前節、聖地・秩父宮で行われた筑波大戦を落とした慶大。「日本一」達成の絶対条件となる大学選手権への切符を掴むため、勝利が至上命題となる立大戦に臨んだ。
序盤からフルスロットルで立大に襲い掛かった慶大は、WTB小野澤謙真(環2・静岡聖光学園)と、HO渥美和政(経4・慶應)が2トライを挙げリードを広げる。中盤に2本目のトライを決め、勢いが止まらない小野澤は再開直後、CTB小舘太進(商4・茗溪学園)が相手の背後に大きく蹴り出したボールをドリブルでインゴールまで運びハットトリックを達成。終盤には小舘にもトライが生まれ、34-5で試合を折り返す。
後半は早い時間からフレッシュなブースター陣を擁してチーム全体で猛攻を続けると、モールから藤森貴大(経3・慶應)が2トライ、近場のFW攻めから申驥世(文1・桐蔭学園)、BKのパスワークから小舘と安西良太郎(商1・慶應)がそれぞれ1トライを記録し、多彩な攻撃パターンで立大を圧倒。また、集中力の高いディフェンスで後半は立大を無得点に抑え、最終スコア61-5で快勝した。
秩父宮での敗戦から立ち直り、攻守に隙のないラグビーで今季2勝目を掴んだ慶大。次戦は江東区夢の島競技場で日体大を迎え撃つ。
2025年10月11日(土)関東大学対抗戦 対立教大学 @森エンジニアリング桐生スタジアム
⚪︎慶大 61{34―5、27―0}5 立教大⚫︎
関東大学対抗戦 | ||||
慶應義塾大学 | 2025/10/11(土) | 立教大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
6 | 5 | トライ(T) | 1 | 0 |
2 | 1 | コンバージョン(G) | 0 | 0 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
34 | 27 | 計 | 5 | 0 |
61 | 合計 | 0 | ||
前半3分 小野澤(T) 前半8分 渥美(T) 前半11分 渥美(T) 前半12分 小舘(G) 前半26分 小野澤(T) 前半29分 小野澤(T) 前半30分 小舘(G) 前半39分 小舘(T) 後半8分 申(T) 後半21分 藤森(T) 後半22分 橋本(G) 後半26分 小舘(T) 後半37分 安西(T) 後半43分 藤森(T) | 得点者 | 前半32分 進藤(T) |
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 小川 士潤 | 172/100 | 経2 | 慶應 |
2 | 渥美 和政 | 173/103 | 経4 | 慶應 |
3 | 廣瀬 宇一朗 | 180/111 | 環2 | 桐蔭学園 |
4 | 西野 誠一朗 | 184/96 | 法1 | 桐蔭学園 |
5 | 山﨑 太雅 | 189/105 | 商1 | 県立浦和 |
6 | 米津 幸治 | 175/91 | 商4 | 慶應 |
7 | 申 驥世 | 175/93 | 文1 | 桐蔭学園 |
8 | 中野 誠章 | 176/107 | 文2 | 桐蔭学園 |
9 | 橋本 弾介 | 169/76 | 法4 | 慶應 |
10 | 大川 竜輝 | 172/85 | 理4 | 慶應 |
11 | 江頭 駿 | 174/82 | 経4 | 慶應 |
12 | 今野 椋平 | 183/90 | 環4 | 桐蔭学園 |
13 | 小舘 太進 | 173/84 | 商4 | 茗溪学園 |
14 | 小野澤 謙真 | 180/90 | 環2 | 静岡聖光学園 |
15 | 伊吹 央 | 176/81 | 経4 | 慶應 |
16 | 藤森 貴大 | 173/102 | 経3 | 慶應 |
17 | 井吹 勇吾 | 175/100 | 環2 | 桐蔭学園 |
18 | 中谷 太星 | 180/115 | 環2 | 東福岡 |
19 | 笠原 大介 | 180/96 | 商4 | 慶應 |
20 | 持木 太心 | 180/95 | 総2 | 桐蔭学園 |
21 | 森 航希 | 170/75 | 環3 | 桐蔭学園 |
22 | 山本 大悟 | 174/85 | 環4 | 常翔学園 |
23 | 安西 良太郎 | 180/84 | 商1 | 慶應義塾 |
