【バスケ】リーグ戦白星発進!しかし課題も浮き彫りに vs東洋大

 

28得点を叩き出し、オフェンス面でチームを牽引した大元。

28得点を叩き出し、オフェンス面でチームを牽引した大元。

とうとう秋季リーグ戦開幕の日がやってきた。なかなか波に乗ることができなかった春季の反省点を意識しながら、練習を積み重ねてきた夏休みを終えて迎えたこの日。初戦の東洋大は、絶対に負けられない相手だ。前半は試合の主導権を握りいい面が見えたが、後半はディフェンスが崩れるなど悪い面も出てしまった。接戦になってしまった今回の試合では、勝利と同時に1部昇格のための課題も見えてきた。

2013/08/31() @東洋大学総合スポーツセンター
89回関東大学バスケットボールリーグ戦2 1日目   vs東洋大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 13 26 20 13 72
東洋大 16 10 25 14 65
◆慶大スターティングメンバー◆
PG #21 西戸良(1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(3・洛南高)
SF #14 大元孝文(2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(4・洛南高)
C #23 黒木亮(2・延岡学園高)
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#14大元孝文:28得点 #16 伊藤良太:21得点
 

春季の離脱を取り返すべく奮闘した伊藤。果敢なドライブで敵陣を切り裂いた。

春季の離脱を取り返すべく奮闘した伊藤。果敢なドライブで敵陣を切り裂いた。

絶対に落とすことのできない秋季リーグ初戦。1Qから波に乗っていきたい慶大であったが、立ち上がりなかなか点数を奪うことができない。しかしディフェンスでは個人個人が集中力を発揮し、蛯名がリバウンドを取るなどの活躍を見せ東洋大の得点を許さなかった。前半は両チームともに点数を奪えない展開が続いた。後半には矢嶋瞭(総4・福大大濠高)と権田隆人(政3・慶應高)を投入するものの流れを変えることはできず、最終的には東洋大にブザービーターを決められ、13-16と3点ビハインドで1Qを終える。追い上げを見せたい2Qは、徐々に慶大が試合の主導権を握り始める。2年生スコアラーの大元がシュートを決めると、続いて主将の蛯名もしっかりとシュートを沈め、これで17-16と逆転。ここからは完全に慶大のペースとなった。自身も「調子は良かった」と語った大元が華麗な3ポイントを2本連続で沈めると、更に流れるようなパス回しから相手のファウルを誘うシュートを決め、続くワンスローもしっかりと沈め一気に9得点を挙げる。そんな2年生に負けじと、最上級生の矢嶋やスタメン出場の伊藤も得点。ディフェンスでも1Q同様、取れるリバウンドは必ず取り切り集中力を切らさなかった。苦しむ東洋大はタイムアウトを取り、流れを引き戻しにかかるも慶大の勢いを止めることはできず。この後も伊藤がシュート決め、黒木がリバウンドをしっかりと奪い39-26と13点差をつけて2Qを終えた。

スタメン抜擢された西戸は、指揮官の期待に応える堅実なプレーを披露した。

スタメン抜擢された西戸は、指揮官の期待に応える堅実なプレーを披露した。

前半の勢いそのままに3Qを迎えたい慶大であったが、東洋大がここから追い上げを見せ始める。バスケットに向かって切り込むことができない慶大は、外からシュートを放つが得点につながらない。我慢しきれず慶大は3Q開始3分でタイムアウトを取ることになった。一時は13点リードしていたにも関わらず、この時点ではわずか4点リードという展開に。しかし、このまま主導権を渡さないのが今日の慶大だった。3Qが始まってから外からのシュートは立て続けに外れていたが、ここで伊藤が3ポイントを2本連続で沈める。さらに大元がインサイドに切り込みシュートを決め、この後に3ポイントを打とうとしたところでファウルを誘い、稼いだフリースローも落ち着いて決めた。3Q前半では疎かになっていたディフェンスも後半には再び集中力を取り戻し、東洋大の追い上げを許さなかった。前半の失点を後半で取り返し、最終的に67-58と9点リードで3Qを終えた。迎えた4Qは、東洋大の再反撃から始まる。慶大はまたしてもインサイドに切り込むことができず、ディフェンスもうまく機能しない。残り1分30秒で東洋大がタイムアウトを取った時点で、69-65と点差は4点。接戦になっていた。ここからは激しい展開が続いたが、土壇場で落ち着きを見せた慶大は相手のファウルゲームもかわし切り、最終的には72-65で勝利を収めるという結果になった。 1部復帰を目指して挑むリーグ戦の初戦を、見事勝利で飾った慶大。しかし、「本来だったらもっと大差を」(蛯名)「接戦になってしまったのは、あまりいいスタートとは言えなかった」(大元)と選手達が語るように、本来の力を十分に発揮することは出来なかった。しかし、まだまだ先は長いリーグ戦。今日の反省を明日の江戸川大戦やその後の練習で改善すると共に、課題である慎重さを補うディフェンスを徹底的に磨き上げていくことが出来れば、2部リーグの激しい昇格争いを生き残っていくことが出来るだろう。勝利したとはいえ、まだまだ1/18に過ぎない。「全勝で入れ替え戦に臨む」(蛯名)という強い意志を形に変えるためにも、先ずは明日勝利し、第1週を連勝で終えたいところだ。

