【ラクロス(男子)】佐藤仁ハットトリック&守護神・岩城が好守連発 法大下し、関東の頂は早慶戦に!/第38回関東学生ラクロスリーグ FINAL4 vs法大

男子ラクロス

10月18日(日)、大井ホッケー競技場メインピッチで行われた関東学生ラクロスリーグFINAL4で慶大は法大と対戦。開始早々に速攻で先制を許すも、守護神G・岩城敦大(法4・慶應)の好セーブで流れを渡さず、第2Qにはフェイスオフでの連勝を起点に怒涛の5連続得点。AT・佐藤仁一郎(政4・慶應)のハットトリックなど今秋最多の10得点を挙げると、終盤の猛追をしのいで10-7で勝利した。昨年涙をのんだ舞台を突破し、決勝では宿敵・早大と激突する。

 

♢スタメン♢

AT

#4 福田天真(法4・國學院久我山)

#31 佐藤仁一郎(政4・慶應)

#3 鈴木孝人(法3・学習院)

MF

#51 福田崇斗(商3・本郷)

DF

#16中本孝太郎(政4・慶應)

#5峰岸諒(環4・慶應湘南藤沢)

#22伊藤優希(政4・慶應)

#19築地泰志(経3・本郷)

FO

#63 水本太一(経3・慶應)

G

#2岩城敦大(法4・慶應)

 

♢得点♢
  1Q 2Q 3Q 4Q 計
慶大 1 5 1 3 10
法大 1 0 2 4 7
慶大得点者 佐藤仁         佐藤仁(鈴木孝)、橋山、岸、佐藤仁(児玉)、鈴木孝 大類            岸、福田天(加藤)、橋山 ―   

 

開幕4連勝を飾り、第4戦の早大戦でFINAL4進出を決めた慶大。しかし、ホーム日吉で迎えた予選最終戦では中大に3-5で敗れた。試合後、副将/AT・福田天真(法4・國學院久我山)は「チーム全体にどこか気持ちの緩みがあったのも事実」と認め、全員が危機感を持って切り替えると誓った。その言葉通り、チームはFINAL4の直前まで約1週間のニューヨーク遠征を行い、アメリカの学生ラクロスチームと連戦。本場のラクロスで強度を磨き決戦に臨んだ。

実は、「関東FINAL4・対法大戦」には長い記憶がある。DF・中本孝太郎(政4・慶應)は「1年生の時に、4年生の先輩方が、まさにこの関東FINAL4で法政大学に敗れて、引退する姿を目の当たりにした」と語るように、この試合は現4年生にとっては因縁の一戦でもあった。

 

最初のフェイスオフを制した慶大だったが、開始わずか20秒、攻撃中のパスをカットされると、守備が整う前に速攻を決められ先制を許す。リーグ戦でも5試合中4試合で先制を許してきたが、この日も追う展開となった。その後も法大の攻勢が続くが、ここで守護神G・岩城敦大(法4・慶應)が立ちはだかる。次々とシュートを止め、このQだけで3本の好セーブを見せる。一方の攻撃陣はパスミスが目立ち、MF・岸敬太郎(政4・慶應)のシュートもポストに嫌われる。それでも残り1分、AT・佐藤仁一郎(政4・慶應)がゴール裏から回り込んで同点弾。1-1で第1Qを終えた。

好セーブを連発したG・岩城(法4・慶應)

 

試合の流れを決めたのは、フェイスオフだった。第2Q、FO・水本太一(経3・慶應)、FO・溝部航貴(総3・國學院久我山)が次々とフェイスオフを制し、慶大が攻撃の時間を独占。開始3分、ゴール裏のAT・鈴木孝人(法3・学習院)からパスを受けたAT・佐藤仁がすぐさま決めて勝ち越し。5分半にはMF・橋山隼人(商3・慶應)がゴール裏から豪快な回り込みショット、6分半にはMF・岸が石の水切りのような低弾道ワンバウンドショットで続く。9分には主将/DF・峰岸諒(環4・慶應湘南藤沢)のボールダウンを起点に、AT・佐藤仁がこの日3点目を決めてハットトリックを達成。残り4分にはAT・鈴木孝も加点した。終盤にはマンダウンの時間帯もあったが、守備陣が無失点でしのぎ、6-1で前半を折り返した。

今試合ハットトリックを達成したAT・佐藤仁(政4・慶應)とアシストを決めたMF・児玉(環4・慶應湘南藤沢)

 

点差を開きたい第3Q。試合開始直後、相手に隙をつかれ得点を許してしまうが、FO・水本のフェイスオフで再び流れを取り戻す。するとQ開始5分ごろ、エキストラマンオフェンスで数的有利になった慶大はこのチャンスを逃さず、オフェンス陣からパスを受けたMF・大類慈英(商4・慶應)が冷静なシュートを決め、スコアは7-2に。その後は攻防が激しく入れ替わる展開となったが、Q終了間近、失点を許してしまう。スコアは7-3で最終Qへと勝負を繋ぐ。

安定したシュートを決めるMF・大類(商4・慶應)

 

