【バスケ】耐えて耐えての再逆転。幸先良く連勝スタート! vs江戸川大

 

19得点を挙げ、エースとして苦しむチームを救った矢嶋。

19得点を挙げ、エースとして苦しむチームを救った矢嶋。

 

秋季リーグの開幕2日目、この日は3部から上がってきた江戸川大と対戦した。前半は慶大らしいディフェンスが機能せず、江戸川大に得点を許してしまいリードを奪われる場面も見られたが、後半慶大らしさを取り戻し、大差で勝利を収めた。しかし苦境に立たされる場面もみられた今回の試合は、1部昇格に向けての課題を示すものになったとも言えるだろう。

2013/09/01() @東洋大学総合スポーツセンター
89回関東大学バスケットボールリーグ戦2 2日目   vs江戸川大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 30 10 27 29 99
東洋大 25 26 12 15 80
慶大スターティングメンバー
PG #21 西戸良(1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(3・洛南高)
SF #14 大元孝文(2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(4・洛南高)
C #23 黒木亮(2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:20得点

#10 矢嶋瞭:19得点(3ポイントの確率3/4)

#4 蛯名涼:12得点、8アシスト

後半、「リバウンドで絡めて貢献できた」と、自他共に納得の活躍を見せた黒木。

後半、「リバウンドで絡めて貢献できた」と、自他共に納得の活躍を見せた黒木。

1部昇格に向けてここで勝ち星を挙げたい、秋季リーグ2日目。1Qは慶大のフリースローからの得点で幕を開けた。「要所で得点を取れたのは良かった」(伊藤)と本人も語っているように、伊藤や大元らバックコート陣を中心に順調に得点を重ねてリードを奪い、序盤主導権を握る。途中江戸川大に連続ポイントを奪われる場面もあったが、最後までリードを守り続け33-25で1Qを終えた。ここで差を広げておきたい慶大だったが、2Qに入ると失速。1Qのように得点を決めることができず、35-34と1点差まで差を縮められてしまう。「ディナイして相手にボールを持たせないという慶應らしいディフェンスを行うことができず、相手のペースで」(矢嶋)気持ちよく相手にシュートを打たせてしまい、3ポイントを決められるというシーンも多くみられた。中盤になり矢嶋瞭(総4・福大大濠高)と伊藤の連続ポイントにより巻き返しをはかるものの、流れをかえることはできず、49-43と江戸川大に逆転を許してしまう。結局、このQは最後までうまく得点を重ねていくことはできず、「最後まで手を上げてシューターにプレッシャーを」(佐々木三男HC)という新たな課題が見つかるような厳しいゲーム展開となった。

 

持ち味のリバウンドや献身的な走りで、流れを引き寄せる活躍を見せた権田。

持ち味のリバウンドや献身的な走りで、流れを引き寄せる活躍を見せた権田。

3Qに入ると、前半は江戸川大にアウトサイドシュートから得点を許す場面もあったが、後半から投入された権田隆人(政3・慶應高)のミドルや伊藤の1対1で徐々に差を縮めていった。「やらなければいけないと決めていることができ」(権田)たこのQ、伊藤の3ポイントで遂に同点に並ぶと、続くオフェンスで矢嶋も3ポイントを決め、65-68と逆転に成功した。残り2秒でもう2得点を重ね、65-70で3Qを終えた。慶大が2点リードのまま迎えた運命の4Q。遂に復調し本来の姿を露にした慶大のエース・矢嶋のシュートがリズムよく決まり始めると、そこから「ディフェンスのほうにもいい影響が出て」(佐々木三男HC)きて、慶應らしくディフェンスが前から強いプレッシャーを与えるということができた。リズムを完全に掌握すると、外のシュートが外れ始めた江戸川大に得意の速い展開のバスケットで襲い掛かる。試合中盤こそ苦しい展開が続いたが、最後にはスタメンをベンチに下げる余裕も見せた慶大が江戸川大を攻守ともに圧倒し、99-80で試合終了。開幕二連勝という幸先の良いスタートを切った。

 

勝負の秋、その第1週を見事2連勝で飾った慶大。昨季はスタートダッシュに失敗して躓いてしまっただけに、今季の開幕を白星2つで滑り出せたことは非常に大きいと言える。しかし、まだ長いリーグ戦の初週が終わったに過ぎない。「相手のシュートがよく入った」(伊藤)(リバウンドが)前半は全然よくなかった」(黒木)など、これからのリーグ戦に向けて課題は見つかった。1部昇格に向けて負けられない戦いが続いていくため、この課題を修正しこのままの勢いで勝利へと突き進んでもらいたい。次週は、2年前の入替戦でも戦った速さが売りの日体大と対戦することになる。佐々木HCも「最初のヤマ」だと語る大一番だ。今週の良い流れを切らないためにも、来週の2試合は負けられない試合となるだろう。

