【ソッカー男子】第10節 開始早々の2得点で勝利!アミノ杯に弾みつける 桐蔭大戦

ここ最近は4試合勝ちなしと、足踏みの続いていた慶大。しかし、この日は立ち上がりから一気に畳み掛けた。3分に小谷春日(環1・藤枝東高)が倒されて得たPKを山本哲平(政3・國學院久我山高)が決めて先制すると、その直後の10分には小谷が冷静にゴールに蹴り込み、早々とリードは2点に。その後は苦しい場面が続いたものの、相手の反撃を1点にとどめ、貴重な勝ち点3をもぎ取った。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第10節

 

2015/5/23(土)13:50KO@川口市青木町公園総合競技場

 

慶應義塾大学2-1桐蔭横浜大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

〔慶〕3分山本哲平(PK)、10分小谷春日(山本哲平)

〔桐〕36分山下優人(佐々木俊輝)

 

◇慶大出場選手

 

GK宮原隆志(経4・武蔵高)
DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)
DF久保飛翔(環4・済美高)
DF望月大知(環3・静岡学園高)
DF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)
DF井上大(総3・國學院久我山高)
MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)
MF端山豪(総4・東京ヴェルディユース)→68分 黄将健(総4・近畿大学附属高)
MF小谷春日(環1・藤枝東高)→64分 矢野峻寛(文3・暁星高)
MF渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)
FW山本哲平(政3・國學院久我山高)→85分 松木駿之介(総1・青森山田高)
 

5月30日から始まるアミノバイタルカップ(※1以下、アミノ杯)に向けて弾みをつけたい一戦。「結果にこだわろう」(溝渕雄志・環3・流通経済大学付属柏高)と臨んだこの試合で、序盤から慶大のオフェンス陣が躍動した。

 

山本が落ち着いてPKを決め、先制

山本が落ち着いてPKを決め、先制

開始早々の2分、小谷が倒されてPKを獲得すると、真っ先にボールを抱えたのは山本。右足で放った冷静なシュートがネットを揺らし、さい先よく先制に成功した。続く10分、ペナルティエリア内の小谷にパスが通る。複数のDFと対じしながらも最後はゴールの左隅に蹴り込み、追加点を挙げた。小谷は、実はこの試合が公式戦初先発。指揮官の期待にゴールという最高の形で応えた。そしてこの日の慶大は、「前線から全員で積極的にプレスを掛けていこう」(溝渕)という意識を徹底し、それが機能。攻守両面からリズムをつかむ立ち上がりとなった。だが、リードを早々と得たためか、徐々に守備に綻びが生じてしまう。11分にはフリーの状態でダイビングヘッドでシュートを打たれるなど、肝を冷やす場面が続く。すると、36分には佐々木のドリブルから最後は山下にゴールを献上。1点差に迫られた慶大だったが、以後は落ち着いて試合を運ぶ。組織的にしっかりと守りながら、攻撃ではセットプレーやカウンターを中心にゴールに迫る本来のスタイルを取り戻し、前半を折り返した。

 

初ゴールで勝利に導いた小谷(左)

初ゴールで勝利に導いた小谷(左)

後半も立ち上がりは慶大のペース。50分には溝渕がボールをカットし、迫力のある駆け上がりからクロスを送る。しかし、味方はシュートに持ち込むことができない。すると次第に攻撃の形を作れなくなり、「我慢」(宮原隆志・経4・武蔵高)の展開が待っていた。自陣で戦う時間帯が続いたものの、「はっきり守るという意識」(望月大知・環3・静岡学園高)を全員が共有。最後まで走り切り、見事逃げ切りに成功した。

 

望月を中心に守備を固め、失点を1に抑えた

望月を中心に守備を固め、失点を1に抑えた

「勝てたことが良かった」(久保主将他)。あわやという場面も何度かあったものの、選手たちは勝利という結果に胸をなでおろした。現在、リーグ戦は1試合ごとに順位が大きく変わる大混戦。勝ち点を継続して積み重ねることができれば、目標である関東リーグ優勝は確実に近づくだろう。ただ、そのリーグ戦はこれで一時中断。次に迎えるのは5月末から始まるアミノ杯だ。タイトなスケジュールで行われるこの大会だが、7位以内に入ることができれば夏の総理大臣杯(※2)への出場権を得る。これを「成長の場」ととらえる監督や選手たち。「総力戦」(渡辺夏彦・総2・國學院久我山高)で、目の前の試合に全力でぶつかりにいく。

 

(※1)関東で行われるカップ戦のこと。トーナメント方式

(※2) 全国大会。トーナメント方式で行われる

 

