【ラグビー】春季大会2連勝も、慶大らしさ欠ける/関東大学春季大会 山梨学院大戦

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本試合、何度もビックゲインを見せた古橋

前回の中大戦からわずか中3日、春季大会2戦目となる山梨学院大との試合を迎えた。ディフェンス面などにおける中大戦での課題をいかに修正したのか注目を集める試合となった。結果は、合計で5つのトライを奪い33-21で春季大会開幕2連勝となる勝利を収めたが、後半に21失点と追い上げられるなど80分間慶大ペースでゲームを運ぶことはできなかった。

 

関東大学春季大会B  vs  山梨学院大  

2015/5/6(水)1300K.O.@慶應下田グラウンド

 

得点
慶大 山梨学院大
前半 後半 前半 後半
PG
DG
12 21 小計 21
33 合計 21
得点者(慶大のみ)

T=松村、澤根、出口、堀切、矢川

G=青井4

 

出場メンバー
ポジション 先発メンバー 交代選手
1.PR 堀切 厚輝(環3・國學院久我山) →17 細田 隼都(商2・慶應)
2.HO 松岡 大介(環3・小倉) →16 末永 晃二(商4・慶應)
3.PR 出口 桂(商4・明善)
4.LO 西出 翼(経4・慶應NY)
5.LO 佐藤 大樹(総2・桐蔭学園) →19 太田 周造(政3・慶應)
6.FL 徳永 将(商4・慶應)
7.FL 鈴木 達哉(環3・茗溪学園)
8.No8 松村 凜太郎(商2・慶應) →20 岩本 龍人(政4・國學院久我山)
9.SH 桜井 修(経3・慶應) →21 南 篤志(総4・清真学園)
10.SO 青井 郁也(商2・慶應)
11.WTB 清水 祐輔(環3・明和)
12.CTB 今泉 宏健(総2・清真学園) →22 矢川 智基(環4・清真学園)
13.CTB 古橋 純(理4・千種)
14.WTB 澤根 輝賢(総4・佐倉)
15.FB 楠本 遼(経3・慶應)
 

 

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WTB清水も存在感を放った

 

慶大のキックオフで試合は始まった。開始直後から敵陣でのプレーが続き勢いそのまま先制点を得たい慶大だが、外国人選手擁する山梨学院大の分厚いディフェンスを前にゴールラインをあと一歩割ることができない。試合が動いたのは前半15分、マイボールスクラムからのゴール直前での押し合いを制し、No8松村がトライ。さらにSO青井がしっかりとコンバージョンキックを決め、慶大が7点を先制する。以降、ブレイクダウンから思うようにパスをつなげられず、ボールを保持していても押し戻される時間が続く。しかし26分、敵陣22mライン中央でのスクラムからボールが出るとFB楠本が右前方へ長いキックパス。WTB澤根が素早く反応してボールに追いつきトライを決め、12-0で前半を終える。

 

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中大戦に続き安定したプレーを見せる鈴木

後半4分、ゴール前での攻防にHO松岡やFL鈴木が鋭いタックルを密集から山梨学院大ディフェンス陣に浴びせ、隙を見てPR出口がゴールポスト付近にトライ。前半は相手を0封していた慶大だが、着実に得点を伸ばしていく一方でインサイドを破られビッグゲインを許す場面が目立ち立て続けに失点。21分にPR堀切がモールトライを決めるも、30分の時点では山梨学院大のアタックを前に26-21と5点差まで追い上げられる。しかし36分には途中出場の主将・矢川がダメ押しとなるトライを決めるなどして残り時間を逃げ切り、33-21でノーサイド。ここまで連勝で春季大会の戦績を2勝0敗とした。

 

 

「FWが後半は走り勝てた」(出口)という言葉通り、後半はFW陣のフィットネスを生かした攻撃が光った。加えて、ラインアウトをはじめとして前回の反省だったセットプレーの精度も上がってきている。だが、ディフェンス面では相手にボールが渡ると接点を作るまで少し時間がかかってしまう場面もあり、さらに後半のスコアだけを切り取るとイーブンであったことからも課題はまだ残っているといえる。「試合のテンポを上げられなかった」(青井)と選手が反省するように慶大らしい運動量を生かしたラグビーの完成形への道のりはまだまだこれからだろう。試合間隔は短いが、昨年大敗した大東大との試合までにどう修正してくるか期待だ。

 

 

