今年で77回目を迎える早慶サッカー定期戦が8月11日(火・祝)にMUFGスタジアム(国立競技場)にて行われる。ソッカー部(男子)は昨年に続く早慶戦連覇目指し、2年ぶりに国立競技場のピッチに立つ。今回ケイスポでは選手だけではなく、グラウンドマネージャーやアナリスト、監督などさまざまな役職の方にインタビューを行い、それぞれが抱える想い、そして早慶戦への意気込みを伺った。第6弾となる今回は、 田形昂生(政4・慶應)、石田航大(政4・慶應/ブリオベッカ浦安U-18)、渡辺快(政4・慶應)にインタビューを行った。
ーー他己紹介
石田→渡辺:快くんは、チームの盛り上げ役ですね。快がいるだけでチームが明るくなるので、今のチームに必要不可欠だと僕は思ってます。
田形→渡辺:リーダーシップがすごくあって。キーパーとしてチームを引っ張ってくれるだけじゃなく、遊びのときもみんなを引っ張ってくれるような方です。
渡辺→石田:最近何やってるか閉鎖的で私生活で何やってるかよくわからないんだよな、あんまり話してくれない(笑)。
でも、いつもチームのためにやってくれてるんだろうなっていう信頼がありますね。
田形→石田:人のために何かをすることができる、善の心を持った人です。
石田→田形:同期一の陽キャです。一挙手一投足がみんなを笑わせているそんな存在です。
渡辺→田形:結構物知りで、テストとか頑張ってる。ベトナムとか東南アジアに詳しくて、結構みんなプレミアとかスペインの試合を見る中で、田形だけベトナムとかの試合を観てる。そこから生まれる意外性とかが、プレーに表れているなと思います。
ーー田形選手と渡辺選手は慶應高ソッカー部出身ということで、当時はどんな存在だったか
渡辺:田形は、3年生の時はセンターバックやってたんだけど、田形だけでビルドアップが完結してしまうようなスーパーな選手でした。ピッチ外では結構陽キャなところがあるのに、ピッチでは隠キャを発揮して喋らなかったり。サッカーにおいては口数が減っちゃうから、主将として困らされた印象がありますね。
田形:(渡辺は)高校時代、やっぱり1・2年の頃からおちゃらけたキャラみたいな感じで、監督に怒られてグラウンドのまわりを徘徊したりもあったけど(笑)、3年生になってからは責任感を持って色々言葉をかけてくれていいキャプテンだったかなと思ってます。
ーー慶應高時代からどちらかと接点は
渡辺:(石田に関しては)結構「やばいやつがいる」というのを噂には聞いていて、まず塾高のサッカー部に入らないのもちょっと意味わからないし(笑)。
田形:俺は(石田と)地元が近くて、千葉県つながりで。なので小学校の頃から対戦は多分してたよね。
石田:快は知らなかったんですけど、田形は塾高の入試の時に5-6人のグループディスカッションがあったんですけど、ずっと喋らないやつがいるなって思ってて。それが田形でした。普段は陽キャなのに、そういうときはすごい静かになっちゃうので。
田形:石田のことは知ってたので、花を持たせてあげました。
石田:塾高って一学年800人弱くらいいるので、廊下すれ違っても誰かわからない人が多いのに、田形はみんな知り合いで、ずっと「おぉ!」って言ってました。田形は本当に輝いていた。
ーー今は学部で関わりも?
渡辺:テストの際は田形さんと石田さんにはすごくお世話になってます。同期に法学部政治学科は8人くらいいるけど、その中でもtop tierが田形。Tier表をSからEまで作ると(Fは圏外扱い)
S tierは、田形(ほぼSS、GOD)
A tierは、石田、渡辺
B tierは、林心愛(政4・法政第二)
C tierは、清水優羽(政4・慶應NY)
D tierは、宮地正大(政4・市川)
E tierは、蟹貴文(政4・石川県立金沢桜丘)、藤川絢英(政4・慶應NY)
F tierは、塩貝健人(休学中・國學院久我山)
みんな仲良くて、テストとかも協力し合ってます。同期の中で最大派閥だと思います。
ーー出会ってから人間性的にお互い変わった部分は?
