【應援指導部】「失敗を恐れず挑戦してほしい」未来を担う後輩たちへの願い/育成責任者インタビュー

應援指導部

應援指導部の未来を担う後輩たちの成長を支える「育成責任者」。新入部員の獲得から入部後の育成まで幅広い役割を担い、日々部員一人一人と向き合いながら、組織の未来を築いている。今夏の合宿では、厳しい練習を乗り越えた1年生たちに腕章が授与され、育成に携わってきた2人にとっても大きな節目となった。4年間の應援指導部生活も残りわずかとなる中、後輩たちの成長をどのように感じ、どのような未来を託すのか。育成責任者を務める4年生のお二人に、育成への思いや後輩たちへの期待、そして應援指導部の未来について話を聞いた。

 

ーー自己紹介

H.Mさん:法学部法律学科4年、吹奏楽団で育成責任者を務めておりますH.Mと申します。

T.Yさん:商学部4年、チアリーディング部のT.Yと申します。

 

ーー育成責任者の役割・仕事内容

T.Yさん:育成責任者の主な仕事として、まず育成管轄の業務があります。4月に新入生が入ってくる中で、應援指導部の未来を担う部員を見つけるために、新歓活動の企画や運営を行うことが一つの役割です。また、入部後も新入部員をどのように一人の部員として成長させていくかという点で、練習内容や育成方針などを育成責任者として育成管轄を引っ張りながら考えていく形になります。新入部員だけでなく、下級生全体、さらには同期を含めた部員全員が相談しやすいような雰囲気づくりも心がけています。

H.Mさん:実際に入部してくれた部員たちが一人前の部員となるために必要な、さまざまな育成を行っています。例えば、応援席で求められる技術などを細かくチェックすることで、ほかの部員とも馴染み、早く応援で一人立ちできるようサポートしています。また、新入部員の獲得や育成に加え、部全体の雰囲気を良くし、部員同士の関係を深めるためのレクリエーションなども担当しています。

 

ーー育成に携わろうと思ったきっかけ

H.Mさん:私は2年生の時から育成スタッフを務めているのですが、初めて育成スタッフになりたいと思ったきっかけは、自分がこの部活に入った時に、一番近くで支えてくださったのが育成責任者や育成スタッフの方々だったことです。自分も入部当初に戸惑いや辛いことを経験するかもしれない1年生にとって、道しるべとなれるような人間でありたいと考え、立候補しました。

T.Yさん:私も2年生の頃からずっと育成管轄に携わっているのですが、私自身も新入生として入部した時に、さまざまな辛いことや大変なことを経験しました。そうした経験を経て2年生になり、自分と同じような気持ちを抱えている子たちの少しでも助けや支えになれるような上級生になりたいと思いました。そして、一番近くで新入生や下級生と関われる育成スタッフとして、應援指導部の運営に携わりたいと考え、育成責任者になりました。

 

ーー今年の1年生の雰囲気

H.Mさん:吹奏楽団で言えば、非常にエネルギッシュな子たちが多いという印象を受けています。できないことがあった時には、みんなで自主的に集まって苦手な子をサポートしたり、より良くするためにはどうすればよいかを考えたりと、自発的に行動してくれる子たちだと感じています。

T.Yさん:チアリーディング部は本当に個性豊かな子たちが多いと感じています。特に、一人一人の技術力や持っているポテンシャルが非常に光っていると思うので、これからの3年間がとても楽しみです。

 

ーー仮入部から夏合宿を経た新入生の成長

H.Mさん:応援席にいる時の目が一番大きく変わったと感じています。入部当初は右も左もわからず、周りの様子を伺いながらメガホンを振っていた子たちが、今では自分の声かけによってどうすれば応援席を動かせるのかを考えながら、堂々と応援するようになりました。一人一人が應援指導部員として、しっかりと役割を果たしていると感じています。

T.Yさん:入部したばかりの頃は、本当に右も左もわからない状態で応援席に立っていたと思うのですが、前期の活動や合宿を通して、自分なりの応援を見つけ、自分らしく応援している姿が印象的です。また、チアリーディング部では、最初の部内集合で「没出し(周りが盛り上がる一言を言うこと)」を披露する場があるのですが、最近では上級生だけでなく、1年生も没出しに挑戦するようになりました。そうした姿を見ると、とても成長したと感じますし、どんな人の前でも自分の殻を破って応援している姿がすごく素敵だと思います。

 

ーー夏合宿で腕章を渡した際の思い

H.Mさん:我が子が巣立ったような気持ちで、本当に胸がいっぱいになり、うまく言葉にできないほどでした。入部当初は右も左もわからなかった子たちに、どうすればわかりやすく伝えられるかを考えながら、さまざまな工夫をして一から教えてきました。体力的にもスケジュール的にも厳しい練習が多く、大変な場面もたくさんあったと思いますが、弱音を吐かずについてきてくれました。特に厳しい6泊7日の合宿を、最後まで良い表情でやり遂げた子たちに腕章を渡す時は、3月からの思い出が走馬灯のようによみがえりました。自分たちがこの子たちを選び、その子たちも自分たちを選んでくれて、そして今、應援指導部の未来をつないでいく部員として成長している。その節目の一つに自分が携われていることに、大きな感動と喜びを感じました。