(記事: 水戸部友美)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

前半はチームの目指すことが出来なくて、少し我慢するしかないかなというところでしたが、それがいい方向に出ましたね。(我慢の時間帯の指示)あと残り16試合戦う中で、矢嶋や蛯名が中心にならなければならないですし。それが出来てくれば、今度は上のランクの相手と戦う為にインサイドをキチッとしなきゃならないので。1・2・3番の所は出来てると思うから、その2つの部分で手を入れましたね。(相手のアウトサイドシュートに対する対策は)最初にペイント内でガードがやられてたんですが、あれは延世に行った時もやられましたし、あそこにもう少しきちんと対応出来ないといけないですね。後は前半に3ポイントを7本やられたのですが、それは7点余計にあげたことになってるんで。最後まで手を上げてシューターにプレッシャーをかけない選手が多いので、そこを徹底していかなければならないです。これから試合が進むに連れて、もっと外が上手なチームが出てくると思うので、そこは修正しないといけないですね。(最後まで足が止まらなかったが)途中から矢嶋のシュートタッチが戻って来て入り始めたので、シュートが入るとディフェンスがやりやすいんですね。シュートをミスするとピックアップが非常に難しくなるので、やっぱり得点を取ってディフェンスをやることが大事です。ああやって得点を取ってくれると、ディフェンスの方にもいい影響が出てくるので、良かったんじゃないかと思いますね。(後半、権田選手や黒木選手がゴール下で粘っていたが)黒木なんかはキャリアを持っている子なので、プライドが許さない部分も本人にあると思います。それを大事にしてあげながら本来の力を出せるように、っていうことで、今日はいつもよりもベンチの方が我慢をしました。権田についても、気の良さっていうのがどうしても試合に出てますし、それは本人が克服するしかないので。そう意味で言うと、試合で使うのを少し自重して、他の選手がこれだけやれてるっていうのを目の当たりにして──これから中心的な選手にならなきゃいけない筈なので。今日後半しか使わなかったのは、自覚をして欲しかったからです。その点で言うと、黒木も権田もやらなきゃいけないという気持ちが、少しは出たんじゃないかなと思います。消えないで欲しいですね。(来週の試合に向けて)来週はリーグ戦の最初のヤマという風に思っていますので、日体大とどれぐらい戦えるか。本題的には速い4人を、ウチの連中がディフェンスで頑張れるかですね。インサイドはゾーンを2人でやっつければ、大した問題にはならないと思うので、外回りですね。それから駒大は、ポンポンと打ってくるシュートをどれだけ抑えられるかです。それを抑えないと、昨年と同じような形になってしまうので。その2つの課題を持って臨みたいです。

[F] 矢嶋瞭(4・福大大濠高)

今日は前半、相手のシュートが当たってる中で我慢して、自分たちのディフェンスから速攻という形で勝てたことがすごく嬉しいです。(2Qの失速について)慶應のディフェンスとして、ディナイして相手に持たせないというのを徹底している所なんですが、そこで簡単にボールを回されて、相手のリズムで打たれたことがやられた原因で、失速した理由だと思います。(3Qの復調について)前半いいリズムで打たれたのですが、それは4Q続かないとチームで思っていたので、我慢して我慢してその外れたボールをみんなで速攻という形で得点できたことがチームの流れを良くしたと思います。(夏休みにやってきたこと)ディフェンスではディナイであったりボールプレッシャーであったりという部分をがんばって、オフェンスの部分では1対1からキックアウトというシンプルなバスケットを徹底しました。結果、やってきたことが3Qの1対1で切り崩してキックアウトしてシュートという部分に出てきたのかなと思います。自分自身としては最後なので、4年生としてやらなきゃいけない所や、自分の特徴でいえばシュートという所を練習してきました。(最後のリーグ戦ですが)最後のことを考えても仕方ないので、1戦1戦目の前の試合を大事にしたいです。それが続いていくと連勝して、最終的に入れ替え戦出て、1部復帰という目標を果たせると思います。なので、まずは1試合1試合、目の前の試合を戦って行きたいです。(目標について)チームが勝つことが第一なので、チームを勝ちに導けるプレーをどんどん4年生としてやっていきたいです。(来週に向けて)今週2連勝できたので、この波を今週の練習に繋げたいです。相手は身長も大きいですし、早いチームなんですが、そこにどうやって勝っていくかというのを練習して、絶対に連勝したいと思います。

[F] 権田隆人(3・慶応義塾高)

