【ソッカー女子】関東女子大学リーグ入れ替え戦 執念の1部残留!主将とエースのゴールで激戦制す 

胴上げされる佐野主将

11月23日(祝)関東大学女子サッカーリーグ 入れ替え戦

vs 山梨大学 12:30K.O @大東文化大学東松山グラウンド

前半 後半 合計
慶大
山梨大学
慶大出場選手
GK 1 小牧 和紗
DF 18 原 志帆(環1)
12 佐々木 優(商1)
3  川崎 栞(政3)
6  宮原 うらら(政3)
MF 7  佐野 杏奈(環4)
23 須藤 なぎさ(商2)
→87分 17児島 愛子(法1)
8  山本 瑶子(政3)
3  榎本 沙織(政4)
FW 11 中山 茜(環3)
10 石原 愛海(環2)
得点者(慶):佐野(分)、中山(分)

昨年1部昇格を果たし、「インカレ出場」を目標に掲げ挑んだ関東大学女子サッカーリーグ。しかし結果は7戦全敗、得点はわずか1点しか挙げることが出来ず最下位に沈んだ。そしてこの日、2部3位の山梨大学を迎えた入れ替え戦に敗れれば1年で2部降格という苦境に立たされた。プレッシャーがかかる試合だったが、慶大イレブンはピッチで躍動。一時は同点に追いつかれる厳しい展開の中でも、見事勝利を収め1部残留を決めた。

前半は中盤での激しい攻防が続き、両チームとも決定機まで至ることができない。慶大も中山(環3)、石原(環2)を中心にサイドから攻撃を展開するが、シュートで終わる場面がほとんどなく山梨大のディフェンス網に突破口を見出せず。逆に相手のサイドチェンジやディフェンスとキーパーの連係ミスからヒヤリとさせられるシーンを作られ、自陣でのプレー時間が長くなっていく。それでも粘り強いディフェンスで流れを徐々につかむと勢いは慶大へ。35分にはスローインをうまく受けてフリーになった榎本(政4)が左45度からシュート。これは惜しくも枠を捉えきれなかったが、41分ついに歓喜の瞬間が訪れる。

先制ゴールを決める佐野主将

中盤右サイドでボールを奪うとパスを受けたのは攻撃でチームを牽引する中山へと渡る。慶大エースはドリブルで相手ディフェンスを3人引きつけ、左足で絶妙のスルーパス。これに反応した佐野主将(環4)がキーパーとの1対1を冷静に決め、ゴールネットを揺らした。くしくもこの日誕生日だった主将の「バースデイゴール」で慶大が待望の先制点を奪う。「自分たちが狙っていた形」(岩崎監督)という中盤からの積極的かつ抜群の飛び出しで数少ないチャンスをものにした慶大は非常にいい流れで前半を1点リードで折り返した。

しかし後半開始早々まさかの事態が待っていた。左サイドを駆け上がった中山が深い位置まで切れこみセンタリングを上げるが、これがキーパーに防がれるとそのこぼれ球から山梨大のカウンターを受ける。一気にゴール前まで運ばれると翻弄された慶大ディフェンスはたまらずP.A内でファールを犯してしまう。このPKを決められ1-1、試合を振り出しに戻される厳しい展開となる。

その後は一進一退の攻防が続くが「勝負どころ、我慢」という岩崎監督のベンチからのゲキを選手が体現。攻撃にリズムが生まれ、守備も相手攻撃陣に決定的な仕事をさせない慶大の時間帯が段々と多くなっていく。すると後半27分、右からの石原のCKを中山がディフェンス陣との競り合いに勝って、ヘディングシュート。「おでこではなかった」というシュートだったが、執念がこもったボールはそのままゴールに吸い込まれる。スコアを2-1とし慶大が勝ち越しに成功。殊勲のゴールを決めた中山を中心に歓喜の輪が広がった。

勝ち越しゴールを決めた中山を中心に歓喜の輪

 

勝ち越し後は山梨大の猛攻を受けるが、終始安定したセービングを見せたGK小牧和(経4)、相手の攻撃を跳ね返し続けた川崎(政3)らの奮闘で慶大が2-1でそのまま逃げ切り勝利。ロスタイム3分を経て終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、イレブンは抱き合い喜びを分かち合った。それは慶大の1部残留のみならず、入れ替え戦がいかに選手たちにとって厳しいものであったかを物語っていた。

攻撃の軸を担うのが3年生の中山、2年生の石原であるため来年も1部で戦うことができるというのは非常に大きな財産である。また過酷な入れ替え戦をチーム一丸となって経験した選手たちは一回りも二回りも大きく成長できたに違いない。それでも「入れ替え戦に勝った喜びではなくて今年の悔しさを忘れずに」(岩崎監督)と慢心はない。来季こそ「高みを目指してチャレンジャー精神持った」(岩崎監督)慶大イレブンの今日と同じ勝利の笑顔を見せて欲しい。

