慶應義塾體育會の中でも、特に長い伝統と輝かしい実績を誇るのが、野球部と蹴球部。100年以上の歴史を刻み、日本のスポーツ界に幾多の伝説を残してきた両部活を今季率いるのが、
野球部主将・外丸東眞(環4・前橋育英)と、蹴球部主将・今野椋平(環4・桐蔭学園)だ。
互いに100名を超える部員を束ねる主将、そして日本代表として日の丸を背負った経験を持つ選手として、二人は春シーズン、多くの葛藤と挑戦を経験した。しかしそんな彼ら、実は〇〇で親交の深い“仲良しコンビ”でもある。
そんな2人の対談が実現!プライベートのエピソードから、主将としての覚悟、そして「日本一」への思いまで。
今回はその前編をお届けします。慶應義塾體育會ファン必見のスペシャル対談を、ぜひ最後までご覧ください!
ーー他己紹介をお願いします
今野:僕らの出会いはSFCの英語の授業でたまたま一緒だったんですけど、その時端の方ですごく陰キャしている体育会生がいて、「なんだこいつは」と思って。(外丸が)寂しそうだったので話しかけたら、“外丸東眞”という実はすごい奴だった(笑)。(外丸は)結構シャイで、キャプテンになった時に「こいつで大丈夫なの?」って思うくらい、学校では結構静かでシャイな奴だなという印象です。
外丸:出会いはさっき椋平が言ってくれた通りなんだけど、俺友達いないからマジで(笑)。キャンパスでしゃべるのは椋平しかいない、というか。椋平とめっちゃ仲が良いというよりかは椋平しか友達がいないから…
今野:僕はいっぱいいますよ(笑)。
外丸:椋平はラグビー部の主将としてラグビー部を引っ張っていて、でも課題とかは全然できないので僕がやったりして、今は研究会が一緒です。

序盤から”仲良し”全開の二人
ーー会話の中でお互いの部活についてよく話すか
外丸:ラグビーの話はよく聞くかもしれない。椋平が怪我した時は自分がマッサージしてた(笑)。
今野:別にそこまで野球、ラグビーの話はしないかな。普段はしょーもない話しかしない(笑)。でもゼミが結構体育会の人が多くて、女子ソッカーとか。帰り道が同じ日吉なので楽しく帰っています。
ーー2人の競技歴は
外丸:ラグビー、やったことないな。
今野:野球はやったことないけど、結構いろいろやりました。水泳、テニス、サッカー…逆に野球以外は結構触れていますね(笑)。あとレスリングとか。

ノリノリで質問に答える今野
ーーお互い主将就任が決まった際の率直な感想は
今野:「え、外丸ができるの?」って(笑)。でも去年からゼミの時とかに「誰がやるんだろう」っていう話をした時に(外丸が)「俺しかいないだろ」とは言っていたので。(主将に)なったと知った時驚いたかと言われれば驚きはしなかったですけど、練習の時にまとめたり、声出しがしっかりできるもんなんだなって。
外丸:別にしてないから(笑)。全然ラグビー部のことは知らないけど、多分椋平がなると思っていたから、「そりゃそうだろうな」という感じです。
ーーお互いがそれぞれ「主将」としてチームの中で意識している心がけや行動は
今野:僕が心掛けているのは「ブレない」。今年から目標「日本一」を掲げていて、去年とか今まで 3年間そうした中でベスト4はあったんですけど、自分が春の結果でメンタルがブレたりしたらチームに一番影響を及ぼすし、そういうところを考えて自分の立てた目標を主将である自分が一番信じて、「ブレない」ことを意識しています。また一番体を張らないといけないのが“ラグビー”というスポーツなので。自分のプレースタイル的に結構スカシ系というか、パス・キックするテクニック系なんですけど(笑)。体を張るっていう部分で目立つプレーがなかった分、やっぱり主将になったからにはそういうところでも信頼を重ねないといけないので、練習とか試合でも体を張れるようにしています。
外丸:やっぱり下級生とのコミュニケーション。1年生と関わる機会が少ないので、コミュニケーションをとって…
今野:(野球部は)部員の数も多いので、下級生とのコミュニケーションを取ることが大切だってことだよね?
外丸:そうそう(笑)。

今野の代弁に満足げな笑顔を見せる外丸
ーーお互い尊敬している部分は
外丸:普段どんな風に練習しているかは分からないけど、多分ラグビーのことが好きで、普通に上手いところ(笑)。
今野:無駄な自信があるところ。「最近ちょっと調子悪いんじゃないの?」みたいなことをイジっても「別に」って平然としているんで、プレーに大きく影響しないようなメンタルが培われているのはいい意味でも悪い意味でも羨ましいです。
ーー逆に直してほしい部分は
今野:直してほしいところか…(しばらく考える)
外丸:ないか。
今野:直した方がいいんじゃないかと思うのは、 シャイすぎる。 自信あるくせにシャイなのが、矛盾起こっている。
ーー今野選手が社交的な部分が大きいかもしれないですね
今野:そうかなあ。
外丸:いや友達多いから。まじでいないので友達募集しています(笑)。
今野:でも外丸はそのままでいいんじゃないんですか。
外丸:じゃあ「なし」で。
ーーお互いの部に対するイメージは
外丸:1回だけラグビー早慶戦を見に行ったことがあって。ラグビーって本当にチームスポーツでコンタクトスポーツじゃないですか。死に行くみたいな。結構危ないから、そういう覚悟が必要だなって。野球にはないチームスポーツも凄さがあるというか。野球はもちろんチームスポーツだけど、それ以上にパスも出すし、息が合ってないとできないなって思って。だから試合に挑む覚悟とか、 チーム全体で結集するみたいなところが凄い。
ーー実際に今野選手のプレーをご覧になっていかがでしたか
外丸:普段の時とは顔が違う感じ。真剣にやってました(笑)。

下級生の頃から多くの試合に出場している今野
今野:僕も野球の応援に行かせてもらったんですけど、応援がまずすごくて。そこに羨ましさがまずありました。
ーー逆に外丸選手のピッチングはいかがでしたか
今野:野球全然わからないので、何がすごいのかわからなかったんですけど(笑)。周りがみんな外丸コールをしていて、「すごいんだ」と思って観てました。

エースとして幾多の登板を乗り越えてきた外丸
外丸:でも(今野が)「俺あれ打てそうだけどな」って言ってたよね?
今野:多分打てますよ(笑)。

タックルをイメージしたポーズをとってくれました!
今回は、二人の馴れ初めから、お互いの性格面の話をお届けしました。次回は後編です!秋季リーグ戦開幕を前に、二人がラストシーズンに向けた熱い話を展開してくれました。ぜひ次回もご覧ください!
(取材:加藤由衣、工藤佑太、島森沙奈美)