石田・渡辺:やっぱり田形かな、大学2〜3年くらいの時に人格矯正みたいな(笑)。
渡辺:石田はね、変わったとかはない気がする。
田形:石田は、下級生の時は周りの目を気にしてしまってた。心から良いと思ってやるってより、周りに言われそうだからやるって感じ。上級生になるにつれ、責任感をもって色々行動するようになったなと思います。
石田:(渡辺は)高校時ソッカー部主将で、怒鳴り散らかしてるみたいな。めちゃくちゃ怖い人なのかなと思ったら、大学入って会ってみたらめちゃめちゃいいやつで、(当時は)主将の責任感みたいなのをすごい感じていたと思うので、そこ(のギャップ)は意外でした。
田形:(渡辺は)周りをぐいぐい引っ張るだけではなく、寄り添う面もあってそういった面で成長したなと。
渡辺:田形に強い言葉を言ってしまうのは、田形に対する嫉妬心かな。田形はなんでもできるので(笑)。
ーーここまでのチームを最上級生としてどう見ていますか
石田:リーグ戦も大会も、自分たちがシーズン前に思い描いていたような理想とはギャップがあります。
渡辺:結構石田と近くて、なんか「もう一個改善できたらチームが上手くいくんじゃないかな」みたいな今年のチームに感じるポテンシャルはあるから、そこに4年生として今後に向けてやっていければ、自分たちがシーズン当初に思い描いていたような結果に持っていけるんじゃないかなと思っています。
田形:前期、いい結果は出なかったけど、実力がないチームではないし、何か一つのきっかけでチームとして成長できるとは思ってるので、早慶戦がいいきっかけになったらなと思ってます。

ドリブル突破からチャンスを演出
ーー石田選手は前期悔しい時間も
石田:数日前に怪我して検査した時に、4月から毎月検査の写真撮っていることに気づいて。1ヶ月続けてサッカーできることがなかったので、そもそも自分もサッカーできないし、チームも思い描いたような結果が得られずで。選手として貢献できていない自分に対して悔しいですし、みんなと一緒にサッカーできていないのも申し訳ないなという気持ちがずっとあります。
ーー渡辺選手は出場試合も多いが
渡辺:去年から引き続いてチームの失点が多いところで、キーパーとしてすごく責任を感じています。一方で、今年のキーパーとしての一体感、練習の雰囲気は自分が4年間所属した中でもすごくあって、B・Cチームも含めて誰が出てもキーパーとして全員応援できるし、自信持って試合に臨めているというのはあるかなと思っています。でも、実のところ結果は出てないし、失点数も減らせていないというところで、チームにキーパーとして迷惑をかけてしまっているから、早慶戦は無失点で勝ちたい。後期も失点数を減らせるように、キーパーファミリーとしてやっていけたらいいなと思っています。
ーーシーズン途中に坊主にされてたが
渡辺:(第5節の)関東学院大戦に出た時に、自分のミスから失点することもあって。去年も同じくらいの時期に試合後半で代えられて、「去年と同じことしちゃってるな」と思って。今年は4年生だし何か変えなきゃなというのもあったし、チームの勝敗に対する責任を一番負わないといけない。そういった意味で坊主にしたというのが一番の理由。その試合の後に、石田のバリカンで同期に髪剃ってもらいました。連戦中でもあったし、ちょっとでもチームの空気を良く、切り替えができたらなというのもあって、坊主にしました。

気持ちのこもったセーブを見せる
ーー坊主になってみて
渡辺:石田もずっと3年時くらいから「俺も坊主にする」とか言ってたけど、結局石田は人からどう見られるか気にするタイプだから、坊主にしないし。
早慶戦に勝ったら?もしくは負けるようなことがあれば?坊主にすることにする?
