【競走】全てを出し尽くす 陸上人生の集大成の走りを! 芦野清志郎×杉森星彦(後編)/箱根駅伝予選会直前特集2026③

競走

10月17日に開催される箱根駅伝予選会。本企画では、予選会での活躍が期待される9人の選手にインタビューを行いました。

今回話を伺ったのは、同じ理工学部で4年生の芦野清志郎(理4・高田)選手と杉森星彦(理4・県立中央)選手。これまで「アシ」を止めずに日々練習を積み重ねてきた二人が、慶大の「ホシ」となるべく、予選会への意気込みを語ります!

 

 

 

 
――杉森選手は大学3年生までは怪我や貧血に悩まされたとのことですが、今年大きくタイムを伸ばせた理由は何でしょうか?

杉森:大きく分けて2つあります。1つ目は、自分の体と対話できるようになり、大きな離脱なく練習を継続できたことです。2つ目は、ジョグの方法を変えたことです。
なかなかうまくいかない中で、同じことを続けていては駄目だと思って始めたのが、20km以上のジョグでした。それまでは朝と夜に12kmずつ分けて走っていましたが、それを1回にまとめるようにしました。心肺機能には比較的自信があるので、20km以上のジョグはレース後半に向けた脚作りや、怪我をしないための脚作りに非常に有効だと感じました。

 

――杉森選手は今年、関東インカレのハーフマラソンに出場されていました。レースを振り返っていかがですか?

杉森:現状の力を出し切り、後悔なく終えることができました。一方で、箱根駅伝出場校や予選会で戦う大学の選手たちとの力の差を、タイムとして痛感しました。これまでそうした選手と同じレースを走る機会がなく、速さは何となく分かっていたものの、数字として表れたのは初めてで、現実を突きつけられた感覚です。ただ、箱根駅伝に出場するにはあと何秒縮めなければいけないのか、予選会で戦うには1kmあたり何秒縮める必要があるのかが、具体的な数字として見えてきました。それが今後の練習の指針となり、モチベーションの向上にもつながっています。

 

 ――芦野選手は、昨年の予選会では、途中でシューズが脱げるアクシデントがありました。改めて、昨年のレースを振り返っていただけますか?

芦野:昨年は急に調子が上がってきて、チーム1位を取れるのではないかという自信を持って本番に臨みました。しかし、序盤の3km付近で靴が脱げてしまい、そこで意気消沈してしまいました。集団の後方、400位くらいの位置に置かれ、もう無理だという気持ちで走っていました。自分の走力ではなく、予想外のところでミスをしてしまった、最低のレースです。

それでも、アクシデントで予定より遅れた入りを、その後はカバーできるほどのスピードで走れました。最終的には自分の中でギリギリ耐えたと思えるタイムに落ち着き、しっかり力がついていたと実感できたレースでもありました。

 

――今年も接触などでシューズが脱げるリスクはあると思いますが、どんな対策をするのでしょうか?

芦野:自分の走り方に原因がある部分が大きいと考えています。昔から靴が脱げる癖があって、中学と高校でも1回ずつレース中に脱げています。昨年で人生3回目でした(笑)。
足を大きく後ろに巻き上げる走り方が原因だと思います。走り方はなかなか変えられないので、今回は靴ひもを少し固めに結び、あわよくばテープで固定するところまでやろうと考えています。絶対に脱げないようにしたいです。

 

――今回の箱根駅伝予選会に向けた、個人の目標を教えてください

「やりきったと思えるレースに」

杉森:タイムは64分30秒、個人順位は150位以内が目標です。大学4年間で最後のレースになるので、力を出し切り、後悔なくやりきったと思えるレースにしたいです。

芦野:目標は63分台です。最後に杉森に勝つことも大きな目標にしています。杉森は1年生の頃から速く、10000mのタイムでは大きく負けています。5000mでは1秒差とほとんど差がないので、ハーフマラソンくらいは勝たせてほしいですね(笑)。今は自己ベストでも杉森に負けているので、彼のタイムを破ることが一番の目標です。

「杉森に勝つ」

 

――今回の予選会で、レースの鍵になると考えていることを教えてください

杉森:公園内に入るまでの前半を、いかに力を使わずに走れるかが重要です。後半のアップダウンでは、得意の下りでリズムをつかみ、上りも乗り切りたいです。

芦野:自分も公園内が鍵になると思います。

昨年は前半の時点で目標順位は無理だと思ってしまう位置にいたので、今年は前半から攻められるか、規定のタイムで走れるかがポイントです。そのためにも、まずは全員が怪我なく出走することが一番大切です。

 

 ――お互いに、今回の予選会で負けたくない選手はいますか?

芦野:杉森もそうですが、田口涼太(政3・慶應志木)にも負けたくありません。田口は初心者として入部してまだ3年ですが、主要なレース、特にお互いしっかり調整して臨んだレースでは一度も勝てていません。自分も新潟の天才児として入ってきたので、このままでは新潟の名折れです(笑)。最後は汚名返上のためにも、予選会では2人に勝ちたいです。

杉森:自分もまずは芦野に負けたくありません。2・3年生の頃、自分が怪我で走れない中、芦野は着実に力をつけていました。

昨年はチームトップを狙えるような練習をしていて、とても悔しかったです。ただ、それが「また頑張ろう」というモチベーションにもなっていたので、最後はしっかり勝負したいです。そして、芦野と重なりますが、自分も田口には勝ちたいです。田口は昨年の予選会でチームトップでしたし、関東インカレのハーフでも一緒に走って1分差をつけられました。今回こそリベンジしたいと思います。

 

――最後に、予選会への意気込みをお願いします!

杉森:陸上人生の集大成となる走りをしたいです。そして、苦しいときに支えてくださった周囲の方々へ、恩返しができる走りを見せたいと思います。

芦野:杉森の言ったことに尽きますが、予選会が終わった後は一歩も走らないくらいの覚悟があります。一歩も走りたくないと思えるほど、全てを出し尽くします。足が折れてほしいわけではないですが(笑)、折れるくらいの力で走り抜きたいです。

 

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取材:稲垣遥河、中島冬奈、中原亜季帆、野村康介 

記事:岩切太志、野村康介

編集:野田誉志樹、中原亜季帆