第102回関東大学バスケットボールリーグ戦第16節。ここまで2巡目は全勝で勝ち進んでいる慶大は、敵地での國學院大戦に臨んだ。両チームともに堅守が光ったこの試合では、前回対戦と同じくロースコアの展開に。前半は苦しみながらも慶大がリードで折り返したが、後半の國學院大の追い上げを止めることはできず。慶大も粘り強く戦ったが、1点差の惜敗という結果に終わった。
2026/10/4(日)@國學院大學たまプラーザキャンパス
第102回関東大学バスケットボールリーグ戦 第16節
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
| 慶大 | 16 | 14 | 16 | 16 | 62 |
| 國學院大 | 11 | 12 | 21 | 19 | 63 |
【慶大スターティングメンバー】
| SF | #6 服部怜恩(商3・大垣北) |
| PF | #7 中田大智(理3・都立小山台) |
| PF | #8 久保田和空(政3・慶應) |
| SF | #11 桑原佑尚(総2・濟々黌) |
| SG | #15 栁本晴暖(理3・延岡学園) |
対戦相手の國學院大は、昨年のリーグ戦において昇格を争う一戦で敗れた宿敵であり、今年の1巡目の試合でも2点差で敗れている相手である。2部昇格に向けて1試合も落とせる試合はない中、前回対戦から修正してなんとしても勝利を手にしたい。

第1Q
立ち上がりの慶大は相手のハードなディフェンスに対し、ショットクロック間際のタフショットが多くなってしまうが、それでもリバウンドやルーズボール争いで奮闘し、國學院大に主導権は譲らない。両チームとも得点が奪いきれない中、第1Q残り8:29、桑原佑尚(総2・濟々黌)のレイアップシュートで試合が動き出す。
その後もタフショットが重なるも、球際の粘りで攻撃をつないで得点を重ね、ディフェンスでも負けじと前から圧力をかけていく。主将の鈴木汰空(総4・國學院久我山)が「負けてるのはリバウンドだけだぞ」とチームを鼓舞していたように、良いディフェンスから攻撃へと転じるという面では國學院大を上回っていた。「オフェンスよりもディフェンスの展開を意識するというチーム」(久保田和空/政3・慶應、第1節試合後インタビュー)、これが慶大のバスケットなのだ。

速攻を仕掛ける慶大
ここまでなかなか確率が上がらなかった3Pシュートも残り2:08というところで副将・服部怜恩(商3・大垣北)が沈めると、スローインの5秒バイオレーションでマイボールにするなど全員がハードワークし流れを引き寄せる。ディフェンスを持ち味とする両チームの対戦は、16-11というスコアで最初のQを終えた。

フェイスガードを着用してのプレーとなった服部
第2Q
第2Qでも状況は大きくは変わらない。両チームの堅守に対し、両チームともに得点が思うように伸びていかない。そんな中、桑原のブロックショットなど慶大に好プレーが飛び出し、流れは慶大に傾いていく。ミスが生まれ集中が途切れそうな場面でも、ベンチは「もう一度ディフェンスからだぞ」とコート上の選手に声をかける。明確なスタイルがあるからこそ、そのスタイルを貫くことがチームの結束力を高めるのだ。
すると、久保田のインサイドシュート、そしてスティールから服部のレイアップで連続得点を記録。國學院大のタイムアウトが明けた後も攻勢を強め、稲葉優生(文2・常磐大学)のダブルクラッチ、橋口友太朗(総1・相模原中等)の力強いドライブなど、”魅せるプレー”で会場を沸かせる。

インサイドで強さを見せた久保田
だが、國學院大も黙ってはいない。より一層ディフェンスの強度を高めると、慶大は約3分間フィールドゴールがない苦しい時間が続く。その流れを断ち切ったのは、このリーグ戦を通して自らの実力を示し続けたルーキーだった。残り0:14、菅陽翔(商1・県立春日部)が厳しいチェックを受けながら慶大ベンチの目の前で3Pを放つと、アンパイアの笛の音とともにリングへと吸い込まれていく。ボーナススローは落ちてしまったものの、勝負の後半に向けてチームに勢いをもたらすビッグプレーが飛び出した。

菅の3Pに盛り上がるベンチ
第2Qは14ー12、前半を終えて30-23。前回対戦では前半を終えて32ー28、そしてここから逆転を許している。國學院大がこのまま屈するとは考えにくい。それはコートに立っている選手たちが一番分かっていただろう。
第3Q
桑原の華麗な3Pで幕を開けた。続けて、久保田がセカンドチャンスから2Pを決める。第2Qまでの勢いをそのままに、幸先の良いスタートとなった。しかし、相手もすかさず3Pで応戦。さらに慶大の2Pシュートがリングに嫌われ、フリースローを決め切れない場面が続くなど、次第に得点が伸び悩み始める。
それでもディフェンスでは粘りを見せた。リバウンドで積極的な姿勢を見せ、相手の攻撃にも食らいついていく。栁本晴暖(理3・延岡学園)が自ら切り込んでレイアップを決めると、久保田もミドルシュートを沈め、なんとか得点をつなぐ。

体勢を崩しながらシュートを放つ桑原
しかし、相手の追い上げを止めることができない。徐々に点差を詰められ、ついには同点に追いつかれる。慶大はファウルをもらって2Pを決めるなど応戦するも、得点が伸びない苦しい展開が続いた。
第3Q開始時はリードしていた慶大だが、一時は同点まで追いつかれるなど、点差が大きく縮まり、もどかしい時間が続いた。守備では粘りを見せながらも、攻撃で流れをつかみ切れず、試合は一気に拮抗した展開へ。リードを守り切れないまま、勝負の行方は最終第4Qへと持ち越された。

プレータイムが伸びている菅
第4Q
勝負のクォーターを迎えた。慶大は立ち上がりから果敢に攻め込む。服部が相手のディフェンスを受けながらもレイアップを決めると、久保田もブロックで相手の攻撃を阻む。しかし、國學院大も徐々に攻勢を強め、試合は一進一退の攻防となる。
そして試合が大きく動いたのは残り8分30秒。ここでついに相手に逆転を許してしまう。それでも慶大は崩れない。服部が苦しい体勢からショットクロック間際で3Pを沈める。さらに、2Pを決め切り、再び4点差をつけることに成功する。相手もたまらずタイムアウトを要求した。

主将・服部
その後も互角の攻防は続いていく。相手の粘り強いディフェンスに苦しめられ、なかなか流れをものにできない中でも、慶大はチーム全員で声を掛け合いながら食らいつく。コート上では「気持ちで負けるな」という声が何度も響く。互いの意地がぶつかり合う中、試合は終盤へと突入した。
残り2分で3点差を追いかける慶大。決して諦めることなく声を掛け合い、最後まで勝利への執念を見せる。栁本が自ら切り込んでレイアップを決めると、慶大はタイムアウトを要求。残り21秒、最後のポゼッションを迎え、逆転のチャンスをうかがう。しかし、相手の粘り強いディフェンスを前にチャンスメイクしきれず、試合終了。最終スコアは62-63。最後まで果敢に責める姿勢を崩さずに戦い抜いたものの、あと1点に届かない悔しい敗戦となった。

最後は橋口がシュートを狙うも得点を奪うことはできなかった
ここまで16試合を戦い10勝6敗の5位。下位相手には白星を拾えているが、上位相手からは白星を奪えていないのが現状だ。順位に対して結果が順当なのである。リーグ戦の終盤にはトップ3との3連戦も控えており、2部昇格のためにはこの3連戦で番狂わせを起こすことが必要だ。このチームで戦うリーグ戦も残り6試合。1年の集大成を示すべく、慶大バスケットボール部は最後の力を振り絞る。

選手を迎え入れるベンチ
【選手インタビュー】
#11 桑原佑尚(総2・濟々黌)

ーー今日の試合を振り返って
今日の試合はリーグ戦で昇格するために絶対に勝ちたい一戦で、前半からみんな気持ち出して悪くない立ち上がりだったんですけど、相手の後半の勝負強さだったりとか、自分たちの徹底不足によって相手に流れを持っていかれたプレーっていうのが重なったことで負けてしまった、痛い試合だったと思います。
ーー1巡目で2点差で敗れた相手だったが試合前のスカウティングは
まずはインディビジュアルで相手の強みや弱みっていうところを徹底的に分析するっていうことと、相手にチームとしてやられたくないところ、逆に自分たちが相手の弱みをついてチームとしてやりたいプレーっていうのを徹底的に分析して、練習の中で取り組んできました。
ーーミドルシュートを狙う場面が多かったように感じたが
自分はマッチアップするディフェンスよりも身長が高い場合が多いので、3Pであったりジャンプシュートっていうのが相手の手の届きにくいところにあるっていうことで、そこを執拗に攻めようと思っていたっていうのが一つと、自分自身の得意なプレースタイルとしてジャンプシュートがあるので、そこで自分自身のリズムを作れたらなという思いで打ってました。
ーーブロックショットなどもあったがディフェンス面での自己評価は
自分自身ブロックが得意なので積極的にブロックは狙っていて、今日もできたところはあるんですけど、ブロックに至るまでのステップでのディフェンスっていうところはまだまだ成長の余地はあるなと感じていて、今日の試合ではハッスルするところはできてはいたんですけど、細かいところで相手にシュートを打たれてしまう場面もあったのでそこは改善していきたいと思います。
ーー次節への意気込みを
今回の試合の敗戦は本当に痛いんですけど、今自分たちにできる最善の選択っていうのは下を向くことじゃなくて前に進むことだと思うので、今日の試合を失敗と言わないためにもこれから前を向いて全勝できるように進んでいきたいと思います。
#31 菅陽翔(商1・県立春日部)

ーー今日の試合を振り返って
今日は最初の方は良いところもあって、主導権を握れていたという部分はよかったと思うんですけど、リーグ戦を通して今までのこと、リバウンドとかを徹底できなかったというのはチームとしての反省でした。最後はチーム力の部分でやられてしまったのかなと思います。
ーー自分自身のプレータイムが長くなっていることについて
自分がディフェンスとか大事なところでのスリーとか自分の役割が明確になっているから、そういうところで全力で戦えるようにプレーしていくというのを意識していたら、プレータイムが伸びたので、これからも役割を徹底してやっていけたらと思います。
ーー次の試合に向けた意気込みを
これからもあと6試合続くので、プレータイムが伸びたことに慢心せずに自分の役割を徹底することを第一に意識して頑張っていこうと思います。
(取材:奥秋柚生、石田愛未)

