慶應スポーツ新聞会

【ラグビー】ラストプレーで痛恨の逆転負け 「規律」の再確認に急げ/関東大学対抗戦④VS日本体育大

対抗戦後半戦はまさかの黒星スタートとなった

関東大学対抗戦Aグループ vs日本体育大

慶大27-30日体大

11月4日(月・祝)14:00K.O.

@上柚木公園陸上競技場

 

 

ラグビーワールドカップ日本大会開催による休止期間を終え、ついに対抗戦が再開。大学選手権出場のためにはもう負けられないと臨んだ初戦で、ロスタイムに逆転負けを喫した。レフリーの判定と噛み合わない場面も目立ち、最大17点あったリードを保つことができなかった。10日(日)には早くも次戦・明大戦が控え、課題の改善は急務だ。

T=エノサ、鬼木、山本凱、マプスア
G=高木、中楠
PG=中楠

自分たちの目指してきたラグビーで先制した

日体大のキックで試合が始まった。自陣からのCTBイサコ・エノサ(環1・King’s College)のキックを受けた相手選手がタッチラインを割り、マイボールでのラインアウトへ。それを成功させると、アドバンテージを獲得した中、SO中楠一期(総1・國學院久我山)のハイパントキックのこぼれ球にうまく反応したCTBエノサがインゴールに飛び込み、幸先よく先制した。今年ずっと理想に掲げてきた、キックを起点とした攻撃が形になった。

対抗戦デビューを果たしたエノサのトライ

その後も自陣で相手のキックを受けたSO中楠が敵陣へ切り込み、その後は敵陣での時間が続く。ターンオーバーを許しても、この秋対抗戦初スタメンとなったWTB鬼木崇(法1・修猷館)、FB沖洸成(総3・尾道)らバックス陣のタックルで反撃を許さなかった。この日何度も組み直しを強いられたスクラムでペナルティを獲得すると、敵陣でのラインアウトから左に展開し、20分にWTB鬼木のトライで追加点を挙げた。

初スタメンながら攻守で活躍を見せた鬼木

さらに26分のFL山本凱(経2・慶應)のトライ、続くWTB高木一成(商4・慶應)のコンバージョンキックも決まり17―0と大きくリード。慶大が優位に試合を進めるかに思われた。

山本凱のトライ

だが、ここから日体大の反撃が始まる。33分には慶大のディフェンスでのペナルティから、相手がラインアウトを起点に粘り強い展開を見せ、慶大はこの日最初の失点を喫した。

その後も敵陣でのペナルティで自陣のラインアウトに持ち込まれると、そこからのモールでペナルティを連発。粘り切れずに42分にトライを許し、17−12と追い上げられた。

終了間際に敵陣ゴール前まで迫ったが、ここでも反則をとられ得点には結びつかなかった。前半最後の10分で2トライを許し、1トライ分の5点差。「追われる側として、気持ちの部分が自分たちはまだ脆い」と振り返ったCTB栗原由太(環4・桐蔭学園)ら慶大フィフティーンの焦りに包まれた表情は、押せ押せムードの日体大ベンチと対照的だった。

前半にキッカーを務めた高木

後半は開始からWTB鬼木が相手のブラインドにつけ込み敵陣深くまで切り込むも、この日何度もとられたオブストラクションでまたも好機を逃した。

それでも15分にはSH上村のグラバーキックが相手選手のハンドリングエラーを誘い、マイボールスクラムからCTB栗原、WTB宮本恭右(総3・慶應)と展開し、最後はこの日No.8に入ったアイザイア・マプスア(総1・King’s College)がグラウンディング。SO中楠のコンバージョンキックも成功した。その後SO中楠が敵陣での相手のオフサイドからPG(ペナルティゴール)を決め、27―12と再び突き放した。

PGを成功させた中楠

だが25分、29分と連続して慶大がとられたペナルティに対し、日体大はPGを2本成功させ、徐々に点差を縮めていく。

さらに、マークしていた相手センターの2人とNo.8の3人にプレッシャーをかけきれず、敵陣からの独走を許して追加点を決められ、27―23。ついに1トライ以内に迫られてしまう。

