【野球】髙橋亮の好投実らず痛み分け 立大①

4月22日(土)東京六大学春季リーグ戦 立大1回戦

同点のホームインを踏みガッツポーズをする倉田

 

負けに等しい引き分けだ。5回まで毎回安打を許す苦しい展開も、2点ビハインドの5回、倉田直幸(法4)、天野康大(環4)の適時打で試合を振り出しに戻すと流れは一気に慶大へ。8回9回にビッグチャンスを作るも、あと1点が遠かった。しびれる投手戦は互いに勝負所で一本が出ず、ドロー決着となった。

 

 

 

立大

慶大

立大:田中誠、中川―藤野

慶大:関根、土井、髙橋亮―郡司

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

天野康大(環4・智辯和歌山)

[5]

瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)

 

杉本京平(理2・中央中等教育)

[8]

柳町達(商2・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総4・比叡山)

 

R7

中村健人(総2・中京大中京)

[2]

郡司裕也(環2・仙台育英)

[3]

清水翔太(総4・桐蔭学園)

 

小原徳仁(文4・慶應義塾)

 7

[4]

倉田直幸(法4・浜松西)

 

瀬戸西純(政1・慶應義塾)

[6]

照屋塁(環4・沖縄尚学)

 9

[1]

関根智輝(環1・城東)

 

土井涼(商2・慶應義塾)

 

嶋田翔(環1・樹徳)

 

髙橋亮吾(総2・慶應湘南藤沢)

 

植田清太(総3・慶應義塾)

 

小原和樹(環2・盛岡三)

 

一死1、3塁のピンチをゲッツーで仕留めた照屋

慶大の先発は、東大戦に引き続きルーキー関根智輝(環1)。その立ち上がり、好調立大打線にいきなり捕まってしまう。先頭打者にヒットを許すと、3番4番にも甘く入ったスライダーを痛打され、先制点を献上。苦しい立ち上がりとなる。3回には立大主将熊谷に三塁打を打たれ、無死一、三塁のピンチを招く。ここは4番笠松を併殺に打ち取り、最少失点で切り抜けた。打たせて取る投球で持ち味を出すも、コンパクトに弾き返され4回を投げ毎回安打の被安打6、2失点でマウンドを降りた。

5回のマウンドには、2番手土井涼(商2)が上がる。制球が定まらず2つの四球から1死満塁のピンチを招くも、5番6番から連続三振を奪いピンチを脱した。

同点のタイムリーを放った天野

立大の先発は、法大戦で完封勝利を収めた田中誠。ノビのあるストレートを軸に慶大打線を手玉に取っていく。慶大に初安打が生まれたのは5回、先頭の郡司裕也(環2)のバットから。その郡司を送りバントでスコアリングポジションに進めると、続く倉田がレフト線に落ちるタイムリーを放ち、1点を返す。なおも2死一、二塁のチャンスで、天野の鋭い当たりが一二塁間を抜く適時打となり試合を振り出しに戻した。

 

同点に追いつき勢いづく慶大ナイン。6回から登板した髙橋亮吾(総2)が圧巻の投球を見せる。6回、キレのある変化球で連続三振を奪うと、7回は6球、8回は11球で蹴散らせ、打者一巡をパーフェクト。9回に四球で出塁を許すも、後続を抑え被安打0。今日、神宮で投げたどの投手よりも球が走っていただろう。まだまだ伸び盛りの2年生右腕の今後が楽しみだ。

 

 

めきめきと頭角を表した髙橋亮

髙橋亮の流れを呼び込む投球もあり、終盤は慶大ペース。8回には瀬尾翼(理4)、柳町達(商2)の連打で1死一、三塁のチャンスを作る。しかし、4番岩見雅紀(総4)、5番郡司が凡退し勝ち越しならず。最終9回(連盟規定により延長戦はなし)は、立大2番手中川がマウンドへ。先頭清水翔太(総4)が執念のヒットで出塁すると、続く倉田は送りバント。これが投手と一塁手の間に転がる内野安打となった。1死後、代打で登場した植田清太(総3)の打球は、バウンドの高い二塁手正面へのゴロ。これに一塁手が反応し一塁ベースがガラ空きに。ラッキーなヒットが続き1死満塁一打サヨナラのビッグチャンスが訪れる。誰もがサヨナラ勝ちを確信した。

 

しかし現実は甘くなかった。続く天野はフルカウントまで持ち込むも、7球目外角の球にバットが空を切り三振。代打で登場した杉本京平(理2)も空振りの三振を喫し試合終了。神宮の曇天を振り払う快音は聞こえなかった。悔しさ残る一戦も、まだ負けたわけじゃない。陸の王者を謳うなら、こんなところで立ち止まってはいられない。

記事:若林 晃平 

◆打撃成績

 

 

[9]

天野

二失

 

 

空三振

右安①

 

 

一ゴロ

空三振

[5]

瀬尾

中飛

 

 

四球

 

右飛

 

中安

 

杉本

 

 

 

 

 

 

 

 

空三振

[8]

柳町

中飛

 

 

逃三振

 

四球

 

右安

 

[7]

岩見

 

空三振

 

左飛

 

空三振

 

三ゴロ

 

R7

中村

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

郡司

 

左飛

 

 

中安

遊ゴロ

 

右飛

 

[3]

清水翔

 

右飛

 

 

投犠

 

二ゴロ

 

遊安

小原徳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[4]

倉田

 

 

左飛

 

左2①

 

遊ゴロ

 

投安

瀬戸西

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]

照屋

 

 

空三振

 

四球

 

中安

 

空三振

[1]

関根

 

