【テニス(男子)】逸﨑・畠山組が初の〝大学日本一〟/全日本学生テニス選手権 最終日

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逸﨑凱人(2・大阪産業大付属高)・畠山成冴(2・湘南工科大付属高)組が全国の頂点に立った。昨年の多くの悔しさを乗り越え、「勝負強さ」という成長をコートで見せつける。ファーストセットでは最初のゲームを0-40からキープ。勢いそのまま6―1で奪う。セカンドセットでは中盤以降、幾度となく迎えたブレークのピンチを粘りでしのぎタイブレークへ。タイブレークでは「気持ちとか表現の部分で勝った」(畠山)2人が一気の6-0。最後は逸﨑のサーブから畠山が決め、岐阜の地で歓喜の雄たけびを上げた。なお、慶大勢としてはこの種目、昨年の髙田航輝(環卒)・上杉海斗(環3・清風高)組に継ぐ連覇となった。

全日本学生テニス選手権大会 ダブルスFinal

2016/8/20 @岐阜メモリアルセンター

逸﨑凱人・畠山成冴

2{6-1、7-6(3)}0

小堀・坂井(早大)

DSC_0074初のインカレ決勝に臨んだ逸﨑・畠山組。最初のゲーム、「緊張していてファーストサーブが入らず」0-40とする。しかし、ここから逸﨑のサーブを中心に組み立てデュースまで巻き返すと、サーブのフリーポイント2本で計4回のブレークポイントをしのぎきり、なんとかものにした。続くリターンゲームではサーバーの足元にしずめるリターンで流れを作り、0-40。そして、ラリーから逸﨑が決め先にブレークに成功する。「ゲームの内容的には競っていたので、どっちに転ぶかわからなかった」(畠山)このセット。しかし、続くゲームも30-30からキープとし、完全に流れをつかむと、一気にゲームカウント5-0とする。5-1で迎えた第7ゲーム、40-30のセットポイントから相手に連続でポイントを許し、相手のアドバンテージ。セットポイントからゲームを落とすと流れが大きく変わりかねないこの状況から畠山がサーブのギアを一段あげキープに成功し、6-1でファーストセットを奪った。

DSC_0084セカンドセットはファーストセットの流れそのままに序盤に1ブレークアップと先行する。しかし、第6ゲーム。小堀・坂井組が第1シードの意地を見せる。この逸﨑のサービスゲームでファースト、セカンド関わらず、サーブを強気のリターン。リターンエース2本など完全にリターンに押され、ブレークを許してしまう。第8ゲームでも0-40とピンチを迎える。しかし、この日の2人は勝負強さが光った。サーブとサーブからのボレーで簡単にデュースに持ち込むと、相手のアドバンテージもサーブでかわし、キープ。その後はお互いにキープを重ね、セカンドセットはタイブレークでの決着となった。迎えたタイブレーク。「昨年の試合とは違い、今日は目の前の1ポイントに集中できたことがよかった」と逸﨑。タイブレークは相手のサーブから。最初のポイント、前衛の畠山がボレーで押し勝ち1-0。そして、逸﨑のサーブで2本キープし3-0とする。ここから小堀のサーブ、1本目はリターンを前の坂井がボレーをネットにかけるミス。2本目はダブルフォルトで5-0と一気にリードを広げる。その後6-3となり迎えた10ポイント目の逸﨑のサーブ。サーブから畠山がボレーで決め、慶大が歓喜の瞬間を迎えた。2人は雄たけびをあげたあと、コートの中央で熱く抱き合い勝利の喜びを分かち合った。

DSC_0109逸﨑・畠山組は今大会1セットも落とさない圧巻の戦いだった。この優勝は来週から始まるリーグ戦に向けても明るいニュースであることは間違いない。次の目標である団体日本一のために――。2人のさらなる成長に期待したい。

(記事:太田悠貴)

 

【チャンピオンスピーチ】

逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)

予選から今日まで運営してくださった全日本学生テニス連盟様、ブリジストンスポーツマーケティング株式会社様をはじめとするスポンサー各社の皆さま、本当にありがとうございました。そして、毎日暑いなか僕たちの応援に駆けつけてくださった、OBOGの皆さま、部員のみんな、本当にありがとうございました。その中でも誕生日を返上して支えてくれた同期の山中麟太朗くんには本当に感謝したいです、ありがとう。決勝戦で早稲田の小堀・坂井組と素晴らしいプレーをできたことを誇りに思います。来年もこの場所に立てるようにまた1年間頑張っていきます。ありがとうございました。応援よろしくお願いします。

畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)

