【バレーボール】早慶定期戦 52年ぶりの2連覇達成!

 伝統のバレーボール早慶定期戦は今年で第75回目。昨年同定期戦での連敗を22で止め、今年も勝利すれば実に52年ぶりとなる慶大の2連覇となる。そんな歴史的瞬間を目撃すべく敵地早大にもかかわらず慶大応援席には早大を上回る大観衆がかけつけた。 

6月19日(日) 第75回早慶バレーボール定期戦 慶大―早大 @早稲田大学記念会堂

得点
慶大 セット 早大
32 30
16 25
25 23
26 24
ここまで六大学交流戦、全早慶明定期戦と連勝し今期早大戦は2戦2勝と負けなし。スタメンには先日の練習中に故障した間宮(政3)の姿は無く、金親(法3)がライトに起用された。第1セットはその間宮不在の穴が大きく、慶大はレセプションが安定せずクイックをからめた攻撃が使えない。そんな中でも岡田(商2)と柳田(環1)のサイド陣がふんばり序盤は競った展開に。しかし9-8から2連続スパイクミスなどで6連続得点を奪われ追いかけるかたちになると、16-20と早大リードで後半に突入する。慶大はここでスタメンを外れていた間宮がピンチレシーバーで登場。精神支柱がコートに戻り大きな声でチームを鼓舞すると流れが慶大に傾く。星谷(理2)、金親にブロックがとびだし24-24と土壇場で追いつくと、ここから両者の意地のぶつかり合いでサイドアウトの押収に。早大の6度のセットポイントをしのぎ、慶大は29-30から岡田の連続スパイクで逆転すると最後は星谷のサービスエースで32-30。粘ってこのセットを奪ってみせる。
 このまま勢いに乗りたいところであったが第2セットは苦しい展開になってしまう。レセプションを崩されサイドにスパイクミスが増える嫌なかたちに。2-7とリードされた場面で宗雲監督は金親に替え中出(環3)を投入し、レセプションの建て直しをはかるがなかなか点差をつめることが出来ない。終盤もサービスエース2本を含む6連続得点を奪われ16-25。大差でこのセットを落としてしまう。
 両者1セットずつを取り合って迎えた第3セット。このセットはスターターから中出がライトに起用され、まずはレセプションを安定させ両レフトで点を取りにいくフォーメーションをとる。中出もこの起用に応え徐々にレセプションも持ち直し、サイドの決定率も上がっていく。8-11からはリベロの前田(環3)がディグで存在感を発揮。柳田(環1)のサービスエースも飛び出すなど5連続得点で逆転し、最後までここでつけた点差を守りぬきこのセット25-23。慶大が勝利に大手をかける。

チーム一丸となっての勝利

 第4セット、ホームで意地を見せたい早大も粘りをみせ、1ラリーが非常に長くなるなど緊迫した流れに。慶大も前田、中出らが安定したレシーブを見せ、エース岡田もこのセットにきて復調。20-18とリードして終盤をむかえる。しかし勝利が見え始めたか、ここからドリブル、トスミス、サービスエースで嫌なかたちで3連続失点し、早大が逆転。23-24とセットポイントを奪われる。この場面で慶大に再び流れを引き寄せたのが主将の渋谷(環4)。ピンチブロッカーとしてコートに入ると、ネット際の難しいボールを冷静にトスアップし、柳田のスパイクポイントにつなげる。これで同点に追いつくと今度は渋谷自らブロックを決めてみせ逆転。最後はこぼれだまを中出がギリギリのところでレシーブし、2段トスを岡田がバックアタック。4連続得点で26-24と大逆転しセットカウント3-1で劇的なかたちで勝利を奪い取った。

 早慶定期戦2連覇は52年ぶりの快挙。またチームの要である間宮不在の中、「それぞれが自分の仕事をこなした」(宗雲監督)結果、全員でその穴を埋めることができた。選手達が間宮の不在を「あまりマイナスに感じていない」という監督の言葉も精神面でチームが大きく成長したことの証。そうした様々な意味もあり、この勝利は目前に迫る東日本インカレに向けチームに大きな勢いをもたらすはずだ。

By Hideki Tsubonuma 

 コメント

 