勝ててよかった、それだけですね。(3Qからの出場で意識したこと)前半ずっと見てて、やらなければいけないことは自分の中ではっきりしていましたし、走ってリバウンドとって点をとることが足りていないと思っていたので、試合に出たらそれをやろうと意識していました。試合に出たらやるしかないと思っていました。監督にもハーフタイムに準備しろと指示されていたので、準備だけはしっかりしようと思いました。(今日勝てた要因)前半はディフェンスがよくなかったのと相手のシュートがよく入ったと思います。後半で慶大がやりたいディフェンスやリバウンドがしっかりとれたということ、つまり自分たちがやらなければいけないと決めていることができたことが勝因のひとつだと思います。(開幕2連勝について)僕自身、いいプレーが継続してできているかといえばそうではないので、チームとしてはいい流れなのですが、チームとしても個人としてもいい流れをつくるためにも、今週、一週間頑張りたいと思います。(来週に向けて)入れ替え戦で戦った日体大とやるので、絶対負けたくない試合です。なので、いい準備をして最高の状態で迎えられるようにしたいです。

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

今日は前半と後半でいい面と悪い面がはっきりでました。前半は相手のシュートがよく入ったこともありますが、僕たちのオフェンスがすごく停滞してしまいました。一方で後半は矢嶋さんのパスカットや僕の縦へのカットから動きながらディフェンス出来でよかったです。(今日の試合に向けて)昨日の試合はバックコートでのディフェンスが出来ていませんでしたが、今日は前からプレッシャーを与えて慶大らしいオールコートでのディフェンスができました。(自身のプレーを振り返って)要所で得点を取れたのは良かったですが、ガードとして前半ああいう展開になってしまい、停滞してる中でどういう風に味方を動かすかは課題だと思っています。まだまだディフェンスが甘いです。(2Qで苦戦した理由とは)動きが止まってしまい、1対1に持ち込めなかったです。オフェンスが悪いときにディフェンスを頑張ることも出来ませんでした。(後半修正したこと)オフェンスの動きを活発にすることと、前からのディフェンスといった当たり前のことを徹底しました。(ゲームの組立てで意識したこと)速攻を意識しました。また、相手が勢いのあるチームでシュートもよく入ったので我慢して自分たちの流れになるようにしました。(来週の日体大戦が1つの山場になるが)日体大の速さに走り負けないことと、勝って全勝に向けて流れをつかみたいです。

[C] 黒木亮(2・延岡学園高)

相手が江戸川大ということで、すごい外回りのシュートが入って、展開が速いチームということを意識して試合に入ったんですけど、試合をやっていく中でやっぱり相手の特徴である3ポイントを立て続けに決められて前半ああいう形になってしまったのは本当に反省点でもあるし、中盤で外回りのシュートを決められてしまったので、ああいう展開になってしまったのは本当によくないと思います。でも後半で、やっぱり4年生とか3年生が、頑張りを見せてくれて、それに対して僕らも頑張ろうという感じになったので、すごい点差を開くことができたいいゲームだったと思います。(ゲームを自分たちの流れにもっていけた要因は)やはりディフェンスじゃないですかね。もともと相手はミスをしてくれてたんですけど、やっぱり前半で止め切れるはずのプレーを止め切れてなかったが、後半はディフェンスが機能していて、そこから自分たちの持ち味である速攻だとか、リバウンドからのプレーだとか、いいプレーが個人個人出てきたというのが、流れを変えた一番のポイントだと思います。(後半リバウンドの強さが目立ったが、意識した点は)前半は全然よくなくて、やっぱり王選手(江戸川大#3)にすごい取られてしまっていたので、そこをどう自分が解決していくかというのを頭の中で考えていました。後半王選手が下がったところで、1本ディフェンスリバウンドを取れたんですけど、そこからなんというか自分の中でスイッチが入ったみたいで。僕はずっとそうなんですけど何かひとつのプレーが成功しないとそこからどんどん立て続けにいいプレーは出てこなくて。要するにエンジンが遅いというか、そこが自分の欠点だと思ってて、でもリバウンドを後半で絡めて貢献できたのでよかったと思います。(次の試合に向けて)去年2連勝というのはなかったと思うので、それは本当にチームが成長しているなって今日実感しましたし、この2連勝の勢いを次の週に持っていけるかが大事だと思うので、一週間の練習をすごく大事にして調整していきながらもっと勝利できるように頑張っていきたいと思います。

[G] 西戸良(総1・洛南高)

相手のシュートが入って苦しい場面で、そこから逆転して勝てたっていうのは、これからのリーグ戦でチームにとって大きいものになっていると思います。(江戸川大の印象)外のシュートが入る相手が多かったので、自分も外のシューターにつくことが多く、そういうチームとこれから対戦することが多くなっていくので、良い経験ができたと思います。(夏休みに練習したこと) シューティングと一対一を結構練習して、まずは慶應の中で自分のプレーをできるよう意識して練習してました。(1年生として)先輩にも言っていただけるのですが、ミスを恐れずに、チームの流れを作れるように、大胆なプレーをしていきたいと思います。(次の試合に向けての課題と意気込み)次は日体大なのですが、土日で自分にとってもプレーに波があったので、土日両日とも良いプレーができるように、明後日からの練習で調整して慶應のプレーがまたできるようにやっていきたいと思います。

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