まずはじめに大会を運営していただいた学連の皆さま、会場を提供していただいた岐阜メモリアルセンターの皆さま、そして関東関西から応援に駆けつけてくださったたくさんのOBOGの皆さま、本当にありがとうございました。毎日暑いなか、一生懸命応援してくれた部員のみんな、またオリンピックの解説の中、地球の反対側から駆けつけてくださった坂井監督、初日から来てくださった原コーチ、本当にありがとうございました。この結果に満足することなく、来週から始まるリーグ戦、そして来年もこの舞台に戻ってこれるように努力していきたいと思います。ありがとうございました。

【選手・サポートスタッフコメント】

逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)、畠山成冴(環2・湘南工科大付属高)

(最初のゲームで0-40からキープしたことが大きかったのでは)

逸﨑 そうですね。緊張していてファーストサーブが入らず、あまりよくない立ち上がりだったんですけど、昨日からブレークされるにしても0-40からされないことを意識していました。それが序盤からしっかりできたことがよかったです。

畠山 最初に0-40になったときに、お互いに元気がないかなと感じて、そこから声を出してお互いに鼓舞できたのでキープができて流れを持ってくることができたのではと思います。

(ファーストセットを取り切れた要因は)

逸﨑 前でプレーするという自分たちのテニスが徹底できたからだと思います。今まで以上に声を出してプレーできたこともよかったです。

畠山 ゲームの内容的には競っていたので、どっちに転ぶかわからなかった中で、気持ちとか表現の部分で勝ったのかなと思います。

(セカンドセット、タイブレークを6-0とできた要因は)

逸﨑 王座とか今までタイブレークで負ける試合が多くて、その負けが今日の力になったと思います。今までは勝ちを意識してプレーしていたんですけど、今日は目の前の1ポイントに集中できたことがよかったと思います。

畠山 去年1年間、競り負ける試合を何度も繰り返してしまって、どうすれば競り勝てるのかをずっと模索してきたので結果が出てよかったです。

(リーグ戦に向けて)

逸﨑 自分たちが優勝できたことは慶應にとって大きいと思うので、この流れを回りのエネルギーにできるように頑張っていきたいです。

畠山 インカレ王者として負けは許されないと思うので、チームを引っ張っていきたいです。

島貫朔乃介(経4・慶應義塾湘南藤沢高)

(スタッフとして臨んだ最後のインカレは)選手が一番きつかったんじゃないかなと思っていて、サポートとしてきたんですけど、勝ったのも頑張ったのも選手自身だと思います。ですが、その中で自分にやれることは全部やったかなと感じています。

(リーグ戦に向けて)自分は4年生なので、3年半やってきたことを少しでも伝えて、本当に悔いのない戦いをしたいです。

(同期に期待することは)井上(智文)、野田(哲平)には単複の下位で出る可能性があると思うので、4年生の意地を見せつけてほしいと思います。

高木隆之介(総3・慶應義塾湘南藤沢高)

(スタッフとして臨んだ今年のインカレは)本戦から来たんですけど、試合に出るのは選手で、自分たちにできることは小さいこととかだったので、本当に選手が頑張ってくれたと思います。慶應として4種目すべて取ることを目標としていたので、1種目取れたことはよかったですが、やっぱり同期の上杉が負けてしまったことがすごく悔しくて、リーグや来年のインカレでリベンジしてほしいです。村瀬だったり首藤だったり、活躍している選手がいるので、自分もそこに負けずに頑張っていきたいです。

(リーグ戦に向けて)人のために頑張ることはそんなに簡単なことではないですが、選手のために自分にできることをすべてやりたいです。

山中麟太朗(経2・桐蔭学園高)

(スタッフとして臨んだ今年のインカレは)僕は本戦から来たんですけど、同期が自分以外全員出ていて、そういう状況の中で一人でも多くのチャンピオンを出すために全力を尽くすと決めて岐阜に来ました。結果として1種目でチャンピオンを出せたことはよかったですし、普段から仲の良い二人が優勝してくれて本当にうれしいです。また、今回自分がサポートメンバーに選ばれた意味を自分なりに考えて、来年こそ選手としてここのコートに立ちたいという思いが強くなりました。

(逸﨑選手のチャンピオンスピーチでも名前が出ていたが)大会期間中に自分は誕生日を迎えて、1日目から朝から晩まで仕事があって、つらい日々ではあったんですけど、しっかりと選手に思いが伝わっていたと感じました。

(リーグ戦に向けて)僕は今回はリーグのメンバーにはなれないんですけど、中高では団体戦のメンバーに選ばれていて、大学に入ってサポートを経験して、サポートがチームを勝たせると感じました。リーグ戦では自分にできることに100%の力を出し切りたいと思います。

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