2月27日(木)薩摩おいどんリーグ 名古屋商科大戦 @平和リース球場
慶大は名古屋商科大との一戦に、スコア1ー7で快勝した。3回無失点の好投を続けていた慶大先発・田上遼平(新商3・慶應湘南藤沢)が4回、先頭打者にこの試合初となる安打を許すと、1死二塁から相手4番・辻一汰(新4年・中京大中京)に適時打を浴び、先制される。しかし、6回に2番・吉野太陽(新法3・慶應)、3番・権藤大(新商4・慶應)の連続安打、5番・今泉将(新商4・慶應)の死球などで1死満塁の好機を作ると、6番・常松広太郎(新政4・慶應湘南藤沢)に2点左適時打が生まれ、逆転に成功。その後も9番・横地広太(新政3・慶應)の2点右適時二塁打などでこの回5点を奪うと、8回、9回にも追加点を入れ、圧勝した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 1 | 7 |
名古屋商科大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
◆慶大野手成績
位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
[4] | 林純司(新環2・報徳学園) | 空三振 | 空三振 | |||||||
H9 | 真田壮之(新経4・慶應) | 空三振 | 三飛 | |||||||
2 | 市橋慶祐(新商2・小野) | |||||||||
[5] | 吉野太陽(新法3・慶應) | 二失 | 遊飛 | 右安 | 左飛 | |||||
H | 山口瑛士(新商3・郡山) | 四球 | ||||||||
R5 | 服部翔(新政2・星稜) | |||||||||
[7] | 権藤大(新商4・慶應) | 遊飛 | 中飛 | 左安 | 死球 | |||||
R7 | 村岡龍(新商3・慶應) | 二ゴロ | ||||||||
[DH] | 中塚遥翔(新環2・智辯和歌山) | 見三振 | 空三振 | 三邪飛 | 左飛 | 左2 | ||||
RDH | 玉津優志(新商3・慶應湘南藤沢) | |||||||||
[3] | 今泉将(新商4・慶應) | 見三振 | 三飛 | 死球 | 中飛 | |||||
3 | 内田瑛介(新経4・ウェスト・トーランス) | 中飛 | ||||||||
3 | 吉田雄亮(新商3・慶應) | |||||||||
[8] | 常松広太郎(新政4・慶應湘南藤沢) | 左安 | 空三振 | 左安 | 中飛 | 死球 | ||||
[2] | 坪田大郎(新商4・慶應) | 右安 | 死球 | 四球 | ||||||
H4 | 宮澤豪太(新文4・県立長野) | 振逃 | 空三振 | |||||||
[6] | 上田太陽(新商3・國學院久我山) | 左安 | 遊飛 | 三ゴロ | ||||||
H9 | 小原大和(新環3・花巻東) | 中安 | ||||||||
[9] | 横地広太(新政3・慶應) | 二飛 | 中飛 | 右2 | ||||||
4 | 今津慶介(新総3・旭川東) | 左安 | ||||||||
6 | 藪本鉄平(新環3・米子東) |
◆慶大投手成績
選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 安打 | 本塁打 | 四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
先発 | 田上遼平(新商3・慶應湘南藤沢) | 5 | 17 | 51 | 2 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 |
2 | 川瀬泰樹(新商2・慶應) | 1 | 4 | 12 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
3 | 西本省太(新経3・慶應志木) | 3 | 7 | 32 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 |
2月25日のPanasonicとの試合では、先発・外丸東眞(新環4・前橋育英)が先制を許し、吉野の適時打で一時同点となったが、その直後の回での失点が響き敗戦した慶大。この日は、愛知大学野球リーグ2部に所属する名古屋商科大との試合が行われた。名古屋商科大は、OBに現オリックス・バファローズの茶野篤政が在籍するなど、プロ野球だけでなく、独立リーグで活躍する選手も多い。今大会では、2月20日の嘉麻市バーニングヒーローズ、2月26日の第一工科大学との試合に勝利し、未だ無敗の相手だ。
慶大先発の田上は、昨秋のフレッシュトーナメント決勝で先発登板し、4回打者15人に対し、被安打1、無失点。今季はリーグ戦への初出場ならびに活躍が期待される投手だ。田上は初回からストライク先行の安定した投球で、相手打者を翻弄。わずか26球で、3回、打者9人を完璧に封じ込める。
打線は初回に2番・吉野が二失で出塁するも、後続が倒れ得点できず。2回にも1死で6番・常松がこの日チーム初となる左前安打で出塁するも、7番・坪田大郎(新商4・慶應)の打席で、常松が牽制死。その後坪田が右前安打、8番・上田太陽(新商3・國學院久我山)が左前安打で2死一、二塁の好機を作るが、横地が二飛に倒れ、この日もなかなか先制点を奪えない。

