前日、痛恨のサヨナラ負けを喫し、3回戦までもつれ込んだ早大戦。慶大は、この試合に勝利すれば、悲願の「優勝」を手にする。応援の力で後押しするべく、応援席には多くの塾生、塾員が集まった。皆の思いが一つとなって湧き上がった、「若き血」滾るようなスタンドの熱気をお伝えする。
6月1日(月)慶應義塾大学〇3-0●早稲田大学
~試合概要~
前日の試合で屈辱的なサヨナラ負けを喫し、1勝1敗で迎えた早大3回戦。この試合に勝利したら優勝、敗北したら首位陥落で明大に優勝を譲ることになる。慶大は2回裏、吉野太陽(法4・慶應)の右安打などで1死満塁のチャンスを作ると、横地広太(政4・慶應)が押し出し四球を選び、 先制に成功する。6回表には、小原に右翼席に飛び込む第2号ソロ本塁打が生まれると、そこから1死満塁のチャンスを作る。ここで横地の犠飛で今津慶介(総4・旭川東)が生還し3-0と点差を広げる。3連投となったエース・渡辺和大(商4・高松商業)は7回まで早大打線を4安打に抑えるものの、8回表に2死二、三塁のピンチを招く。しかし寺尾拳聖(人4・佐久長聖)を二飛に打ち取る。最終回は鈴木佳門(経2・慶應)が三者凡退に打ち取り試合終了。慶大が5季ぶりの優勝を決めた。
試合前、坪井樹音代表から応援席に向けて、気合の入った言葉が送られた。「優勝をかけたこの大勝負に、内野に満員のお客様がいることに感無量です。一体感を出して、声も全て出して、優勝を掴み取りましょう。」「優勝」―皆がその二文字だけを心に刻み、選手とともに試合に臨んだ。

初回攻撃前、応援企画責任者・G.Hの闘志みなぎる声が響き渡った。「今日は、優勝決定戦である。難しいことを考える必要はない。タラレバとかも考える必要はない。後先も考える必要はない。ただひたすらに選手に声を届けるだけである。絶対にこの応援席なら勝てるぞ。」と勝利への思いをぶつけた。

2回裏の攻撃、一宮知樹(経2・八千代松陰)が四球を選び、続く吉野が右安打で出塁。吉開鉄朗(商4・慶應)が投手への内野安打で1死満塁とすると、応援席は先制点獲得への期待に包まれる。より一層声援が高まる中、ここで、横地が押し出しの四球を選び、待望の先制点を獲得。優勝への大きな一歩に、スタンドからは割れんばかりの歓声が巻き起こった。今季、幾度となく流れた『若き血』が神宮にこだまする。

3回の塾生注目では、部員が祝賀会、紙テープ、オープンカーの準備は整ったものの、まだ手に入れていないものがあると一言。「それは早稲田への勝利です!そのためには私たちだけではなくて、応援席の皆さんの力が必要です。声合わせて応援していきましょう!」この力強い呼びかけに応えるように、『三色旗の下に』が奏でられ、青空の下、三色旗がはためいた。

5回攻撃前、応援企画責任者・M.Eは、「應援指導部と野球部が揃えば完璧だ。あとは勝つだけだ。」と、前日二日間外野席にいた野球部とともに応援できる喜びを口にした。いざ、『Blue Sky KEIO』が演奏されると、無数の声は一つに重なり、スタンドから轟いた。

6回裏、小原大和(環4・花巻東)が今季第2号となる本塁打を放ち、膠着状態が破られると、応援席のボルテージは最高潮に達する。続いて『朱雀』が流れると、神宮を揺らすほどの、この日一番の盛り上がりを見せた。さらに、横地の犠飛によって今津が生還し、1点を追加。野球部員も壇上に上がり、幸せ溢れんばかりの晴れやかな表情で『若き血』を歌い上げた。

試合は、3-0で「完全優勝」。慶大はついに5季ぶり、41回目の優勝を掴み取った。応援席から色とりどりの紙テープが舞い、スタンドは凄まじい歓喜の渦に包まれた。マウンド上で喜びを分かち合う選手たちに、賛辞の言葉が送られる。まさに、真心を込めた応援が結実した瞬間であった。

優勝までの長い道のりに、応援の力が不可欠であったことは間違いない。今年度の應援指導部のスローガンは「誠心誠意」。応援できる環境、体育会の仲間、そして応援席の方々の存在に、心からの敬意と感謝の気持ちを届けるという意味が込められている。その言葉を文字通り体現して、部員たちは毎試合、どのような局面でも選手たちを鼓舞し、声援を送り続けてきた。次なる戦いは、全日本大学野球選手権。新たな舞台でも、應援指導部の応援が、選手たちの背中を押すことだろう。さらに勝利の「ファンファーレ」を鳴らすべく、應援指導部はともに戦ってゆく。まずは、ここまで「勝利」にこだわり、一体感のある応援席を作り上げた應援指導部員一同に、誠意を持って、最大限の感謝を伝えたい。
(取材、記事:吾妻志穂、取材:梅木陽咲、小野寺叶翔、神谷直樹、柄澤晃希、塩田隆貴、根本佳奈)

