同勝ち点の東農大との一戦。慶大は11分に先制を許すと、前半はなかなか見せ場を作れないまま終えた。トップにピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタユース)を投入した後半は少しずつ盛り返すと、80分にそのピーダーセンが豪快な同点弾。1-1で勝ち点1を分け合う結果となった。
第92回関東大学サッカーリーグ戦 第7節 vs東京農業大
2018/05/30(水)17:00KO @慶應義塾下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1―1東京農業大学
【得点者】
0―1 11分 吉田将也(東京農業大学)
1―1 80分 ピーダーセン世穏(慶應義塾大学)
◇慶大出場選手
GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース) |
DF井出悠介(環4・桐蔭学園) |
DF鴻巣良真(総4・国学院久我山) |
DF篠原新汰(総1・FC東京U-18) |
DF北城俊幸(総3・青森山田) |
MF増田皓夫(商4・桐蔭学園) |
MF江本優貴(総3・大宮アルディージャユース) |
MF内桶峻(政2・国学院久我山)→79分 橋本健人(総1・横浜FCユース) |
MF山田盛央(総3・藤枝東) |
MF多嶋田雅司(商3・国学院久我山)→79分 福本拓海(総3・済美) |
FW小谷春日(環4・藤枝東)→46分 ピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタユース) |
関東リーグも中盤に突入。この日は雨の中、勝ち点で並ぶ東農大(8位)をホーム下田に迎えた。次節を4日後に控える慶大は、ケガの影響でスタメンを外れた松木駿之介(総4・青森山田)主将、岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース)副将をはじめ、多くのメンバーを入れ替えてこの試合に臨んだ。
前半の慶大は総じて低調な出来に終始した。11分、東農大のミドルシュートがDFに当たってコースが変わり、GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース)の頭上を越えてネットを揺らす。不運な形で先制を許すと、その後は両チームなかなかチャンスを作れずこう着状態に陥った。守備陣は奮闘したものの、松木、岩崎、八田和己(総3・桐蔭学園)ら、センターラインの中心選手を欠いた慶大は満足な攻撃の形を作れず、FW起用の小谷春日(環4・藤枝東)も武器のスピードを生かせる場面はほとんどなし。1点ビハインドのまま前半は終了する。
後半頭から冨田賢監督は、スピードの小谷に代えて高さのピーダーセンをFWに投入。すると、60分前後から試合が動き出した。62分。66分と、ピーダーセンが起点となって生んだサイドからのクロスに山田盛央(総3・藤枝東)が合わせる場面が続いたが、いずれもDFに阻まれる。逆に東農大も63分にショートカウンター、72分にCKからのヘディングで決定機を迎えたが、こちらはいずれも上田がビッグセーブを見せた。スコアが動いたのは80分。ペナルティエリア内でピーダーセンが浮き球を後ろ向きで胸トラップすると、振り向きざまに右足一閃。スーパーボレーがゴール左上に突き刺さった。「点を取ってきてくれ」と言った指揮官の期待にピーダーセンが見事に応え、慶大が同点に追いついた。勢いに乗った慶大は逆転弾を狙い攻め立てたが、ピーダーセン、福本拓海(総3・済美)らのシュートは執念を見せる東農大DFに阻まれる。再びネットを揺らすことはできず、下位対決は1-1の痛み分けに終わった。
終盤にチャンスを得ながらも決め切れず勝ち点を落とす「もったいない」(ピーダーセン)展開は、前節(1●2)、前々節(2△2)と同じ。勝負弱さと、1試合を通して終盤のようなパフォーマンスを維持する継続性が、今後勝ち点を積み重ねるために必要となるだろう。一方、ケガ人が増えてきたなかで、これまで出場機会が多くなかったピーダーセンのような選手の活躍は心強い。150人を超える部員数を誇る慶大には、11月までの長いリーグ戦を戦い抜くために必要な総合力がある。ここから続く下位チームとの対戦でもったいない試合をなくせば、順位を上げていくことは可能だ。上位進出を諦めるには、まだ早い。
(記事:桑原大樹 写真:髙橋春乃、中村駿作)
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試合後コメント
鴻巣良真(総4・国学院久我山)
最後の守備も攻撃も、守り切るところと決め切るところが結局力が足りず勝てなかった。そういうゲームでした。
――ゲームキャプテンとして出場したことについて
自分たちが自信を持ってサッカーできていない感じが後ろから見ているとすごくしていて、悪く言えばビビってるのかなっていうような感じはあったから、ちょっとこのままだと、1-0で負けている状態でどんどん自分たちが焦っているだけっていう、どんどん悪い方向、悪い方向にっていうのが今日の反省点というか、良くなかったところかなと思います。
――後半はうってかわって攻め込むチャンスもあったが
相手チームの前線が、センターバックやサイドバックにプレスをかけてくるようになったというのが一番大きな違いかなっていう。それを自分たちが外すことができればチャンスになるし、逆にそこで失えば失点シーンになるし。そういう後半になりましたね。だから自分たちはもっと、前のピーダー(ピーダーセン)だったり(山田)盛夫に当てていけばよかったのかなっていう反省点はあります。
――週末には次節があるが、それに向けて一言
今日の反省点だったりとか、細かいところを突き詰めて次節絶対勝ちにつなげたいと思います。
ピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタユース)
失点も不運な形で入ってしまって、後半もチャンスがあった中で決め切れなかったので、もったいないなというのが第一の感想です。
――今日はホームの下田での試合となったが
ホームでやりやすいというのもあるんですけど、逆にプレッシャーもあったりして、自分はそんなにホームだからということは気にせずにやりました。応援はピッチレベルの応援なのでとても雰囲気が良くて、点を決めた後も近くにいてくれたので、雰囲気は最高でしたけど勝ち切りたかったですね。
――試合に入る時に監督から何か言われたことはあるか
特に戦術的な指示はなくて、頼むよ、(点を)取ってきてくれという感じでした。
――自信はあったか
そうですね、最近はあまり出られていなくて、このタイミングで、負傷交代だったんですけど、チャンスが巡ってきたのでここで(結果を)出すしかないとは思っていたので、自信は持ってました。
――得点シーンについて
クロスのこぼれ球を北城が拾ってくれて、大体あのシーンだとみんな中に入れちゃうんですけど、北城が俺のことをしっかり見てくれていたので、浮き球で出してくれて胸トラして良い感じに前を向けた瞬間に、もう思い切り振り抜こうと思って振り抜いたらめちゃくちゃ良いところに飛んでいったので、気持ちよかったですね。
――コンディションは良いか
そうですね。ここ一週間段々上がってきたので、また次の試合使ってもらえれば点を狙って勝利を目指して頑張りたいと思います。
――次節に向けて
4日後に迫っているので、疲労の溜まっている選手も多いですし、すぐに切り替えて頭と身体をリフレッシュした状態で臨みたいです。そろそろ勝利というものをみんな欲していると思うので、この勢いのままやっていきたいなと思います。