2回に右安を放ち、持ち前の打力を披露の坪田

2回に左安でチャンスメイクの上田
4回の田上は、先頭打者・富永翔太(新4年・愛知啓成)に一塁手・今泉の横を抜ける右安打を浴び、この日初めての走者を出す。投犠打で1死二塁とすると、カウント2ー2から放った相手4番・辻の打球は二塁手・林純司(新環2・報徳学園)の頭上を越え、これが右適時打となる。1点の先制を許した田上だったが、続く打者を右飛、中飛に抑えピンチを切り抜けた。5回も登板し、わずか7球で打者3人を打ち取った田上は5回打者17人に対し、51球、被安打2、奪三振3、失点1の内容で降板。

5回を投げ切り1失点の先発・田上
追いつきたい打線は6回、先頭打者・吉野が二塁手の頭上を越える右安で出塁すると、3番・権藤が左安打で無死一、二塁の好機を作る。4番・中塚遥翔(新環2・智辯和歌山)が三邪飛に倒れるも、5番・今泉の死球で1死満塁に。ストライク2球で追い込まれた後の3球目、6番・常松の放った打球は三塁手の横を抜け、吉野、権藤が生還。昨春のリーグ戦で活躍し、今季主軸候補の常松に2点左適時打が生まれ、待望の勝ち越しに成功した。その後も7番・坪田の四球で再び1死満塁とすると、8番・上田の三ゴロの間に1点を追加。さらに2死一、二塁から9番・横地が相手先発・柳川林心(新4年・済美)の投じた100球目を捉え、これが右中間を割る右適時二塁打となり、2点を追加。この回一挙5得点で、スコア1ー5と相手を大きく引き離した。

この日4打数2安打、打撃好調の常松

横地の2点適時二塁打で試合を決定づけた
6回からは慶大2番手・川瀬泰樹(新商2・慶應)が登板。1死から連続四死球を与え1死一、二塁とするも、4回に適時打を浴びた4番・辻を二併打に打ち取り、得点を与えない。

6回を投げ無失点の2番手・川瀬
8回の攻撃は、1死から7番代打・宮澤豪太(新文4・県立長野)が振り逃げで出塁すると、8番代打・小原大和(新環3・花巻東)の打席で二盗。捕手の悪送球も重なって三塁に進塁すると、小原に中適時打が生まれ1点追加。さらに9回にも、先頭打者の2番代打・山口瑛士(新商3・郡山)が四球を選ぶと、1死三塁から4番・中塚が初球を振り抜き、これが左翼線際への適時二塁打となって1点追加。前々日に行われた試合とは一転、この日は慶大打線が猛攻を見せ、計7得点を奪った。

この日4番に座り、結果を残した中塚
9回は、7回から登板していた3番手・西本省太(新経3・慶應志木)が3イニング目に突入。2番から始まる好打順を三邪飛、見逃し三振、三ゴロに打ち取り、試合終了。スコア1ー7で3試合ぶりの白星を飾った。

7回から登板の3番手・西本が完璧な投球を披露
この日の試合は、好機の場面で4番・中塚や6番・常松ら主軸候補に一本が生まれた。打線全体としても、10安打7得点と非常に効率の良い攻撃ができたことが勝因だろう。投げては先発・田上の5回1失点の快投、さらに川瀬、西本の無失点リレーは慶大の攻撃にリズムを生み出した。翌日の社会人チーム・日本製鉄大分との試合も、この日の勢いそのままに連勝したい。
◆活躍選手インタビュー
常松広太郎(新政4・慶應湘南藤沢)
――6回に決勝点となる適時打。打席を振り返って
チームの中で、チャンスの場面でタイムリーを打つことがテーマにあったので、まだ全然できてはいないんですけど、バットを短く持ってボールにコンタクトするということを意識しました。
――この日は4打数2安打。今大会打撃好調だが、その要因は
今チームの雰囲気が凄く良くて。監督、選手全員仲が良く、みんなで監督勝たせよう、という雰囲気で。自分も春季キャンプからチームの日本一に貢献できるように頑張りたいと思っているので、勝ちたいという気持ちが結果につながっていると思います。
――春季キャンプで重点的に鍛えているポイントは
今までずっとライトを守っていて、最近の試合ではセンターを守っていて。センターのポジションで勝負したいという気持ちがあるというのと、昨春のリーグ戦では対応力という面で課題が残ったシーズンになったので、そこの部分で対応できるように取り組んでいます。
――最後に今年の目標、今後の意気込みを
今年の目標としては4冠を達成して、堀井哲也監督を泣かせます!今後の意気込みとしては、その目標に対して自分自身が主力として大いに貢献して、胴上げの時に思いっきり上げられるように頑張ります!

決勝点となる適時打を放ち、塁上で喜ぶ常松
(記事、写真:加藤由衣)