春季リーグ戦第1週が終了し、早速大盛況を見せた六大学野球。慶大も初戦を目前に控え、選手らの士気は日々上がっているだろう。毎年ポジション争いの激しいセカンドだが、昨シーズンにその競争を勝ち抜いたのが倉田直幸選手(法4)だ。浪人時代を経て本塾野球部に入部した倉田選手に4年間の思いを語っていただいた。
—昨シーズンを振り返ってみていかがでしょうか
満足のいくシーズンではなかったです。身体的にもですけど、精神的な体力の無さを痛感しました。
—そんな昨シーズンから得たものはありますか
強いて言うならば、実力の無さを実感したことです。もっとがんばろう、という意識の向上につながりました。
—最終学年になって気持ちの変化はございますか
そうですね。今は、去年でいう加藤拓也さん(現・広島)のような頼れる4年生というのがいないので、自分たちが頼られる存在になれるように毎日の練習の姿勢やオープン戦などでもできることをどんどんやって信頼を得られるように心がけてます。
—そのために意識していることは
全部ですね。野球のこと以外でも、私生活や学業面でも手本となれる人になることがつながってくると思います。
—浪人を経験してまでも慶大に行こうと思ったキッカケはなんでしょう
一番は父親の影響が大きいです。父は慶應を受けたんですが、落ちてしまったんです。だから父は自分に慶應に入って欲しいのが願いだったので、それがモチベーションになりました。
—浪人時代のブランクが空いてからの入部は影響ありましたか
ブランクのことはあえて気にしないでいました。入部して初めはずっと走ることが多かったのですが、僕は走るのが苦じゃないので出遅れた感じはしなかったです。強いて言うなら、バッティングは4年目にしてやっと取り戻せたかな、という感じはします。
—新チームが始動して5ヶ月が過ぎましたが、いまのチームの状況は
めっちゃいいです!オープン戦もけっこう勝ってきてますし、試合のメンバーもとても入れ替わりが激しいので、逆にそれがいい刺激になってチーム全員が高いモチベーションを保てていると思います。
—新1年生の中で期待できる選手はいますか
まだ試合には出ていないんですけど、桐蔭学園出身のピッチャーの杉原寛哉(総1)です。杉原の後ろは守っていて、やりやすいというか、良いなと思いますね。
—新1年生を見ていて、どんな学年だと思いますか
ピッチャーの層が厚いなとは感じます。いま注目されている大西健斗(環1)だったり佐藤宏樹(環1)だったり、3年後期待できますね。
—キャンプではどんなことを意識して取り組みましたか
体調不良で沖縄には行かなかったんですけど、下田で明渡稜(政4)と一緒に体調不良で休んでいた分の感覚をなるべく早く取り戻そうと意識してました。
—普段オフの日などはどんなことをされていますか
今は完全に就活ですね。野球は学生までと決めているので、スーツ着て就活しています。食べることにもそんな興味がないので、ご飯行ったり遊びに行ったりとかはあまりしないと思います。たまに、みんなで遊園地に行ったりとかはします。
—普段から野球部員といることが多いですか
そうですね。生活の中心が野球部なんで、キャンパスも授業以外では行かないので。
—昨年激しかったセカンドのポジション争いを勝ち抜いた要因は
多分ですけど、エラーの数には意識していますね。良いプレイしよう、というよりは最低限やることやって、エラーしないように心がけてます。
—今年もセカンド争いは続きますが自信の程は
ないです(笑)。新入生も入ってまた層が厚くなっているので。選んでもらえるよう頑張ります。
—セカンドというポジションはいつから守っているのでしょう
高3からです。小3から野球をやっているんですけど、今までキャッチャー以外のポジションは一通り経験して、大学ではずっとセカンド守ってます。
—野球を始めたキッカケは
これも父親の影響ですね。父親もずっと野球をやっていて、野球大好きな人間なので。小さい頃からキャッチボールしたりしてました。
—春季オープン戦では昨シーズンと違うポジションを守っている選手が何人かいますが
そうですね。まずは沓掛祥和(現・トヨタ)さんとか4年生の抜けた穴を埋める、という感じですね。あとは、瀬尾翼(理4)だったり新入生だったり、部員全員が淘汰された結果だと思います。
—絶対的エースだった加藤拓也さんが卒業したいま、投手陣の要になるのは誰でしょう
そうですね、こいつが良く投げれたら勝てるな、というのは清水洋二郎(法4)ですね。結局4年生で引っ張ってくれる人がいれば、下級生も安心してついてこれると思うので。
—新チームの注目して欲しい部分はどこですか
岩見雅紀(総4)ですね。やっぱりあいつのバッティングは目立つんで、ぜひ注目して欲しいです。
—今シーズンの目標と意気込みをお願いします
目標は、レギュラー、ノーエラー、打率3割。そのトリプルスリーで(笑)。最後のシーズンの最初のシーズン、なので良いスタートが切れるように頑張ります。
—最後にいつも応援してくださるファンの皆様にひとことお願いします
いつも応援ありがとうございます。野球人生最後の年なので、皆さんの期待に応えられるように有終の美を飾りたいですね。
—お忙しい中ありがとうございました。
取材:千綿加華、写真:鈴木優子