試合終盤、敵陣22メートルラインの内側まで持ち込むもターンオーバーを許したところでロスタイムに突入。その後慶大は何度もアドバンテージを与えながら、じわじわと自陣まで戻され、相手ウィングにゴールラインを割られてしまった。観客席の日体大サイドからはノーサイドのホイッスルをかき消さんばかりの歓声が沸き起こり、慶大の選手の中にはそのままグラウンドに座りこむ者も見られた。実に11年ぶりの日体大戦での黒星。すでに1敗で迎え、ここからの巻き返しを狙って臨んだ11月、出鼻をくじかれるかたちとなった。

試合終了直後、うなだれる慶大の選手たち

試合の序盤に決めたCTBエノサの先制トライ、後半のNo.8マプスアのトライにそれぞれ持っていくまでの流れは、あれこそまさに目指すラグビー、間違いなく自分たちの時間だった。しかしFL川合秀和(総4・國學院久我山)が「(流れが)傾いた時にうまく取りきることができなかった」と振り返る通り、あと1本が遠かった。何度も組み直したスクラムが苦痛だったかもしれない。攻守においてレフリーの判定が腑に落ちなかったかもしれない。だが、「もう結果は結果として受け止めるしかない(川合)」。

途中出場で躍動した宮本

1週間もしないうちに明大戦がやってくる。1ヶ月で4試合、2つと落とせない状態の初戦から黒星という結果になり、ついに追い込まれた。次戦の相手・明大は7月の対戦で前半を1トライに封じる接戦を演じ、夏の練習試合では快勝。悪いイメージはないはずだ。しかし相手は昨年度大学日本一。難しい試合になることは避けられない。今回の課題を克服し、秩父宮の大観衆の前でリベンジを果たしたい。

 

 

(記事:竹内大志 写真:萬代理人、野田快、松嶋菜々美)

 

次戦 vs明大

11月10日(日)11:30K.O.

@秩父宮ラグビー場

 

以下出場メンバー、試合後コメント、星取表

◇出場メンバー

Starter

1.PR(プロップ) 有賀光生(総4・國學院久我山)

2.HO(フッカー) 原田衛(総2・桐蔭学園)

3.PR(プロップ) 大山祥平(経3・慶應)

4.LO(ロック) 相部開哉(政3・慶應)

5.LO(ロック) 今野勇久(総1・桐蔭学園)

6.FL(フランカー) 川合秀和(総4・國學院久我山)

7.FL(フランカー) 山本凱(経2・慶應)

8.No.8(ナンバーエイト) アイザイア・マプスア(総1・King’s College)

9.SH(スクラムハーフ) 上村龍舞(環4・國學院栃木)

10.SO(スタンドオフ) 中楠一期(総1・國學院久我山)

11.WTB(ウィング) 鬼木崇(法1・修猷館)

12.CTB(センター) 栗原由太(環4・桐蔭学園)

13.CTB(センター) イサコ・エノサ(環1・King’s College)

14.WTB(ウィング) 高木一成(商4・慶應)

15.FB(フルバック) 沖洸成(総3・尾道)

Booster

16. 安田裕貴(政4・慶應)

17. 朝田将多(環1・國學院久我山)

18. 室星太郎(総4・静岡聖光学院)

19. 良知健佑(商4・慶應NY)

20. 内田尚輝(経4・慶應)

21. 高野倉建生(商4・慶應志木)

22. 鎌形正汰(商3・慶應)

23. 宮本恭右(総3・慶應)

選手変更
25分 相部開哉→19 良知兼佑

40分 高木一成→23 宮本恭右

 

◇試合後コメント

CTB栗原由太主将(環4・桐蔭学園)

――今日の試合の率直な感想をお願いします

規律の部分と自分たちの気持ちの部分ですね。一つ一つの状況を人任せにしていたり、自分ごととして捉えられていない人が、15人の中にもいるというのがよく分かりました。

あとは、あらためて追われる側として、気持ちの部分が自分たちはまだ脆いなと感じました。

スキルとかは良かった部分もあったんですけど、どちらかといえば(課題は)メンタルの部分ですね。そこが勝負のあやだったのかなと思います。

 