 

二飛

 

 

 

 

 

 

土井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嶋田

 

 

 

 

空三振

 

 

 

 

髙橋亮

 

 

 

 

 

 

中飛

 

 

植田清

 

 

 

 

 

 

 

 

二安

小原和

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

打者

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

 

関根

18

62

 

土井

26

 

髙橋亮

13

48

 

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

(終盤のチャンスを生かせませんでした)残念です。もったいないけど、前半はよく粘れていました。(髙橋亮選手が好投しました)頑張ったね。自分の持っているものを出してくれました。(立大田中選手は)前の試合でもいいピッチングをしていたので簡単には打てないです。(明日に向けて)勝ち点取れるように頑張ります。

 

照屋塁(環4)

(今日の試合を振り返って)勝ちたかったですけど、しょうがないです。3回無死一、三塁で笠松を併殺に打ち取りました)あの場面はまだ序盤だったので、とにかくゲッツーでしのげばまだどうにかなると思ったので、慌てず取れるアウトを取ろうということを意識しました。(関根投手を内野から見て)関根は今日ヒット打たれていたんですけど、粘り強く投げてくれたので、どうやってでも守ってやろうという気持ちで守っていました。7回寺山選手の打球はあらかじめ二塁寄りに守っていましたが)その場面場面でバッターを見ながら、その傾向も頭に入っているので、ポジションも取りながらやっています。7回にはクリーンヒットを打ちました)とにかく粘って出ることしか考えていなかったので、結果としてヒットが出てよかったです。5回のチャンスの場面で四球を選ぶなど持ち味の粘りが出ました)そこは繋げてよかったかなと思います。(立大田中投手の対策はありましたか)対策はずっとチーム内でもやっているので、それが結果として出るかどうかというのはわからないですけどチームとしてやれることはやって全員で攻めていこうと思ってやっています。(ここまでの新チームの雰囲気は)去年ももちろん勝つつもりでやってはいたんですけど、今年は去年以上にどうやってでもいいから勝ってやろうという気持ちを強く持っています。(次に向けて一言)とにかく勝つ。絶対勝ちます。

 

天野康大(環4)

(今日の試合を振り返って)なにより負けなかったことが、明日に繋がると思います。勝てた試合かもしれないけれど、序盤は相手優勢に進められたので、しっかり追いつけたのは大きいと思います。5回のタイムリーは)自分の前で一年の嶋田がアウトを取られたので、なんとかカバーしたいという思いがありました。四年生がなんとかしないと、という気持ちでした。(走塁面は)アウトにはなりましたが、これから頑張っていくしかないかなと思います。(立大田中投手の印象は)しっかり投げ込んでくる印象です。序盤は押されてしまったかなと思います。(明日に向けて)まず明日しっかり勝って、明後日につなげていきたいです。

 

倉田直幸(法4)

(今日の試合を振り返って)勝てなくて悔しいです。(5回にはヒットが出ました)身体が反応しました。落ちてくれ、と思っていました。(同点のランナーとして意識していたことは)ツーアウトだったので、どんな打球でも(ホームに)帰れるように意識していました。(先週完封した立大田中投手の印象は)コントロールが良かったです。つかみどころのないピッチャーでした。(9回では見事なバントが決まりました)オープン戦とかでは一度も(バントが)決まったことがなかったんです。だから、ずっと練習してきたのでその成果が出て良かったです。(明日に向けて一言)いい試合だったとは思います。勝ちきれるように最後まで集中力を切らさないように。まずは明日なので、勝ち点取りたいです。

 

郡司裕也(環2)

(立大との初戦どういう意識で臨んだか)よく打つチームなので打たれるのは覚悟で、でも最低限3点以内というのは監督から言われていたのでそれを意識しました。(立大田中選手と戦ってみてどうだったか)コントロールもよくてテンポもよくていい左ピッチャーだなと思いました。3戦目も投げてくるかもしれませんが、もっと初球から打っていく意識でやっていけたらなと思います。(継投の中で意識の違いは)それぞれよさがあるのでそのよさをしっかり引き出そうと意識してやっていましたが、今日はそれなりにみんな力を出してくれたと思うので、ピッチャーに関してはよく粘ってくれたなと思います。(4回までノーヒットに抑えられていた状況で、5回の先頭打者として立った時の気持ちは)ヒットが打ちたいというよりかは塁に出たいっていう気持ちが強くて、それがうまくヒットになってくれたのでよかったです。

 

髙橋亮吾(総2)

(今日の試合を振り返って)勝てなかったというのが一番大きいです。試合が始まる前から、失点は3点以内に抑えるという話だったので抑えた点自体はよかったのですが、最後にあれだけチャンスを作って勝てなかったのは弱さかなと思います。(東大戦を終えてから今日までどのようなことを意識して練習しましたか)抜け球が多かったので、抜けると打たれるので抜けないようにという意識を持って練習していました。(入る前や実際に投げているときはどのようなことを考えていましたか)緊張はしませんでした。3点以内に抑えろと言われて、自分の番が回ってきたときにはもう2点取られた状態だったので取られても最少失点で、長打を打たれないよう球をできるだけ低め低めに意識して投げました。(三振をとった球種はなんですか)フォークとカットとストレートです。(髙橋選手の決め球は)その日の調子によりますが、フォークかストレートが基本です。(今日良かった変化球は)カットボールです。(球速は意識していますか)どちらかというと球速よりもコントロールを意識しています。(最後に、今後に向けて意気込みをお願いします)勝ち切れなかったので、とりあえず明日明後日の試合で2連勝してチームにいい流れを引き寄せたいと思います。

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