立教大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 石原 捷聖 | 177/110 | スポ3 | 東海大大阪仰星 |
2 | 進藤大 | 174/99 | 社4 | 秋田 |
3 | 佐久間 翔梧 | 181/115 | 法4 | 桐蔭 |
4 | 白石 和輝 | 178/97 | 経営4 | 國學院大學栃木 |
5 | 古田 学央 | 180/100 | スポ1 | 東福岡 |
6 | 角田 龍勇 | 170/95 | 経営4 | Hamilton Boys’ High School |
7 | 石川 洋志郎 | 170/95 | 理4 | 東京 |
8 | 中山 英琥 | 178/96 | 法2 | 東福岡 |
9 | 有賀 貫人 | 177/86 | 理3 | 幕張総合 |
10 | 向井 悠統 | 178/85 | スポ1 | 東海大大阪仰星 |
11 | 森 謙心 | 165/80 | 社2 | 立教新座 |
12 | 佐藤 侃太朗 | 176/88 | 文4 | 國學院大學栃木 |
13 | 天羽 究平 | 172/83 | 経済3 | 桐蔭 |
14 | 村上 有志 | 175/74 | 経営2 | 東福岡 |
15 | 鈴木大治郎 | 171/76 | 経営1 | 流経大柏 |
16 | 西井 悠眞 | 176/96 | 観2 | 立教新座 |
17 | 大上翔 | 175/106 | 観4 | 京都成章 |
18 | 大倉 永登 | 177/107 | 経済3 | 函館ラ・サール |
19 | 吉田 健十 | 184/95 | 経営3 | 報徳 |
20 | 前田 純也 | 177/95 | スポ2 | 東海大大阪仰星 |
21 | 小嶋 眞心 | 170/74 | 法1 | 日本航空石川 |
22 | 大畑 咲太 | 178/85 | 観3 | 東海大大阪仰星 |
23 | 渋谷 豪 | 178/84 | 経営2 | 立教新座 |
対抗戦Aグループ第3戦、慶大蹴球部は森エンジニアリング桐生スタジアムに立大を迎え、青学大戦以来の2勝目を狙う。冷たい空気に包まれ、雨がしとしとと降りしきる中で試合が始まった。スタメンには4年生のSO大川が復帰。また筑波大戦ではWTBを務めていた伊吹をFBに移し、WTBには対抗戦初スタメンとなる江頭が起用された。
立大のキックオフで始まった前半。慶大は3分に早くもトライを奪う。敵陣22mからSH橋本、CTB今野がロングパスを繋ぎ、ボールはWTB小野澤へ。すると小野澤は相手のタックルを受け流し、無人のインゴール右側へと一直線に走りこんだ。このトライで5点の先取に成功する。
4分には自陣でのコラプシングから自陣5m付近でのラインアウトを獲得され、いきなり同点・逆転のピンチを迎えるも、モールを押し返して得点は許さず、さらにラックでボールを奪い返すことに成功する。ここで相手の士気を削ぐと一転攻勢に転じ、7分に敵陣左サイド5mでラインアウトを獲得。これを堅実に決めるとモールでぐんぐん進軍し、最後はHO渥美がグラウンディング。
渥美は11分にもハーフウェイライン付近からギャップを突いて抜け出すと、30m超のロングゲインで連続トライを決めた。
20分を終了した時点で、スコアは17-0。この日の慶大は終始、試合を優位に進めていた。ディフェンスでもFL申の好タックルやSH橋本のキックチャージ成功と、好プレーが飛び出し、鉄壁のディフェンスを魅せていた。
その後も、26分、29分に小野澤が立て続けにトライを記録。29分のトライはCTB小舘による自陣22m付近からのキックパスを小野澤が更にドリブルしてインゴールに持ち込む、という芸術的なプレーだった。32分には立大にモールで押し込まれて失点を許したが、39分には橋本のパントキックを起点に小舘が右サイドを抜け出し、前半6つ目のトライをスコア。前半を34-5で折り返した。
前半の慶大ペースの試合展開を継続したい後半は、開始早々立大にパスを繋がれるも、小舘のタックルをきっかけにボールを奪い、キックで大きく陣地を回復する。
守備から攻撃に繋げたい慶大は後半6分、立大がスクラムからパスで展開したところに鋭いタックルを浴びせる。大川が仕掛けたスティールにより相手のオフサイドを誘発し、今野のタッチキックで敵陣深くに侵入する。慶大はラインアウトからモールを仕掛け、最後はFL申が対抗戦2試合連続となるトライ。守備からリズムを作った慶大が後半最初の得点を挙げ、39-5とする。
