【ソッカー男子】第18節 起死回生の同点ゴール!第2節以来の首位に浮上 専大戦

宮地がチームを救った

宮地がチームを救った

優勝争いを繰り広げる中で迎えた、今節の相手は専大。幸先よく先制点を奪ったものの、その後は押し込まれる時間が続いてしまう。1点のビハインドを負って迎えた後半のアディショナルタイム。ラストプレーとなったCKから宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)がゴールを決め、土壇場で同点に。これによって2位の早大に得失点差で上回り、第2節以来となる首位に立った。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第18

 2015/10/18()13:50KOShonan BMW スタジアム平塚

 慶應義塾大学2-2専修大学

 

【得点者(アシスト者)

 〔慶〕3山本哲平(宮地元貴)90+3宮地元貴

〕44オウンゴール、89分北出雄星

 

◇慶大出場選手

GK宮原隆志(経4・武蔵高)

DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)

DF久保飛翔(環4・済美高)

DF望月大知(環3・静岡学園高)

DF井上大(総3・國學院久我山高)

MF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)

MF山田融(総4・横浜F.マリノスユース)

MF手塚朋克(環2・静岡学園高)

MF渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)→46松木駿之介(総1・青森山田高)

FW田中健太(法2・横浜F・マリノスユース)→63黄将健(総4・近畿大学附属高)

FW山本哲平(政3・國學院久我山高)

 

リーグ戦ではここ9試合負けなしと、着実に勝ち点を積み重ねている慶大。さらにこの試合の前日には、前節時点で首位に立っていた国士大が敗戦。優勝争いで一歩抜け出す「大きなチャンス」(手塚)という意識を持ちながら、キックオフを迎えた。

ここ数試合で得点を量産する山本

ここ数試合で得点を量産する山本

最初の好機はCKからだった。3分、山田融(総4・横浜F.マリノスユース)が右足でボールを入れ、ファーサイドで宮地が折り返す。山本哲平(政3・國學院久我山高)のシュートは相手にクリアされるが、その前にゴールラインを割ったという判定。2試合連続で、序盤にリードを奪うことに成功する。13分にもワンタッチで見事なパスワークを展開。最後は手塚朋克(環2・静岡学園高)がクロスを上げるも、味方にはつながらず。その後は専大のボール回しに翻ろうされ、的を絞ることができない。31分には山本、39分には山田と、カウンターからフィニッシュに持ち込むシーンも見られたが、逆に相手のシュートがポストに当たるなど肝を冷やす場面が続く。すると、前半の終了間際にはセットプレーから失点。試合運びに不安を抱えたままハーフタイムに突入する。

 

手塚のスピードは相手の脅威となった

手塚のスピードは相手の脅威となった

「相手に押されていても1-1だから、これから仕切り直していこう」(須田監督)。慶大は後半の頭から、渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)に代えて松木駿之介(総1・青森山田高)を投入し、立て直しを図る。しかし、依然として劣勢は変わらず。それでも望月大知(環3・静岡学園高)などが身体を張り続けると、22分に反撃。松木が味方とのワンツーでペナルティエリア内へ。一対一の局面を迎えるも、ボールはわずかに枠の外。その4分後にもゴール前で山本が左足を振り抜くが、これも決まらず。立て続けに訪れた絶好のチャンスをものにできない。

 

終盤は攻め合いとなり、迎えた89分。ペナルティエリア内にこぼれたボールが相手の足元に。シュートを浴びると、DFに当たったボールが無情にもゴールに吸い込まれていく。痛恨の逆転ゴールを許し、「諦めてはいなかったですけど、正直厳しいかなと思った」(山本)。

 

アディショナルタイムは2分。前線へ素早くボールを供給するが、焦りでミスが頻発してしまう。それでもCKを獲得。時間を考えるとこれがラストプレー、GKの宮原隆志(経4・武蔵高)も攻撃参加する。井上大(総3・國學院久我山高)が蹴ったボールはクリアされるも、こぼれ球に反応した手塚がシュート。ゴール前が混戦となり、最後に反応したのは宮地だった。気持ちでねじ込むと、両手を広げてベンチへ一直線。喜びを爆発させたと同時にタイムアップのホイッスルが鳴った。

 

 

