【ソッカー(男子)】荒鷲のエンブレム、そして関東1部のプライドを胸に 絶対に負けられない大一番へ/関東リーグ入れ替え戦 VS法政大学展望

ソッカー男子

関東リーグ1部最終節・東京国際大戦では、勝てば自力で残留を決められる状況だったが、後半開始直後に先制点を許す。しかし、途中出場の清水皇貴(経4・三田学園)のゴールにより同点に追いつき1-1で試合終了。この結果により慶大は10位でフィニッシュ。プレーオフへ回り関東2部3位の法政大と入れ替え戦で対戦することになった。

 

2部リーグを3位で終え自動昇格を逃した法政大だが、最終節の直前まで首位に立っているなど非常に力のあるチームである。また先日発表されたようにFW相澤デイビッドがJ1リーグ王者のヴィッセル神戸に内定。これでプロ内定選手が7人となり関東リーグ全体でみても最多の人数である。慶大にとって一筋縄ではいかない相手であるが、関東1部リーグで戦ってきた経験と意地があり、絶対に負けられない一戦となる。そこで本展望では慶大が勝利するための注目ポイントを紹介する。

実力者の集う法大相手にどう戦うか

最初の注目ポイントは、両サイドバックの攻撃参加だ。

慶大を率いる中町公祐監督の攻撃スタイルは、ディフェンスラインからボールを繋ぎ、保持しながら相手ゴールへと迫るものである。そこで欠かせないのが両サイドバックのビルドアップからフィニッシュまでの攻撃参加だ。ビルドアップではダブルボランチの 田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)がディフェンスラインまでボールを受けに落ちてくることが多く、そこでサイドバックがやや中より、またはウィングを追い越して裏へ抜け出してボールを受けることにより一気に攻撃の選択肢が広がる。

攻撃の起点となる角田と田中

先発が予想されるのは左が永澤昂大(政4・國學院久我山)、右が藤平一寿(法4・桐蔭学園)。永澤と左ウィングを務める齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)とのコンビネーションがもはや熟練の域に達している。第19節・流通経済大戦の齋藤真の逆転ゴールのシーンでは、後方で味方がボールを奪うとすぐさま攻撃参加し齋藤真の裏へ走る。永澤に気を取られた相手ディフェンダーの対応が遅れ、ゴールへとつながった。

高校時代は主将も務めた永澤

右サイドバックの藤平の代名詞は「奇想天外」だ。味方選手も驚くほどの体力を持ち、後方にいたかと思えばいつのまにかFWを追い越してシュートを放つ。実際に立石宗悟 (法4・桐蔭学園)も自分のクロスに反応したのがサイドバックの藤平であることを確認して驚いていたようだ(立石の引退ブログより)。両者とも3年次には直前で早慶戦のメンバーから外れるなど悔しい経験もしてきた。このラストゲームではそれぞれの持ち味を攻守両面で発揮し、1部残留へと導きたい。

高校時代の同期すらも驚かせる藤平

もう一つの注目ポイントは、相手の攻撃を抑えられるかどうかである。

法政大はリーグ2位タイの40ゴールを挙げており攻撃陣は大きな脅威となる。10ゴールを挙げ得点ランキング3位であり、2部ベストイレブンにも選ばれたFW小湊絆は特に警戒が必要となる。3年生ながらFC東京に内定するなどすでにプロレベルの実力を持っている。また攻撃的MFの松村晃助、大畑凛生もプロ内定を勝ち取っておりこの3人のコンビネーションからの攻撃には細心の注意を払いたい。慶大守備陣の注目選手はセンターバックの斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)、そして大下崚太(商4・慶應/東京ヴェルディユース)である。斎藤は182cmの体格を生かしたヘディングが大きな持ち味であり、競り合いでは無類の強さを誇る。多くのクロスが飛んでくる苦しい状況でも難なく跳ね返す斎藤はまさに守備の柱である。この試合では斎藤が相手FW小湊を抑えられるかが大きな注目ポイントとなる。

副将・西野を魂に宿す斎藤雅

大下は昨シーズンから怪我に苦しんでいたものの早慶戦で復帰。本職はサイドバックながら後期リーグからはセンターバックのレギュラーに定着した。大下は応援歌にもある通りまさに「漢」だ。第20節・東洋大戦ではビルドアップのミスでボールを奪われ、またゴールキーパー 洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)が前に出ており絶体絶命のピンチを迎えた。しかし、大下が素早くゴールの守備に入り相手のシュートを体でブロック。相手の勝ち越しを許さなかった。誰よりも闘争心を燃やす大下のディフェンスに必見だ。また、終盤でリードしている場合は早川太晟(総4・都立駒場)を投入して5バックで逃げ切る形も想定される。「クローザー」の役割を担う早川のプレーで勝利を確実にしたい。

漢・大下がその力を魅せる

慶大は今シーズン「一部優勝・全国制覇」の目標を掲げるも前期は最下位で折り返すなど苦しい時間を過ごした。しかし、後期からチーム状態は上向きであり最下位から順位を2つ上げてプレーオフへと進んだ。来シーズン1部の舞台で戦うために絶対に負けられない一戦であり、また4年生のラストマッチとなるため、最高の形で今シーズンを締めくくりたい。

(制作:小野寺叶翔 記事:甲大悟)

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