T.Yさん:まずは、この子たちが入部してくれて本当に良かったと思いました。應援指導部は、ほかの部活動に比べても覚えることが多く、人間関係や上下関係など、難しいことも多いと思います。それでも、一つ一つ乗り越え、新しい組織の中で頑張り続けてくれたことにすごく感謝していますし、素直に「本当にお疲れ様」と伝えたい気持ちでした。

 

ーー下級生に声をかける際に意識していること

H.Mさん:私はなるべくポジティブな声かけをするように意識しています。例えば、少ししんどそうな表情をしている子がいても、「しんどい?」と聞くのではなく、「最近どう?元気?」「何か気にかかっていることはある?」といった聞き方をするようにしています。「大丈夫?」と聞いてしまうと、「大丈夫」と答えるしかなくなってしまうと思うので、辛い時に自分の気持ちをきちんと言葉にできるよう、一人一人の表情をよく見ることを心がけています。

また、自分一人ではどうしても全員に均等に目を配ることが難しいので、育成スタッフやほかの4年生にも頼りながら、「最近あのパートの子はどう?」「どんな様子だった?」と聞くなど、直接声をかけるだけでなく、周囲の声にも耳を傾けるようにしています。

不安や悩みがあっても、あまり親しくない相手にすぐに打ち明けられる人はなかなかいないと思います。そのため、しんどそうにしている時だけでなく、普段から「おはよう」「今日の朝ご飯は何を食べた?」といった何気ない会話も大切にし、自分から1日1回は全員とコミュニケーションを取るように意識しています。

T.Yさん:私も似たような感じなのですが、まずは怖い顔をせず、笑顔で話しかけることを意識しています。下級生から上級生に話しかけるのはハードルが高いと思うので、少しでも話したそうにしている様子があれば、それに気づいて自分から積極的に声をかけることを大切にしています。また、下級生が抱える気持ちや疑問は、自分自身も下級生だった頃に感じていたことなので、当時の自分の気持ちを思い出しながら話すように心がけています。

 

ーー引退までの期間に後輩へ伝えたいこと

H.Mさん:本当にさまざまなことに挑戦できる部活動なので、少しでもやりたいことがあるなら、どんどん挑戦してほしいという思いがあります。4年間は長いようで本当にあっという間ですし、気づいたら終わってしまいます。また、学年が上がるにつれて、やらなければならないことも増え、だんだん自分のやりたいことだけでは活動できなくなっていきます。だからこそ、自分がやりたいと思ったことを、その時に素直に行動に移せる力や、自分の思いを発信する力を今から磨いてほしいと思っています。そのために、残り2カ月ほどで自分にできることはしてあげたいと考えています。

加えて、失敗を恐れないことも大切にしてほしいです。先ほどのさまざまなことに挑戦してほしいという話にもつながるのですが、失敗を恐れて挑戦しなくなってしまうのは、本当にもったいないと思います。まだ3年と2カ月ほどの時間が残されているからこそ、どんな失敗もいつか成功の糧になると思うので、何事も恐れず、とにかく挑戦する強い心を持ってほしいです。

T.Yさん:本当に一つ一つの活動を大切にしてほしいと思っています。引退が迫っている今、特にそう感じるのですが、4年生になると、どの活動も最後の機会になります。例えば、春季リーグ戦の慶法戦第1回戦も一度しかありません。1年生はまだ3年間あると思っているかもしれませんが、その3年間でも参加できる応援もあれば、参加できない応援もありますし、できることには限りがあると思います。だからこそ、一つ一つの活動を大切にし、周りの人への感謝を忘れずに活動してほしいです。

また、残り2カ月となった今、これまでの應援指導部での生活を振り返ると、「あれをやっておけばよかった」と後悔することもたくさんあります。だからこそ、後悔のないように、少しでもやりたいと思ったことには挑戦してほしいですし、多少の不安があっても、一歩踏み出す勇気を持って活動してくれたらと思います。

 

ーー引退後につくってほしい應援指導部の姿

T.Yさん:新歓目標を設定する際に、「先を見据えて、未来の理想の應援指導部を一緒につくっていく仲間と出会う」という目標を掲げました。これからも100年、200年と続いていってほしいですし、應援指導部は誰かを応援する部活動ではありますが、應援指導部自身も周りの人から応援されるような組織として、これからも成長していってほしいと思います。

H.Mさん:應援指導部には、エールや相手校に対する礼儀、所作など、これまで引き継がれてきた、これからも守るべき伝統がある一方で、もっと柔軟に変えていってもよい部分も多いと思います。守るべきものは守りつつ、それ以外の部分では、我々が想像もつかないような挑戦をたくさんしてほしいです。そして、「そんな應援指導部のあり方もあったんだ」と、後から私たちが悔しい思いをするくらい、どんどん飛躍した新しい姿を見せてほしいと本当に思っています。

 

新入部員の獲得から育成まで、後輩たちの成長を誰よりも近くで見守ってきた2人。その言葉からは、一人一人の部員に対する深い愛情と、應援指導部の未来への強い思いが感じられた。残された時間はわずかとなったが、2人が後輩たちに注いできた思いは、これからの應援指導部へと引き継がれていくだろう。

 

(取材、記事:小野寺叶翔)