【ラグビー】仲宗根組始動特集②“若虎から猛虎へ” 佐藤大朗×渡辺祐吉

今季はAチームでの活躍が期待される

対談の第二弾は佐藤大朗選手(総3)と渡辺祐吉選手(経3)。昨季はJr.選手権優勝の主力であり、Aチームもリザーブにも入るなど活躍。だが2人にとっては満足できるシーズンではなかった。上級生となった今季に目指すはさらなる高みであるAチーム、黒黄への定着である。昨季の経験を糧にした2人の若虎が猛虎への変貌を遂げようとしている。

*この取材は4月7日に行いました。

          Aチームで結果を出したい

 

――昨年を振り返って

渡辺 スクラムでやられてしまい、体格差が自分の課題であることが分かったので、今年は体を大きくすることに取り組んで他大学と対等、またそれ以上に戦えるように頑張ろうって感じで課題が見つかった年でした。

佐藤 Aチームのリザーブに入れて試合に出ることが出来たことはすごくよかったと思いますが、4年生にはかなわないなって思った所があって、もっと競り合って行ければよかったのかなと今は思っています。

――主力として出場したジュニア選手権では優勝した

渡辺 結果が出たことは嬉しいですが、やっぱりAチームで結果を出したいということは誰もが思っていることなので、Aチームで結果を出したいです。

佐藤 結果はすごくよかったと思います。Bチームは1つになれてチームの団結力も感じられてやっていてすごく楽しかったし充実していたのですが、やっぱり祐吉と同じでAチームに行くためのアピールをもっと試合で目立つプレーをしていけばよかったかなと思います。

――チームの団結力は何から生まれたのか

佐藤 Bチームは練習でAチームの練習台になっていて、林前監督はAチームが気持ちよくできるようにBチームに対してやってないのにペナルティを取ったり、ストレスをかけた練習をしていて、Bチームはやられるがままっていうことが多くてそういうものが日々の練習の中で積み重なって、「やってやろうぜ」という感じになってそこから団結力が生まれたというか・・

渡辺 フラストレーションが逆にチームの原動力になったって感じですね

佐藤 なんか「見返してやろうぜ」みたいなものがチームの力になったって感じでした。そういうのがBチーム全体にあって、「やってやろう」って意気込みがありました。

質問に答える2人

――昨年見つかったAチームスタメン入りに必要なものは 

渡辺 やっぱり帝京とか東海とかはフィジカルチームなので、やっぱり体重がないのを補えるだけの特別な武器がないので早く体格でも追いつこうと思っています。

佐藤 力、というか体格は本当に大きいと思いますが、Aチームに出ていた他の先輩に比べるとやっぱり走れる力、フィットネスも劣っていたと思うのでそういうところも上げていかなきゃなと思います。

――尊敬する先輩は

佐藤 本当に全員尊敬しているんですけど、同じポジションの人とかバックローの中だと小澤さん(総卒)とかは大きいですね。あとは副将の栗原さん(総4)も尊敬しています。

渡辺 僕はスローイングがあるので金子さん(総卒)がすごく上手かったので尊敬しています。

――自身のスローイングについては 

渡辺 自分の中で去年から意識付けが変わって、スローイングが出来なきゃ使ってもらえないっていう感じだったので、今年も同じですけどだいぶスローは変わりました。

――昨年出たFwdとしての課題に対する対策は 

渡辺 チームとしては体を大きくする日々の目標値があって、2カ月でプラス5㎏なんですけど、それを目標にやっていて個人としてもそれを出来るだけ達成できるように努力しています。

佐藤 同じ感じですね。あとは大きいチームに対するタックルなどの低さは慶應の伝統として引き継がれてきたものなので、そこは徹底してやっていかないといけないと思います。

――昨年苦しんだスクラムの強化方法は

渡辺 1つ上の高橋浩平さん(経4)が中心となって大きい相手にどう対抗するかを追求して結構数を組んでいるんで、あとはコーチ陣信じてついて行くだけで結果が秋に出るように努力します。

――ラインアウトは2人違った形で参加するが

佐藤 スペシャリストだった村田さん(環卒)が抜けてしまったので、ラインアウトのリーダーは伊藤さんを中心に、あとは去年の経験のある栗原さんを中心に1つになってみんなでLOを中心に組み立てていく感じだと思います。

渡辺 やっぱり金子さんのスローの技術はすごかったので、早く全員がそのレベルに追いつけるように練習するだけですね。

       仲宗根さんについて行けば間違いない

 

