今年で77回目を迎える早慶サッカー定期戦が8月11日(火・祝)にMUFGスタジアム(国立競技場)にて行われる。ソッカー部(男子)は昨年に続く早慶戦連覇目指し、2年ぶりに国立競技場のピッチに立つ。今回ケイスポでは選手だけではなく、グラウンドマネージャーやアナリスト、監督などさまざまな役職の方にインタビューを行い、それぞれが抱える想い、そして早慶戦への意気込みを伺った。第9弾となる今回は、アナリストの空閑奏汰(経3・慶應湘南藤沢)にインタビューを行った。
ーー自己紹介
慶應義塾大学3年生、アナリストをやっています空閑奏汰です。慶應義塾湘南藤沢中高等部出身の内部生です。高校まで付属でサッカーをプレーしてて、大学からアナリストになりました。よろしくお願いします。
ーーアナリストの仕事内容について
大前提として、試合の映像だったり、データだったりを使って、チームに対して先術的なアプローチをするというのがアナリストの仕事です。監督に対してもそうですし、選手に対しても戦術的なアプローチをするミーティングをしています。その中でも大きく分けて2つ仕事があって、 1つ目が自分のチームの試合を見て振り返りをする振り返りミーティングっていうのと、あとは相手チームの次の大切な相手の特徴を試合の映像を見て分析して、監督と選手にミーティングするスカウティングミーティングです。基本的にはその2つに分けてやってます。
ーーアナリストになった経緯
自分はずっとSFC中高でサッカーをやっていて、漠然と大学になったら、慶應義塾大学でサッカーをやるんだろうなと思いながらサッカーをしていました。その中で、高校時代に足首の怪我がかさんでしまって。高3になるタイミングで、延長療法で、休みつつ様子を見つつやるしかないねっていう風にお医者さんに言われました。そのタイミングで「高校でサッカー終わりにしよう」って決めて、もう休むことなくやり続けた結果、結局大学に行く前に病院でドクターストップがかかって、そこで選手は終わりだな、という。それでも、漠然と大学のソッカー部に入るっていうのは頭の中でイメージとしてはありましたし、加えて自分の代のSFCサッカー部から自分以外の2人、この部活に入ってて、特に野村(啓太、商3・慶應湘南藤沢)が(ソッカー部に)入るって聞いたのをきっかけに、自分もサッカー部に何かしらの形で行ってみようかなと思って入ったって感じです。アナリストをやりたかったというよりかは、ソッカー部に入部するという段階で、マナリストかマネージャーかっていう2択しかなかったので、そこでアナリストを選んだっていう形になります。
ーーアナリストとして活動する中で大変だったこと
拘束時間というか、労働量の多さっていうのが1番ですかね。立場上、監督と選手を戦術のところで繋ぐみたいな役割が自分的にはあると思ってるので、もちろんそのミーティングするための分析作業だったり、資料を作る作業に時間もかけないといけないし、それに加えて毎日フィールドに出て、監督だったり選手と練習中からコミュニケーションを取って、その両方を知っていくっていうのが、本業にも活きるなと思っています。そこで、TOPもBも、全部のカテゴリーの練習に参加するっていうところを自分の中でモットーとして取り組んでいることもあって、練習に出る時間と作業をする時間の両方がかかって、結果として拘束時間っていうのが長くなるっていうのが1番大変なところだと思います。
ーーアナリストとして活動していく中で、やりがいを感じるときとは
自分が出した提案だったり、自分が指摘した改善点だったり、そういうところがうまく試合ではまって、なんかそれが結果に結びついた時っていうのがやりがいを感じる瞬間かなと思います。自分はあまりレベルの高くないところでサッカーをしていたので、ソッカー部のようなレベルの高いところで選手と同じくらいの熱量で試合の結果に携わるっていうところが、やっぱこの役職のすごく大きな魅力だなと思いますし。その喜びを感じられるように、日々それに見合う仕事をしないといけないなと思いながら活動しているっていう感じです。
ーー前期リーグ戦を振り返って
結果のところで言うと、やっぱ前期の関東リーグもそうですし、アミノバイタルカップも自分たちが目標として立ててたものには遠く及ばない結果になってしまいました。そこには自分も責任を感じているところです。サッカーの中身のところで言うと、自分がやりたいサッカーがそこまで体現できなかったということは感じています。トップに限らず、自分はBチームの方にも携わらせていただいているので、そちらでもそこまで結果が残せなかったっていうところも含めて、チーム全体通して自分たちのやりたい慶應のソッカーっていうのをなかなか体現できなかったっていうのが、前期の大まかなイメージです。そこをどうやってここから改善していくのかっていう部分が、この夏の期間の頑張りどころかなと思っています。
ーー今季最も印象に残っている試合
立正大学戦ですかね。そこまで1勝しかできてなくて、チームの状況としても良くない中、第6節は連戦の週でもあって、確か前の試合が土曜日にあって、その次の水曜日に行われたミッドウィークの試合でした。短い期間の中で、土曜日の負けからチーム全体で頭を揃えて、自分の振り返りもそうですし、選手間でのミーティングも通して、とにかく原点に立ち返って、戦術どこうじゃなくてハードワークするっていうところに立ち返ろうっていう話になりました。そこで1個視点を変えた結果、全てがうまくはまって、久しぶりの勝利に結びつけられた試合だったので、立正大学戦は自分の仕事としても、チームとしての雰囲気としても、 転機になる試合だったのかなと思っています。
