【ソッカー(男子)】国立を黄色に染め上げた! 3発逆転で創部100年を飾る早慶戦連覇/第77回早慶サッカー定期戦

ソッカー男子

創部100周年、記念すべき1年を戦っている慶大ソッカー部。今季の早慶サッカー定期戦(早慶クラシコ)は国立決戦となった。昨季の早慶クラシコでは前半に2点のリードを奪うと、反撃を1点に凌いで4年ぶりの勝利を挙げた。一方で、前回の国立競技場開催である2年前の早慶クラシコでは0−4で屈辱の大敗。あの日の雪辱を果たすため、また目標である「早慶戦勝利、一部復帰」を達成するため、負けられない一戦となった。前半は徐々に押し込まれる苦しい展開を強いられると、セットプレーから先制点を奪われ1点を追う展開となる。しかし、32分に小野翔大(経3・慶應)が同点弾を奪うとその後は慶大が押し返し、タイスコアで前半を折り返す。迎えた後半は一進一退の攻防が続く中、ピンチをGK福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース)を中心に凌ぎ続けると、69分にオノノジュ慶吏(政2・前橋育英)がエリア外からゴラッソを叩き込み逆転に成功する。さらに77分には、途中出場の朔浩太朗(理4・学習院高等科)が追加点を奪いリードを広げる。その後は途中投入の小谷行晟(環4・慶應湘南藤沢)や川名駿佑(総4・興國)ら4年生を中心に、この早慶クラシコに懸ける想いの強さを証明し続けた慶大イレブン。試合は3−1のスコアのまま終了。宿敵ワセダを撃破し、国立に勝利の凱歌を響かせた。

2026/8/11(火・祝)18:00キックオフ@MUFGスタジアム(国立競技場)

【スコア】
慶應義塾大学3−1早稲田大学
【得点者】
20分 早大 金指功汰
32分 慶大 小野翔大(オノノジュ慶吏)
69分 慶大 オノノジュ慶吏
77分 慶大 朔浩太朗

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

21 福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース)

DF

2 三浦成貴(商4・浜松開誠館)

 

3 斎藤大雅(文4・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)

 

5 田形昂生(政4・慶應)

 

6 馬場翔大(商3・國學院久我山)

 MF

30 堀ノ口瑛太(総1・神村学園)

 

→ 90+4分 18 川名駿佑(総4・興國)

 

10 藤井漱介(商4・静岡学園)

 

→ 62分 23 山本凉(法2・桐蔭学園)

 

13 三浦大其(経3・慶應)

 

8 小野翔大(経3・慶應)

 

→ 90+4分 20 松下伊吹(経4・渋谷教育学園幕張高/ジェフユナイテッド市原・千葉 U-18)

 

9 オノノジュ慶吏(政2・前橋育英)

 

→ 82分 11 小谷行晟(環4・慶應湘南藤沢)

FW

28 米田壮志(商3・都立青山高/横河武蔵野FC U-18)

 

→ 73分 7 朔浩太朗(理4・学習院高等科)

前回の公式戦である「アミノバイタル®」カップ3回戦の産能大戦からはおよそ2ヶ月が空いた中で迎えるこの大一番。この日は前期リーグ戦で慣れ親しんだ4バックを採用。斎藤大雅(文4・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)がセンターバックとしてスタメンに復帰。また、左ウイングにオノノジュ慶吏(政2・前橋育英)、トップには米田壮志(商3・都立青山高/横河武蔵野FC U-18)が入った。

慶大スターティングメンバー

序盤は慶大がボールを持つ時間を確保する展開になる中で、今季リーグ戦7ゴール4アシストと慶大の攻撃の中心を担う三浦大其(経3・慶應)のアーリークロスなどからチャンスを窺うも決定的な場面は作り出せない。すると試合は徐々にワセダペースになっていく。11分にはペナルティアーク付近からのシュートを今季キャプテンを担う三浦成貴(商4・浜松開誠館)が身体を張ってブロックすると、18分にはカウンターを喰らうもGK福井大次郎(経3・慶應/横浜F・マリノスユース)がストップ。直後の19分にはミドルシュートがDFに当たりコースが変わるも福井が左手一本でセーブすると、そのこぼれ球を詰めた相手のシュートを三度福井がストップ。弾いたボールはゴールへ向かうも、田形昂生(政4・慶應)が頭で掻き出し凌ぐ。しかし直後の相手のコーナーキック。インスイングのボールがファーサイドへ送り込まれると、頭で合わせられ失点。相手の巧みなスクリーンでマークを外されたことが失点に繋がってしまった。
失点直後に飲水タイムが取られる中、再開後はリードを奪ったワセダのプレスがやや控えめになる。一方の慶大も狭い左サイドを打開して三浦大にボールを届けるシーンこそあるもなかなかその後の解決策を見出せない中、わずかな好機をものにする。32分、GK福井からのロングボールを藤井漱介(商4・静岡学園)が完璧なトラップで収めると、左サイドのオノノジュに展開。ボールを受けたオノノジュは逆足でのクロスを選択すると、クロスボールに2列目から飛び込んだのは小野翔大(経3・慶應)。相手GKの逆を突くニアへ、胸ですらして流し込んだ。

