【野球】春季リーグ戦開幕前取材① 浮橋幸太選手 〜憧れの舞台で誓う二刀流での活躍〜

野球対談

いよいよ5日後に開幕を控える東京六大学春季リーグ戦。慶應スポーツ新聞会では、王座奪還に燃える選手たちに開幕前インタビューを行いました。

第1回は注目のルーキー・浮橋幸太(総1・富岡西)選手。甲子園で投打にセンスを見せた浮橋選手が慶大を目指した理由を語ってもらいました。

大学では投手メインに活躍を誓う

 

――兄の背中を追って目指した甲子園の舞台――

 

――富岡西に進学した理由は

自分の兄が富岡西高校で野球をしていたのですが、最後の夏に甲子園に出られなかったので、自分が富岡西高校に行って兄を超えてやろうという気持ちがありました。また、地元の高校を甲子園に連れて行きたいという気持ちがあったので富岡西高校を選びました。

 

 

――エース兼4番を任されていたことに対してのプレッシャーはありましたか

そこまでプレッシャーはありませんでした。中学の時からエースで4番を任されていて、高校でも、投手においても野手においても自分がチームを引っ張っていくんだという気持ちでやっていたので、特にプレッシャーは感じていませんでした。

 

 

――高校時代1番印象に残っている試合は

やはり甲子園での東邦高校との試合です。

 

 

――どのような試合でしたか

初めての甲子園という大舞台で、優勝校の東邦高校と3-1という接戦を繰り広げられたというのは自分たちにとって自信になりました。自分たちのプレーを甲子園でできたというのはやはり印象深いです。

 

 

――富岡西の強みであるノーサイン野球で東邦高校を苦しめましたが、試合中に意識していたことは

相手の石川(昂弥=中日)投手はコントロールが良かったので、いかに石川投手を崩しにかかるかという点を意識していました。石川投手は163球を投げても崩れなかったので、そこがやはり一枚上手だったのかなと感じました。

 

 

――高校時代、対戦して印象に残った選手は

打者としてはやはり石川昂弥選手ですかね。ずば抜けてレベルが高かったです。そのような選手としっかり戦えたというのは、すごく印象に残っています。

 

 

――四国選抜として海外遠征も経験しましたが、感じたことは

四国でトップレベルの選手が集まってチームを組んでやっていたので、すごく勉強になる ことが多かったです。主将も務めさせてもらって、学ぶことばかりでした。

 

 

――海外のチームと戦って感じた日本との違いは

海外の選手と対戦して、野球ではない違う競技をしているような感覚になりました。特に投手と対戦して感じたのは、日本の投手ではなかなか投げてこないようなナックルなどの球種を投げてきましたし、野手においても体格の大きい選手がバンバン振り込んでくるというところで、海外らしい野球を間近に見て勉強になりました。

 

 

――「慶應で野球をしたい」浪人覚悟の受験勉強――

 

――浪人を経ての大学進学でした。慶大を志した理由は

高校時代から六大学で野球をしたいと考えていたのに加えて、文武両道を意識してやってきたので、それが1番できるのが慶應だと思い選びました。

 

 

――スポーツ推薦などを用いて他大学へ進学する道は考えなかったのですか

東都リーグや他の強豪大学からも声は掛けて頂きましたが、やはり自分の中で慶應で野球をしたいという気持ちが強かったので、お誘いはお断りさせて頂いて、浪人してでも慶應へ 行くことを選びました。

 

 

――受験勉強で辛かったことは

一般受験とAO入試の準備を両方していたのですが、成績が伸びないことに関して精神的 に辛いところはありました。しかし、慶應で活躍している年が同じ選手を見ると、やはり頑 張ってこの舞台で野球をやりたいというようにモチベーションを上げて、一般とAOの両方の準備を進めていきました。

 

 

――浪人時代のモチベーションの保ち方は

慶應の試合をライブや結果で見るなどして、自分もこの舞台に立ちたいという気持ちを高めていました。また、六大学で自分と同世代で知り合いの選手が活躍するところをみて、自分も頑張らないといけないなとモチベーションを高く保つことができました。

