【ソッカー(男子)】三度目の正直!3得点で待望の今季初勝利 第3節 vs青学大

ソッカー

開幕2連敗と「1部昇格」に向けて厳しいスタートを切った慶大。今節の青学大との対戦は、昇格へ望みをつなぐための重要な一戦となった。慶大は10分に主将・松木駿之介(総4・青森山田)のゴールで幸先良く先制に成功。30分にはミスから失点したものの、直後に獲得したPKを再び松木が沈め1点リードで前半を折り返す。後半もリードを保ち続けると、終了間際には杉本崇太朗(政2・名古屋グランパスU-18)のリーグ初ゴールで3−1。荒鷲軍団のプライドを見せつけ、複数得点で今季初勝利を挙げた。

 

第92回関東大学サッカーリーグ戦 第3節 vs青学大
2018/04/29(日)11:30KO @相模原ギオンスタジアム
【スコア】
慶應義塾大学3―1青山学院大学
【得点者】
1-0 10分 松木駿之介(慶應義塾大学)
1-1 30分 小泉佳穂(青山学院大学)
2-1 32分 松木駿之介(慶應義塾大学)
3-1 90+3分 杉本崇太朗(慶應義塾大学)

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース)

DF佐藤海徳(政3・桐光学園)

DF鴻巣良真(総4・国学院久我山)

DF篠原新汰(総1・FC東京U-18)

DF中島玲央(総4・柏レイソルU-18)

MF木南諒(経3・国学院久我山)→46分 落合祥也(商3・横浜FCユース)

MF八田和己(総3・桐蔭学園)

MF橋本健人(総1・横浜FCユース)

MF多嶋田雅司(商3・国学院久我山)→66分 杉本崇太朗(政2・名古屋グランパスU-18)

MF松木駿之介(総4・青森山田) 

FW松岡瑠夢(総2・FC東京U-18)→82分 沼崎和弥(商3・暁星)

 

今季初出場となった鴻巣

前節、東海大相手に痛すぎる敗北(1●3)を喫した慶大。2週間空けて、青学大との対戦を迎えた。まずは何としてでも今季1勝を挙げるために、そして1部昇格への望みをつないでいくために、黄色の戦士たちの力量が問われる大事な試合となった。慶大はこれまでセンターバックとして先発していた八田和己(総3・桐蔭学園)をボランチに上げた布陣で、気持ちを新たに勝ち点3だけを目指した。

松木の関東リーグ約1年半ぶりの得点で先制

前半は立ち上がりから一進一退の攻防を見せる。慶大はサイドを使った細かいパスワークで攻撃のリズムを作ると、開始10分、早速チャンスは訪れる。左サイドからのクロスを八田が受けると、最後は抜け出した松木がGKとの1対1を制し、待望の先制。昨季はケガに苦しんだ主将の久々のゴールで勢いに乗ると、徐々に流れを手繰り寄せていく。しかし30分、青学大にクロスをダイレクトボレーで合わせられ痛恨の失点。試合は一時振り出しに戻ったが、直後31分には細かいパスでの崩しから、抜け出した松木が倒されPKを獲得する。松木はここも冷静に沈め、失点による不穏なムードを一瞬で払拭した。その後もセンターバックに復帰した鴻巣良真(総4・国学院久我山)や、ボランチの八田を中心とした守備陣がうまく機能し、青学大の攻撃を阻む。スコアは動かず、1点リードで前半を折り返した。

ボランチ起用の八田が攻守に安定感をもたらした

後半、慶大の勢いは追い風に乗ってさらに増していく。松岡瑠夢(総2・FC東京U-18)や橋本健人(総1・横浜FCユース)、松木を中心に、前線からゴールへの強い意識を見せ相手を脅かす。66分の橋本のミドルシュートに加え、72分には途中交代の杉本が見せ場を作るが、いずれも枠は捉えられない。しかし、「自分たちが持ってシュートまでつなげる」(多嶋田)という狙い通り、ボールを保持し前線からプレスをかけることで、幾度となく好機を演出していく。終盤こそ相手の反撃にヒヤリとする場面も見られたが、守備陣が迅速なカバーで対応。相手に得点を許さない。すると90+3分、相手GKの隙を突いた杉本がボールを奪うと、無人のゴールに蹴り込んで決定的な3点目。そのまま試合をきっちり終わらせ、待望の今季リーグ初勝利を飾った。

