【バスケ】連日の激戦。シーソーゲームの末に勝利をもぎ取る! vs国士舘大

 

気迫溢れるプレーでチームを支えた本橋。大黒柱として、替えがきかない選手となった。

気迫溢れるプレーでチームを支えた本橋。大黒柱として、替えがきかない選手となった。

 

 

見事に大東大との接戦を制し、勢いに乗る慶大は本日、国士舘大との対戦を迎えた。国士舘大は同じ2部リーグに所属しており、昨季は1部との入れ替え戦まで進んだ強豪校だ。そしてこの国士舘大戦で勝利を収めることができれば、トーナメント10位に残ることが出来る。同じ2部の相手を叩くためにも。そして、強い慶大の復活のためにも。二つの意味で絶対に負けられない戦いであるのは間違いない。試合は最後までもつれる展開だったものの、本橋、蛯名、矢嶋といった4年生が試合を決め、見事今大会10位以内が確定させた。

2013/05/10(金) @千代田区立スポーツセンター
第62関東大学バスケットボール選手権大会 vs国士舘大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 15 13 21 18 67
国士舘大 19 15 13 16 63
慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #19 福元直人(環2・福大大濠高)
SG #4 蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11 権田隆人(政3・慶應高)
C #7 本橋祐典(環4・佼成学園高)

要所で得点し、持ち味を発揮した大元。現状に満足せず、更なる飛躍を誓う。

要所で得点し、持ち味を発揮した大元。現状に満足せず、更なる飛躍を誓う。

1Qはエース矢嶋のミドルシュートで先制するも、国士舘大も譲らず、しばらく拮抗した展開が続く。本橋、権田が積極的にオフェンスリバウンドを拾いにいくも、得点には繋がらずに、徐々に点差を離される。5点差となったところで、慶大は早くもタイムアウトを要求。建て直しを図るが、一向にペースを掴みきれず、シュートも決まらない。大元孝文(環2・洛南高)の連続得点、本橋のゴール下シュートでなんとか食らいつき、15-19で1Qを終えた。ターンオーバーから始まった2Qは嫌な雰囲気が漂うも、両チームともにシュートが外れ、しばらくの間得点が凍りつく。だが蛯名がフリースローを決めて先制すると、その後は一進一退の攻防に。本橋のフリースローで逆転すると、国士舘大もミドルシュートを沈め、すぐさま追いつく。国士舘大が3ポイントを沈めると慶大も大元が負けじと3ポイントを沈め、文字通り意地と意地がぶつかり合う展開に。だが、相手エースに8連続得点を許し、28-34と点差を広げられて後半へ。

この試合の準MVPとも言える応援席の選手達。彼らの大きな声援が、コート上の選手達に勢いを与える。

この試合の準MVPとも言える応援席の選手達。彼らの大きな声援が、コート上の選手達に勢いを与える。

 

 

3Q、吉川治暎(環3・世田谷学園高)がバスケットカウントを奪い勢いをもたらすも、国士舘大にリバウンドから走られてしまい、10点差ものビハインドを背負う。だが、矢嶋の連続得点や飛び込みリバウンドが再びチームに活力を与え、じりじりと詰め寄っていく。そして3Q残り4分、蛯名がフリースローを着実に沈め、再度逆転に成功。主将の活躍によりチームの足が動き始め、早い展開が増えていく。またインサイド陣も奮起し、リバウンドから速攻という慶大の目指すプレーも要所で見られ、49-47で3Qを終える。運命の4Q開始早々、ここまで攻守に活躍していた権田にアクシデントが発生。シュートを放った際に負傷し、途中交代を余儀なくされてしまう。ここまでオフェンスリバウンドを積極的に拾い、セカンドチャンスを生み出してきたこの男の離脱。チームに不安がよぎる。だが、チームに漂う暗雲を、4年生がプレーで一掃する。堅いディフェンスでスティールや相手のターンオーバーを誘うと、オフェンスでも本橋のポストプレーや、矢嶋のリバウンドからのゴール下で着実に加点。権田離脱の影響を感じさせないプレーを見せる。しかし国士舘大も譲らない。後半になって確率が上がってきたミドルシュートで食らい付く国士舘大に開始4分で同点に追いつかれ、試合は振り出しに。互いに譲らぬ互角の展開の中、ここで踏ん張ったのはやはり頼れる最上級生達だった。本橋、矢嶋、蛯名のオフェンスリバウンドからの得点、そしてディフェンスリバウンドもチーム全員で拾い切ると、再び点差が離れていく。そして残り30秒、本橋が相手に押し負けずにバスケットカウントとなるゴール下を沈め、渾身のガッツポーズ。国士舘大も3ポイントを狙ってくるが決まらず、そのまま試合終了。見事に逆転勝利を収めた。

