【ソッカー(女子)】早慶女子クラシコ直前特集第1弾!中村美桜〜チームの目標を達成するために下した"決断"〜

ソッカー女子

早慶女子クラシコ直前特集第1弾は中村美桜(理3・慶應)選手へインタビュー!フィールドプレイヤーからGKになる決断を下した思いやその覚悟、早慶戦への意気込みについて伺った。

 

ーー今シーズンを振り返っていかがですか

個人的には、今年の3月からGKを始めることになって、本当に最初はどうなることかと思ったのですが、みんなのサポートもあり、個人的な感覚としては、GKとして少し成長できたのかなと思っていて。でも、去年と比べると失点数も多くて、個人的には、1番失点に絡むことが多いGKという立場なので、これからの早慶戦や後期リーグに向けての課題であると感じています。チームとしては、前期の最初の2試合が終わった後、3試合目から3連勝して大きな山を乗り越えたと感じていたのですが、その後、波に乗り切れなくて。すごく難しい状況で、今期の第1節が始まって、その大事な試合で負けてしまったというのはチームとして課題の残る結果だったと思っています。早慶戦と後期リーグに関しては、 本当に勝たなければならない一戦一戦が始まるので、今は練習もかなり気を引き締めているのですが、ひとまずは早慶戦に向けて頑張っていきたいと考えています。

 

ーー今のチームの雰囲気はいかがですか

8月の初旬に遠征を行い、関西の強豪相手に試合をしてきました。 4月から毎週リーグ戦があったのですが、チームメンバーの中でも試合に出られる人、出られない人というのが結構分かれてしまっていて、出場機会を増やすという意味で関西遠征を行いました。みんなで平等に戦うことができて、シーズン中だとスタメン組とサブ組で分かれて練習することもあるのですが、 そういうのがなくなって、この関西遠征を通して一体感を得られたという感じで。そこからの2週間は士気を高めて、早慶戦に向けてチーム一体となって目標に突っ走っているという感じですね。

 

ーー今年の3月からGKになられたというお話しでしたが、中村選手がGKになった経緯について教えてください

昨シーズンは4年生に正規のGKがいて、その方が卒業してからは、私の一個上の方がフィールドプレイヤーとGKを兼任で昨シーズンはずっとやっていました。ただ、1年間をずっとその方一人でプレイするというのは、怪我のリスクも考えたりするとすごく難しいことなので、フィールドプレイヤーからもう1人GKを出さないといけないという現状になりまして。昨年の11月ぐらいからゴールキーパーミーティングというのを始めて、話し合いが始まったんですね。やっぱりフィードプレイヤーからGKに転向することはかなり難しいことで。 小学生からずっとサッカーやっている子が多いのですが、みんなずっとフィールドプレイヤーとしてやってきて、やっぱりGKには正直なりたくないというのがありまして。でも、1人は出さないといけないという葛藤がありながら、そのミーティングが始まりました。私としてもGKをやりたくないというのが正直な感想で。私も小1からずっとサッカーをやっていて、やっぱり今までフィールドプレイヤーとしてやってきたプライドもあるし。フィールドプレイヤーとしてチームの勝利に貢献することが目標で体育会ソッカー部に入ったので、その目標からブレてしまうというのがまずあって。ただ、メンバーから指名されて理由を聞いていく中で、私の“先頭に立ってチームを引っ張る責任感、信頼感”という個性がチームの中でも重要であることがわかって。そこに関して、もし私がGKになったら「ついていきたい、頑張れる」ということをみんなから言ってもらって。すごく嬉しかったし、みんなから信頼されているんだなというのを感じました。でも、自分の中では貫き通したいという信念があって、それはフィールドプレイヤーでしか成し遂げられない目標だったので葛藤は本当にありました。チームの目標である“関東リーグ一部昇格”を達成できていないという悔しさがすごくあって、その目標を1番に達成したいと思っていたので、その大きな目標を達成するには私が決断をしないとチームは進んでいかないのかなって思ったし、私がGKになることで少しでもチームに役立てるのであれば、やってもいいのかなと思えてきて。GKってサッカーにおいては大事なポジションで、チームの中で1人しかピッチ上には立てないという重要な役割であることは私も理解していたので、最終的には「チームとしての目標を達成したい」という思いで、自分で決断して、そこからGK生活が始まったという感じです。

 

