安定した深いストロークを活かした鹿子木(商3)のゲームメークと、180cmの長身から繰り出される塩月(環2)のハードヒット。息の合ったダイナミックなネットプレーでポイントを量産する「勢いなら誰にも負けない」(鹿子木)、慶大ダブルスの柱だ。
今シーズン、ペアとして多くの公式戦を経験し、リーグ戦へ力を蓄えてきた鹿子木・塩月ペア。春の関東学生選手権ではベスト16と結果を出し、インカレ本戦への出場を決めた。「波がある」(鹿子木)というものの、実力を出せればトップ層にも通用する。ペアとして試行錯誤を重ねながら、確かな自信と実力でチームを牽引してきた。
リーグ戦の厳しさとの直面
だが、その彼女達の前に関東1部リーグの高い壁が立ちはだかる。初戦・山学大戦で、二人の豪快なプレーは見られなかった。第1セットを先取し、流れに乗るかと思われた第2セット。状況は暗転した。サービスゲームを連続でブレークされ、完全に相手ペースに。精神的に劣勢に追い込まれた第3セット、頻繁なミスでペースを明け渡し、苦い敗北を喫した。
リーグ戦でコートに立つことの重みは時にプレッシャーとなって選手にのしかかる。控えの選手達の期待を背負ってチームを引っ張らなければならない。その重圧を克服して実力を発揮することが、最も難しく、そして重要な課題だ。
最終戦でつかんだ最高の勝利
最終日の駒大戦、自分達らしくプレーする二人の姿があった。「考えすぎてしまう」という課題を克服し、伸び伸びとした動きを見せる。結果、各セット相手に1ゲームずつしか譲らずに快勝。最後に手にした待望の勝利でチームの期待に報いた。
来年再びリーグ戦の舞台に彼女達の姿があるだろう。主力選手として、上級生として、リーダーシップを発揮してくれるにちがいない。今年の経験を糧に、さらなる飛躍を期待したい。
~メッセージボックス~
〈加藤主将から全選手へ〉「一球入魂」 〈青木選手から塩月・望月選手へ〉「三人そろえば文殊の知恵!同期万歳!!」 〈沖胡選手から藤岡選手へ〉「いつも一年を引っ張ってくれてありがとう。今はメンバーで一年一人だけど、早く一緒にコートで戦えるように頑張ります。」 〈増岡選手から海谷選手へ〉「まず日本語を勉強しろ!(笑)」 〈野波選手から八田選手へ〉「ホウレンソウがないのですが!」 〈八田選手から同期の選手へ〉「大好きだー!!!これからもよろしく頼みます」
選手の皆さんアンケートへのご協力ありがとうございました!
◆鹿子木文(かのこぎあや)慶應義塾女子高等学校を経て現在商学部3年。159㎝の小柄な体は、下半身を中心に鍛え抜かれており、豊富なフットワークと重心の低いストロークを可能にする。プレーは守備的だが、攻める場面も多く、決まった時のガッツポーズは気迫にあふれ豪快。
◆塩月ゆかり(しおつきゆかり)
環境情報学部2年。使用ラケットはプリンスのO³ホワイト。180㎝の体格は大学テニスの中でも最大級。打点の高いサーブ、ボレーはもちろん、回り込んで打つフォアハンドも大きな武器の一つ。持ち味のパワフルなプレーに粘り強さが備われば向かうところ敵なし!
By Asuka Ito
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