ようやくの勝ち点3に歓喜と安堵の表情を浮かべる選手たち

開幕早々から2部リーグの厳しい洗礼を受けている慶大ソッカー部。早くも1部昇格に向けて先行きが危ぶまれる中、今節の「みんなで戦ってもぎ取った勝利」(松木)は確実に意味のある勝利となった。また、昨季から苦しい時を過ごしてきた主将の2ゴールが勝利を導いたことも、チームにとって刺激となっただろう。しかし、1部昇格を達成するには勝利をいかに積み重ねられるかが鍵となる。「しっかり次に向けて成長していくことが大事」と冨田賢監督が語るように、厳しい現実から目を反らしてはいけない。昨季から長く苦しんできた彼らならば、きっと成し遂げることができるはずだ。勢いに乗った慶大の本気は、まだまだこんなものではない。

(記事:髙橋春乃 写真:中村駿作、桑原大樹)

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以下、コメント

冨田賢監督

--試合を振り返って

そうですね。本当にまあちょっと苦しい状況だったけど、それでもチームがやっぱり1つになってブレないでチームのためにできたことが今日の試合の勝利につながったと思うので、そこは本当に良かったです。

--前節から2週間どのような声を掛けたか

本当にトライすること、そこを絶対忘れないようにしようと。まあ当然負けるとなかなか自信を持つのが難しくなってくると思うので、そこはしっかりやっていこうと。まあ本当に選手たちが自分たちでどういうことをしなきゃいけないのかっていうのを、彼ら自身が考えて、プレーできてたっていうのが今日の勝利につながったんじゃないかなというふうに思います。

--攻撃の改善点は

2点目の得点の、ワンタッチとかツータッチでプレーしながら斜めに松木が入ってPK取ったシーンなんかもずっとシーズン始まってから、そういうワンタッチ、ツータッチでプレーしながら3人目の選手が関わってくるというところをトライしてたのがまさに出たので、良かったなと。あとは、ポイントとしては1点目は(中島)玲央から、左サイドからああいう良い状態で持ったら彼はやっぱり良いボール蹴れるから、そこからクロスを入れてこうと話をしてて、そこからのゴールだったので良い形ができたんじゃないかと思います。

--八田選手のボランチ起用について

彼のサッカーのインテリジェンスというのはすごく良いなっていうふうに思ってまして、そこをどう生かしてくかってことで、最初の2戦はCBで使って、そこを1つ前にしてコントロールするような役割を彼に与えて、今日もしっかり戦ってくれたんじゃないかなと思っています。

--勝利を積み重ねるために何が重要か

本当にこれ僕の信念なんですけど、今日のゲームでもしっかり次に向けて成長していくことが大事だと思って、まあ1、2節も負けて課題だとかそういうのも選手たちと話しながら改善できてきたところがあるので、中央大って一番力のあるチームだと思うんですけど、そこに勝つことができれば僕らもまた勢いを持って2部のリーグを面白くさせることができるんじゃないかなと思うので、しっかり準備していきます。

--次節に向けて

笛はもう鳴っていると思うんで、次の試合の。僕も苦しみながら初勝利だから嬉しいけど、もうすぐ切り替えて次の試合に向けてまた良い準備をして、成長してできるようにやっていきたいと思います。

 

松木駿之介(総4・青森山田)主将

--試合を振り返って

本当に90分通して苦しい時間帯が多くて、1勝することが難しいと改めて感じた試合だった中で勝ち点3を取れたことはすごく嬉しく思います。チームがやっぱり苦しいスタートで、本当にうまくいかない時でもあれだけの応援をしてくれて、それは当たり前のことじゃないと思うので、そういうところに本当に感謝しながら、次節集中応援日なので頑張りたいと思います。