――ペナルティを重ねてしまう場面が目立ちました。その原因はどこにあったのでしょうか

自分たちにフォーカスするというより、レフリーにフォーカスしていた人間が多かったです。レフリーはレフリーで対応しなきゃいけないので、レフリーにいくら文句を言ったところで変わりません。そういうことをみんなが自覚する必要があります。

そっち(レフリーの判定)に気を取られて、プレーに集中できていない人間が何人かいました。僕も含めですけど、試合に集中できるようなマネジメントをできなかったことが仇になってしまったかなと思います。

 

――試合が終わった後、他の部員と話し込む姿が見られました。あの時はどんな話をしていたのでしょうか

「もうほんとに後がない。やるしかないよ」という話をしました。今こそチーム全体の力が必要だし、今やるしかない状況をどう考えるかという部分ですね。「明後日からしっかり切り替えて、練習にむけて全てぶつけていこう」と伝えました。

 

――日体大で警戒していたのはどういったところでしょうか

8番、12番、13番がキーマンという話をしていたので、その3人をしっかり常にマークしよう、と決めていました。

ただ、後半12番に走られたりして、一番やられたくない、やられてほしくないプレーヤーに流れを持っていかれる場面がありました。

そういうところも詰めが甘かったかな。その3人を常にマークし続ける、という話はしていました。

 

――前回の成蹊大戦から中断期間を挟みました。そういった部分でやりづらさはありましたか

いや、それは特になかったですね。

中断期間でも試合を組んでいただいていて、実戦の機会もありました。そういう面では、特別変にやりづらい部分はありませんでしたね。

 

――ご自身のプレーを振り返って、良かった点はどういったところでしたか

ディフェンスですね。

ディフェンスは最近ずっと注力してきてやってきました。今日の試合でも足で追えて、タックルした後も足をつけることができていました。そこは評価できるところかな、と思います。

 

――逆に課題は何かありましたか

もっとボールを供給できたらな、と思いましたね。もっとBK陣で攻めることができる場面あったので。

あとは上手く僕たちからエリアマネジメントできればよかったです。今日は、一期(=中楠)から(のマネジメント)が多かったんですけど、僕とかアイス(CTBエノサ)ができたら面白いんじゃないかな、と思いました。

 

――来週の明治戦に向けての意気込みをお願いします。

もうただ一つですね。

全部ぶつけます。後がないので、僕たちは。

やりきるだけなので、全員で準備をします。

 

 

FL川合秀和副将(総4・國學院久我山)

――試合を終えていまの率直な感想

もう結果は結果として受け止めるしかないので、今回の規律の部分だったりをしっかり厳しく受け止めたいです。これからすぐ明治との試合なので切り替えていくしかないなと思っています。

 

――試合を振り返って。まず前半は

前半は最初いい流れで得点を取ることができました。しかし、競る時間というか、お互いに譲らない時間が長く続いて(流れが)傾いた時にうまく取りきることができなかったのは自分たちの実力だと思っています。前半の終わりなどもそうですが、取りきることができなくて、そういった部分が目立って後半に響いてしまったのかなと思っています。

 

――前半、相手のモールで攻められる場面がありました

試合の中で話して改善できる部分は改善できたと思っています。途中交代した選手もいて、そこでうまくマネジメントできればよかったですが、意思疎通が取れていない部分があって、そこで押されてしまった部分もあるのかなと思います。

 

――続いて後半は

前半からの負の連鎖を断ち切れませんでした。最終的には僕たち23人のメンタル部分などの差だと思っています。辛い時に自分たち一人一人がどういう風に動くのかがすごく大事だと思うので、もっときつい練習をしていきます。外からのアプローチをしていくというのもひとつの手だと思っています。

今回は、筑波戦とまた同じような負け方をしてしまった点が本当に悔しいですね。

 

