【競走】塾記録更新ならずも昨年を上回る28位 第93回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

 第93回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の予選会が15日、今年も陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、国営昭和記念公園をゴールとする20キロメートルのコースで行われ、50589人のランナーが正月の箱根路に出場できる10校の枠を目指し激走した。12年ぶりの塾記録更新を目標に掲げ、予選会に出場した慶大は目標達成こそならなかったものの、10時間5527秒で28位に入り、合計タイム及び順位の両方で昨年を上回った。個人では、根岸祐太(経2)が上位校の選手に食らいつく積極的なレース運びで63分台中盤の記録をマークし、2年連続のチームトップの219位だった。

 

2年連続チームトップの走りでチームをけん引した根岸

2年連続チームトップの走りでチームをけん引した根岸

第93回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

2016/10/15 9:35発走

陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園

 

 総合結果

慶大

28位

10時間55分27秒

 

個人成績 

選手名

記録

順位

根岸祐太(経2・慶應志木)

1’03”35

219位

武田和徳(法2・穎明館)

1’04”36

271位

藤井一樹(法3・慶應湘南藤沢)

1’05”04

291位

石井克弥(環1・長野日大)

1’05”08

295位

永野裕也(商2・土佐)

1’05”14

300位

中野真志(商4・浦和)

1’05”50

318位

佐伯拓海(環2・松本深志)

1’06”16

333位

大木康生(経3・慶應志木)

1’06”26

344位

永井翔(法3・慶應志木)

1’06”38

355位

下川唯布輝(環3・明石城西)

1’06”40

356位

田島爽也(政1・熊谷)

1’06”56

369位

榎本悠希(文4・田辺)

1’12”43

549位

(上位10人の合計タイムで総合順位を決定する)

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本職は競歩選手。持ち前のスタミナで快走を見せた石井

 レースは根岸が序盤から快調に飛ばした。入りの5キロを15分17秒で通過し、予選会上位校の選手に食らいついていく。続く2番手の石井克弥(環1)から10番手の永井翔(法3)までは軒並み15分40秒から16分フラットのラップを刻む。根岸はそのままフリーで前を追い、最後は疲れを見せたものの1時間03分35秒で塾内トップを守りきった。続く2番手にイーブンペースで後半尻上がりに順位を上げた武田が入った。以下藤井一樹(法3)、石井、永野裕也、中野真志(商4)、佐伯拓海、大木康生(経3)、永井、下川唯布輝(環3)、田島爽也(政1)、榎本悠希(文4)の順にフィニッシュ。チーム10番手のゴール順位では25位だった。

 

 昨年の予選会は、10分58分39秒の総合記録で一昨年のタイムを10分近く更新し、目標の11時間切りを達成した。迎えた今季は、昨年の予選会で塾内トップ(1時間3分41秒)だった根岸と武田和徳(法2)の2年生コンビが急成長を遂げた。7月に行われた世田谷記録会では根岸が14分34秒79、武田が14分46秒90を記録し大幅自己新を達成すると、その他の主力選手も軒並み好タイムをマーク。今年の予選会は、2004年に樹立した塾記録(10時間46分54秒)更新をも視野に入れ、例年以上の期待がかかっていた。

 

 だが、雨模様だった昨年と打って変わって雲一つない快晴の空が、皮肉にも選手たちの体力を奪った。この日の最高気温は21度と気温こそ平年並みだったが、試合中に大きく気温が上昇し、強烈な日差しがアスファルトを照りつける厳しいコンディション。慶大内でも終盤にペースを落とした選手は少なくなかった。特にチームトップの根岸はタイムでは昨年を上回ったものの、気温が上がった後半にガクッとペースが落ちた。今大会は61分台と学連入りという高い目標に掲げていただけに、「序盤もう少し抑え目にいけば、後半の落ち幅も抑えられた。」と肩を落とした。

今季不調に悩まされた下川。最終学年の復活に期待がかかる

今季不調だった下川。最終学年の復活に期待がかかる

 とはいえ、タイムと順位は昨年を上回っており、今年もチームとして着実に成長を遂げていることは確か。来年度の長距離ブロック長は下川が務める。故障の影響でレースを走れなかった今年のブロック長、板橋正寛(理4)はレース後、「下川よりも走力がある選手も何人かいるんですけど、そういった選手も含めて面倒を見られるぐらい彼は競技に対して熱意があって競技のことを考えている選手なので、その良さを生かして競技力が上の選手をも引っ張ってほしい」と後輩へのアトバイスを伝えた。強い下級生たちは来年以降も残る。先輩たちが果たせなかった、塾記録更新という悲願。物事の終わりは同時に始まりでもある。来年の予選会に向け、後輩たちにタスキが繋がれた。

(記事:江島 健生)

 

以下、選手コメント

 

板橋正寛(理4・慶應志木)

(今の率直な気持ちは)4年間を通してやりきったという気持ちなんですけど、4年目に関しては悔いが残る1年でした。(どんな思いで仲間たちのレースを見ていたのか)力は強いというのは確信していたんですけど、時の運というか天候もありますし、当日のレース展開に左右される部分も大きいと見ていたのでそこは凄く心配に見ていました。(チーム全体として夏合宿を含めた今日までの練習はどうでしたか)うちは夏合宿までをトラックシーズン、夏合宿以降をロードシーズンと区切っています。1回目の夏合宿はひたすら距離を踏んで、2回目はスピード練習も取り入れつつ、合宿から帰ってきて以降は本格的に仕上げていくというイメージでやっていました。その段階ごとの練習の目的は達成できていたと自分は思っています。(レース後の集合の際は同期や後輩に向けてどんな話をしたのか)最後の1年間は自分としては悔いが残った年だったので、上級生になるにつれ部に対して果たさなければならない責任は増えていくと思うんですけど、それを苦にせず悔いを残さないように活動していってほしいと伝えました。あと、僕はこれまで部を辞めそうになったときもあったんですけれど、辞めずにここまでやってこられたのは、同期や一緒に寮に住んでいた後輩のおかげだということは伝えました。(来年度は下川選手が長距離ブロック長を引き継ぐがどんなチームを作ってほしいか)下川は本人自身がすごく力のある選手なので、下川が(みんなの)背中を押すというよりかは下川が引っ張っていく形にしていってほしいと思います。下川よりも走力がある選手も何人かいるんですけど、そういった選手も含めて面倒を見られるぐらい彼は競技に対して熱意があって競技のことを考えている選手なので、その良さを生かして競技力が上の選手をも引っ張ってほしいと思います。

 

根岸祐太(経2・慶應志木)

(今の気持ちは)目標としていたのは61分台と学生連合入りだったので、今日の結果は悔しさと不甲斐なさでいっぱいです。(練習は順調に積めていたのか)夏合宿がものすごく調子が良くて、その後9月に入ってから少し調子を落としてしまって不安はあったのですが、徐々に調子が上がってきていたのでいけるだろうと思ってスタートラインに立ちました。(5kmの通過こそ1517秒と良いペースだった。後半のペースダウンはやはり暑さの影響があったのか)そうですね。序盤もう少し抑え目にいけば、後半の落ち幅も少しは抑えられたと思います。(来年度もエースとして慶大長距離を引っ張ることになる。今後の意気込みを)来年は今年達成できなかった学生連合入りと、自分が61分ぐらいで走ってチームの塾記録を更新していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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