【ケイスポ的MOM】新星フロントローに定着狙うHO

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ボールキャリーとしても活躍する松岡

 

FW最前列でも他のポジション同様昨年から多くの選手が入れ替わる中、松岡大介は3年生にしてこの試合で公式戦初出場を果たした。「走り勝つFW」という慶大FW陣共通の意識を体現するように、臨機応変に素早く的確なタックルを入れトライをアシストする活躍を見せた。課題であったラインアウトの安定にもスローワーとして「毎日100本スロー」の努力の成果を発揮し貢献した。レギュラー奪取に向けて努力を惜しまないこの男から目が離せない。

 

 

  (記事・山田万里子)

  コメント

堀切厚輝

(今日を振り返って)まだ課題であるスクラムで押される場面が多くて、途中で修正できたのですが、修正までに時間がかかってしまいました。(山梨学院大と組んだ感触は)すごく重く感じました。重さで押され負けたのですが、対応するのに時間がかかりました。(上級生が引退されて、前三列に変化があるか)昨年のAチームに出ていた選手は抜けてしまったのですが、今Aチームの試合に出ている選手は昨年度からBチームで組んできたメンバーなので横のつながりは感じています。今日はたまたまHOが末永さんでなく、松岡であったのでそこの部分の違いはありました。(自身が昨年度から強化した点は)フィットネスを強化しています。試合中でも強化されたことは感じています。(トライシーンを振り返って)今日のトライはFW全員が攻めていたところから、たまたま僕が取ってトライできただけです。FWみんなのトライです。(今後に向けて)スクラムを押されないように一つ一つ積み重ねていきたいです。

松岡大介

(今日の試合を振り返って)僕はこの試合おためしでHOに入れてもらったので、はじめてのA戦でした。前回の試合ではラインアウトが悪かったので今回はラインアウトだけは頑張ろうと思っていたのですが、けっこううまくいったので満足しています。(ラインアウトの調整はどのように)2年生のときから毎日スロー100本やるということを自分で決めていたので、その成果が出せました。(山梨学院大のフィジカルの強さは感じたか)フィジカルで負けていたんですけど、その代わりこっちは走ろうことで、前半は我慢すればいけたというか走り勝った感じはあります。(前半より後半のほうが圧せていたと感じたが)春からずっと体力をつけてきたので、それが発揮できたかなと思います。(密集の中での素早いタックルが光ったが)僕はタックルが武器なのでこれからも頑張りたいです。(次の試合へ向けて)今日はラインアウトが良くなったんですけど、まだミスがあるので100%ラインアウトを成功させるようにして、タックルでももっと力を見せたいなと思います。

出口桂

(相手FWのプレッシャーがきつかったようにみえるが、その手応えは)手が結構重くて、慶大のFWのコンセプトは走ることだったので重さは耐えて走ろうと思っていました。後半走り勝てたのでそこはよかったです。(セットプレーでは課題が出たか)最初のスクラムで相手の組み方に思ったように対応できなくて、そこから対応できるようになるのに 4~5本かかりました。もっと早く1~2本目で対応すればよかったかなと思います。(昨年から慶大の武器になっているモールはまだここからか)そうですね。モールのちゃんとした練習はまだしていないので、その中ではまずまずかなと思います。(昨年の主力が抜けた後、フロントローの争いが激しくなっていると思います)そうですね、ただそこで争わずに帝京大と争いたいです。今はAチームの責任感と4年というプライドを持っていますが、慶大の中で戦うのではなくいかに帝京大と戦うのか、上を目指いて争いたいと思います。(トライの場面ではうまく密集から抜け出しましたが、あのようなプレーは持ち味ですか)いや、そうでもないですね(笑)。ラッキーですね。(次に向けて意気込みを)次の大東大がたぶんこれまでの中央大と山梨学院大に比べたら強いと思うので、そこでいかにFWが強いプレーができるのかだと思います。初めて僕らの代のFWの真価が問われるのかなと思っています。頑張りたいです。