(記事: 河合佳祐)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

合宿や韓国遠征でやったことが、最初だけ少し出てたんだけど、ちょっと自分達がリードすると昨年の情けない姿に戻ってしまってましたね。4年生はちょっと不安です。1・2年生は力を出せてるんで、あのまま伸びて欲しいですね。(夏に取り組んだこと)背が小さいチームなので、ディフェンスではパスコースをディナイして中に簡単に入れさせないこと。オフェンスでは、チームプレーを3つ程作ったんですが、とにかく1対1でねじ込んで来ることを、重点的に練習しましたね。(相手の高さに対する対策)これからウチの背が大きくなる訳ではないので、ウチはウチとしてやるしかないですね。今まではオーソドックスな考え方のバスケットをやっていたんですが、それには期待が出来ないので、大きかろうが小さかろうが、1対1で対峙している相手と戦うところからやるしかないと思ってます。それと、火曜・水曜の練習で、同じポジションのライバルと対峙する形の練習を2日間やって、それで勝った方がスタメンということで、木・金と練習して来ました。ただ今日のメンバーが一番安定していて、今までの考え方で4・5番を使ってという考え方でやると、今日は負けてたんじゃないかなと思います。だから明日終われば、対峙する選手がやって勝った方がスタメン、というのを続けたいと思います。(1年生の西戸選手をスタメンに抜擢した理由も同じか)西戸は矢嶋にも福元にも負けなかったので。背は小さいんですが、ランニングリバウンドをやれと言えばやるし、ペネトレイトをしろと言えば行くし、彼が練習では一番良かったと思います。試合ではちょっと力んじゃって、大元くらいしか力を出せてなかったですが。4年生が負けるのはちょっと情けないですがね。(後半からディフェンスが崩れたが)前半終わりに相手が大きい選手の片方を引っ込めたので、逆に山崎哲(環2・秋田高)を入れて190cmの選手を3人にして、ゾーンやって相手を脅かそうかなと思ってやりました。ディフェンスのリバウンドを彼が取ったのはプラスだったんですが、その後トラベリングしなければ、試合の流れとしては20点くらい差がついてたと思います。ですから、あれはちょっと私が色気を出しましたね。失敗でしたし、それで崩れたと思っています。ただ、しっかりリバウンドも取りましたし、彼にとってそれが成長材料になってくれればと思いますね。(速攻が少なかったが)速攻と早攻めの練習を今のところまだ出来てないです。ペネトレイトからの合わせをどういう風に使うか、というのを一生懸命やらせていて、速攻と早攻めが出来てないのでこんなロースコアになっちゃいました。僕の狙いではないんですが、取り敢えずは小さいけれども個人で切り刻んでピッチパスを出すというバスケットが出来ないと、大きい相手になると対応出来ないかなと。今のところ速攻が少ないのは、我慢ですかね。(明日に向けて)ウチとしては、今日の戦い方をもう一度徹底してやって、ディフェンスがパスラインを切って中に入れさせない、というのをしていかなければと思っています。

[G] 蛯名亮(4・洛南高)

出来はあまりよくありませんでした。合宿とかでやってきたことができず、ディフェンス面で課題が残り、オフェンス面でも個人の能力に頼ってしまいました。本来だったらもっと大差をつける試合になるのに接戦にしてしまったのは反省点です。(夏に重点的に取り組んできたこととは)あまり詳しくは言えませんが、個人の崩しからチーム全員で点をとることをしてきました。(主将として初めてのリーグ戦だったが)全勝で入れ替え戦に臨むつもりですので、それにむけて体を心についていかせるだけです。(今日の自身のプレーを振り返って)自分の長所であるリバウンド・ルーズボール・ディフェンスは良かったですが、最後までコートに立てなかったのが反省点です。(チームとしての課題は)ディフェンスではリバウンドを取りきれなかったことで、オフェンスでは個人の能力に頼ってしまったことです。(4Qに入る際に考えたこと)自分たちの力を出せば勝てる相手なので、だからこそリバウンドが大事であると思いました。(明日にむけて)実力を出して大差で勝ち、日体大や日大にプレッシャーをかけるのと、自分たちの力を出す練習だと思っているので、簡単な試合にはなりませんが勝ちに行きます。

[G] 伊藤良太(3・洛南高)

