に、それも全3試合で奪われているという点だ。特に森下暢は5失点中3失点が9回に奪われたもの。法大の粘り強さも考慮しなければいけないが、春の慶明1回戦でも8回までは1得点しか挙げられなかった慶大打線が、9回に2得点して同点に追いついたことも踏まえて考えると明大のウィークポイントと考えていいだろう。また、春季は2戦目を任された伊勢大夢(経営3・九州学院)や中継ぎの一角を担ったルーキー磯村峻平(文1・中京大中京)の六大学選抜コンビがベンチ外という台所事情も気になるところだ。

そして何よりも深刻なのが得点力不足だ。昨季は六大学一番の破壊力を持っていた明大打線だが、前週の法大戦では3戦で5得点に封じ込められた。チーム打率.235と低調の原因は昨季ブレイクしベストナインを獲得した1番吉田有輝(商4・履正社)と5番森下智之(文4・米子東)のコンビがともにノーヒットに抑え込まれた点にあるだろう。中軸の前にランナーが出ず、中軸を返せないとなると得点は厳しくなる。ともに3戦目はスタメンを外れたが、代わりの1番5番も7打数1安打で役割を果たせなかった。中軸の2番渡辺佳、3番逢澤、4番越智は3人で13安打と低調な打線で奮起している。特に渡辺佳は5割、越智は.455と好調だ。明大としてはうまくこのクリーンアップで得点することが必須になってきそうだ。また、四死球が3試合でわずか4つ。与四死球の少ない傾向にある法大投手陣相手とはいえ、攻撃の糸口をなかなかつかめなかったことが表れていると言っていいだろう。

 

3.東大戦振り返り

現在.750で首位打者に立つ瀬戸西

ここから慶大の東大戦振り返りを行っていく。初戦の初回に髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が被弾するなど、投手陣は全体的につまずいてしまった。2試合で8失点と”U2”(2失点以下)には遠く及ばない成績だ。

2試合とも7安打ずつを許し、1本塁打に加え二塁打も3本許すなど4長打が全て失点に絡んでしまった。開幕戦は初回、2回戦は森田晃介(商1・慶應)から継投に入った6回など、投手の立ち上がりを狙われての失点が目立った。また、先頭打者を出した4イニング3イニングで失点している。失点したイニングも4イニングで、そのうち3イニングで先頭打者を出していることになるため、気を付けたい。また、「守り」という面では2試合で2つエラーが記録されている。守りの面では課題が見えた2連戦だった。

野手を見てみると1回戦は8安打11四死球で6得点、2回戦は15安打6四死球で10得点。2試合とも中盤で1度ビッグイニングを作って大勢を決めて逃げ切った形だった。一方で残塁は2試合とも二桁(13,10)。1回戦では3者残塁が3度とチャンスでの1本がやはり課題だった。長打という面では中村健人(環3・中京大中京)が2戦連発してアピールしたが、それ以外は2試合とも二塁打2本ずつのみと結果に表れなかった。スタメンを入れ替えたり選手交代を積極的に行ったことも一因かもしれないが、選手たちも満足とはいかなかったようだ。明大戦ではさらなる結果を期待したい。

 

4.明大戦対策とは

明大は雨天中止と引き分けの後の連敗ということもあり万全ではない。しかし初戦の先発は中3日で森下暢が登板してくるだろう。春季も立大戦で1戦目で登板すると中1日で3戦目を完投。さらに中4日で慶大戦に先発して9回に崩れたものの、8回まで完璧な投球を見せればさらに中1日で先発するタフネスぶりを見せつけた。このことからも森下暢の先発が濃厚だ。

MAX150㌔を超える速球に特徴的な大きいカーブ、速さの異なるスライダー、チェンジアップを扱う本格派右腕はこの夏、大学日本代表に選出され、日米大学野球では開幕投手を任された。3年ながら大学野球界を代表する投手といってもいいかもしれない。しかしこれまでの慶大戦では3登板3先発で16回1/3、9失点、被安打21、四死球9、奪三振13で防御率3.72。実は勝利を挙げていない。

 

打率(打数―安打)

長打率

出塁率

小原

.200(5―1)

.600

.429

河合

.333(6―2)

.333

.429

柳町

.333(9―3)

.555

.400

郡司

.750(8―6)

1.125

.800

内田

.143(7―1)

.143

.143

嶋田

.200(5―1)