ーー今では、リーグ戦で見事なセーブを披露して活躍なされていますが、相当な練習量をこなしたのではないですか

(GKになる)決断をするまではすごく時間がかかったのですが、決断をしてからは本当に練習するしかないってなって。女子部はGKコーチもいなくて、もう本当にどうしようってなっていた時に、同じグラウンドで練習している男子部のGKコーチがいらっしゃったので、「男子部の練習に一緒に参加させてほしい」と自分で直談判に行きました。男子部のGK経験者の中に1人初心者がぽつんって入ることになるので、申し訳なかったのですが、でもやっぱり自分の成長は絶対にチームのためになるし、チームが勝つために私が成長しなければ一部昇格の目標には届かないので、「やっぱり自分が成長するしかない」って思って。男子部のGKの方々には色々な迷惑をかけたのですが、男子部のGKコーチに無理を言って、練習に参加させてもらいました。今は夏休み期間なので、男子部の練習に参加させてもらうために女子部の練習に参加してから、そのまま男子部の練習に参加させてもらっていて。去年じゃ考えられないくらい今は下田グラウンドに入り浸っています(笑)。何年もGKをやっている人からしたらまだまだ練習量は足りないんですけど、それでもできる限り自分が費やせる量の練習量はこなさないと、推薦してくれたみんなにも迷惑をかけるし、目標達成にも近づかないので、練習に関しては本当にやらなければならないなと思っています。

 

ーー中村選手が練習をしているその姿を見て、周りの選手たちが「自分たちももっと頑張ろう、美桜のために頑張ろう」という気持ちになるというのを耳にしました

もう本当にみんなのプレイからもそれは伝わってきてて。やっぱりまだまだ初心者であることには違いないので、遠目から打たれた強いシュートとかは全然取れないっていう現状はみんなが理解しているし、そこは「DFの人たちみんなが頑張らないといけないんだ」っていう風に言ってくれているし、実際、身体を張ったプレイもすごく見られるので、私が決断した代わりに“しっかりとみんなでやっていかないといけない”というまとまりがすごく出てきているのかなと個人的に思います。

 

ーーGKとして試合中に意識していることはありますか

やっぱり自分はフィールドプレイヤーからGKになったという、他のGKにはない一面も持っていると思っていて。去年まではDFやMFで試合に出させていただいていたので、その経験を生かして、足元でつなぐビルドアップに積極的に参加するというのは意識してやっています。あとは、昨年のGKだった先輩を見ていても、やはり、試合中で1番声を張り上げているのはGKだなと感じていたので、声掛けに関しては盛り上げる声だったり、試合中の指示の声だったりをみんなに届けるようにしています。

 

ーー今年はGKとして初の早慶戦ですが、どのようなお気持ちで挑まれますか

ピッチに立つ人間としての責任感や重圧感というか、みんなから期待されているんだなというのを感じていて。今まで見たことのない景色を見ることができたり、自分の存在がいろんな人に知れ渡るんだなということを実感することができるのと同時に失敗が許されないという緊張感が漂っているので、昨年とは全く違った早慶戦になるのかなと個人的に思っています。

 

ーーやはり、早慶戦とリーグ戦ではかなり違うものですか

そうですね。早慶戦ってリーグ戦じゃない分、 言ってしまえばただの練習試合なんですよ(笑)。公式戦でもないし、ただ残るものとしては結果としてスコアがずっと歴史に残るというくらいで。でも、この大舞台は学生が主体となって1から作り上げるので、リーグ戦とはまた違った緊張感がありますね。 「やっぱりみんなが頑張ってるから」ということでOB・OGの方々が寄付金を納めてくださっているんだということを改めて実感しているので、そこに関してはもう本当に感謝しかないですし、ピッチに立てるという嬉しさと初勝利を上げないといけないという緊張感、責任感みたいなのがあるという感じです。

 

ーー最後に意気込みと応援している人に向けてメッセージをお願いします

慶應はまだ早稲田に勝ったことがなくて、初勝利を実現させたいなという思いが強いので、そこに関しては全員が一丸となって戦って無失点勝利したいというのが、今の1番の意気込みとしてあります。始めてからまだ半年ほどしか経っていないGKでも、やっぱりチームメンバーが支えてくれるからこそ私もその場に立っていられるし、GKとかフィールドプレイヤーとか関係なくチームであることには変わりはないし、慶應として早稲田を倒しに行くことにブレはないので、そのまま、プレー1つひとつに感謝の気持ちを込めながらも、迫力ある一戦を送り届けたいなと感じているので、 ぜひ最後まで諦めずに戦う姿を見届けていただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします!

 

(取材:上村真子)

 

【試合情報】

第23回早慶女子サッカー定期戦—早慶女子クラシコ—

2024年8月24日(土)17:00KO@AGFフィールド

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