――週末には昨年日本一の明治大との対戦があります

今日は規律の部分で自分たちを自分たちで殺してしまっていました。こういう試合をしていてはどんな相手にも勝てないので、ここは課題として次につなげていきたいです。ここからの明治戦、早稲田戦、帝京戦は勝たないと大学選手権には進めないので、上を倒すというチャレンジャーの気持ちで、ひたむきに練習して、ひたむきに挑んでいくしかないと思っています。頑張ります。

 

 

SH上村龍舞(環4・國學院栃木)

――試合を振り返って

前半の入りと後半の入りは良かったと思います。相手のキーマンにプレッシャーをかけられなかったのが敗因だと思います。本当に追い込まれたので後はやるだけという感じです。

 

――今日のゲームプランは

相手の強みは外国人選手とセンターの選手と把握していました。そこにプレッシャーをかけて相手のアタックを封じ込め、組織で戦うことを掲げて試合に臨みました。

 

――コンテストキックが多かったですが、キックゲームを振り返って

時々真上に上がってしまったので、もっとキックの精度を上げるように頑張っていきたいです。

 

――積極的にボールを持って走っていましたが、どういう意図がありましたか

そこは強気にやる自分の強みです。明大戦でもしっかり強気に前に行きたいです。

 

――今後に向けて

やるしかないのでもう一度チームがマインドを変えることと、自分自身としてキックを蹴る場面が増えると思うのでそこの精度を上げたいです。

 

 

WTB鬼木崇(法1・修猷館)

――今日の試合を振り返って

悔しいです。

 

――攻守にわたって活躍している場面が目立ちましたが

今日はいつもイメージしているようなプレーができ、ディフェンスでも良いプレーができました。

 

――タックルをはじめ特に守備でも目立つ場面がありましたが

今週は(相手の)12番や13番がキーマンだったので、内から抑えて外で止めようというのがフォーカスでもあったのですが、その部分をしっかりできていたので、たまたま良いプレーができただけです。

 

――個人的な課題とチーム全体としての課題は

ずっと呼んでいたのですが、味方が来てくれても、結構余られている状態だったので、そこを改善できると思います。チーム全体としての課題は後半入ってからいつもやられているので、後半もっと締め直して、徹底してとりきれるようなチームにならないといけないと思います。

 

――残りの対抗戦に向けて一言

まずは自分が(試合に)出られるように頑張ることと、出たらしっかりとみんなでトライをとって、自分の仕事をして、勝利に貢献したいです。

 

◇星取表

 

帝京大

早稲田大

慶應義塾大

明治大

筑波大

青山学院大

日本体育大

成蹊大

勝敗

帝京大

 

11/10 
@秩父宮

11/30 
@秩父宮

11/24 
@秩父宮

24○22

80○7

59○30

78○7

4勝

早稲田大

11/10 
@秩父宮

 

11/23 
@秩父宮

12/1 
@秩父宮

52○8

92○0

68○10

120○0

4勝

慶應義塾大

11/30 
@秩父宮

11/23

@秩父宮

 

11/10 
@秩父宮

14●17

35○3

27●30

101○0

2勝2敗

明治大

11/24 
@秩父宮

12/1 
@秩父宮

11/10 
@秩父宮

 

59○33

63○12

103○0

139○5

4勝

筑波大

22●24

8●52

17○14

33●59

 

11/30 
@江戸川陸上競技場

11/24 
@前橋敷島公園

11/10 
@熊谷ラグビー場Bグラウンド

1勝3敗

青山学院大

7●80

0●92

3●35

12●63

11/30 
@江戸川陸上競技場

 

11/10 
@熊谷ラグビー場Bグラウンド

11/24 
@前橋敷島公園

4敗

日本体育大

30●59

10●68

30○27

0●103

11/24 
@前橋敷島公園

11/10 
@熊谷ラグビー場Bグラウンド

 

11/30 
@江戸川陸上競技場

1勝3敗

成蹊大

7●78

0●120

0●101

5●139

11/10 
@熊谷ラグビー場Bグラウンド

11/24 
@前橋敷島公園

11/30 
@江戸川陸上競技場

 

4敗

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