にこやかに、力強い言葉を語ってくれた

 

――六大学野球に対するイメージは

六大学野球は日本で最高峰の大学リーグだと思っています。そのような環境で野球ができ るのは幸せですし、自分が出せる力をしっかり出して、その中で慶應を優勝させることを目 標に頑張りたいと思います。

 

 

――六大学野球で対戦してみたい選手は

早稲田の熊田(任洋=スポ2・東邦)選手ですね。甲子園で対戦して、結果としては安打を打たれずに抑えることができたんですけど、完全に抑えきれたという印象がないので、大学では完全に抑えきれるように頑張りたいと思います。

 

 

――大学でも二刀流に挑戦しますか

主に投手に重点を置いて練習したいと思っていますが、六大学野球の特徴としてDH制がなく投手も打席に立つので、バッティングも手を抜かずにしっかりと練習していきたいと思います。

 

 

――堀井監督の印象は

自分たち選手をよく見てくださっていて、一人ひとりをしっかり育ててくださる方だと思います。とても良い環境ですし、監督のおかげで野球がやりやすいです。そこが堀井監督のすごいところ、良いところだと思います。

 

 

――自分の思う長所と短所

長所は心配性すぎるところですかね。投手をやっているといつも最悪の状況を考えて行動するので、イレギュラーなことが起きても対応できるような準備をしているというところは自分の長所かなと思います。短所はマイペースすぎるところですかね。寮生活の中でも、やらなきゃいけないことを後回しにしてしまうことがあるので、そこは改善していきたいなと思っています。

 

 

――野球への探究心を武器に学年を牽引する――

 

――オフの日の過ごし方

オフの日も基本的に全く体を動かさないということはなくて、午前か午後どちらかは体を動かしています。外に出かけることが少ないので、部屋で野球選手の動画をみたり、投手なので配球の本を読んだりして過ごしています。

 

 

――取材を通して野球に対して勉強熱心な印象を受けます

変化球を磨くとか投げる練習も大事だと思うんですけど、頭を使って野球をするのも大事 だと思っているので、そういうところもしっかり鍛えて、レベルの高い選手とも渡り合えて いけたらいいなと考えています。

 

 

――参考や目標にしている選手は

投手で言えば山本由伸(オリックス)選手、山岡泰輔(オリックス)選手ですね。動画などを見て変化球を学んだりしています。打者だと柳田悠岐(福岡ソフトバンク)選手、吉田正尚(オリックス)選手を参考にバッティングの方も勉強しています。

 

 

――大学生活に対する楽しみや不安は

リーグ戦を見たことがないので、実際にリーグ戦が始まって、自分が試合に出られたら神宮 のグラウンドに立っている雰囲気、早慶戦の雰囲気がどんな感じなのかは楽しみではあり ます。不安なこととしては、新型コロナウイルスの影響で去年の春のリーグ戦のように中止になってしまうことがあります。

 

 

――今年の目標は

1年間浪人しているということで、少し体のなまりとかがあると思うので、まずはしっかり体づくりをすることです。可能であれば、リーグ戦で投げられるように努力していきたいと思います。

 

 

――最後に意気込みをお願いします

今年の1年生はあまり強豪校から選手が集まっていないので、その中で自分はすごく責任感のある立場だと考えています。なので、今年の1年生は自分が引っ張っていこうと思っています。1年生だと思わずに、先輩たちを追い抜いていけるように頑張っていきたいと思います。

 

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

 

◆浮橋 幸太(うきはし こうた)

2001年4月13日生まれ。富岡西高を経て、総合政策学部新1年。ポジションは投手。21世紀枠として第91回選抜高校野球大会に出場。優勝を果たした東邦高と1回戦で激突すると、エースとして3失点完投。3番打者としても適時打を放ち、接戦を演じた。慶大でのプレーを夢見て受験を決意。1年の浪人生活を経て見事慶大合格を果たした。174センチ、78キロ。右投げ左打ち。

 

※当取材は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、3月3日にオンライン上で実施しました。

(取材:田中 瑠莉佳、写真提供:慶應義塾大学体育会野球部)

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