8月23日(土)東京六大学野球オールスター戦in茨城 ローズドリームス(早法慶) ープラムウィングス(明立東) @ノーブルホームスタジアム水戸(茨城県水戸市)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラムウィングス(明立東) | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 |
ローズドリームス(早法慶) | 2 | 4 | 0 | 0 | 8 | 0 | 0 | 0 | X | 14 |
茨城県水戸市で開催された東京六大学野球オールスター戦。慶大からは、今泉将(商4・慶應)、常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)、今津慶介(総3・旭川東)、林純司(環2・報徳学園)、吉開鉄朗(商3・慶應)、外丸東眞(環4・前橋育英)、渡辺和大(商3・高松商業)、小川琳太郎(経4・小松)の8人が選出された。試合は、慶大・早大・法大から選出されたローズドリームス(以下、ドリームス)が、明大・立大・東大から選出されたプラムウィングス(以下、ウィングス)を圧倒した。慶大野手陣は合計7安打7得点3打点と結果を残し、慶大投手陣も合計3回1失点の好投で、ドリームスの勝利に大きく貢献した。
今年で12回目となる東京六大学野球オールスター戦。早大野球部の初代監督を務めた、日本学生野球の発展に尽力した「学生野球の父」飛田穂洲氏、立大監督時代に長嶋茂雄氏らを指導した砂押邦信氏ら県出身者の両氏を功績を称え、節目となる100周年の今年の球宴は茨城県水戸市での開催となった。オールスター戦では、慶大・早大・法大から形成されるドリームス、明大・立大・東大から形成されるウィングスが激突。”暑い”夏に負けないほどの”熱い”の戦いに、ノーブルホームスタジアム水戸に集まった3000人の観客の期待は高まった。

試合前に整列する慶大選手ら
ドリームスの先発は法大・野崎慎裕(営4・県岐阜商)。初回、早大・渋谷泰生(スポ4・静岡)の好守備で魅せると、負けじと東大・酒井捷(経4・仙台二)が盗塁で魅せるなど、これぞ球宴という好プレーの応戦でオールスター戦は幕を開ける。ウィングスはその後、敵失で1点を先制するも、初回のドリームスは法大主将・松下歩叶(営4・桐蔭学園)が、ウィングス先発の明大・毛利海大(情コミュ4・福岡大大濠)を捉えて豪快な2点本塁打を放ち、逆転に成功する。2回裏、慶大の選手たちが魅せる。この回から登板の立大・大越怜(経4・東筑)に対し、先頭打者となった6番・今泉が安打で出塁すると、7番・常松も初球を打ち、中前安打とする。そして8番に入っている今津も負けじと、放った痛烈な当たりは一、二塁間を破り、慶大3選手で無死満塁の好機を演出。すると内野ゴロ間、早大・尾瀬雄大(スポ4・帝京)の適時三塁打で3点を追加。この回は慶大3選手が口火を切り、その後の敵失もあり合計4点を追加する猛攻を繰り広げた。

先頭打者の「6番・一塁手」今泉が安打で出塁

「7番・右翼手」常松が初球を攻め、好機拡大

「8番・中堅手」今津もつなぎ一挙4得点のビックイニングをアシスト
東大・大原海輝(文4・県立浦和)の適時打で1点を返され4点リードの3回裏、先頭の法大・片山悠真(文3・八王子学園八王子)が粘り、四球で出塁。無死一塁の場面で、慶大の3選手に打席が回ってきた。今泉は中飛に打ち取られるが、続く常松への初球で片山が盗塁を決め、1死二塁。慶大応援歌「朱雀」が流れるも、常松は三邪飛に倒れると今津もカウント2−1から引っ掛け、一ゴロで走者を還すことができない。
4回表、法大・永野司(営4・倉敷商)に代わり慶大の左のエース・渡辺和が登板。捕手は吉開に代わり、慶大同級生バッテリーでドリームス打線を抑える。渡辺和は先頭の春季リーグ三冠王・立大の山形球道(コミュ4・興南)を1球で遊ゴロに抑えると、続く酒井には中安を許すが、立大主将・西川侑志(社4・神戸国際大附)を変化球でボテボテの投ゴロに打ち取り、2死二塁。ここで打席には六大学を代表する左のスラッガー・明大の小島大河(政経4・東海大相模)。外角へ抜群の直球、スライダーを投げ込み、吉開の見事なフレーミングもあって簡単にカウント0−2と追い込むが、その後2球ボールが続くと最後は決め球の外角スライダーを上手く合わされ、左前へ適時打を打たれスコアは3ー6に。3点差で迎えた4回裏は明大右腕・菱川一輝(文4・花巻東)に対し、先頭の9番・吉開が遊ゴロに倒れるなど三者凡退に終わる。
5回も渡辺和が続投。先頭の明大・宮田和弥(商4・横浜)に中前へ運ばれるが、明大主将・木本圭一(政経4・桐蔭学園)、続く明大・瀬千皓(営4・天理)を内野ゴロに打ち取り2死一塁。そして続く東大・青貝尚柾(教育4・攻玉社)も左飛に打ち取りこの回を無失点に抑える。渡辺和は150km/hを超える直球とスライダーを軸に2回を投げて被安打3、自責点1という結果でマウンドを降りた。