 By Yasuhiro Namimatsu

 岩崎監督
(今の気持ちは)選手は1部で全敗してここまでものすごく苦しい日々を過ごしてたんですけど、本当にそれを耐え抜いて1部残留を果たしたっていうのは強いなと思いました。あと山梨大学も本当に慶應に勝つために徹底して弱いところをついてきて、サッカーの質うんぬんは別としてレベルの高い試合、本当の勝負がかかった試合をやらせてもらったっていうのは山梨大学があったからこそで、自分たちの力が出せたんだと思います。(その中で先制点取れたのは大きかった)そうですね。あれは自分たちが狙っていた形で、二列目からオフサイドラインの裏をつけたというのはみんなの自信になるし、キャプテンの佐野が決めてくれたことが本当に大きかったです。(同点後は「勝負時だ、我慢だ」という指示もあったが )あのPKの後、流れを完全に流れを持っていかれたかと言えば、そうではなくて選手たちは落ち着いてやってたのでここ耐えればチャンスあるなと思っていました。そこで茜(中山)が決めてくれて、そして流れを変えてくれたのが愛海(石原)で、本当にギリギリのところ頑張ってくれてそれが全体前に行く力になった。そういう一人一人の活躍が、茜のCKからの1点に繋がったと思います。(前線の選手には来年もあるので、1部残留には大きな価値があると思うが)そうですね。1部に入れ替え戦で残れるチームというのはなかなかなくて、残留したことは自分たちを誇りに思っていいと思います。ただ今日のサッカーの質だと1部では戦えないので、これから自分たちが今年の悔しさを忘れずに、入れ替え戦に勝った喜びではなくて悔しさを忘れずにこれから時間を過ごしていければいいかなと。まだこのチーム後1ヶ月半あるのでまた成長できるかどうかっていうのが勝負だと思います。(選手にはどんな声をかけたか)今日の試合は今日の試合であって、次の関東リーグ昇格と都リーグ優勝という勝負がこれから待っているので、このチームで自分たちの高みを目指してチャレンジャー精神持って頑張っていきたいと思います。

佐野主将

(今の気持ちは)ホッとしているの一言ですね。入れ替え戦は何が起きるか分からないしサッカー自体も極端に差がある場合は勝敗明らかですけど、力の差がそんなに開いていない試合だと分からないというのはあるので、けっこう勝てるのかっていう不安な気持ちがスゴい大きかったです。2-1という結果で勝ててスゴいホッとしてます。(先制ゴールの場面を振り返って)大学リーグ振り返った時に全然チーム自体が点取れてなかったので、入れ替え戦とはいえ大学リーグで取りたかったというのはありました。二列目から出ていこうという話を岩崎監督から言われていたので、それがうまく出た場面で後は決めるだけだったので茜(中山)のアシストで決められて良かったです。(決めた時の気持ちは)本当に嬉しかったの一言ですけど、今までやって来たことが形になったのがその喜びを大きくさせました。(バースデイゴールだったみたいですね)そうですね(笑)(勝因は)1部で戦ってきたということもあって、一人一人がやらなければいけないことをみんなが明確に持って戦えたことっていうのが、相手に攻められるつらい時間も多かったですけど、その中でそれぞれがしっかりやるべきことを出来たっていうのが一番の要因だと思います。(後輩に1部の舞台を残せたことについては)今年インカレという目標を掲げていたにも関わらず、全然勝ち点も取ることが出来なくて悔しかったので、その悔しさを3年生は一番分かっていると思うので中心になって、来年こそは絶対インカレ出てほしいと思います。(今後の意気込みは)都リーグ、関東リーグそれぞれ残ってますけど、両方勝って高いレベルでサッカー出来るようにしたいです。

中山

(今の気持ちは)来年1部でインカレに行ける土台を4年生が作ってくれたので本当に嬉しいですけど、これがスタートだと思って気持ちを切り替えていきたいと思います。(勝ち越しゴールの場面を振り返って)CK(から点を取るの)が得意だったのでここで1点奪うしかないと思っていて、みんなが喜んでいるので自分が決めたってことに気づいたんですけど、いいボール上がってきたのでこれは決めるしかないと思ってました。決まって良かったです。(押し込んだ場所は)おでこではなくて、横でした笑(執念で取ったゴールですね)そうですね。(来年1部で戦えるというのは大きいと思うが)そうですね。1部は来年三回目なので次は自分が4年生でラストチャンスなのでインカレ出場という目標を掲げていきたいです。(今後の目標は)都リーグは全勝優勝を目標としているので、しっかり決めるべきところで点数奪って優勝して、その関東リーグ入れ替え戦でそこでも結果を残していきたいと思います。

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