ーー去年の早慶戦を振り返って
自分の2個上に先輩がいたので、基本的にはその先輩がメインで相手の分析だったりっていうのは担当していただいてました。それでも、自分も結構1年の時と比べてだいぶ大幅に携わらずてもらう機会も増えて、初めて一緒に戦えた早慶戦だったという印象は強いです。純太(西野純太、令8総卒)くんのゴールに代表されるような劇的な試合展開の中で、自分もハーフタイムに控え室に戻って、選手に対して個別にアプローチしていました。その中で、自分も一緒に戦ってるんだなって気持ちになれましたし、その分勝った後にそのアドバイスをした選手とハイタッチしたり、「お前のアドバイス、ナイスだったよ」って言ってもらえたりしたことはすごくいい思い出ですし、自分が携われたっていう部分が自分の中ですごく大きかったです。
ーー今年の早慶戦に向けて取り組んでいること
自分はワセダのアナリストと親交があって、この前ご飯食べに行ったんですけど、そこでお互いにちょっと牽制し合いながら話していたのは、お互い監督も変わってないですし、そこまでサッカーは変わってないので、ある程度お互いの手の内は理解している状態での試合になるということです。自分としては、相手がどうというよりかは、前期で出たチームの課題をどれだけ修正して、チームを最高の状態にして早慶戦に臨めるのかっていう方向に集中したいなと思っています。なので、相手がどうというよりかは、自分たちのサッカーをどれだけできるかっていうところ、前期の課題だったところを主に注力して、今は作業しているっていう形になります。
ーー今年のチームの強み
今年のチームの良さは、ただ雰囲気が良いだけではなくて、意思を統一して1つの目標に向かっていける部分だと思ってます。練習中に声かけがとても多いので、自分がミーティングなどでパッと出したトピックを練習中だったり、試合前とかにみんなでこう声掛け合いながら、試合に向かっていってくれる部分はこのチームの特徴だと思います。自分が戦術的なマネジメントするっていう立場に立っても、チーム一丸となって、1つの方向性に頭を揃えて向かっていけるのが良い部分です。
ーー今年のワセダの印象
ワセダはいつでもタレントが揃っているのですが、その中でも結構今年はなかなかいい年なんじゃないかなっていうのは自分としては思っています。ワセダのアナリストにも直接「いいね」って言ったんですけど(笑)
選抜とかに選ばれてる選手も多いですし、1人2人じゃなくて、チーム全体としてすごくこの能力が高い選手が 11人ないしベンチ含めて20人揃っているというのが、今年の早稲田の印象です。
ーー両チームのキーマン
早稲田のキーマンをあげるなら林奏太朗(スポ3・龍谷/サガン鳥栖U-18)選手ですかね。 自分と同じ代、3年生なんですけど、1年生からリーグ戦に出ていて、早慶戦では点も決められて、という形で華々しく出てきた後に、去年は1年間怪我で試合に出ていなかったという選手です。そこからまた戻ってきて、今の前期リーグであれだけ活躍してるっていうのは、自分にとってもすごく目を引くものがあるというか、敵ながら、 選手としてすごいなってシンプルに思います。彼に自由にやらせちゃいけないなっていうのは考えていますね。
慶應のキーマンを上げるとすると、小野翔大(経3・慶應)です。彼も多分そんなに前期満足のいくシーズンを送ってたわけじゃないと思うんですけど、早慶戦に向けて結構調子も上げてきていて、サッカー的なところでも、彼のクールな感じ印象に反して、結構泥臭くハードワークできて走れるっていうところは、慶應の強みになると思いますし、去年彼は早慶戦の舞台も経験していますしね。あとは、彼の大胆不敵なメンタリティの部分も含めて、期待したいかなと思います。
ーーリフレッシュとしてやっていることや趣味は
趣味はサッカー観戦だったんですけど、大学に入って趣味ではなくなってしまって、、、ずっとプロのサッカーを観るのが好きだったんですけど、それがなくなってしまったので、趣味は探し中です。リフレッシュの方法としては、基本的に午前中練習に出て、午後から作業するっていう習慣なので、その間のお昼ご飯はお金ないながらもあんまケチらず、友達と食べに行くことは意識しています。やっぱりアナリストは人数が多いわけでもないので、1人で作業する時間がすごい長い中で、友達と関われる機会はあまり多くなく、昼ご飯のタイミングがすごく大事なので、そこはリフレッシュの時間だと思って、時間がない状態でも友達と食べに行こうっていう風には思っています。
ーー日吉でお気に入りの店は
これは難しいですね(笑)自分はお店じゃなくてメニューで好きになるタイプなんですけど、1つ選べと言われたら、、、閉店しちゃうんですけど「太郎」です。
ーーアナリストの魅力とは
選手と同じ熱量で試合の勝敗に関われるっていうところがどこの言って一番魅力的なところかなと思っています。その貢献っていうところについて詳しく話すと、選手はこうあの限られた90分の中で。最高のパフォーマンスを出さなきゃいけない職業、ポジションだと思っています。これはアナリストだけじゃなくて、スタッフ全体の話かもしれないですが、特にアナリストはやることが無限にあるので、あの90分に限らず、自分の持てる時間すべてを1試合、90分の勝敗のために注ぎ込むことができます。チーム勝利の中の何パーセントに貢献できているかどうかわからないんですけど、勝利に向けて自分の持てる時間をすべて費やすことができるっていうのは、すごく自分の性に合ってるなって思いますし。そこは選手とは少し違う勝利への関わり方として、魅力的だなと思っています。
ーーありがとうございました!
(取材:塩田隆貴 記事:髙木謙)