後半20分にはスクラムから橋本が自ら持ち出し、大きくゲイン。立大の反則でタッチキックを選択し、相手ゴールに迫ると、再びラインアウトモールから途中出場のHO藤森がトライ。橋本のコンバージョンキックも決まり、46-5とリードを広げる。
後半26分にはスクラムから流れるようなパス回しを見せ、PR井吹のオフロードパスで抜け出した小舘が快速を飛ばしてこの試合2本目のトライ。理想的な攻撃で51-5と立大を突き放す。
後半37分には藤森のオフロードパスを受け取った山本がゲイン、最後は安西がステップで相手ディフェンスを切り裂きトライ。途中出場選手も攻守に躍動し、56-5 とする。
後半42分には試合を通して冴え渡ったラインアウトモールで藤森がこの試合2本目のトライを決め、61-5としたところで試合終了。後半も勢いを緩めることなく、FWとBKが連動し多彩な攻撃を見せた慶大が立大を圧倒し、対抗戦2勝目を上げた。
早大 | 帝京大 | 明大 | 慶大 | 青学大 | 筑波大 | 立大 | 日体大 | 勝 | 分 | 負 | 勝点 | |
早大 | 11/2 14:00 秩父宮 | 12/7 14:00 国立 | 11/23 14:00 秩父宮 | 10/26 14:00 夢の島 | ◯ 39-13 5T4G2PG | ◯ 78-0 12T9G | ◯ 59-7 9T7G | 3 | 0 | 0 | 18 | |
帝京大 | 11/2 14:00 秩父宮 | 11/16 14:00 秩父宮 | 11/30 13:00 熊谷 | ◯ 62-7 10T6G | 10/26 14:00 足利 | ◯ 48-21 8T4G | ◯ 113-7 17T14G | 3 | 0 | 0 | 18 | |
明大 | 12/7 14:00 国立 | 11/16 14:00 秩父宮 | 11/2 11:30 秩父宮 | ◯ 91-7 13T13G | ⚫︎ 24-28 4T2G | 10/26 11:30 足利 | ◯ 43-12 7T4G | 2 | 0 | 1 | 14 | |
慶大 | 11/23 14:00 秩父宮 | 11/30 13:00 熊谷 | 11/2 11:30 秩父宮 | ◯ 32-18 4T3G2PG | ⚫︎ 12-21 2T1G | ◯ 61-5 11T3G | 10/26 11:30 夢の島 | 2 | 0 | 1 | 12 | |
青学大 | 10/26 14:00 夢の島 | ⚫︎ 7-62 1T1G | ⚫︎ 7-91 1T1G | ⚫︎ 18-32 2T1G2PG | 12/6 14:00 熊谷B | 11/9 14:00 えどりく | 11/24 13:00 熊谷 | 0 | 0 | 3 | 3 | |
筑波大 | ⚫︎ 13-39 1T1G2PG | 10/26 14:00 足利 | ◯ 28-24 4T4G | ◯ 21-12 3T3G | 12/6 14:00 熊谷B | 11/22 14:00 秩父宮 | 11/9 11:30 えどりく | 2 | 0 | 1 | 11 | |
立大 | ⚫︎ 0-78 | ⚫︎ 21-48 3T3G | 10/26 11:30 足利 | ⚫︎ 5-61 1T | 11/9 14:00 えどりく | 11/22 14:00 秩父宮 | 12/6 11:30 熊谷B | 0 | 0 | 3 | 3 | |
日体大 | ⚫︎ 7-59 1T1G | ⚫︎ 7-113 1T1G | ⚫︎ 12-43 2T1G | 10/26 11:30 夢の島 | 11/24 13:00 熊谷 | 11/9 11:30 えどりく | 12/6 11:30 熊谷B | 0 | 0 | 3 | 3 | |
◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。 ・勝ち:5、引分:3、負け:1、不戦勝:6点、不戦敗:0点、不成立:3点 ・負けても 7 点差以内ならば、勝ち点 1を追加。 ・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。 |
(取材:島森沙奈美、鈴木拓己、月井遥香、髙木謙、福田龍之介)