青井郁也

(今日の試合を振り返って)前半は良かったと思うんですが、後半に相手のキープレイヤーの外国人選手にインサイドブレイクされたりしてしまいました。慶大のラグビーではあんなに点を取られる試合をしてはいけないと思うので、次の試合に向けてはもっとディフェンスでインサイドブレイクを無くすようにやっていきたいと思います。(相手の体が大きいことについては)キープレイヤーが8番と12番の外国人ということは分かりやすかったので、まずそこを絶対にブレイクされないということをチームで試合開始前から意識してやろうと言っていました。(キックを多用していたが)キックに関しては試合が始まって、相手のバックスリーの連携とかがあんまり上手くなくてワンフリー状態になることが多かったので、そこで前半はあまり蹴れて無かったんですけど、後半はキックでエリアを取って楽にゲームを進めようという事を意識してやりました。(2日の試合からの改善点は)前回の試合はミスも多くて全然自分達のラグビーができていなかったので、自分達のゲームのテンポに持っていく事を意識してやろうと思っていました。でも、今回の試合も前半は全然テンポを上げられなくて相手のペースに合わせてゲームをやってしまったので、次の大東大戦は今までで一番強い相手だと思いますしもっと慶大らしくテンポを上げてやっていきたいと思います。(ご自身の調子は)色々とミスも多かったんですけど、要所要所でエリア取れたりしていました。でもSOとしてはまだまだゲームをコントロールできていないので、そこをもっと上げていきたいと思います。(今後に向けて)まずは、このままスタメンに残って毎試合毎試合出れる事を第一の目標としてやって、今後、もっと一試合一試合活躍出来るように頑張りたいと思います。

古橋純

(今日の試合を振り返って)前半0点で良かったのですけど、後半こっちもバテてきちゃって、結果21点取られちゃっているので、走り勝とうっていうラグビーをしようとしているのに、こっちがちょっとバテていたらダメだなということは感じました。(追い上げられている中での貴重なゲインがあったが)あれはパスが良かっただけなので、周りに活かされているだけなので、SOのパスが良かったです。(ゲインは自分の武器なのでは)僕がゲインしないと次の攻撃とかも弾みがつかないので、ゲインラインを切るっていうことは常に意識して攻撃していますね。(今日の試合の意気込みや調子はどうだったか)初めてのAのスタメンで、ちょっと緊張していたのですけれど、これを機にどんどんアピールしてAに定着しようという意気込みでやっています。今日は自分らしいプレーができたと思うので、切り替えて次の大東大戦に向けて調整したいと思います。(初めてのAチームということで周りからの言葉はあったか)金沢ヘッドコーチからも「お前らしいプレーをしてこい」と言われたので、何も考えずに愚直に前に行くことだけを考えてやっています。(今日は相手に体格のいい選手が多かったが)逆に僕は小さくて僕からしたらみんなガタイがいいのですけれど、逆に相手の懐に入りやすいので、あまりサイズというのは気にしていないですね。(次の試合に向けてひと言)次の試合も一戦一戦勝っていくだけなので、自分らしいプレーをしてチームの勝利に貢献していきたいですね。

澤根輝賢

(今日の試合を振り返って)今年は慶大がテンポを上げて走り勝つっていうラグビーを目標にやっている中、先週同様プレーのテンポを上げられなかったので、相手のペースで試合をしてしまったことが良くなかったかなと思います。(山梨学院大のフィジカルの強さはどのように感じたか)外国人選手を除いては、対応していけると思いました。(トライを決めた場面を振り返って)相手のバックスリーの動きが最初から良くなかったので、あそこはうちのバックスリーで狙っていこうという話だったので、その結果がああいう形になったのかなと。(そのトライの場面は澤根選手のランスキルが生きました)そうですね、はい(笑)。(そういったスピードを発揮するための練習は普段からやっているのか)普段からバックスリーが裏を見て、裏のどこにスペースがあるのかっていうのは普段から意識してやっているの、そこは練習通りだと思います。(次の試合に向けて)次は大東大ですが、また強力な外国人選手がいるのでそこに負けないようにして、後は走り勝つラグビーを次こそは出来るように頑張るだけです。

楠本遼

(今日の試合を振り返って)相手のペースでプレーしてしまって、自分たちのペースにもっていけなくて、自分たちで少しやりづらくしてしまったかなという感じです。(ご自身のプレーで今日はキックを多用されていたが)練習から裏が空いていれば狙っているんですけど。今日はちょっと多すぎたかなとも思うんですけど、裏が空いていたので積極的に蹴るという感じで、狙っていきました。(澤根選手との連携は)けっこう練習や試合で一緒に出てると、プレースタイルがお互いもう分かるのでプレーごとに臨機応変にやっています。(次の試合に向けて)次は自分たちの制度をもっと上げていかないと勝てないと思うので、間3日くらいしかないんですけど、できる限り練習でそこを深めていきたいなと思います。

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