同じ2部校相手に勝利、そして10位に残ることができたことは、チームとして大きな収穫だ。堅守速攻が上手く機能し、さらにルーズボールやオフェンスリバウンドといった慶大らしい泥臭いプレーも随所で見られた。そして1番チームとして変わったのは、「勝ちきれない」(佐々木HC)という悪い癖だ。昨季のリーグ戦では接戦を制することができず、結果としてリーグ8位に沈んでしまった。だが、今回のトーナメントでは、大東大戦に続き、2試合連続で接戦をものにしている。その一番の要因はやはり4年生だろう。「蛯名と矢嶋が復帰」(佐々木HC)したことで、チームとしての強い地盤ができ、下級生もハツラツとプレーできているように思われる。だが、まだ満足してはいけない。明日には9位決定戦が待ち受けている。対戦校は同じ2部の神奈川大。上背は無いが、早い展開を持ち味としているチームだ。果たして9位として有終の美を飾ることができるのか──。明日が待ち遠しい。

(記事: 水島涼太)

佐々木HC

ああいう入りをするのは最悪ですね。入り方が悪いから、ああやってケガ人が出ちゃうんですよ。(集中力の欠如が原因か)相手に乱打戦にする隙を与えてしまうから、いらぬ頑張りをしなきゃならない、だからああいう形になるんですよね。(リバウンドが取れている要因は)前半は拮抗してたんだけど、後半はまあまあ取れてましたね。本橋が取れるようになったことが大きいと思います。もう少し本橋の所にプレッシャーが掛けられると思ってたんですが。でも、リーグ戦だったり早慶戦になれば、あそこがリバウンドを取るっていうことは分かるはずなので、徹底して抑えられるでしょうね。(接戦で競り勝つ試合が続いているが)スターターにならなきゃいけないケガ人が戻って来てることが、1番大きいです。去年の場合は、責任感を持ってプレーするっていうところまでまだ行ってない連中だったので。1年生が多かったので。今年は蛯名と矢嶋が復帰してくれたので、ミスはしてるけど、その責任を取るっていうプレーが出来てる様に思えます。(電鉄杯から比べて試合内容が良くなったが、本大会前に何か取り組んだか)ちょっと算数的な集計なんだけど。こういうディフェンスをやると、ここでシュートを打たせると、確率にこれだけ差がある。だからこっちにやらせる、っていう意味が算数的にも分かるでしょ、っていうことを4年生にミーティングしたり、あるいはトーナメントの1試合1試合のデータを松村に流してもらったりしてます。そういうことが頭に入っていることが、落ち着いてプレー出来てる要因だと思います。(明日に向けて)同じリーグのチームとの試合なので、秋を考えると負ける訳には行かないです。神大相手に外からトントン打つ選手の対応をどうするか、っていう練習が出来るので、それは有難いと思います。ただ、ウチの選手達の良くない所は、環境が変わるとピリッとしないことは気になるので、それは無くなって欲しいなと思っています。

[C] 本橋祐典(環4・佼成学園高)

