【競走】夢の箱根路へ熱き戦い­-第92回箱根駅伝予選会

 今年で第92回を数える東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)、その予選会が今年も立川で行われた。慶大は、昨年から7人エントリーメンバーを入れ替え、経験豊富な上級生とフレッシュな下級生を織り交ぜるバランスのとれたメンバー構成で臨んだ。結果は10時間58分39秒と昨年よりおよそ10分もタイムを縮め、全体の31位。箱根路への切符は来年に持ち越された。

 

 

第92回東京箱根間大学駅伝競走予選会

10月17日(土) 9時35分スタート 陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園

 

 

正月の風物詩、東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。前回大会上位10校と予選会を突破した10校そしてオープン参加となる関東学生連合チームの21チームにだけ許される夢の箱根路。その箱根路へ今年も10枚の切符をめぐり全49校総勢577人のランナーによる、「天国と地獄」を分ける大混戦の熱き戦いが始まった。

予選会当日の朝、立川の地にはしとしとと雨が降り注いでいた。ロードの状態は良くないものの、去年と比べて気温は低く、選手にとってはある程度走りやすいコンディションであった。

 

 

チーム全体として11時間切り、つまり一人あたり66分を目標としていた慶大は、レース前の積極的な走りがしたい」という意気込み通り前半から攻めの走りを見せる。予選会ならではの独特の緊張感もあったのか予定よりも少しオーバーペースで入ってしまった」というように根岸祐太(経1・慶應志木)は最初の5キロを15’19の下川唯布輝(環2・明石城西高)に次いで15’41で通過する。そこから10秒ほどあき、後続の選手9人が15秒ほどの間に次々と5キロ地点を通過。好調な走りだしを見せる。10キロはトップの下川が31’21で通過し、8位の河田までが32分代で通過と目標の66分に向け快調なペースを刻む。

 

 

そして「背中が見えた瞬間に前に出ようと思った」と語る根岸は下川の前に出るとチームトップで15キロを通過。思ったよりも自分の力がついてきていた」(根岸)と最後まで粘りを見せそのままチームトップの63’41でフィニッシュを迎える。次いで下川も2年生ながら最後までチームを引っ張る走りを見せ、64’45と去年より50秒ほどもタイムを縮めチームに貢献。9位の横松丈周(文4・宇都宮高)までが66分台で走り切り10位の荘林豪(総3・桐蔭学園高)も67’00とそれぞれがチームのために全力を尽くし走り切った。

 

 

最後まで力強い走りを見せた根岸

最後まで力強い走りを見せた根岸

 

 

気温が高くはなかったおかげか今年の予選会は全体的に好記録で、去年より10分もタイムを縮めたものの総合結果は全体の31位と、32位の去年から1つしか順位を押し上げられなかった。しかし11時間切りというチーム目標を全員で達成できたことはこの先大きな自信となり強みとなるだろう。また、根岸や下川など期待のできる後輩がいっぱいいる」(河田 法4・慶應義塾湘南藤沢高)というように下級生の活躍はさらにチームを盛り上げるに違いない。これまでチームを引っ張ってきた4年生が引退し新体制となるが、今後に向け慶大には伸びしろはいくらでもある。塾記録など上の記録を狙って慶大競走部は今日も走り続ける。今は険しく長い道のりかもしれないが、その先にいつか箱根駅伝本戦出場という結果がついてくることを信じてやまない。

(記事 太田彩恵)

 

 

選手インタビュー

 

河田健太郎(法4・慶應義塾湘南藤沢高)

(今のお気持ちは)自分自身の結果に関して言えば悔しいの一言なんですけれども、今年のチームの全体の目標は達成できたので、それはよかったなというかただただほっとしている感じです。個人としても去年に比べて19秒ほどタイムを縮めました)去年もタイム自体は納得していなくて今年はもっと目標を上の方に設定していました。レース前から調子が上がりきってなかったんですけれども、四年越しということで守りに入っても仕方が無いなという気持ちがあったので早く入りました。結果としてはきつくなって途中からはもう66分っていうチーム目標の記録を意識しながら走るようになりました。去年と比較すれば(記録が)上がったという面では良かったかもしれないですけど、僕自身の目標からすれば、大分遅くなってしまったのでそこは悔しい結果となったかなと思っています。(下級生の根岸選手や下川選手が好走を見せてくれましたが)今年ずっとチームを引っ張って来た二人だし自分としては確実に速く走ってくれるなと思っていたんですけれど、根岸に関して言えば思ってい
た以上に走ってくれたので今後に期待できるかなと思っています。(夏の練習はどのような意識を持ってしていたのか)夏の練習は例年通りというか距離を踏んでしっかりチーム全体の底上げという点でやっていけたなというふうに思っていたので、特に(例年に比べて)大きな変化というのは無いんですけれども、夏はチーム全体として昨年よりいい仕上がりに出来ていたのでそこは評価できる点なのかなと思っています。今日で引退ということになりますがなにか後輩に伝えたいことはありますか)今年の結果を見てもわかるように期待のできる後輩がいっぱいいるので、僕はもう一応OBという立場になっちゃうんですけれども、塾記録などもありますしより上の記録を狙って頑張って欲しいなというふうに思っています。

 

 

根岸祐太(経1・慶應志木高)

(今日の試合を振り返って)個人的には63分40で学内トップという結果で学内1位は狙っていたので自分的には納得した結果が出せて良かったです。1年生で初めての出場でしたが、雰囲気などは)始まる前の応援とかの雰囲気もすごくて、走っているときもずっと慶應の応援をしてくれる方々がいて良い雰囲気で走ることができました。今日は天候もあまり良くありませんでしたが今日のレースプランは出来るだけ1年生なので積極的にいきたいと思っていて、予定よりも少しオーバーペース
で入ってしまったんですけど、思ったよりも自分の力がついてきていたおかげで、最後まで粘ることができました。10キロ通過時点では学内2位でしたが、前に出るタイミングというのはどのようにうかがっていたか)10キロ通過地点ではまだ余裕があったので、背中が見えた瞬間に前に出ようと思いました。今年の夏はどのような練習を積んできたか、強化した点などは)始めの菅平合宿ではBチームで始めたんですけど、紋別合宿のほうでAチームに上がらせていただいてそこから強度の高い練習をしたことで強くなれたと思います。試合後のミーティングではどのような話があったか)実際全体順位は31位なので、もう少し来年再来年は僕ら1年生が引っ張って精進していかないといけないなと思いました。4年生も今日で引退し新たなチーム体制になりますが今後に向けて4年生が引退されてしまうんですが、個人的には来年の箱根予選会では学連選抜を目指して頑張りたいと思います。

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