宗雲監督 

(今日の試合を振り返って)試合前は不安のほうが大きかった。正直言って今日は自信が無かったです。それは守備の要の間宮がいないので他の大きい子達をいかせない、まずいなあと思っていたのが正直なところでした。(間宮選手の怪我の状態は)まだレシーブしか出来ないので…。今週の東日本インカレに8割ぐらいまで復帰していたらスタメンで使うと本人と約束しているんですけど、まだジャンプはあんまり出来ないので。(その中で途中出場の選手の活躍もあったと思うが)金親を間宮のかわりにずっとコンバートしてたので、金親をと思ってたんですけど、まだそんなにサーブレシーブを大学に入ってやってないのでもしかしたら崩れるかもしれないなあという予測はしてたんですよ。だから一応そのときのために、中出をスタメンには練習のときは入れてなかったんですが「入るかもしてないよ」ということは3日ぐらい前から言ってたので。中出に関しては去年の春の中大戦のときに山本のかわりに入れてけっこういい仕事をしてくれたので、まあその辺は自信はあったんですよね。いい仕事をしてくれました。(今日の勝因を挙げるとすれば)選手にも2日前にもう一発勝負なので内容は問わないと。もう間宮が怪我した時点で内容は問わないので勢いで勝ってくれたら良いよという話をしたので、勝因は彼らが間宮が怪我したことをあまりマイナスに感じてなかった、そしてリザーブの選手がその仕事をこなしてくれたことです。あとは間宮もワンポイントで出したときに仕事をしっかりしてくれて。ああいう仕事に不満を言わず自分の持ち場の仕事をしっかりと準備をしてこなしてくれたっていうのは大きいと思います。(東日本インカレに向けて)間宮が戻ってくればっていうたらればじゃいけないけど、出来るだけベストコンディションにしてなんとかセンターコート、ベスト4を狙えるように学生たちが準備してくれると思います。 

渋谷主将  

(今の感想は)前回(六大学交流戦)と同じだけれどもホッとしたというか一安心です。早稲田には六大学、全早慶明と勝ったので期待が重くのしかかりましたがそれに勝利というかたちで応えられてホッとしてます。(どのセットも序盤はリードされていましたね)そうですね。取ったセットは全部逆転して取ったので。まあなんていうか相手も2連敗しているのでその分気持ちも入っていただろうし向かってくる姿勢だった。こっちもけが人もいて上手くチームも作れていない状態をつけこまれて序盤は特に(早大に)走られたのかなと思います。(監督からの指示は)いつもどおりというか、声を出していこうということなどを。個人的にはすごい良い場面で起用していただきました。僕のすることは一つだったのでそれを結果として出せたのは監督のおかげかなと思います。(主将としての指示は)僕以外は全員が学年が下の若いチームなので、基本的には調子に波が出てしまう。うまくそれを良い流れの時には維持して、流れが落ち込んだときには声を出していかに状況を改善できるかということを意識しました。前田、星谷、(山本)悠登に盛り上げるよう指示したぐらいですかね。(試合でトスアップしたのは初めてですよね)そうですね。ただセッターとして出場した気はあまりなくて。野口のところに出るのがわかっていたので上手くブロックして盛り上げられたらなあというイメージをベンチのときからずっとしていたから結果も出たのかなと。(トスもきれいに決まりましたよね)あれはね(笑)ブロックポイントも含めて全部たまたまというか、ブロックももちろん今までの流れもあってたまたま手を出したらたまたま下にいったということぐらいで偶然が重なった結果かなと思います。それよりもあの点差までチームが良くもってくれたというか。1セットは取られたけれども4セット目に20点ぐらいまで競ってくれたのは後輩たちのおかげかな。おいしいところを持っていってしまったのは申し訳ないんだけど、あの場面を作ってくれた後輩がいたから僕が目立つことが出来たのかなと思います。(東日本インカレに向けて)すごいチャンスがある抽選結果だからうまくそれをものにすることがOBの皆さんなどから期待されていることなのかなと思います。必ず強いチームとは当たることになるので、恐れずどこと当たっても気を抜くことなく、優勝を目指して残りの日にちを練習していきたいと思います。 

