【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 喜久里彩吹

競走

2025年春、36名が“第111代目の部員”として競走部に新たに加わった。その1人が、跳躍ブロック所属の喜久里彩吹(商1・那覇国際)。高校時代は100mH、走幅跳、三段跳と幅広く活躍。三段跳では全国8位入賞、さらに走幅跳では沖縄県記録を樹立した実力者だ。新天地・慶大で、さらなる飛躍を狙う。

この記事は(【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 第一弾(藤井南月子/喜久里彩吹/松波一翔/岸村祐月) | KEIO SPORTS PRESS)の続きとなります。こちらの記事も併せてご覧ください。

――小中学生のころから大会で素晴らしい記録を残し続けていますが、大会前に何かルーティーンやマイルールはありますか?

「小さな身体の変化でも『これは跳びに影響するな』と感じるようになりました」

自分のルールは「お菓子を食べないこと」です(笑)。お菓子は好きなんですけど、跳躍は体重の増減がすぐにパフォーマンスに影響するので、気持ちの面でも余計な不安を持たないように控えるようにしています。あとは“大会が近づいたらバネを貯める”ことを意識します。疲れが残っていると飛べないので、普段の生活でも階段をそろりそろり歩いたり、なるべく疲労を溜めないように工夫しています。

――疲労や体重の増減なども敏感に感じられるんですね。

そうですね。年齢を重ねるごとに、競技経験を重ねる度に敏感になっていった気がします。小さな変化でも「これは跳びに影響するな」と感じるようになりました。

――高校2年生のときはケガで全国総体が予選敗退という悔しい結果でした。当時の心境は?

1年生の時にいい記録が出て、少し気持ちが落ち着いてしまった部分があったんです。そんな矢先に怪我をしてしまって…正直「なんで続けているんだろう」と思うくらいきつかったですね。

――その時期はどうやって気持ちを立て直したのでしょうか?

原因の一つが体重増加で、当時は今より5〜6キロ重かったんです。そこから食生活を見直して体重を落とし、監督からのアドバイスをどう活かすか毎日考えるようになりました。「高3が最後のシーズンだからやるしかない」と思って、もう一度しっかり目標を立て直すことができました。

――そうした挫折の経験が、今に活きていると感じる場面はありますか?

はい。高2で苦しい時期を経験したからこそ、高3ではインターハイ入賞まで戻せました。その経験があるから「不調でも工夫すればやれる」と思えるし、今の自分の心の支えになっています。

「今では『不調でも工夫すればやれる』と思えています」

――中学から指導を受けていた後間英生監督とは、今でも交流はありますか?

あります!神奈川に来てからもすごく気にかけてもらっています。夏に沖縄で大会に出場した時も直接指導を受けましたし、試合後に連絡すると必ずアドバイスをいただけます。「困ったことがあればいつでも頼っていい」と言ってくださる存在で、今でも大きな支えです。

――沖縄の高校から慶應の競走部に進みました。高校と大学で感じる練習や環境の違いはありますか?

まず環境の良さが全然違います。慶應は設備も充実していて、やりたい時にいつでも練習できるんです。高校の頃は少人数で、外部に出て練習することも多く、時には一人で試合に出ることもありました。もちろん少人数だからこその良さもありましたが、一方で少し寂しい部分もあったんです。慶應では自分よりレベルの高い選手がたくさんいて、尊敬できる先輩や仲間と一緒に練習させてもらっています。今はみんなで切磋琢磨できるのがすごく楽しいです。

「みんなで切磋琢磨できるのがすごく楽しい」

――三段跳・走幅跳など跳躍種目の魅力とは?

まずはシンプルに「遠くに飛べたらかっこいい!」からです(笑)。飛べること自体が楽しいし、見ていても迫力があると思います。競技的には、一本で終わらないのが魅力ですね。最低3本、決勝まで行けば6本跳べる。その中でライバルに抜かれたり、自分が抜き返したり…ハラハラドキドキの駆け引きがあって、観客も一緒に盛り上がれる。そこがすごく魅力的な種目だと思っています。

「遠くに飛べたらかっこいい!」

(取材:竹腰環、塩田隆貴 編集:中原亜季帆)

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