--関東リーグでは久々の得点となったが、得点シーンを振り返って

点目は自分自身の体が自然と動くという感覚が練習試合を通して最近あったのでボールに向けて反応した動きができたのは良かったと思います。

--これまでリーグの2試合でチームとして成長した点は

本当に苦しい時でも常にポジティブな声を掛け合いましたし、ベンチの雰囲気も含めて今日は本当にみんなで戦ってもぎ取れた勝利だと思います。

--前節から2週間どのような準備をしてきたか

とにかく、守備をオーガナイズすること、相手が元のラインで途中ボールを回している時は、ライン設定をどこでするのか、そういうところを細かく詰めていったのと、あとは攻撃面でなるべくボールを保持できるように、今日は自分たちのやりたいことというよりも、相手の嫌がるプレーを試合の中で優先して、この1週間はちゃんと自分たちでボールを持てる時間を増やそうと取り組んできました。

--次節に向けて

集中応援日でもあるし、昇格争いの中で一番の相手になる中央大との直接対決なので、結果にこだわりながら、次勝てば勝ち点3差まで潰れるので、やっぱりスタートはあれだけ苦しみましたけど、次勝つと上が見えてくるので、本当に目の前の1戦を一生懸命頑張っていきたいです。

 

多嶋田雅司(商3・国学院久我山)

--試合を振り返って

前半の最初から自分たちのペースでできていて、その中で先制点が取れたのが一番大きかったかなって思っていて、その後1点取られても、取られるとチーム全体に悪い雰囲気が流れていた今までとは違ってすぐに点を取り返せたのが、この3節目でチームが成長できたのかなと思ったところです。

--開幕2連敗から2週間、チームの雰囲気を変えるためにしてきたことは

練習の中で、もう少しプレッシャーの速さとか声とかを厳しくやらなきゃいけないと思ってやってきました。練習の質から上げていかないと試合でうまくいかないので。

--やってきたことが出せたと感じたシーンは

今日はボールを奪われた後とかも切り替えがすごく速くて、すぐに取り返して自分たちのボールにできたので、そういうところから自分たちのリズムにできたと思います。

--複数得点は今季公式戦初だが、攻撃の手応えは

2節までで自分たちのサッカーができていないなと感じていて、もっとボールを自分たちが持ってシュートまでつなげることを意識してやってきたので、それが結果として出て良かったです。

--次節に向けて

相手の中大は3連勝してますけど、自分たちも初勝利を挙げて勢いは出てきたと思うので、勝つことだけを意識して準備していきたいです。

 

杉本崇太朗(政2・名古屋グランパスU-18)

--試合を振り返って

まずは勝てたというのが一番大きいというか、良かったと思います。開幕から2連敗していて、自分を含めて今日が開幕の気持ちで戦うつもりで練習してきたので、良かったです。

--途中からの出場、チームからの指示は

出るってなったときの指示は、とりあえず点をとってくれと。ゴール前で自分の持ち味を発揮すれば、点を取れると思ってたので、その結果ゴールも決められました。

--指示に対しては満足のいく結果を残せたか

点は取れたんですけど、1つ思ったのは攻撃においてもっとチャンスを作らないといけないし、もっとボールを受けてチームを活性化させる、途中から流れを変えないといけないという役割が、もっともっと求められているし自分もやっていかないといけないと思います。

--3点目の得点シーンについて

自分は途中から出るという状況にあって、チームの方針もいろいろあると思うんですけど、自分はスタメンとして出て90分戦うっていう、それができない状況だったので、その悔しさも非常にあったんで。ああやって裏に抜けてチャンスだなって思うシーンは自分がボールを取りに行って、ゴールを目指して、それが結果になったのでよかったです。

--今日が3連戦の初戦となるが、次節に向けて

次の試合は中央大なんですけど、自分はもう全部やりたいと思うので、しっかり準備して臨みたいと思います。

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