夏の訪れを感じるほどの暑さの中行われた第92回早慶レガッタ。今年の女子対校は舵手付きフォアで行われ、連敗阻止を狙うも早大の壁は高く敗退。一方、第二エイトは序盤から一歩出たうえ、その差を詰められることなく2年連続の勝利を飾った。
2023年4月16日(日)第92回早慶レガッタ @隅田川
♢女子対校♢
〈クルー〉
C:井染竜之介(経3・慶應)
S:久松真麻(経3・慶應湘南藤沢)
3:笠原万維(商3・慶應湘南藤沢)
2:荻内杏奈(法2・慶應湘南藤沢)
B:申裕美(法2・都立富士)
〈タイム〉
1着:早大 3分41秒63
2着:慶大 3分54秒49
〈艇差〉
4艇身
30年以上勝利から遠ざかっている女子対校を今年は舵手付きフォアで行われることとなった。昨年のようなほとんどが4年生のメンバーとは異なり、3年生3人、2年生2人とフレッシュなメンバーで挑んだ。
舵手付きフォアはエイトに比べて距離が短くメンバーも少ないため、序盤から食いついていく必要があるが、少しずつ離されていく。慶大は必死に追いかけるも、早大のラストスパートで一気に離されることとなった。結果、大差をつけられ敗れ、連敗を止めることはできなかった。しかし、着実に成長している彼女らはこれで挫けることなく練習に励み、来年また隅田川で、早大に挑むことになるだろう。
選手コメント
久松真麻選手(経3・慶應湘南藤沢)
――振り返って
今年で2年目ですが、まず前回より漕げたし、昨年より早稲田が近くに見えて、冷静になれていたのが良かったです。しかし近くに見えていただけに悔しさが昨年よりあります。
――今回の失点は
スピードコーチというどれだけオールを回しているかを測る機械がスタート直前に切れてしまっていつもと違う状況になってしまったのでもう同じようなことが起こらないようにと反省しています。
――来年への意気込み
隅田を経験したというのは大きな糧だと思うので、その経験を生かして、1年間この舞台で勝つ事を目標に全力で勝ちにいきたいと思います。
荻内杏奈選手(法2・慶應湘南藤沢)
――振り返って
初めての経験だったので、とにかく全力で漕ごうとしていました。それに関しては波があってなかなかうまく漕げなかったのですが自分の出せる全力は出せたと思うので、練習して次は勝てるようになりたいです。
――来年への意気込み
これからの1年でもっとボートの技術をつけて、体力もつけて自信を持って「絶対に勝てる」という状態に持っていきたいと思います。
♢第二エイト♢
〈クルー〉
C:笹生健介(経2・慶應)
S:阿部優貴(商2・慶應)
7:深川大地(政3・慶應)
6:中村遼太(経2・慶應)
5:城座泰志(経2・慶應)
4:細谷蓮太郎(経2・慶應)
3:鈴木颯真(経2・慶應)
2:小林寛季(経2・慶應志木)
B:中村大河(法2・慶應)
〈タイム〉
1着:慶大 12分45秒96
2着:早大 12分54秒28
〈艇差〉
1と1/2艇身
勝利を掴み、次の対校エイトへつなぐためにも負けられない第二エイト。今年の第二エイトは9人のうち8人が2年生という昨年よりも若々しいメンバーがそろっていた。その中には昨年第二エイトクルーとして勝利した深川大地(政3・慶應)の姿もあり、勝利のために突き進む姿を見せた。
慶大はスタート直後は早大との一進一退の攻防を見せた。しかし700m付近の両国橋にて早大から一歩先に出た慶大は、そのリードを守るべく漕ぎ続けた。1450m付近の蔵前橋付近では早大がピッチを上げて差が詰まっていたが、その後の厩橋で慶大もペースを上げたことで詰まってきた差を再び開き、早大を牽制した。
3000m付近の言問橋では両チームがラストスパートをかけ始め、早大が逆転のためにペースを上げ始めたが、慶大はそれを許すことなく力強い漕ぎで早大を寄せ付けず。スパートをかけ始めた頃はまだほとんどなかった差はゴール付近では1と1/2挺身まで広がり、昨年に続き勝利をつかんだ。
選手コメント
クルーキャップ・深川大地選手(政3・慶應)
――振り返って
2年生に僕が支えてもらいました。全体として練習でやってきたことがちゃんとできたと思います。
――早大と差を付けられたポイントは
厩橋でアタックをかけて(勝負に)絶対に行くというレースプランがあり、それがはまり、引き離すことができて、勝負を決められたと思います。
――今シーズンの意気込み
僕は対校の(クルーの)選考で負けて出られませんでしたが、第二エイトでクルーリーダーとして経験を積ませてもらって、いろいろな気づきや後輩の指導、クルーを作っていく難しさなど新しい経験ができてまた成長できたと思うので、これから全日本、インカレに向けて、もっともっと活躍できる選手になりたいと思います。
笹生健介選手(経2・慶應)
――振り返って
本当にうれしいです。あと、ほっとしたというのも大きいです。
――コックスとして難しかったこと
今までイメージしていたのと、当日の朝の途中の地点のランドマークという、寄らなくてはいけない点がずれていて、そこに戸惑いました。
――どう修正したか
行きの練習中に確認して、イメージしながら対応しました。
――今シーズンの意気込み
これから全日本が1か月後に迫っているので、もう1回気合いを入れ直して、出し切れるように頑張っていきたいです。
中村遼太選手(経2・慶應)
――振り返って
最高のレースができました。すごく嬉しいです!
――早大と差を付けられたポイントは
気合いと覚悟と慶援で早稲田を上回れたと思います。
――来年の早慶レガッタへの意気込み
来年は第二、対校とともに早稲田をもう一度圧倒します!!
(記事・取材:岡澤侑祐)