山本

(今の気持ちは)自分は去年から体育会本部というのに入っていまして、今日は本部員になってから初めての早慶戦だったんですけど、やっぱり本部員としては早慶戦の価値をすごく感じていて、早稲田には負けられないという思いがみんな強い中で、今日こうして勝てたというのは自分としては本当嬉しくて、去年も勝ちま したけどそれよりも価値のある勝利だと感じました。(連勝したことについては)もちろん嬉しいんですけど、そこについてあまり意識していませんでした。慶應というチームは負け続けていましたけど、このチームとしては初めて臨む早慶戦ですし。(非常に苦しい試合でしたが)間宮が数日前に怪我をして、チームの柱がいなく なってしまったんですけど、総力戦で勝つことが出来たのは良かったと思います。(間宮選手がいない中でチームを引っ張る意識は強かったか)そうですね。間宮がいないから、お前と前田の2人でチームをまとめていけよ、と主将に言われていたので、自分としてもそういう意識は強くもっていました。(勝負を分けたのは)4セ ット目はこっちも苦しかったんですけど、相手も3連続ミスがあったりしていたので、ミスをどちらが我慢できるかという所が勝負を分けたと思います。去年までだったらポンポンミスが出ていたと思うんですけど、今年はそれぞれがワンランクレベルアップして、我慢出来てるんじゃないかなと思います。(東日本インカレに向け て)早慶戦からしっかり切り替えて、インカレでもベストを尽くせるように、上位にいけるようにチームを作っていきたいと思います。

中出

(今日の試合を振り返って)普段は間宮が絶対的存在としているんですが、今回はいなくても自分はいつも通りプレーするだけだと思っていました。(チーム全体の)キャッチで乱れたということで、監督からキャッチをまとめてくれと言われていました。自分が勝利に貢献出来て良かったです。(早慶戦への意気込みは)いつもより観客も多いのですごい緊張していたんですが、去年も勝って今年は連覇がかかっていたので、絶対勝ちたいと思ってやりました。(自身のプレーの出来は)いやもう…100点じゃないかなと思います(笑)全体的にキャッチが良くできていたと思うが、特に最後の一本、飛び込んでギリギリ間に合って手に当たったのはすごい気持ち良かったです。(今後の目標は)間宮が戻ってきたらまた外れると思うんですが、それまでは自分のやれることをしっかりやって、レシーブを安定させることと出なかったらしっかり声を出すことを重視して練習していきたいと思います。

前田優

(今日の試合を振り返って)とりあえず勝ててホッとしています。あまり自分の調子は良くなかったのですが、チームとしては結果を追い求めていたので結果が出てよかったです。(苦しい展開が多かったですが)やっぱりうちのチームはサーブカットが返らないと話にならないチームなので。間宮と僕とでレシーブをやっていたのですが今日は間宮が怪我でいなかったのでその穴を埋めようと思っていました。それが序盤は上手くいかないことが多くてちょっと苦労しました。(試合中にチームを鼓舞する姿がありましたが)いつもは間宮がやってくれているのですが今日はあいつがいなかったので僕がかわりにやらなきゃと思っていました。とりあえずみんなには「目の前の1点をとろう」、「先を見ないでまず1点」と言って声をかけていました。(東日本インカレに向けて)今日出た課題をもう一度持ち帰って改善して、もっと今日よりも良いチームになって東日本インカレに臨みたいと思います。

岡田

(今の気持ちは)周りから見ていてもわかると思うんですけど、六大学を終えてから調子が出なくて、ブレーキがかかっちゃって、試合をしていても少し自分に対して疑心暗鬼な所があったので、今回はほかの人たちが支えてくれた勝利だなと感じました。(昨年とは違う喜びがありますか)去年は初めての早慶戦で先輩達に 頼りきりだったので、今回は自分が頑張らなくてはいけないなと思って試合に臨んだんですけど、逆に力んでしまいました。でも自分の成長という意味ではいい経験になったと思います。(苦しい試合でしたが)序盤からリードされる展開が多かったんだったんですけど、それでも中盤、終盤に追い付いてそのままセットを取れたの で、そこは昨年とは違うところかなと感じました。(勝負は分けたのは)やっぱりチャンスを逃さなかったというか、取るべきところで点を取れたと思います。メンバーも怪我をした間宮さんの所とかが不安定だったんですけど、代わりに入った人がしっかり仕事をしてくれて、その部分で早稲田を上回れたかなと思います。( 東日本インカレに向けては)まず今日は調子が悪かったんでそれを戻して東日本ではいいプレーを出せるようにするのと、昨年よりもいい成績を取れるように頑張りたいと思います。