2回を1失点にまとめた4番手・渡辺和
5回裏、先頭の早大主将・小澤周平(スポ4・健大高崎)が右中間への二塁打でチャンスメイクすると、打席には大学日本代表主将の法大・松下。カウント1ー1から中前に運ぶ適時打を放ち、この日3打点目を挙げた。なお1死一塁で今泉がこの日3度目の打席に立つと、初球を三遊間へ飛ばすと、打球は三塁手のグラブを弾いて左翼前に転がりこの日2本目の安打でつなぐ。1死一、三塁の好機で続く常松が三塁線を破る適時二塁打を放ち、3ー8。そして両打登録の今津は春季リーグ封印していた右打席に入ると、2球目を中前へ安打を放ち三走・今泉が生還。さらに吉開の左前適時打で常松が生還するなど、6〜9番に並ぶ慶大野手陣が怒涛の4連打を浴びせ、水戸の空に法大応援歌「若き日の誇り」がこだました。

ダメ押しとなる適時打を放った吉開
なおも尾瀬が右前安打でつなぐと、渋谷が6連打目となる右前へのポテンヒットで今津、さらに相手の守備の乱れの間に吉開も生還。この回先頭の小澤が再び打席に立ち、打者一巡の猛攻で小澤は凡退も、松下がこの回3安打目となる左二塁打を放ちこの回7点目。片山は相手のお見合いにより右前へのラッキーな適時打で一挙8得点を奪った。前の打席で安打を放った今泉は右翼ポール際への大ファールもあったが、最後は詰まって遊ゴロ。1イニング10安打を集め、大量リードを奪い前半を終える。
後半6回表には小川琳が登板。先頭打者の山形を二ゴロに打ち取ると、後続の榊原七斗(情コミュ3・報徳学園)と東大・秋元諒(文Ⅰ2・市川)もそれぞれ打ち取る堂々のピッチングを魅せた。6回裏には吉開、7回裏には林純が打席に立つも、それぞれ立大・吉野蓮(コミュ福4・仙台育英)の前に倒れ、得点への足がかりを作ることができず。

6回に登板し三凡に抑えた小川
それでも終わってみればドリームスは合計14得点を挙げる猛攻で、ウィングスを圧倒。慶大野手陣は今泉が2安打、常松が2安打1打点、今津が2安打1打点、途中出場・吉開も1安打1打点と合計7安打7得点3打点。慶大投手陣も渡辺和が2回1失点、小川が1回無失点で合計3回1失点。投打にわたりドリームスの勝利に大きく貢献した。
普段は敵としてしのぎを削る選手たちが、この日ばかりは”チームメイト”として交流を深める貴重な機会となった。試合内外で他大学の選手と交流を楽しむ姿はファンだけでなく、選手たちにとっても忘れがたい一日になったことだろう。翌日には同球場で野球教室も開かれた。約2週間後に迫る秋季リーグ戦の開幕が待ち遠しい。
◆出場選手コメントは以下に掲載しています!
【野球】茨城で慶大勢7名が投打で躍動!東京六大学野球オールスター戦2025 in 茨城 試合後インタビュー
またケイスポ野球班公式SNSではオールスターのアザーカットも掲載しております。是非併せてご覧ください!
(取材、記事:愛宕百華、神戸佑貴、柄澤晃希、
中原亜季帆、水野翔馬、佐藤凜汰朗、神谷直樹)