やめとくか。
一同:(笑)
ーー田形選手はシーズン途中から出場機会が増えてきたが振り返って
田形:1・2・3年生の時の感覚として、割と自分らしいプレーができていなかったなというのがあるんですけど、自分らしいプレーができるようになったなと思えたのが4年生になってから。でも自分のところからの失点もあったりで、リーグ戦もいい順位につけられていないので責任を感じているというか。自分もチームも上達して、もっと上のレベルに上がらなきゃいけないなという気持ちはあります。
ーー1年生の頃のインタビューの中でデ・ブライネ(ベルギー)が好きとおっしゃっていたが
田形:今はククレジャ(スペイン)が好きです。ルックスとか。動きとかも参考になるし、自分の理想としてるサイドバック像に結構近いです。
ーー下級生の頃とは違うポジションを担うが、いつから
田形:3年生の最初の方、センターバックで怪我人が多くて。監督から「一回センターバックやってみないか」と言われて、高3の時にやっていたというのもあって数試合出場したんですけど、自分の長所とセンターバックの役割が噛み合ってないなという感覚もあって、サイドバックで使ってもらうことが多くなってというのが経緯です。
ーー石田選手、2年時のブログの「正解はピッチ上でしか見つけられない」という言葉について
石田:1年時に副将だった蛯名亮太さん(令6法卒)が僕に対していってくれた言葉なんです。当時も僕は怪我しちゃってて、なかなかサッカーできない時期があったんですけど、その時に「サッカーやってる以上は、ピッチ内で自分の道を見つけていくしかないよ」というふうなお話をしていただいて。自分の中でも、練習外で自分を成長させることももちろん大事だけど、練習の中でトライアンドエラーを繰り返して、エネルギーを注ぐっていうのが大事だと考えるきっかけになりました。正解を探しにサッカーをしているところです。

攻撃にアクセントをもたらす
ーー渡辺選手、1年時のブログに「残り4年間のサッカー人生で、あの時色々な選択肢があった中で慶應に入って良かったと言えるように、今まで自分に関わってくれた全ての人に自分の選択が正しかったと『証明』できるようにしたい」とあるが
渡辺:間違いなく慶應に入ってよかったなと思っているし、ソッカー部に入部してよかったと自分の中で思ってはいるんだけど、「証明したい」というのが自分の思いとしてある中で、ここまで3年半くらいを振り返っても、大してチームを勝利に導いた手応えもないし、早慶戦もまだ出たことがないっていう状況。4年生として、たくさんの人が注目してくれる一戦で自分が活躍している姿を見せることで、今までお世話になった人たちへ感謝を伝えられると思うし、自分が活躍している姿を見てくれたら「証明」できると思う。だから、早慶戦に出て結果をしっかり残したいという思いが強いかなと思います。
ーー田形選手、2年時のブログの「自分に甘い私は、毎日が妥協の連続である。妥協を完全になくすのは不可能だが、妥協を小さく、少なくすることはできる。(中略)だから、妥協を減らしていくためにもっと危機感を持つ必要がある」に関して
田形:この部活に入って改めて、成長するためには自分が心地よい環境にずっといることは良くないと感じて。実際ソッカー部に入っている中で、ある意味居心地が悪い(刺激的な)環境を部に用意してもらっているとも言えるので、いろんな面で成長できたのかなと感じています。毎日危機感を持って成長し続けるのが大事かなって思っています。
例えば、「目標が達成できていない」という危機感を持つことで、練習の取り組み方が変わる、とか。
ーー早慶戦に関して
石田:(アミノバイタルカップで結果を残すも、惜しくもメンバーから外れてしまった昨年は)やっぱり悔しかったですね。チームが勝ったのはもちろん誇らしかったし、先輩の姿はかっこよかったです。自分も来年そうなりたいなと思ったのももちろんですけど、選手として自分がそこにいないというもどかしさもすごくありました。
それこそ、3年生になってだんだんトップチームの試合に絡めるようになって自分の目標だった早慶戦も現実的に見えてきたところでメンバーに入れなくて、自分的にもすごくあの時は辛かったし、きつくて、「来年こそは」と思っていました。
渡辺:(昨年はベンチから見ていて)やっぱり早慶戦っていいな、という思いと、やっぱり出たいな、という思いだったかなと。純太くん(西野、令8総卒)が印象に残っていて、4年生がめちゃくちゃかっこよかった。1・2年生の時にメンバー外で見ていた景色と、試合には出られなかったけどピッチには立てた早慶戦っていうのはまた別の感情があったから、その後者の感情が、より「次は出場したい」という気持ちに繋がったかなと思います。