良かった点は1対1で打開できていた部分があったことですが、悪かった点の方が多かったです。例えば、ディフェンスは僕が前からつけていなくて走るバスケットが展開できなかったこと、リバウンドも取れなかったこともあります。相手がどうこうというよりも自分たちが自分たちらしいバスケットを展開することを今回目標としてやってきたんですが、そこが一番難しい部分だということを蛯名主将も言っていて、自分たちが本来のバスケットを展開するためにどう準備するかを心がけてやっていきたいと思います。(相手チーム東洋大の印象について)6番の村上選手を起点として周りの部員が走って速いバスケットをして点を取ってくるという自分たちと似ている部分があると思います。フリーだったら外からシュートをすぐに打ってきますし、そこでやられた部分が多かったです。やはりリバウンドを取れず相手の高い2人のセンターに振られてしまったのが接戦になってしまった原因だと思います。(夏休みに重点を置いたことについて)オーソドックスなことですが、ディフェンスを頑張って、オフェンス、トップに繋げるという当たり前なことを追求してやってきました。(明日の試合に向けて)僕自身ポイントガードとしてまず勝つことが第一です。ヘッドコーチからも指摘されたのですが、慶應らしいバスケットを展開するためにもディフェンスが前から強いプレッシャーを与えることと、オフェンスは1対1で打開することが今の慶應のバスケットの基本なので、それをしっかりやることです。言い方は悪いですが江戸川大学、東洋大学に接戦ではだめだと思うので大差で勝てるように頑張りたいと思います。

[G] 大元孝文(2・洛南高)

(今日の試合を振り返って)今日は思いのほか格下と言っては失礼ですが、ああいうチーム(東洋大)に対して接戦になってしまったというのはあまりいいスタートとは言えなかったと思いますね。(初戦ということで目標にしていたことについて)特に初戦だからというふうにはチームとして話してなくて、18試合戦って行くうえで今まで練習してきたものを18試合全部で出すということで話をしていたので初戦だからという考えは特にはありませんでした。(2Qで積極的にシュートを放っていたことについて)特に最近の練習でも調子は良かったので先生に思いっきり行けというふうに言われてて、それが体現できたという感じです。(ディフェンスで心がけていたこと)僕は相手のセンターの人についていたんですが、前半はけっこう体も動いてスティールも狙えていたんですけど、4Qの始めに2本立て続けにミスをしてしまって、そこはちょっと相手が狙ってきたことに対して対応できなかったというのが反省点です。(今後に向けて)今日の試合で4Q全然シュート入らなくて相手にマークもされていたというところで、今後それでも戦って行くうえではそこでまた決めきるくらいの安定感が大事だと思うんで、まずは自分のことをしっかりやっていったうえで、残り17試合をいい形で終えて上の入れ替え戦に行けるようにしたいと思います。

[C] 黒木亮(2・延岡学園高)

チームの動き的にはまだ硬いと思います。ただ夏やってきた練習、例えば1対1からの合わせだとか、あまり発揮できていないなと思います。やってきたことが存分に発揮できなかったことが心残りです。(夏休みにやってきたことは)ディフェンスと1対1をメインで、そこからの合わせとか展開を練習してきました。ディフェンスはある程度最初の方は機能していたんですけど、やっぱり1対1が止まってターンオーバーという場面もあったので、成果が出ているようには見えなかったと思います。それが反省です。(本日のスタメンがスモールラインアップだったことについて)チーム全体でやろうとしていることは1対1なので、オフェンスで洛南4人に僕という感じで小さいんですけど、1番から5番ポジションとか関係無しにプレーを展開していこうという感じだったので、ああいうスタメンになったと思います。(終盤のブロックやリバウンドについて)もちろんいつも試合前は自分の役割を果たすだけって考えているんですけど、まだ自分自身オフェンスとかは最初の方はぎこちなかったです。ゴール下を1本外してしまったのですが、そこで、これはもうディフェンスとリバウンドで存在感を示そうと自分の中で切り替えてディフェンスをがんばりました。結果、ああいう感じでチームに貢献できて良かったのかなと思います。これを持続してやっていきたいです。(秋リーグの目標について)もちろんチームとしての目標は一部復帰とインカレ出場するというのが前提です。その他にもチーム1人1人の能力を発揮させることがこのリーグ戦の鍵となってくるので、そこは1人1人が成長していかないとダメだと思います。それは蛯名さんとかもずっと言っていることですし、そういうことも頭に入れながら、本来の力を全員が発揮できるようにというのを頭に入れながらやっています。(江戸川大戦に向けて)江戸川大とはまだ1回もやったことないですし、どのようなチームかわかりません。ですがパンフレットを見た限り大きい選手もいるので、これからリーグ戦をやるにつれて相手が大きくなってくると思いますし、明日の江戸川戦で調整しながら、自分の中でどういうプレーが通じて、何が通用しないのか、模索しながらやっていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました