秋季慶早戦を目前に控え、慶大野球部はリーグ優勝を懸けた大一番に臨む。そんな中、11月2日に優勝が実現した場合に開催されるパレードや祝賀会など、優勝関連行事の詳細が発表された。その準備を担うのが、野球部、應援指導部、自動車部、慶早戦支援委員会などで構成される「優勝準備委員会」だ。春には優勝関連行事が復活し、多くの塾生や関係者が歓喜を分かち合った。秋も再びその光景が実現することを願い、優勝準備委員会のメンバーは準備を重ねている。今回は、委員長・副委員長の3人と委員長補佐の2人に、活動の舞台裏や春の経験、そして慶早戦に懸ける思いを聞いた。
優勝準備委員会は、野球部のリーグ戦が進み、優勝の可能性が高まった段階で本格的に活動を始める。野球部、應援指導部、自動車部、慶早戦支援委員会の4団体で構成され、企画から対外調整、当日の運営まで幅広い役割を担う。
委員長を務める應援指導部のY.Yさんによると、同部ではパレードや祝賀会の企画に加え、大学側との予算交渉、警察や三田商店街振興組合との調整などを担っている。一般道を使用するパレードだからこそ、地域や交通への配慮も欠かせない。一方、自動車部はパレードを先導する車両を担当する。中心となるのは1931年製のクラシックカー。現在の乗用車とは操作方法が異なるため、運転する4年生が練習を重ね、整備や後続車両の手配も進めている。同部に所属し副委員長を務めるU.Yさんは「いかに安全を確保した上で、周囲の交通に迷惑をかけずにパレードを進行していくか」が重要だと語る。また、慶早戦支援委員会は、祝賀会の運営や受付などを裏方から支える。

準備に伴う苦労も少なくない。委員長のY.Yさんが挙げたのは、7年間行われていなかった伝統行事を復活させる難しさだ。「伝統を守り続けるべき部分と、時代に合わせて変えていかなければならない部分」のバランスを取りながら、塾当局との折衝を重ねたという。慶早戦支援委員会に所属し、優勝準備委員会で副委員長を務めるF.Sさんも、前例やマニュアルが十分にない中で、優勝するかどうか分からない行事の準備を進める難しさを振り返った。
委員長を支える2人の補佐も準備に奔走する。應援指導部3年のK.Nさんは、警視庁や警察署への訪問、企画書や依頼書の作成などを担当。4団体が連携して準備を進める上で、情報共有を徹底することの重要性を強調した。同じく委員長補佐を務める應援指導部3年のK.Mさんは、各種資料の作成に加え、チアリーディング部内で行事当日の部員の配置や撤収などの調整を担う。「一つ一つの仕事が全て最終的な目標に向かっている」と語り、一つの確認漏れが行事全体に影響しかねない中で、細部まで気を配りながら準備を進める難しさを明かした。


多くの苦労を重ねて実現した春の優勝関連行事。その経験は、運営に携わった学生たちにも強い印象を残した。委員長のY.Yさんは「感動して胸がいっぱいになった」と振り返る。実際にパレードの車両を運転した自動車部のU.Yさんは、沿道だけでなくビルの上階からも手を振る人々の姿を目にし、「慶應の一体感を強く感じました」と話した。慶早戦支援委員会のF.Sさんも、初めて間近で見たパレードや祝賀会の規模に驚くとともに、多くの人々が関わる行事の運営に携われたことへの喜びを語った。

秋に向けた課題は、より多くの塾生に行事の存在と魅力を知ってもらうことだ。慶早戦支援委員会のF.Sさんは「もっと塾生に興味を持ってもらえるようなイベントにする必要がある」と強調する。こうした課題を踏まえ、委員長補佐のK.Nさんは、ポスターの制作や掲示場所の選定など、広報に力を注いでいる。同じく補佐を務めるK.Mさんも、行事を知らない塾生に貴重な経験の機会があることを届けたいという。
また、委員長のY.Yさんは春の良かった点を生かし、さらに盛り上がる行事にしたいと意気込む。一方、自動車部のU.Yさんは、規模の拡大と同時に周囲の交通や地域住民への配慮を徹底したいと話した。
しかし、優勝関連行事の開催には、何よりも野球部のリーグ優勝が欠かせない。全てのリーグ戦に足を運んできたY.Yさんは、明治戦での苦戦に触れつつも「最後までしっかり戦い抜けば優勝のチャンスは十分にある」と期待を寄せる。
自動車部のU.Yさんは、伊藤塾長が語った「祝福された勝者たれ」という言葉を贈り、結果だけでなく勝利に至る過程も大切にしてほしいと願う。また、委員長補佐のK.Mさんは「優勝するかどうかわからない時から」準備に携わる難しさを語る一方、野球部の優勝を信じて活動できることにやりがいを感じているという。
「まずは、4年間応援させてくれてありがとうという思いが素直にあります」。最後の慶早戦に臨む野球部へ、委員長のY.Yさんは感謝を口にした。

優勝が決まる前から、その先の歓喜の瞬間を見据えて動き続ける塾生たち。目指すのは、野球部や関係団体だけでなく、慶應義塾全体が一体となって喜びを分かち合える行事だ。神宮での大一番を前に、もう一つの準備が着実に進められている。
慶大野球部は、慶早戦で早大に2連勝するか、2勝1敗で後日行われる明大との優勝決定戦に勝利すれば、秋季リーグ戦の優勝が決まる。
11月8日(日)または9日(月)に優勝が決定した場合には、閉会式終了後の17時40分頃から、明治神宮野球場を出発し、三田キャンパスへ向かう優勝パレードが実施される。また、19時40分頃からは三田キャンパスの西校舎ホールで優勝祝賀会も開催される予定だ。パレードへの参加は塾生先着600名で、学生証の持参が必要となる。詳細は優勝準備委員会の公式Xをご確認ください。