奇跡の同点劇。喜びを爆発させる

奇跡の同点劇。喜びを爆発させる

まさにドラマチックな展開となった。だが、「全体的には専大にやりたいようにやられてしまった」(宮地)のが現実。そして結果は引き分け。試合後のインタビューでは、ポジティブに勝ち点1をとらえつつ、反省点にも言及したコメントが相次いだ。

 

さて、次節は伝統の早慶戦である。早大はリーグ戦7連勝などを経て上位に食い込み、前節の流経大戦でも勝負強さを発揮と、まさに強敵だ。加えて現在2位に付けているため、いわゆる「天王山」。「特別な意味」(宮地)を持つ一戦であることに違いはない。

 

慶大はこれまで、常に目の前の一戦を全力で戦うという意識を徹底させてきた。冷静に戦況を振り返り、次の試合に備える。開幕からスタンスを変えなかったからこそ、首位にも立つことができた。自力で優勝する可能性を残す今だからこそ、早慶戦であろうと、自分たちのスタイルを貫く。そうすれば、おのずと勝利の女神が微笑むはずだ。

 (記事 木下彰)

 

☆現在の順位表

順位

大学名

勝ち点

得失点差

次節の相手

1

慶應義塾大学

34

+15

早大

2

早稲田大学

34

+5

慶大

3

国士館大学

33

+22

法大

4

明治大学

31

+10

流経大

5

流通経済大学

30

+8

明大

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合結果を受けて)最後まで諦めないでよく頑張ったと思います。(早い時間の先制点だったが)これもセットプレーで、ずっと練習していることなのでよかったと思います。(前半のうちに追い付かれて、後半に向けどのように切り替えたか)前半はアグレッシブに運動量多く人数を掛けてきて、得点はしたのですが相手の流れでしたね。ある意味後半に取られるよりは、前半のうちに1-1で、あと45分勝負だというほうが良かったと思います。相手に押されていても1-1だから、これから仕切り直していこうということを言いました。それと、もう少し割り切ってプレーをして危ないところをしっかりと埋めて守備をした方が良いということと、もう一つはボールの取られ方が悪くてピンチを迎えていたので、そこを修正して相手にボールを渡さないようにしようということを選手たちには伝えました。(サイドから入っても中につながらないという場面が多かったが)左サイドからのクロスの精度も、中の入り方も特に今日は良くなかったですね。(昨日国士大が負けて、今日の試合で首位に立てるチャンスがあったというのは多少選手たちに影響はあったか)あまりなかったと思います。意識するのもいいですが、目の前の試合を戦おうということは言い続けています。(首位で早慶戦を迎えることについて)あと4試合ではなくて、一試合一試合。次の一戦のことだけ考えて準備をしたいです。お互いリーグ戦の1つとはいえ意識するので、プライドをかけて戦いたいですね。

 

宮原隆志(経4・武蔵高)

(今日の試合を振り返って)最後の最後に追い付いてくれたので価値のある勝ち点1だったと思います。(一失点目に関して、目の前でボールを触られて失点してしまったが改善点などは)ニアサイドはケアしているつもりだったのですが、結果的にそこから失点してしまったのでゾーンディフェンスの位置を変えるなどの修正をしたいと思います。(二失点目はお互いにカウンターで落ち着かないまま失点してしまったが)ディフェンス陣が前掛かりになってしまったので一度落ち着かせることができたら良かったなと反省しています。(専大のGKは福島選手だったが、彼の印象は)セービング能力はもちろん、攻撃の起点にもなっているのでそのような点は見習うべきだと思います。(福島選手を凌いでベストイレブンに選ばれる可能性もあると思うが)自分ではそう思っていないのですが、慶應のディフェンス陣は失点が少なくて、しっかりしている中で自分ももう少しできることがあると思うので、残りの試合では自分の力を出していきたいと思います。(次節の大事な早慶戦に向けて)優勝を目指すという意味でも、早大が相手であるという意味でも絶対に負けられないですし、自分の中で一番のモチベーションで臨みたいと思います。

 