星谷

(先制される展開が多かったが)サーブやスパイクのミスが重なったことが原因だと思います。(自身の役割は)スパイクにもブロックにも言えることだが、サーブカットが入らないとスパイクは打てないので、今日はブロックを頑張ろうと思っていました。しかしあまりチャンスが無くて、不甲斐ないと反省です。(昨年よりも担う責任というものは大きくなったが)1年から2年になったなかで、やはりチームでセンターというポジションを担えるのは試合の中では半分の時間だけなんです。だから3ローテの中で自分の仕事をしっかりこなす必要があるなと思いました。(課題は)崩されたときの落ち着きの取り戻し方とかです。もっと冷静にプレーできたらなと。(東日本インカレに向けて)早稲田だけでなく他のチームもいるので、強弱に関係なく、自分たちのバレーをすることにフォーカスしていきたいと思います。

柳田

(今日の試合を振り返って)今日サーブのミスが自分多くて足引っ張っちゃったので、とりあえずこれからはその改善をしようかなと思いました。(初めての早慶戦への意気込みは)慶應を応援してくれる方々がたくさんいらっしゃったので、そういう人たちのためにも一本一本集中して頑張ろうという気持ちになりました。(自身の攻撃の出来は)ポイントはそんなに少なくなかったと思うんですが、序盤からの安定感を欠いたのでそういうところももっと直していければと思います。(手応えは)熱くなるというか、みんなで一つになって戦うというのは難しいことなのでそれを体験出来たというのはこの試合ではすごい収穫だったと思います。(今後の目標は)近々東日本インカレがあるので、フルメンバーでまずベスト4を目指して頑張っていきたいです。

野口

(初めての早慶戦で勝利という結果)勝利したことは嬉しいが、それと同時に、自分の不甲斐なさを多く知ったゲームでした。(序盤に先制される展開が多かったが)間宮選手が怪我をしてしまい、まだチームとして固まる時間が不足していたということもありました。あとは色んな役割をこなせるように、チームとしてはもちろんだが、個人でもレベルアップする必要があるなと思いました。それが上位に名を連ねる道だと思いました。(司令塔としての個人的な出来は)一つ一つのプレーが荒かったと思うので、もっと丁寧に、かつ相手を惑わさせるようなプレーをしたらなと思います。(早稲田という相手への意識は)今日の試合で、実感したが、早稲田に対しての慶應のライバル心はすごい熱いものがあるなと感じました。(東日本インカレに向けて)組み合わせも悪いところでは無いので、まずはベスト4を狙って、一戦ずつ進んでいきたいなと思います。

・女子は連敗止まらず

女子定期戦はセットカウント0-3のストレート負けで幕を閉じた。 1セット目はレシーブ、トス、スパイクと全体的にミスが目立ち8-25と大差をつけられた。続く2セット目。トスが安定し影山(文3)のスパイクが要所で決まり出すものの早大の高さを使った攻撃を止められず13-25でこのセットを落とした。第3セット目は折笠(総4)にボールを集め反撃を狙うも序盤のミスが響き2セット目と同じく13-25。これで早慶定期戦25連敗。早稲田の高さは手強かったもののそれ以上にミスでの失点が大きかったのは事実だ。ミスを減らし不用な失点を抑え来年こそは連敗を止めてほしいところだ。 

出場選手

レフト 柳田将洋(環1)
セッター 野口剛志郎(環1)
センター 星谷健太朗(理2)
レフト 岡田拓巳(商2)
ライト 金親大夢(法3)
センター 山本悠登(環3)
リベロ 前田優介(環3)
途中出場 渋谷隆太(環4)
間宮秀太(政3)
中出祥平(環3)
前田滉介(環2)

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