.200

.333

それぞれの上位打線を対戦成績で見ると慶大が抑え込まれているわけではないとわかる。特にU18ではバッテリーを組んだ経験も持つ郡司裕也(環3・仙台育英)はカモにすらしている。東大戦では本調子でなかった主砲が得意の森下暢相手に目覚めるか。気になるのはその主砲の直後だ。5番起用が予想される内田蓮(総4・三重)はわずかヒット1本、嶋田翔(環2・樹徳)も3打席連続三振に抑え込まれるなど中軸の直後がうまく機能できていない。ここをクリアすることができればより森下暢から得点を奪うことができるはずだ。非常にポテンシャルの高い投手だが、慶大らしくなんとか食らいついていきたい。

2戦目の先発は竹田が濃厚だ。テイクバックの小さいフォームから140㌔前後の直球とスライダーを軸にした丁寧な投球が武器。リーグ戦初先発の法大2回戦では6回途中までを2失点。7安打を浴びながら無四死球5奪三振と試合を作ってみせた。春の慶大戦では3回戦1点リードの6回に登板したが、代打植田清太(総4・慶應)に適時二塁打を浴びてイニングの途中に降板している。春は難なく打ち崩したが、先発を任されるまで成長しているだけに油断はできない。法大戦では7被安打のうち5本を左打者に浴びており、左打者が攻略のカギになりそうだ。

中継ぎでは速球が武器の入江、髙橋裕也(総数4・向上)と髙橋聖人(商1・小諸商)の髙橋コンビ、左の石毛力斗(文2・健大高崎)とタレントぞろいで、強力な先発をマウンドから下しても気は抜けない。もちろん伊勢、磯村もブルペンに帰ってくれば厄介な存在だ。打ち崩すのは困難だが、バットを振り込んだという夏の成果を今度こそ見せてほしい。

明大の打者は前述したとおり、不調気味だが春は猛威を振るった打線は侮れない。

 

打率(打数―安打)

長打率

出塁率

吉田

.200(10―2)

.300

.273

渡辺佳

.250(12―3)

.250

.357

逢澤

.200(10―2)

.200

.333

越智

.250(8―2)

.500

.400

森下智

.333(9―3)

.555

.400

高瀬

.333(9―3)

.333

.455

昨秋には2発を放った高瀬

昨季の対戦成績を見ると上位打線に対して良く抑えている。しかし出塁率に換算すると軒並み3割以上の数値を残されている。3試合で18被安打14四死球と綱渡りでも9失点に抑えた投手陣の粘り強さがこの数値からもうかがえる。今季も上位打線を乗せないよう慎重に攻めていきたい。逆に打たれてしまったのが下位打線。主に6番を任された森下智、慶大戦では7番で全試合スタメンだった高瀬雄大(経営4・長崎西)には良く打たれてしまった。両者とも前カードの法大戦で好成績は残せなかったが、怖い存在であることは間違いない。打線は越智以外は左打者が多い打線だけに髙橋佑樹(環3・川越東)はフル回転の活躍が必須になってくるだろう。佐藤宏樹(環2・大館鳳鳴)、田中裕貴(環4・芝)といった東大戦ではベンチ入りしなかったサウスポーたちの復活も欠かせない。また、菊地恭志郎(政4・慶應志木)は右投手だが昨年春には完封勝利を挙げ、昨季も負け投手にはなったが7回被安打2と明大打線を封じ込めている。春季同様、継投で最少失点で抑えていきたい。

 

現在は次週対戦する法大が勝ち点を連取し、他大学を一歩リードしている状況だ。3連覇に向けて、大久保監督は「9月に6勝」という目標を掲げている。東大に連勝したが、ここから明大に2勝、法大には連勝しなければこの目標は達成できない(法大戦の月曜日は10月1日であるため)。唯一の”連戦”となる明大戦と法大戦。自分達の課題を乗り越えて2つ目の勝ち点を獲りにいく。

対戦成績(第2週終了時点)

 

慶大

立大

明大

早大

法大

東大

慶大

 

第6週

第3週

第8週

第4週

6―4

10―4

立大

第6週

 

第7週

第3週

第5週

○○

明大

第3週

第7週

 

第6週

●●

第5週

早大

第8週

第3週

第6週

 

●○○

第4週

法大

第4週

第5週

○○

●○○

 

第7週

東大

●●

●●

第5週

第4週

第7週

 

 

順位表(第週終了時点)

順位

大学

勝ち点

試合

勝率

法大

0.800

慶大

1.000

立大

1.000

早大

0.333

明大

0.000

東大

0.000

(記事:尾崎崚登)

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