4月27日(月)東京六大学野球2026春季リーグ戦 明大3回戦 @明治神宮野球場
2連勝での勝ち点獲得を目指した前日の2回戦で、今季初黒星を喫した慶大。優勝戦線への生き残りを賭けて明大との3回戦に挑んだ。134球の熱投で1回戦を勝利に導いたエース・渡辺和大(商4・高松商)が中1日で先発するが、初回に2点を失ってしまう。それでも、2回の吉開鉄朗(商4・慶應)の2点本塁打を皮切りに、その後一挙4得点を奪うなど打線が爆発。最終的に12安打10得点の猛攻で明大投手陣を粉砕した。投げては初回以降立ち直った渡辺和が8回2失点(自責点0)、13奪三振という圧巻の投球を見せ、投打が噛み合った慶大が大勝。昨季、完全優勝を果たした明大から2年半ぶりに勝ち点を奪った慶大は、優勝争いで優位に立つこととなった。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 明大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| 慶大 | 0 | 4 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 1 | × | 10 |
慶大バッテリー:〇渡辺和、鈴木佳ー吉開
明大バッテリー:●湯田、浦久、中村海、三浦、松本直ー福原
慶大本塁打:吉開1号2ラン(2回)
明大本塁打:なし
前々日、2023年秋季以来白星のなかった天敵・明大相手に久々の勝利を掴み、勝ち点獲得に王手をかけた慶大。しかし前日の2回戦では1-8の完敗で今季初黒星を喫し、1勝1敗で3回戦を迎えることとなった。この日は午前中に激しい雨が降り、プレーボールは1時間遅れ、グラウンドのコンディションも不安定な状況。両校のプライドを賭けた天王山が幕を開けた。
慶大の先発投手は渡辺和。土曜日に134球の熱投で9回を投げきり、エースの矜恃を見せた左腕が再びマウンドへ上がる。

中1日でマウンドに上がった渡辺和
1回表、先頭・岡田啓吾(商4・前橋育英)に内野安打を許すと、続く田上夏衣(商3・広陵)の放った打球は二失となり、いきなり無死一、二塁のピンチを背負う。ここで打席に渡辺和が前回登板で唯一の適時打を浴びた榊原七斗(情コミュ4・報徳学園)を迎えるが、右飛に抑えこの日初めてのアウトを取る。しかし、続く内海優太(商4・広陵)の左前適時打などで2点を失い、さらに1死満塁のピンチが続く。それでも後続を三振、投ゴロに打ち取り、追加点は許さない。
追いつきたい慶大はその裏、先頭・丸田湊斗(法3・慶應)が、高校時代から相性抜群の明大先発・湯田統真(政経3・仙台育英)から内野安打を放つ。圧倒的なスピードを誇る丸田は初球から果敢に盗塁を狙うが、ここは主将・福原聖矢(国日4・東海大菅生)に刺され、チャンス拡大とはならない。後続の小原大和(環4・花巻東)、今津慶介(総4・旭川東)も倒れ、点差を縮めることはできない。
2回表、渡辺和は下位打線を三者凡退に抑えると、その裏の攻撃で先頭の4番・中塚遥翔(環3・智辯和歌山)が四球で出塁。さらに一宮知樹(経2・八千代松陰)が左中間への二塁打を放ち、無死二、三塁の大チャンスを迎える。林純司(環3・報徳学園)の遊ゴロの間に1点を返すと、続く吉野太陽(法4・慶應)の打席の間に相手の暴投で同点に追いつく。

目が覚めるような二塁打を放った一宮
その後も、勢いづいた慶大打線は止まらない。吉野が四球で出塁すると、8番・吉開が内角高めの直球を捉え、打球は左翼席へ一直線。渡辺和の好投に女房役が応え、逆転に成功する。さらなる追加点には繋がらなかったが、このあと服部翔(政3・星稜)、丸田も安打を放つなど、前日5安打1得点と明大投手陣に封じられた打線が再び活気を取り戻す。

リーグ戦初本塁打を記録した吉開
3回表、先頭・榊原の鋭い打球が三塁線を襲うが、さきほど安打を放った三塁手・服部がこれを好捕。守備陣も渡辺和の好投を支える。渡辺和はこの回も危なげなく無失点に抑え、良い流れを切らさない。その裏、1死から中塚が右安打で出塁するも、後続が続かず。渡辺和は4回、5回と連続三振を2度奪う快投を見せる一方、打線も3回途中から登板した明大の2番手・浦久響(国日3・日本航空石川)の粘投の前に追加点を奪えず、試合は膠着状態に。
均衡が崩れたのは5回裏。この回からマウンドに上がった明大の3番手・中村海斗(経営3・明大中野)に対し、1死から小原がバックスクリーンへの大飛球を放つ。この打球が一度は本塁打と判定されたが、ビデオ検証の結果三塁打に。それでもチャンスでクリーンナップを迎えると、今津が魅せた。主将の魂が乗り移った打球は、投手強襲となり進路を変え、二塁手のグラブの横を掠めた。主将の渾身のクラッチヒットで、慶大が待望の追加点を奪う。