――地震の影響で例年よりスタートが遅れたが今の状態は

渡辺 まだセレクションマッチが行われてないので、そこで結果が出て初めて調子がいいと評価されるものだと思っているので、セレクションまで全力を尽くすだけです

佐藤 新しい監督で新たな環境になってまだ慣れてない部分が多くて、探り探りでやっている所もあるんですが、去年よりも走る量も増えているし、野澤コーチの練習も去年よりも激しくて疲労もあるんですが、去年より間違いなくつらくなっているんで強くなっているのかなって感じはします。あとはセレクションマッチがあるんでそこに向けて準備していくだけだと思います。

――新体制となって変わった部分は多いか

佐藤 監督、ヘッドコーチ含めたコーチ陣が全て変わったので去年と言っていることが違っている部分もあったりして、選手が戸惑っている部分もあるんですけどそこは自分なりにかみ砕いたり、先輩達に相談してりして色々試行錯誤していきたいです。コーチ陣も試行錯誤していると思いますが、今はコーチ陣と選手が意見を出し合って全体的に探っている感じではありますね。

――まだコーチとの意思統一には時間がかかるか 

佐藤 軸は違わないと思うんですけど、細かい部分では違っているっていうのは結構あります。学生コーチをかけ橋にしてコミュニケーション取ったりしているんですけど、まだ若干ちぐはぐなことはありますね。

――新監督についての印象は

渡辺 高校時代の監督だったんで一番チームの中でも知っていると思います。技術的なことは野澤コーチが教えてくれるんで、普段の感謝を忘れないこととか「当たり前のことを当たり前にやれ」ってことを監督は強く思っていると思うので監督信じてやっていきたいと思います。

佐藤 去年の監督に比べると熱いというか熱を全面に出す感じだなと思います。すごく声だすな~っていうのが第一印象でしたね。練習中も指示というより励ますような声を出していますね。技術的な部分は監督がBks出身っていうのもあると思うんですけど、まだ分からない状態ですけど熱いなってこととラグビー以外の生活規律の部分にすごくこだわっているなって感じます。

――野澤コーチの指導は

渡辺 野澤さん自身がすごくガツガツ行く感じのプレイヤーだったので、自分たちに足りない部分の特にブレイクダウンにすごくこだわっていると思います。Fwdが先頭になってやらなきゃいけない部分なのでためになるというか、新鮮な感じもあります。

佐藤 痛い練習もすごく多くて、体の強さをすごくフォーカスしているしその部分が足りない所だと思うんで、身になっているなと思います。ただまだ考え方とか違う所もあるんでその辺はこれからかなと思います。

――仲宗根新主将(総4)、栗原新副将の印象は

渡辺 仲宗根さんはジュニア選手権で一緒にプレーして、実力も体で分かっているんで主将を胴上げ出来るようについて行きたいなと思っていますね。栗原さんは身体能力でプレーしていて、能力が高いという感じですね。厳しくも叱ってくれますしFWの仲間にいて欲しい選手ですね。

佐藤 仲宗根さんはラグビーに対する姿勢が本当にすごいなって言う感じです。すごいストイックだし、言葉というよりも背中で引っ張っていくって言う感じでオフ期間中とかも見ていて自分もやらないといけないと思わされたりもしたし、一緒に練習していても細かいところまで厳しいので自分もやれるので、この人について行けば間違いないなと思っています。栗原さんは個人的にも尊敬しています。目立つプレー出来るけど裏方に徹することも出来るし、身体能力も高く激しいので選手として見習うべき点がすごく多いです。去年もずっと試合に出ていたし技術的にも経験的にも栗原さんにもついて行けば間違いないと思っています。

――主将、副将から何か印象に残る言葉などはあったか

渡辺 そんなにはないですかね。練習中怒られるくらいですね

佐藤 栗原さんには本気かどうか分からないですけど、「お前はライバルだから」とは言われますね。

渡辺 これ載っちゃうからね(笑)ケイスポ見るとお前はライバルって言われたって。

佐藤 僕は全然思ってはないですけどね。ここはカットでお願いします。

一同 (笑)

佐藤 でも、そう言ってもらえると僕も頑張らなきゃなとは思います。

――今年から3年生だが心境の変化は

渡辺 入寮もしましたし、ラグビーに集中して打ちこめる年だなと思います。

佐藤 去年までは下級生で遠慮とかもしないつもりでもやっぱりあったと思うので、今年は上級生にもなったし、3年生は1番自由にできる年だと言われているので4年生をフォローしつつも去年よりももっと自由にラグビーに打ち込んでいきたいです。