入りが全然良く無くて、前半は相手に付き合ってしまったので、自分達の流れが作れなかったっていうか。勝ったは勝ったで結果として良かったと思うんですけど、ケガ人が出てしまったり、相手に前半合わせて試合をしてしまったっていうことで、先生もおっしゃっていたんですけど、ケガ人も出てしまったということで、素直に喜べないのかなという気持ちですね。(リバウンドでの意識は)悪いシュートを打たせてリバウンドを取る、っていうことがウチのディフェンスの基礎だと思うんで、去年ずっとインサイドはガード陣に迷惑を掛けてしまったので。今年は自分も4年生ですし、まずは自分の仕事でしっかり結果を残さないと、チームに貢献出来ないと思うので。それが今大会上手く行ってるっていうことは、良いことだと思います。(インサイドでのオフェンスの意識が強く見えるが)今日はたまたまなんですけど(笑)相手に中国人がいて、1年生ですし…昨日もそうだったんですけど、早めにインサイドのファウルが混めばゲームを有利に進められると思うんで。今日みたいに相手が経験が浅かったり、あまり動けていない時には自分が積極的に──ドリブルつかなくても面を張って、そこでファウルが起きればいいと思いますし、リバウンドを頑張って先ずは布石っていうか、自分達のペースにどうやって持って行けるかっていうのを意識してやっていたことが、今日良い方向に行ったのかなと思います。(京王電鉄杯からの変化)電鉄杯で何も出来なくて、1週間の練習で内容はあまり変わってないんですけど、意識の面で皆変わったと思うので、今大会でベスト16に入れば順位決定戦があって経験がいっぱい積めるっていうところでモチベーションが上がっている人もいると思いますし。電鉄杯で出来なかったことが何かっていうのを皆で考えて、個人としてはリバウンドが取れてなかったっていう反省もありますし、1部校の強いセンターと当たって全く仕事が出来なかったっていう反省もありましたし。僕個人としてもチームとしても、意識が変わったんじゃないかと僕は思います。(昨季と違い接戦で勝ち切れている理由は)一概には言えないと思うんですけど…。東海大相手に自分達のディフェンスが出来てその後2日間競り勝てたっていうのは、昨日の試合だったら蛯名がしっかりやってくれて、今日はたまたま僕が調子良くて。先生もいつもおっしゃっているんですけど、4年生がしっかりすればゲームになるのかな、とは思いますね。(明日へ向けて)勝ったら9位ってことで、1部を狙える順位だと思うので。残り1試合で何か経験が出来ると思うので、相手も2部ですし、秋のリーグ戦や早慶戦に向けてっていう準備段階の試合だと思うので、良い連携が出来る様に頑張りたいと思います。

[G] 大元孝文(環2・洛南高)

全部4年生に助けられちゃったので、勝ちはしたんですけど、ここ2試合は個人的にすごい悔しい思いをしました。(具体的には)勝負所になった時に自分の力でその状況を打開できませんでした。自分の持ち味であるシュートも入らなければ、蛯名さんみたいに体を張ったプレーをしたわけでもなく、チームの役に立てなかったというのが悔しいです。(相手チームの印象について)何回かやっている相手なので、22番の原くんの所と14番の高橋さん、4番の松島さんのところは去年から知ってたんで、そこをポイントにしようとチームでは話してました。(試合でやろうと思ってたことは)とにかく点を取ることに集中しようと思ってました。(接戦での勝利について)蛯名さんが2試合とも踏ん張ってくれて、去年のリーグ戦でも蛯名さんがいないことでチームのまとまりが欠ける部分もあったんですけど、帰ってきたことでチームもまとまり、泥臭いプレーもしてくれて。矢嶋さんもリングに向かって、自分の役割を果たしていたので、そういう部分でも4年生が頑張ったと思います。僕ら2年生がなかなかチームの役に立てず、悔しかったです。(明日に向けて)相手がどうこうというよりも自分たちのバスケットをしなければならないですし、今日みたいな試合をやってたら絶対勝てないので、個人的にももっと勝負強さというのを磨いて行かないといけないと思ってます。まずはチームというよりも個人的に、早慶戦につながる試合内容にしていきたいです。

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