田形:(今年の初出場を目指す上で)1・2・3年生の時は早慶戦前とかはトップチームに所属していたにも関わらず中々届かなくて、早慶戦に出たいと思っていたし、早慶戦を見る中で観客が作り出す雰囲気とかとあって、純粋にそこでサッカーしてみたいという気持ちもあった。出場できなくてスタンドで応援している時ももちろんチームが負けて悔しい、勝って嬉しいという思いもあったけど、それよりも試合に出れていない自分への悔しさが正直大きかった。早慶戦には出場してチームに貢献したいという気持ちがあります。
ーーお互いで早慶戦に期待することは
渡辺→石田:去年メンバーに入れなかった石田と髪切りに行く約束を当時してたので、その悔しさを近くで見ていて。悔しさを押し殺してチームのために貢献しようとしてる姿勢を感じた中で、今年の石田は「なんかやってくれるんじゃないかな」と思っている。怪我もあるけど、去年のチーム付きの経験を活かして今年はそれ以上を目指してほしい。
石田の一番の良いところは、チームのために、誰かのために全力を発揮できるところだと思うから、全面にそれを出した姿勢に期待したいです。
田形→石田:快と同じで、出れるかどうかわからないというところで、色々難しい部分もあると思うけど、石田はそういう時でもチームのためにできることをやってくれる熱い男なので、期待するというよりも、石田のそういう想いに応えたいです。
石田→渡辺:無失点にしてほしいですねやっぱり。チームとして近年1失点以上してしまっているので、早慶戦という舞台で「無失点」という目標を達成してもらって、今後に向けたきっかけにしてくれると信じているので、そこに期待したいです。
田形→渡辺:(田形自身が)守備の選手としてキーパーに見せ場を作らせちゃいけないと思ってるので、快には攻撃で素晴らしいプレーを期待してます。
石田→田形:4人くらい抜いて点決めると思います。中々こんなドリブラーは早稲田の選手も体感したことないと思う。サイドバックの位置から抜いて、元々デ・ブライネ推しとして多分シュートも得意だと思うので、点決めてほしいです。
渡辺→田形:シュートとキックがものすごく下手なので(笑)、田形のミスキックで逆にチャンスが生まれたり、ミスシュートが相手に当たって入るとか、そういうラッキーボールに期待したいです。そういうよくわかんないようなゴールで、国立が熱気と笑いに包まれるんじゃないかと。人を楽しませてくれるのも田形の良いところなので、サッカー選手としてはもちろんなんですけど、早慶戦というある種お祭りみたいなところでお祭り男・エンターテイナーとしてのゴールに期待したいです。
石田:それでいうと、ゴール決めたあとのゴールパフォーマンスも注目したいです。田形は揺れることが結構好きなので、横揺れとか。そこにも期待ですね。
渡辺:冗談抜きで田形のラッキーゴールはあると思ってます。期待しておいてください!
ーー最後に改めて、意気込みをお願いします
石田:高校から慶應に入って、当時から大学生の先輩方がやっていた早慶戦を見た時に「この舞台ってこんなにも素晴らしいんだ」って感じましたし、去年初めて自分が在籍中に勝利して、早慶戦で勝つことの誇らしさを去年の4年生たちが示してくれたので、やっぱりあれをもう一度体感したい。さらにそれを後輩たちに見せてあげたい。これから慶大ソッカー部に入部してくれるような高校生や見にきてくれる人たちに、早慶戦の素晴らしさを体感してもらって、自分たちが勝ちたい。そこに自分が少しでもチームのためにできることをやっていきたいと思います。
渡辺:小さい頃から父に早慶戦に連れていってもらって憧れていたし、塾高に入ってからも早慶戦を見ててかっこいいと思ってたから、その憧れてきた舞台で同期と「早慶戦勝利」の目標を達成したいなという想いが強くあります。あと、サッカー人生の集大成を色んな人に見てもらうっていう意味も込めて、国立で活躍してる自分をたくさんの人に見せて少しでも恩返しができたらなと思っています。
田形:自分たちの学年が掲げてきた目標でもあるし、個人としてもソッカー部に入ってからこそずっと出たいと思っていた。慶應に関わる全ての人も勝利を望んでいると思うので、その期待に応えられるように、全力で何がなんでも勝ちます。ゴールは積極的に狙っていきます!パフォーマンスも楽しみにしていてください!
ーーありがとうございました!
(取材:柄澤晃希、記事:島森沙奈美)