――後輩も今年から増えるが

渡辺 理想的には公私ともに尊敬できる先輩になりたいですけど、なかなか難しいんでまずはラグビーで引っ張らないといけないと僕は思っています。

佐藤 自分に厳しくしないと説得力あることも言えないと思うので、まずは自分に厳しくストイックに練習に取り組んで、まずは姿勢から見せていきたいです。

――4年生をフォローする立場になるが

渡辺 僕らの学年が4年生をフォローしていかなきゃいけないっていうのは全員の共通認識としてあるんですけど、自分はそれじゃいけないと思っています。3年が4年のつもりで引っ張ることがチームの底上げにもなって重要だと思うんで、全力で4年生をサポートするとともに自分達でも引っ張っていきたいです。

佐藤 4年生はチームだけじゃなくて外とのコミュニケーションとかもあるので、足りないところは3年生で補いたいです。ただやっぱり4年生に頼るだけでなく自分達でも引っ張っていきたいです。

――3年生の中でチームを引っ張る中心となっている選手は

渡辺 去年試合に出ていた柚木(商3)や新甫(経3)とかが声を出して引っ張ってくれていますね。

――2人にとってお互いの印象は

渡辺 大朗は体が強くて前に出るプレイヤーで、ラグビーに対する姿勢を素晴らしくて僕も尊敬しています。一緒に試合に出て優勝したいですね。

佐藤 祐吉の愚直なタックル、自分を顧みない、刺さるようなタックルやスローイングとかすごいと思います。スクラムでも金子さん、浩平さん、祐吉みたいな感じで台頭していてすごいと思います。ラグビー面でも私生活でも尊敬出来る選手ですね。

――3年生の中でライバルは

渡辺 HOの3年は1人なのでライバルはいませんが、スクラムの強い平野(環3)とか目標にする選手はいます。

佐藤 バックローは結構人数がいてそれぞれいい部分を持っていて、茂木(理3)とか小田村(政3)とか安部(経3)とかみんなから見習うべき点があります。

          3年生は勝負の年

 

――今年からAチームスタメンが期待されるが

渡辺 今年活躍出来ないと後々のラグビー人生がかわってくると思うんで、今年結果を出せるように頑張っていきたいです。

佐藤 自分の中で3年生は勝負の年だと思っていて、今年レギュラーが取れなければ勝ち取る立場じゃなくなってしまうということを卒業した村田さんからも言われたので、そういう意味でも今年はレギュラーにならなければいけないと思います。

――春のシーズンが始まるがどう過ごしたいか

渡辺 怪我しないで過ごすことが春シーズンは大事だと思うんで、結果が出せればいいですけどまずは怪我しないことに重点を置きたいです。

佐藤 怪我しないことはもちろんですが、新しいコーチに教わったことを実践でどんどん試していきたいと思います。

――相手チームで意識するチームは

渡辺 体の大きな相手にどう勝つかということは1番のフォーカスなので、帝京大や明治大のような大きい相手とやってみたいです。

佐藤 田中監督が今年は筑波大が重要なポイントになると言われていて、今年は春に筑波大戦があるのでシュミレーション出来る場として筑波大戦が楽しみです。

――今年の目標は

渡辺 チームとしてはもちろん日本一。個人としてはAチーム定着です。

佐藤 僕も全く同じで、チームは日本一。個人としてはAチーム定着です。

By Hiroki Nakajima

前:渡辺選手、後:佐藤選手

佐藤 大朗(さとう・たろう)

都立国立高を経て現在総合政策学部3年。Fwdの複数ポジションをこなせるユーティリティさがウリ。昨季は主に対抗戦、大学選手権ではLO、Jr.選手権ではバックローとして出場した。今季は昨季のスタメンが全員卒業したバックローでポジションをつかむことが期待される。ポジションはLO/FL/NO8。1㍍81、90㌔。

渡辺 祐吉(わたなべ・ゆうきち)

慶應高を経て現在経済学部3年。慶應高では主将も務めた。安定したスローインと気迫溢れるプレーが持ち味。同ポジションに昨季のレギュラーであり高校の先輩でもある高橋浩(経4)がいるが、定位置獲得を目指す。ポジションはHO。1㍍71、90㌔

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