【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 齊藤にいな

競走

2025年春、36名が“第111代目の部員”として競走部に新たに加わった。その1人が、サポートブロック所属の齊藤にいな(経1・慶應湘南藤沢)。選手時代に培った論理的な思考を生かし、トレーナーとして選手のケアに努めている。選手の気持ちが前向きになるような、大きな笑い声を響かせ、選手とともに成長を重ねる。

この記事は(【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 第二弾(亀山翼/齋藤凪彩/齊藤にいな) | KEIO SPORTS PRESS)の続きとなります。併せてご覧ください。

――トレーナーになろうと思った具体的なきっかけを教えてください。

「全身ケアをしてもらった後に、『こんなことが学生でできるんだ』と感動して」

選手時代は挫折を経験して「もういいかな」と思い、サポートブロックに入ってマネージャーかトレーナーの選択を迫られたとき、高校時代に整骨院に通っていた頃のことを思い出しました。ずっと通っていた整骨院の方たちを本当に尊敬していて、話しやすいし、身体のこともケアしてくださるし、トータルで見てもらっていました。そういった方々にあこがれを持って、トレーナーになりたいと考えました。

最後の決め手は、見学に行った際に先輩トレーナーである、新井虎次郎(総3・佐久長聖)さんに全身ケアをしてもらい、ホントに身体が軽くなったと同時に「こんなことが学生でできるんだ」と感動しました。整骨院の方たちはそれを仕事としてやっているのでもちろんすごいけれど、学生という立場でもプロに近いことができるんだと思いました。それがトレーナーを志望した決め手でした。

――全身ケアでは具体的にどのようなことをやってもらったのですか?

肩から足のつま先まで30分くらい全部ほぐしてもらいました(笑)。ケアをするときに虎次郎さんは結構話すタイプなんですけど、楽しかったし、そういうトレーナーに私もなりたいと思いました。

――選手をサポートするうえで意識していることはありますか?

齊藤(に):まず、声のトーンを1オクターブ上げること、あとは大きな声で笑うことです。自分でコミュ力があるなと感じたことはあまりなくて・・・。

亀山:そんなことないでしょ(笑)。

齊藤(に):それを笑い声でそれっぽくするっていう(笑)。まだ具体的にトレーナーとしてできることが多いわけではないので、今は練習のスプレッドシートにコメントを残してみたり、先輩の練習日誌などを読んでみたりして、細かいことを一つずつやって、適切な声掛けができるように、少しでも気持ちが前向きになるように、部活が楽しいなと思ってもらえるように、頑張っています。

――トレーナーとしてやりがいを感じた瞬間を教えてください。

トレーナーの教育課程の中で、選手分析というのがあるんですけど、そこで直近だと短距離の藤井清雅(総2・渋谷教育学園幕張)さんの分析をしました。その発表をした後に、清雅さんから自分と考えることが似ていたとか、自分以上に考えてくれたという言葉をもらったとき、頑張ってよかったなと思いました。また、中距離合宿で初めて人をケアして、足が軽くなったよと言われたときも、やりがいが感じられました。

――選手としての経験は現在の自分にどのように生かされていますか?

「難しい動作ばかりの三段跳びで論理的思考が身に付いたのかなと」

私は高校生のとき、三段跳をメインでやっていましたが、顧問の先生に知識はなく、先輩や後輩の選手、コーチもいなかったので、動画を何回も見返しながら、自分一人で三段跳びを始めました。三段跳は難しい動作ばかりなので、論理的に考える思考力が身につき、それが現在の選手分析に生かされていると思います。

――今後トレーナーとして挑戦してみたいことはありますか?

栄養管理に踏み込んでみたいと思っています。特に女子は栄養が不足している選手が多く見受けられ、私自身も高校生のとき全然ご飯が食べられず、困った時期があり、栄養士の方に相談していたので、自分もその分野に取り組み、選手の相談役になれればいいなと感じています。教科書は買ったんですけど、まだ開いていないので、これから、もう今日開こうかなと思います(笑)。

――これから4年間での目標を教えてください。

「選手が成長するための提案をできるトレーナーになりたい」

私は、ギリギリを攻めるサポートしたいと思っています。たとえば選手が「足が痛いかも」と言った時に、そこから大怪我に発展したら怖いですし、今の私なら「走るのはやめた方がいいんじゃないか」と言っちゃうと思うんです。でも、今筋肉のことを勉強していて、その選手の足を実際に触ってみたり、その知識とかを踏まえたりして、「テーピングを巻いて練習半分だけにしたらいいんじゃないか」というように、選手が成長するための提案をできるようなトレーナーになりたいな、と。

もちろん怪我は本当にしてほしくないですけれど、それが選手の今後の未来のために最善の策なのかというのは、主観的なものになりますけれど決めていきたいです。あとは、ここからデビューが10月末から11月ぐらいになるんですけれど、そこで担当の選手がついたときに、その選手の身体を100パーセント理解して、ちゃんと関東インカレのような大きな舞台で戦ってもらえるように、しっかり頼れるお姉さんになれればいいなと思います。

(取材:竹腰環、吾妻志穂、中原亜季帆 編集:吾妻志穂)

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