オノノジュのクロスに小野が合わせた

5試合ぶりのスタメンとなった小野の同点弾で試合を振り出しに戻した。また、得点の起点となったGK福井は、シュートストップの面はもちろん、この日はパスが冴え渡った。両足で蹴ることのできるフィードを武器に慶大のビルドアップを支え続けた。
同点弾を皮切りに慶大は苦しい戦況を打開。ゴールの起点となったオノノジュと藤井のコンビで左サイドを崩すシーンが多く見られたほか、センターバックの斎藤の対角フィードや味方に繋げるクリアなどで前進を図ると、42分には中盤の底を担う堀ノ口瑛太(総1・神村学園)が右サイド深くへロングフィードを展開し、ボールに追いついた三浦大のクロスをオノノジュがボレーで合わせるもGKに阻まれ得点には至らない。直後の43分には自陣でのビルドアップ中にミスからボールを奪われると、GKの飛び出しを突かれロングシュートを打たれるもこれはクロスバーに救われるというヒヤリとする場面も。ただ、同点弾後はスコアが動かず、1−1で後半に突入する。

両チームともに交代はなく迎えた後半、最初にチャンスを作ったのはワセダ。49分、ドリブルでペナルティエリア内に侵入してシュートを放たれるも、GK福井がセーブする。直後のコーナーキックでは前半の失点シーンと同じようなボールが送られるも今度はしっかりと対応。前半からの修正を見せる。
前半から流れが変わったように感じたのは中盤でのセカンドボールの回収の部分。慶大は堀ノ口がセカンドボールを拾ったところから展開してチャンスメイクするシーンが増える。50分の、セカンドボールを堀ノ口がワンタッチで小野に展開し、三浦大のクロスでゴールを目指したシーンは早速見られたシーンである。堀ノ口は59分に自陣でのボールを奪うとドリブルで敵陣にキャリーし、相手にファウルを受けながら展開してコーナーキックの獲得に繋げたシーンもあり、前半以上に輝きを放った。

1年生ながら堂々たるプレーを見せた

60分過ぎになると、ピッチには強い雨が降り始める。一進一退の攻防が続く中で流れを変えたい両軍は選手交代で打開を図ることに。慶大は61分に藤井に代えて山本凉(法2・桐蔭学園)を投入すると、ワセダは直後に左サイドのアタッカーをフレッシュな選手に交代。先に効果が出たのはワセダ。左サイドの攻撃が活性化し、慶大ゴールを脅かすシーンを作り出す。65分頃にはワセダのセットプレーが連続。それでも慶大は三浦成のブロック、GK福井のパンチングに田形も見事なボール奪取からファウルを獲得するなど、好プレーの連続で凌ぎ切る。
後半の飲水タイム明け、先にチャンスを作ったのは慶大。69分、右サイドバックの馬場翔大(商3・國學院久我山)がボールを奪うと、山本凉のスルーパスに抜け出したのはオノノジュ。相手のディフェンス2人を剥がすと、「抜けた瞬間からシュートへのイメージができていた」と本人も語る通り、距離のあるところから右足を一閃。これがゴールに突き刺さり、慶大が逆転に成功する。早慶戦前インタビューでは「選手権で決められなかったゴールを決めたい」と話していたエースの有言実行となる一撃。国立での悔しさを晴らす待望のゴールで、慶大がリードを奪った。

スタンドを煽るオノノジュ

1点をリードした慶大は73分、米田に代わって朔浩太朗(理4・学習院高等科)を最前線に投入。フレッシュな朔に、スピードを生かしたプレスと抜け出しの役割を託すことを選択した。すると直後の77分、その朔のプレスで高い位置でインターセプトすると、三浦大のドリブルは相手に倒されてフィニッシュまで持ち込めなかったものの、鋭い出足で堀ノ口がボールを奪い返す。小野のクロスは相手に当たるも、こぼれ球が朔のもとへ。これを朔が頭で流し込み、追加点を挙げる。投入直後の4年生が自らのプレスから生まれたチャンスをものにし、慶大のリードを2点に広げた。

朔のゴールでリードを広げる

2点リードの慶大は、82分に逆転弾を奪ったオノノジュに代えて小谷行晟(環4・慶應湘南藤沢)、後半アディショナルタイムの90+3分には同点弾の小野と攻撃の起点となり続けた堀ノ口に代えて川名駿佑(総4・興國)松下伊吹(経4・渋谷教育学園幕張高ジェフユナイテッド市原・千葉 U-18を投入。小谷と松下は今季初出場となった。小谷が積極的な仕掛けを見せて折り返しを狙うと、負けじと川名も三浦大とのコンビネーションプレーで右サイドでボールを相手に奪わせない巧みなプレーを披露。松下も強度の高い展開の中で途中出場するという難しい役割ながらゲームにうまく入り、試合をクローズする役割を全うしてみせた。終盤には何度かワセダにチャンスをつくられながらも、最後までGK福井やキャプテン三浦成を中心とした守備陣が集中して対応。ベンチやスタンドからの声援も力に、総力戦でリードを守り切った。

国立を「完全制圧」

試合は3−1で終了。慶大が早慶クラシコを制した。
この日は日本代表監督の森保一氏が来場。MVPの選出も森保氏が務めた。MVPに選ばれたのは慶大の守護神、福井。セーブで、フィードで、チームを支え続けた。

最後尾からチームを支えた

この勝利により、慶大は2009年から2011年までの3連覇以来、15年ぶりに早慶クラシコ連覇を達成。また、国立競技場での早慶クラシコでの勝利も2011年以来15年ぶりと記録的な一戦となった
創部100周年という特別な年、国立競技場という特別な場所、早慶クラシコという特別な一戦。この大舞台で関東1部4位と好調の相手を撃破できたことは、後半戦への自信になっていくだろう。今季の目標は「早慶戦勝利、一部奪還」である。前期は苦しみ9位ターンとなったが、慶大の実力をこの早慶戦で存分に示してくれた。どんなに崖っぷちであっても、荒鷲軍団なら羽ばたけるはず。後期の巻き返しと、ソッカー部の未来の発展に期待したい。

国立で若き血を斉唱した

(取材:奥秋柚生、甲大悟、塩田隆貴、柄澤晃希、記事:首頭千紘)