【ソッカー(男子)】終盤の猛攻も実らず…決定力を欠き敗戦 第6節 vs立教大

ソッカー

 

前節、関東学院大相手に惜しくも勝ち点を分け合った慶大。1部昇格に向けて暗雲が立ち込める中、立教大との対戦を迎えた。試合は立ち上がりから慶大がペースをつかむが、10分にクロスへの対応が遅れて失点。前半はゴールを奪えないまま1点ビハインドで折り返す。後半こそと巻き返しを図るが、立ち上がり49分に追加点を献上すると、その後の幾多のチャンスも決め切ることができない。終了間際の90分にCKを岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース)が頭で合わせ1―2とするも、最後まで追いつくことはできず、悔しい敗戦を喫した。

 

第92回関東大学サッカーリーグ戦 第6節 vs立教大

2018/05/20(日)14:00KO @拓殖大学グラウンド

【スコア】
慶應義塾大学1―2立教大学

【得点者】
0―1 10分 吉澤泰成(立教大学)
0―2 49分 吉田直矢(立教大学)
1―2 90分 岩崎湧治(慶應義塾大学)

慶大出場選手

GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース)

DF佐藤海徳(政3・桐光学園)

DF鴻巣良真(総4・国学院久我山)

DF篠原新汰(総1・FC東京U-18)

DF北城俊幸(総3・青森山田)

MF増田皓夫(商4・桐蔭学園)

MF岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース)

MF橋本健人(総1・横浜FCユース)→77分 福本拓海(総3・済美)

MF山田盛央(総3・藤枝東)→52分 小谷春日(環4・藤枝東)

FW多嶋田雅司(商3・国学院久我山)→62分 江本優貴(総3・大宮アルディージャユース)

FW松木駿之介(総4・青森山田)

副将の岩崎は久々の先発復帰となった

今季1勝3敗1分けとなかなか調子が上がらないものの、試合を積み重ねるごとに着実にチームの成長が見られる慶大ソッカー部。GWの3連戦を終えて、前期のリーグも折り返しとなる中、リーグ戦開幕5連勝中の立教大との一戦を迎えた。慶大は岩崎と増田皓夫(商4・桐蔭学園)のダブルボランチを起用し、4−4−2の布陣で勝利を目指す。

後方から丁寧にビルドアップしゴールに迫った

試合は前半から慶大がペースを握る。序盤から主将・松木駿之介(総4・青森山田)が相手陣内で果敢にドリブルを仕掛け、何度もFKを獲得。ゴールこそ奪えないが、前節に続いてスムーズな攻撃を見せる。しかし10分、サイドからのクロスへの対応が遅れると、一瞬の隙を突かれ失点。早い時間から1点を追う展開となった慶大は、ボランチを起点として流動的にパスを回し、反撃に転じる。前線の攻撃陣のみならず、33分に北城俊幸(総3・青森山田)、43分には篠原新汰(総1・FC東京U―18)が直接ゴールを狙うなど、ポジションに捉われない柔軟な攻撃で数多くの好機を創出。しかし、いずれのシュートも精度を欠き、相手ゴールをこじ開けることはできない。立教大の鋭いカウンター攻撃にも悩まされたが、互いに得点には至らず、1点のビハインドを背負い前半を終えた。

終盤に岩崎のヘッドで1点を返したが…

後半も主導権を握ったのは慶大。ワイドな攻撃で圧倒的にボールを保持し、相手の裏を狙う。しかし49分、相手10番の個人技で崩されると、角度のない場所からのシュートを決められ再び失点。前半の失点同様、「あと一歩のところで守り切る」(松木)ことができず、0―2とされる。あとがなくなった慶大は、何としてでも1点を奪うために、山田盛央(総3・藤枝東)に代えて小谷春日(環4・藤枝東)を投入し、前線からのプレス強化を試みる。中盤の橋本健人(総1・横浜FCユース)を中心にサイドから幾度となくクロスを供給するが、粘り強い相手ディフェンスを崩すことができない。流れは良いものの、どこかが噛み合わない。そんな印象が拭えぬまま刻一刻と時間は過ぎた。90分、左CKを岩崎がヘディングで叩き込み、ようやく1点を返す。その後アディショナルタイムにもCKを獲得するが、ファーサイドで待っていた鴻巣良真(総4・国学院久我山)の渾身のシュートはバーをかすめ、同点ゴールを奪うには至らず試合は終了。最後の逆襲も実らず、あえなく敗戦となった。

ラストプレーの決定機は実らず

数多く訪れたチャンスを得点に結びつけることができず、攻守ともに詰めの甘さが露呈した試合となった。勝利という結果にこそつながらなかったが、試合全体をコントロールしていたのは紛れもなく慶大だ。少なくとも攻撃面では多くの収穫を得ている。しかし、あと一歩が及ばなかった。今節の敗戦を受け、慶大の負け数は4を数えた。“1部昇格”が高い理想となってしまった今、どこまでその理想と現実を近づけることができるのか。「本当の意味での強さを問われている」と冨田賢監督が語るように、この苦しい正念場を乗り切れば、必ず強くなれるはずだ。ホームで行われる次節までは約10日。下田で歓喜の若き血を響かせるために——。ここが本当の勝負どころだ。

(記事:髙橋春乃 写真:岩見拓哉、桑原大樹)

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以下、コメント

 