(記事 木下彰)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(かなり良い入り方ができたと思うが)ラッキーなPKもあったし、やっぱり小谷はペナルティエリア内でボールを持つと仕事ができるなと。2点目も練習通りの動きから生まれたので、非常に良い立ち上がりだったと思います。その後バタバタはしたのですが、ハーフタイムでしっかりと修正できたのが良かったです。 (前線からプレスを掛けさせた意図は)(リードした後も)今日はもう一点取りに行けと、(相手の)息の根を止めろという意味で前から行かせ続けた。もし失点して2-2になったとしても、結局仕上げの段階で勝負を仕掛ければいいと思っていて、今日はメンタルの部分でも強い気持ちで臨もうと話していたので、前半は前から行かせ続けました。ただ後半は勝負という側面から見て、後半は落ち着いてやろうということで、こっちも冷静になって無理をしないで、ブロックを敷いてカウンターを狙おうと、それをチームとして共有できたのが良かったと思います。(そのメンタルの部分に関して、最後まで集中力が切れなかった)リーグ優勝のためには勝ちにこだわらないといけないんじゃないの?ということをキツく言ったので、今週の練習はキャプテンを中心に締まっていたので、それが良い方向に傾いたんじゃないかな、とも思います。 (今後に向けて)リーグ戦においては上位、特に4位以内に入ることが大切になってくるので、そこに向けては勝つしかないので結果を求めてやっていきたいですね。結果だけとはいっても、内容が伴わないとダメなので、戦術面の共有などはこれからも追求していきたいです。その前にアミノ杯があるので、必ず総理大臣杯に出れるように、そこが我々の成長の場だという意識を持って、勝っていきたいと思います。

 

久保飛翔(環4・済美高)主将

(4試合ぶりの勝利となったが)勝利という形で終われたことは良かったですけど、チームとして反省すべき点が多かったですし、個人一人一人としてもそうですし。失点しそうなシーンも結構あったので、課題の残る試合だったと思います。(良い試合の入り方ができたと思うが)早いタイミングでPKをもらえて、そこで相手が下を向いたのでたたみ掛けて行こうということはチームとして共有できていたので、良かったと思います。(この試合での守備のプランは)立ち上がりは前からプレスを掛けてしっかりボールに行こうという話をしていて、ある程度試合が落ち着いてきたら5-4-1の形でしっかり守って、そこからカウンターを狙って。まずは守備からやって、チャンスがあれば一点取ろうという守り重視(の考え方)でした。(アミノ杯に向けて)去年は本当に悔しい思いをしたので今年こそは、という思いもありますし、自分たちは公式戦を通してチームがまとまっている部分があるので、勝つために、そして支えてくれる周りの人のためにも、良い準備をしたいと思います。

 

端山豪(総4・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)勝ち点3をしっかり取ることができたのは良かったと思います。(個人のプレーを振り返って)後半で代えられてしまったように、あまり良くなかったのだと思います。(課題は)得点に絡む仕事をするということと、チームが苦しい時にしっかり支えられるようにやらなければいけないなと思います。(全日本大学選抜の合宿がありましたが)短い期間でしたけど、ユニバーシアードに向けていい合宿ができたかなと思います。(アミノ杯に向けて)チームとして関東リーグ優勝に向けて成長していくためにも、公式戦の経験を多く積みたいですし、そういう意味でもアミノ杯でしっかり試合数を重ねて戦って、しっかり総理大臣杯に出て全国の舞台を経験するというのも自分たちの成長につながっていくと思うので、勝てるようにしたいです。

 

宮原隆志(経4・武蔵高)

(今日の試合を振り返って)我慢する時間帯が長かった中でしっかりと勝てたことは良かったと思います。(久しぶりの勝利だったが)僕たちも勝利を欲していたので、勝った時は本当にうれしかったです。(失点シーンについて)相手がサイド攻撃でクロスをたくさん上げてきている中で、うちのディフェンスラインが下がり気味になっちゃって、マイナスのクロスにしっかりとプレスできなかったので、そこはまた来週詰めて改善していきたいと思います。(アミノ杯に向けて)カップ戦なので全部勝つというのは当たり前なので、本当に集中して臨みたいと思います。

 

溝渕雄志(環3・流通経済大学附属柏高)