井上大(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)チームとしては負けなくて良かったなという試合でした。(どんなところを突いていこうという話だったか)相手が3バックだったので、サイドの裏を狙っていました。ただ、自分は裏を取ろうという意識が強すぎてボールを持ったときに裏しか見えていなかったので、コースを切られたときに相手に当ててしまいました。(終盤カウンターの応酬になって、ポジショニングが難しかったのでは)前半は相手の2番にすごく押し込まれていたが、後半の後半になると相手の足が止まっているのが分かりました。なので、松木には積極的に裏を突いていくように話したし、自分もチャンスがあれば上がっていこうと思っていました。(次節に向けて)早大には定期戦でも負けていて、すごく悔しい思いをしたし、リーグを優勝するためには一戦一戦勝っていかなければならない。とにかく早大というのは慶大の永遠のライバルなので絶対に勝って今後のリーグ戦につなげていきたいです。

 

宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース) (今日の試合を振り返って)全体的には専大にやりたいようにやられてしまったという感じで、個人的にもなかなかいつものプレーができなかったです。なんとか引き分けには持ち込めたというのは大きいかなと思います。(前半に相手の7番を捕まえ切れていない印象だったが)前半、7番もそうですし、20番、33番と上手い選手が多くて、間で受ける選手が多かったのでそこを俺と(山田)融くんで捕まえきれない部分がありました。後半は完全に抑えられたわけじゃないですけど良くなったと思います。(自身の得点について)自分は得点しようという気持ちで入ったんですけど、どこにボールがこぼれてくるかというのはチームが試合の中でしっかり耐えたこともそうだし、周りの応援してくれる人もそうだし、しっかり感謝したいと思います。(リードされて焦りはなかったか)もちろん、時間帯も時間帯だったのでヤバいなというのはありましたけど、取り返せないこともないし絶対追い付くぞという気持ちでした。(次節に向けて)やっぱり首位対決だし、早慶戦だし、リーグ戦の優勝を前にした一戦ということで特別な意味を持つかなと思います。全ての場において早大に勝てるように準備したいと思います。

 

山本哲平(政3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)前半は早い時間に先制出来たんですが、その後守備に追われて苦しかったです。いつもだったらゼロで折り返せたかなというところで失点してしまいました。後半はチャンスもピンチもあったんですが決め切れず、頑張って守ってもらったのにオフェンス陣としては不甲斐ない結果だなと思います。(3試合連続となるゴールを決めましたが)素直に得点できたことは嬉しいんですが、それ以外で点を入れられる場面もあったし、勝てた試合だったと自分の中では思っているので悔しい結果となりました。(最後の同点弾はシビれたのでは)そうですね。諦めてはいなかったですけど、正直厳しいかなと思っていたので、点を入れてくれた(宮地)元貴に感謝しています。(次節、首位で迎える早慶戦について)勝ち点は同じなので、まずは早大に勝つというのを意識して、その中で突き放せたらいいなと思います。

 

手塚朋克(環2・静岡学園高)

(今の率直な気持ちを)まずは首位に立てたということは嬉しいですけど、ただ今日勝ち切れなかったことはまだまだ課題があると思うので、チャンスもあったし、自分も課題がすごく見つかった試合だと思うので、そういうところはもっと見直していきたいなと思います。(勝ち点で並ぶ国士大が前日に負けたことは少しでも意識したところはあったのか)そうですね、すごく昨日の試合中とかSNSで気にしていたので、正直大きなチャンスだと思ったんですけど、そうやって臨んでこういう結果なのでまだまだ自分の気持ち的には足りなかったのかなと思います。(試合を振り返って)今日対峙した選手が小口選手ですごく攻撃的な選手だったんですけど、それをいかに自分が攻撃をさせないくらいの自分の特徴を出して疲れさせるかというのが一番の自分の仕事だったと思うんですけど、前半は少し向こうのペースになってしまって、ただ後半は自分がボールを持って仕掛けたりすることによって相手の攻撃回数を減らすことができたので、試合中にそうやって改善できたことはすごく良かったと思います。(今日も右サイドからチャンスを多く作り出していて好調に見えたが)正直、まだドリブルで抜けないことだったり、5本中3本くらいはボールが変なところに行ってしまっているので、自分が疲労が溜まっているときに得意であるクロスやドリブルをもっとキレのあるものにできたら良い選手だと思うので、そういうところをもっと見つめ直していきたいと思います。(次は勝ち点で並ぶ早大との天王山。定期戦での借りを返す場にもなると思うが意気込みを)定期戦は自分は途中から出て、チャンスメイクすることはできたんですけど、ただ質という面ではまだまだ足りなかったので、そういう面でこの期間で成長したところを早大相手にしっかり出せるように、スタメンで出られるように、この1週間準備していきたいと思います。

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