【バスケ】奮戦虚しく白星を勝ち取れず 京王電鉄杯2日目

 

連日の孤軍奮闘となった吉川。彼の台頭が、今大会の数少ないポジティブな要因となっている。

連日の孤軍奮闘となった吉川。彼の台頭が、今大会の数少ないポジティブな要因となっている。

 

「1部復帰」という目標を達成する上で一つの指針となる京王電鉄杯。2日目の対戦相手は1部リーグの専修大と2部リーグの法政大であり、現在の慶大のチーム状況を確かめる絶好の機会となった。特に法大は、同じリーグに属する強力なライバル。六大学リーグ時に対峙した際には敗戦を喫していただけに、ここで叩いておきたい相手だった。前日の連敗の悪い流れを断ち切るべく奮闘した慶大であったが、望んだ結果を勝ち取ることが出来ず。課題が残る試合内容となってしまった。

2013/4/28(日)@トヨタ府中スポーツセンター
第29回京王電鉄杯 2日目第1試合 vs専修大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 24 18 20 16 78
専大 15 26 23 25 89
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #19   福元直人(環2・福大大濠高)
SG #4   蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10   矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11   権田隆人(政3・慶應高)
C #7   本橋祐典(環4・佼成学園高)

最上級生としてチームを支えたい蛯名だが、ここまでは自他共に納得の行かない結果に。

最上級生としてチームを支えたい蛯名だが、ここまでは自他共に納得の行かない結果に。

専大ボールからスタート。試合開始早々、専大のトラベリングを誘うなど、立ち上がりはまずまず。矢嶋が積極的に仕掛け、相手のファールを誘う。権田は攻守の切り替えが速く、速攻で簡単に得点を重ねる。また、慶應全体として、リバウンドの意識が高く、相手に流れを渡さなかった。慶大が10点のリードを得たところで、たまらず専大はタイムアウトを要求。その後も黒木のゴール下、大元のジャンパーなど、バランスよくチーム全体がプレーに関わった。1Qの終盤では、ダブルチームからスティールし、速攻に繋げる素晴らしいプレーも見られ、15-24で1Q終了。2Q開始後も慶大の勢いは止まらない。権田の3ポイントを皮切りに、矢嶋が持ち前のクイックネスでミドルを沈め、巧みなパス回しから本橋がゴール下で楽々と得点する。一時、得点差は18点までに広がった。しかし、次第に専大も慶大の隙を逃さず、速攻で得点を重ねていく。特に相手のエースである宇都に立て続けに攻められ、2点差まで詰め寄られる。ここで、権田の3ポイントが決まるも、専大は攻撃の手を緩めず、41-42で前半を終える。

3Qに入り、蛯名が3ポイントを沈め、4点差とする。だが、専大のディフェンスのプレッシャーが強く、ボール運びで苦戦。慶大のミスから2本の速攻を相手に許し、遂に逆転される。その後、一進一退の攻防が続き、両者譲らぬ展開に。福元の速攻、本橋のバスケットカウントなどで、苦しい時間帯を繋ぐ。黒木亮(環2・延岡学園高)もリバウンドで貢献するなど、個々の役割を果たした。終盤、矢嶋の3ポイントが決まり、同点に追いつく。3Qは、最終的に62-64の2点ビハインドで勝負の4Qに挑む。勝負所で踏ん張ることができない慶大にとって課題の4Q。慶大は、きっちりオフェンスリバウンドを拾い、専大に食らいつく。矢嶋がセカンドチャンスをきっちり得点に反映し、蛯名も相手のファールを誘う。しかし相手も3ポイントや速攻などで、得点を着実に重ね、点差は6点にまで広がった。慶大はこの流れを断ち切りたいところだが、タイムアウト後も、相手の攻撃を止めることができず、更に点差は離れていく。最後まで必死の追い返しを見せるも、無情にも試合終了のブザーが鳴り響く。慶大の良さが見られた部分もあっただけに、結果は心の残るものになった。