(今日の試合を振り返って)前節、前々節と勝ち点3を取れていなかったのでとにかく内容より結果にこだわろうということで、前線から全員で積極的にプレスを掛けていこうという意識で、プレスがしっかり掛かっている時間もあれば掛かっていない試合もあって、課題はありましたが、勝ち点3を取れたので良かったです。(積極的にオーバーラップされていましたが)そうですね、攻撃に参加することが僕の役割なので。今は5バックということで僕が攻撃参加しないとだれもサイドに人がいなくなってしまうので、どんなにきつくてもしっかりオーバーラップするということは試合前から意識してやっていました。(2得点決まった後多少押し込まれている時間も長かったが)そうですね、でも今は5バックだけれどもSBが積極的に上がる攻撃的なシステムで、うちのセンターバックには久保、宮地、望月と人に対して強い面々が揃っているので、多少サイドから攻め込まれたとしても真ん中で最後のところで踏ん張って守り切れる意識はあったので、失点するかもしれないという不安はなかったです。(次の試合、アミノ杯に向けて)トーナメントで一発勝負なので手堅くしたたかに一週間試合を続けて、最後優勝できるように頑張りたいです。

 

望月大知(環3・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)ここ3試合勝てておらず、今日はどうしても勝ちたかったので、勝ててうれしいです。(後半は守備が安定していたが)前半は点を取った後に自分たちのミスからリズムを悪くしてしまいましたが、後半ははっきり守るという意識を全員が持てていたと思います。(3CBの中央を務めたが、何を意識したか)(久保)飛翔君と(宮地)元貴の背後のカバーや、ギャップで受ける相手選手に対して自分が前にポジションを取って狙う動きなど、守備で貢献することを意識してプレーしました。(アミノ杯に向けて)チームみんなで話していることですが、夏に成長するためには多くの公式戦を経験する必要があり、アミノ杯は総理大臣杯の予選ということで必ず勝たなければならない大会なので、一戦一戦勝利を目指して頑張りたいと思います。

 

山本哲平(政3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)今日は前からプレッシャーを掛けようということだったので、相手のセンターバックにプレスを掛けたり、きつかったですけど、試合の入りが良かったのが良かったと思います。(チームの雰囲気はどうだったか)明大戦から勝ってなかったのですが、中大戦は勝ちを逃した印象が強くて、今日はチーム全員で結果を求めて戦いました。(アミノ杯に向けて)リーグ戦と違って1発勝負なので、まず0(点)で抑えることを意識して、自分が点を取って勝ちたいです。

 

渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)今日のゲームは内容うんぬんというより、とにかく勝ち点3を取りに行くということで、それがしっかり出来ましたし、良かったと思います。(今日も前半から激しいプレスを仕掛けていたが)それは今日も狙っていたところで、前の選手はとにかく前から行こう、それに全体が続いて中盤・ディフェンスラインも前から行こうということで、かなりFWは良いプレスを掛けられたと思うし、そういうところが結果にも繋がったのかなと思います。(3点目を取れれば、もう少し楽になったと思うが)チームの方針としては3点目をもちろん取りに行くんですけど、決められるシーンは僕を含めてありましたし、今のスコアを守り切るというのが1つの狙いだったので、そういった部分では良かったと思います。確かに3点目は取りに行きたかったですし、僕自身も点を取りたかったです。(では2点取った後はあまり無理せずというゲームプランだったのか)そうですね。前半はもう一個行き切ってという指示で、全体もそれを共有して行っていたんですけど、後半はある程度落ち着いてしっかりブロックしてという所が多かったです。(アミノ杯へ向けて)連戦だし、暑いだろうしというところで、その中でも総理大臣杯を目指して、決勝まで、西が丘まで行くというのも自分たちは狙っているので、これこそ総力戦で11人だけでは絶対に戦えないので、チーム全体で戦っていきます。

 

小谷春日(環1・藤枝東高)

(久々の勝利となったが、今日の勝利を振り返って)本当に最近勝ちがなかったので、貪欲に勝ちを狙いにいこうというところで、みんながハードワークできて取れた勝利だったなと思います。(初先発で2点に絡んだが自身の出来は)今日は前半から守備でハードワークして飛ばしていこうと思っていたんですけど、ちょっと尽きるのが早かったかなっていうのが課題点であったというのと、あともう1つは、結構点に絡めたというのは自分の自信に繋がるので良かったかなと思います。(初ゴールを決めた時の気持ちは)もう一言で、嬉しかったです。(次はアミノ杯の試合となるが意気込みを)これで総理大臣杯に繋がって、夏に公式戦をやれるかやれないかは結構大きなところだと思うので、絶対に勝って、自分たちの成長の場を広げていきたいと思います。

 

※関東大学サッカーリーグは一度中断し、5月30日(土)からアミノバイタルカップ2015第4回関東大学サッカートーナメント大会(兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選)が開催されます。慶大の1回戦、2回戦は以下の通りです。

1回戦 5月30日(土)12:30KO 明治学院大学戦 @時之栖裾野Dグラウンド

2回戦 5月31日(日)11:30KO 産業能率大学vs神奈川大学の勝者 @時之栖裾野E1グラウンド

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