フェンス直撃の三塁打を放った小原
この日の慶大打線は1度打ち出すと止まらない。続く中塚、一宮が二者連続四球で出塁し、1死満塁となると、ここで打席には林純。クリーンヒットとはならなかったが、打球が高くバウンドする間に、打者走者の林純を含めた4人の走者が激走。野選を誘い、点差を4点に広げる。さらに、今季ここまで安打が無かった吉野が左前適時打を放ち、1点を加える。このあと相手の暴投もあり、一挙4得点を記録。スコアを8-4とする。

ここまで苦しんだ吉野に安打
長い攻撃、グラウンド整備を挟んだ6回表も渡辺和がぴしゃりと抑えると、その裏に打線が再びエースを援護。先頭・丸田が四球で出塁し、小原が犠打で走者を進めると、2死から4番・中塚が左前適時打を放つ。上位打線の鮮やかな攻撃で点差を5点とする。

この日全打席出塁した中塚
7回表、ここまで快投を続けてきた渡辺和だったが、失策、四球、内野安打が絡み二死満塁のピンチを招く。打席にはこの日3安打を放っている内海。ここでエースが意地を見せた。一飛に打ち取り、雄たけびを上げる。
このまま継投に入るかと思われた8回表、マウンドに上がったのはエースだった。渡辺和は気迫のこもった投球でこの回も2つの三振を奪い、この試合で奪った三振は計13個となった。中1日で121球を投じ、2失点(自責点0)に纏めあげる圧巻の投球を見せた。

圧巻の投球を披露
その裏、先頭・服部が二塁打を放ち、続く丸田の一ゴロの間に服部は三塁へ。さらに小原の犠飛で10得点目となるホームを踏む。
最終回、渡辺和からマウンドを託されたのは次世代の左腕エース候補・鈴木佳門(経2・慶應)。復帰出場となった二塁手・上田太陽(商4・國學院久我山)が右翼へ抜けそうなあたりをジャンピングキャッチし、鈴木佳を援護する。その後、1死から走者を背負うが、最後は明大の1、2番コンビを共に三振に斬ってとり、2023年秋季以来、実に2年半ぶりに明大から勝ち点を獲得。神宮に歓喜のファンファーレが轟いた。

しっかり最終回を抑えた鈴木佳

復帰出場の上田
中1日で圧巻の投球を見せたエースに打線が応え、昨季完全優勝を果たした明大から2勝を挙げたことは、勝ち点1以上の重みを持つ。これで優勝戦線に残った慶大は、5月2日から東大戦に臨む。
◆活躍選手コメント
渡辺和大(商4・高松商業)
明治に勝ち点をとることが出来て本当に嬉しいです。東大戦も気を抜かずに一戦必勝で頑張ります。

今季3勝目をあげた渡辺和
吉開鉄朗(商4・慶應)
とにかく勝ち点を取れてよかったです。明治からの勝ち点はこれからの慶應にとって大きなものになると思います。引き続き頑張ります。

今季全試合スタメンマスクを被る吉開
(記事:髙木謙、写真:河合亜采子、塩田隆貴、奈須龍成)
◆慶大野手成績
| 位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| [8] | 丸田湊斗(法3・慶應) | 遊安 | 右安 | 左飛 | 四球 | 一ゴロ | |||||
| [D] | 小原大和(環4・花巻東) | 二ゴロ | 二併打 | 中3 | 投犠打 | 中犠飛 | |||||
| [4] | 今津慶介(総4・旭川東) | 遊飛 | 三邪飛 | 投安 | 一直 | 投ゴロ | |||||
| 4 | 上田太陽(商4・國學院久我山) | ||||||||||
| [9] | 中塚遥翔(環3・智辯和歌山) | 四球 | 中安 | 四球 | 左安 | ||||||
| 9 | 横地広太(政4・慶應) | ||||||||||
| [7] | 一宮知樹(経2・八千代松陰) | 中2 | 投併打 | 四球 | 中飛 | ||||||
| [6] | 林純司(環3・報徳学園) | 遊ゴロ | 中飛 | 遊野選 | 遊ゴロ | ||||||
| [3] | 吉野太陽(法4・慶應) | 四球 | 一邪飛 | 左安 | 中飛 | ||||||
| [2] | 吉開鉄朗(商4・慶應) | 左本 | 中安 | 空三振 | 二ゴロ | ||||||
| [5] | 服部翔(政3・星稜) | 中安 | 中飛 | 空三振 | 左2 | ||||||
◆慶大投手成績
| 選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 先発 | 渡辺和大(商4・高松商業) | 8 | 34 | 121 | 6 | 0 | 1 | 13 | 2 | 0 |
| 2 | 鈴木佳門(経2・慶應) | 1 | 4 | 20 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 |