勝敗を決する第4Qは、FINAL4勝利をかけて両者の意地がぶつかり合う。膝をついたFO・溝部がポゼッションを獲得し、オフェンススタートとなる。点差を広げたい慶大は、エキストラマンオフェンスの際にMF・岸が冷静なシュートを決め、8-3に。ここで終わらないのが“KING”慶大ラクロス部。続く5分にはMF・ 加藤彰悟(経・慶應)のピンポイントなパスからAT・福田天が得点を奪い9-3と突き放すと、さらにMF・橋山が相手守備をかわしてゴールネットを揺らし、スコアは10-3に。勝利をぐっと引き寄せた。 しかし、ここで終わらないのがFINAL4。立て直しを図る法大の鋭い攻撃に対し、粘り強いディフェンスで応戦するも一瞬の隙を突かれ10-4。10分にも失点を喫すると、相手の怒涛の反撃を止められず立て続けにゴールを許して10-7。一気に緊迫感が増す展開となったが、最後は全員で泥臭くリードを守り抜いて試合終了のホイッスル。終盤に冷や汗をかきながらも、序盤のリードを活かして激闘を制した。

試合後

 

攻撃陣の爆発、守護神の好守、そしてフェイスオフ。3つの歯車が噛み合い、慶大は昨年涙をのんだFINAL4の壁を越えた。今秋最多の10得点は、ハットトリックの佐藤仁ら6人がネットを揺らした総力の結果。序盤の劣勢をG・岩城が支え、第2QにはFO陣が流れを引き寄せた。一方で、10-3から4連続失点を許した終盤は、全国の舞台を見据えれば修正が欠かせない。次戦は10月31日、関東の頂点を懸けて宿敵・早大と激突。今季は六大学戦、早慶定期戦、リーグ戦と3戦全勝中だが、今回はどうか。ライバルとの大一番、「KING」の真価が問われる。

 

 

(取材・記事:野口ことみ、竹腰環、山口和紀)

 

 

▽以下、選手インタビュー:佐藤仁一郎、岩城敦大、水本太一

◇佐藤仁一郎(政4・慶應)

――試合を振り返って、率直な感想を聞かせてください

開始直後は厳しい展開になるのではないかと思いました。でも、チャンスがうまく巡ってきて悪い流れを断ち切ることができたので、僕の使命を果たせたのかなと思います。

 

――これまでの試合とは異なるFINAL4独特の重圧や異様な空気感があったと思いますが、ご自身にとって本日の試合はいかがでしたか

FINAL4の異様な空気は僕自身も感じていました。ただ、僕はプレッシャーにそこそこ強いタイプなので、それを逆手にとって悪い流れを断ち切るプレーをすることを心がけていました。

 

――MVPに選ばれて

嬉しいです!

 

――決戦への意気込みをお願いします

やるべきことは明確で、今まで積み上げてきたものをいつも通り出し切れるように挑みます。

 

◇岩城敦大(法4・慶應)

――今日の試合を振り返って

まずはこのFINAL4の舞台で勝ち切ることができて、本当に安心しています。僕はお恥ずかしながら4度目のFINAL4ということで、ここまでの通算成績が1勝2敗でした。その1勝も僕は全く出ていない試合だったので、FINAL4にやや苦手意識がある中で、僕が1年生のときに負けた法政という相手に勝つことができて、本当によかったなと思います。

 

――ビッグセーブを振り返って

なんかうまくいったな、というのが率直な感想です(笑)。1年生のときに負けた法政に負けるわけにはいかなかったので、ただがむしゃらに思うままに動いたら止まったのかなと思います。

 

――ゴーリーとして意識したこと

試合の展開としてはおそらくオフェンスが大量得点してくれると思っていたので、いつも通りやりつつも、小さい失点が起きても気にしないくらいのメンタルで臨んでいました。

 

――次戦への意気込み

次戦は10月31日、駒沢で関東FINALになります。負けるのはあまり好きじゃないので、ここも勝って、しっかり関東1位抜けを決めたいと思います。

 

◇水本太一(経3・慶應)

――試合を振り返って、率直な感想を聞かせてください

今シーズンは、フェイスオフで流れが決まってしまう試合が多かったんです。リーグ戦初戦の明大戦も自分たちの流れが悪く、「引退しようかな」と思ったこともありました。だからこそ今日は「すべて勝つ」という強い意識で臨みました。それが自分の活躍とチームの勝利に繋がったので、本当に良かったです。

 

――第2Qを中心に、連続でフェイスオフを取る場面がありました。プレッシャーのかかる中、どのような心境で臨みましたか?

法大の中村選手、菅原選手とは同じ3年生で、プライベートで飲みに行くくらい仲が良いんです。それでも「もし戦うことになったらバチバチにやろう」という気持ちで臨みました。時々お互いの大学を行き来して一緒に練習もしてきましたし、フェイスオフはそれくらい他大学とも横の繋がりが深いポジションなんです。だからこそ相手のやりたいことも分かっていて、その中で自分たちの練習を信じてパフォーマンスを発揮できました。

 

――今回の試合で、一番イメージ通りだったと感じる部分はどこですか?

フェイスオフで一番重要で、一番練習を重ねてきた手元の部分です。普段の練習の成果と「自分は調子が良い」という手応えを信じて、やり続けられたことが一番良かったです。

 

――もう一人のフェイスオファーである溝部選手とは、普段どのようなやり取りをされているのですか?

溝部も同期で、すごく頼れる存在です。基本的には僕が勝つ前提で試合に入りますが、僕が疲れないように、信頼して任せている部分も大きいです。交代するときは「あとは頼んだぞ」という思いで送り出しています。

 

――2年ぶりの関東ファイナル進出が決まりました。次戦に向けた意気込みを聞かせてください

昨年は4年生の先輩方が出場していて、自分は出られず悔しい思いをしました。今年が自分にとって初めての関東ファイナルです。ここから先の関東ファイナル、全日本大学選手権、全日本選手権まで、すべて自分が勝利に導くという強い気持ちで、チーム全員で勝ちに行きます。