冨田賢監督

--試合を振り返って

5連勝してる立教とやれるってことで、本当にチャレンジャーとしてこの2週間準備してきて、立ち上がりは本当良い形で入れたと思うんだけれども、やっぱりちょっとした気の緩みっていうか、ちょっとした一瞬の相手のワンタッチのプレーで失点して、そこのところがやっぱりまだまだチームとしての強さがないというか、そこが僕らの課題だと思うので、そういうところを一つひとつしっかり改善していくことで、きっかけだと思う。ただ選手が最後まで諦めないで取りに行ったりとか、最後のワンプレーでもポストに当てたりとかそういった気持ちの部分は折れないで戦ってた結果だと思うので、選手たちはよくやってくれて戦ってくれて、ただやっぱりそういうところの本当にもったいない隙のところで取りこぼしちゃうっていうところがまだ僕らにはあるから、そこをしっかり修正していきたいなと思います。

--岩崎選手、増田選手のボランチ起用について

トレーニングの中で、すごくまっすー(増田)も湧治も良かったんで、思い切って調子の良い選手を使うって話をしてるので。彼らの今日のパフォーマンスも非常に良かったと思うから、4年生だし本当に彼らがチームを引っ張っていって欲しいなというふうに思います。

--ほとんどの時間帯でペースを握り、決定機も多かったが

本当にその決定的なシーンは作れてるところは作れてるんで、この前の関東学院戦もそうですけども、本当に決めてれば自分たちの流れになる中でやっぱり決めきれない。やっぱりそこはたぶん選手たちも僕らも当然決めたいと思って一生懸命やってるんだけども、最後のクオリティのところがまだ詰め切れてないかな。ただ形としてはそういうシュートまでいくシーンっていうのは作れるようになってきてるから、そこを最後決めるクオリティのところを僕らはもっと追求していかないといけないなというふうに思います。

--リーグ戦これまで1勝4敗1分けという現状についてどう考えているか

本当に正直、理想と現実というか、僕も就任したときに3、4敗がボーダーラインになるって言っていてもう4敗していて、もう1回目標設定というかそこをしっかり考えて、もう1回地に足をつけて、前期残り5試合あるわけだけども、そこでもう1回僕らも選手たちも共有して、戦っていきたいなと思います。

--次節に向けて

次は慶應のグラウンドでホームでできて、なのでその試合に向けてとにかく準備しておく。やっぱり僕自身も選手たちも苦しいと思うんだけど、ここを乗り越えて本当の意味での強さを問われている時期だと思うし、ここでどういう振る舞いができるか、折れないで困難に向かっていけるかとか、そこだと思うので。ある程度共有できている部分はあると思うし、それをもう1回自分たちで信じて、良い準備をして戦っていきたいと思います。

 

松木駿之介(総4・青森山田)主将

--試合を振り返って

攻撃でも守備でも、本当にあと一歩のところで守り切れなかったり点を取れなかったりというところが結果として最後に出てしまって、そういう細かいところを詰めないと勝ち点を取ることはできないということを痛感しました。

--立大戦にはどのような練習をして臨んだか

守備をしっかりオーガナイズしようということで取り組んできました。

--チャンスを作りながらも決め切れなかった

前節からの課題でもあるし本当に明確なので、幸い次節は下田で試合をやらせてもらえるので、そこに感謝して、切り替えて次勝てるようにやっていきたいです。

--攻撃の部分で1つ改善するべきところを挙げるとしたら

クロスに対して入っていく人数を増やすことだったり、ワンタッチツータッチでもっともっと3人目が絡んでいけるような攻撃ができるようになれば、量的な問題はもっともっとできると思うので、あとは質のところをこだわってやっていければ結果は自ずと出てくると信じてやってくしかないと思っています。

--ホームの下田で行われる次節に向けて

下田でやらせてもらえるのは本当にありがたい事だしいろんな人が見に来てくれると思うので、本当に今年の慶應の意地というのを見せられるように、結果として勝ち点3しかないので、そこに強くこだわってやっていきたいと思います。

 

岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース)副将

--試合を振り返って

内容としてはそんなに悪くなかったと思うんですけど、結果として勝てないというところで、そこは自分たちに何か原因があると思いますし、重く受け止めます。何か1つのきっかけでチームというのは変わると思うので、次の試合に向けて良い準備をしていきたいと思います。

--やりたいサッカーはある程度できていたのか

ある程度ボールを持てて前までは進めたんですけど、最後のところで1つのパスミスだったりクロスのミスだったりでゴールまでは結び付いていないので、あともう1つ全体として質を上げれば得点に結び付いていくのかなと思います。

--今日のダブルボランチは増田選手とともに久々の出場となったが

(増田)皓夫とは去年から結構サブ組の時などで一緒に組むことが多くて、それぞれの特長や役割を理解しているのですごくやりやすいです。自分たちの特長としては激しくいくところは激しくいって、ボールを持つときは持つ、攻守のバランスがすごく良いと自分たちでは思っているので、そのお互いの良さを生かしながら、いかにチームとして良い時間帯を長く作れるかというのを意識していました。

--得点シーンを振り返って

セットプレーを味方が結構多く取ってくれている中で点が取れていなかったので、自分としてはあの時はまず高く跳ぼうと思って、そしたらボールが本当に良いところに来たので、ドンピシャで合って入りましたね。

--次節に向けて

さっきも言ったんですけどやっぱり大事なのはきっかけで、それは1つの勝利であったり、そしてその1つの勝利をもぎ取るには一つひとつのプレーというのが大切になってくると思うので、これからの過ごし方であったり一つひとつの準備に気を遣って、良い試合をして勝ちたいと思います。

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