2013/4/28(日)@トヨタ府中スポーツセンター
第29回京王電鉄杯 2日目第2試合 vs法大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 26 23 19 18 86
法大 36 20 31 16 103
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #19   福元直人(環2・福大大濠高)
SG #4   蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10   矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11   権田隆人(政3・慶應高)
C #7   本橋祐典(環4・佼成学園高)

苦しむチームを、持ち前の運動量とシュート力で救い続けた権田。

苦しむチームを、持ち前の運動量とシュート力で救い続けた権田。

2日目第2試合の法大戦は権田の3ポイントで幕を開けた。上級生が主体となる慶大はまずまずの立ち上がりを見せ、各メンバーが序盤から着実な得点を重ねてゆく。しかし法大も、負けじと積極的な攻撃を仕掛け、慶大ディフェンスの綻びを容赦なく攻める展開に。リバウンドからチャンスを生み出したい慶大だが、ボールを保持できず、相手の速攻による痛い失点を被ってしまう。徐々にゲームの主導権が法大へと移る中、吉川治瑛(環3・世田谷学園高)によるカットインからの得点や堅実なミドルシュートがチームの士気を高める。流れに乗った大元孝文(環2・洛南高)が持ち味の3ポイントを沈め、10点のビハインドで1Qを終えた。続く2Qの開始直後、権田がセカンドチャンスを生かしたゴール下での得点やミドルシュート、更にバスケットカウントを勝ち取り、慶大に流れを引き寄せる。点差を縮めるべく本橋がリバウンドを量産するなど、メンバーひとりひとりが役割を遂行し、逃げる相手に食らいついた。法大によるショートコーナーからのドライブやシュートに手を焼きつつも、慶大は鳴りを潜めていたトランジションバスケットを機能させ始め、「堅守速攻」による豪快な得点を重ねる。終盤に投入された中村滉平(理3・慶應高)の冷静な得点をはじめとする、新3年生の尽力が目立った2Qは、一進一退の展開を見せて終了。

2Qの好調を保つべく後半戦に臨んだ慶大であったが、このQ以降は次第にゲームの雲行きが怪しくなることに。随所で蛯名主将のフィジカルを生かしたゴール下得点や、大元の3ポイントが会場を沸かせたものの、果敢なオフェンスが得点に結びつかなくなりはじめる。慶大のオフェンスが停滞している間にも法大は依然得点を重ね、両校の点差は二桁にまで広がってしまう。4年生の声掛けで落ち着きを取り戻そうとするも、慶大の19点ビハインドという形で最終Qへ。4Qでは苦しい展開が続くなか、蛯名主将のガッツ溢れるプレーがチームを牽引するも、得点が入らない時間帯が長く続いてしまう。焦りでボールが手につかなくなる慶大であったが、各メンバーが積極的にゴールを狙い必死の猛追を試みる。しかし結局慶大は膠着状態から抜け出すことが出来ず、86-103というスコアで痛い連敗を喫してしまうことになった。

京王電鉄杯2日目を終え、結果は4戦4敗。決して納得のいくものではなかった。専大戦では、慶應が目指すトランジションバスケが体現できた時間帯があったことは確かだ。しかし、今季の課題でもある「踏ん張りどころで踏ん張れるようにする」、「悪い流れを1度で断ち切る」ことができず、終盤に失速し敗戦。一歩及ばず、1部との差を痛感した試合となった。法大戦では、序盤から法大ペースであり、終始その流れを引き寄せることができなかった。同じ2部リーグに属していながら、力の差を感じさせられた試合となり、1部昇格を目指す慶大は今後、早いうちに対策を打たねばならないだろう。慶大にとって不本意な結果であったものの、明日は東大との9位決定戦が待っている。京王電鉄杯の締めくくりとして、全力を尽くすのみだ。

(記事: 丸山由鶴、埜村亮太)

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