【野球】2本の満塁弾で優勝に王手をかける 早大①

5月27日(土)東京六大学野球春季リーグ 早大1回戦

今季1号で満塁弾を放ちダイヤモンドをかける柳町

まさに「劇的」というにふさわしい試合だった。勝って優勝に王手をかけたい慶大。序盤は高橋佑樹(環2)、小島両投手の好投で投手戦となった。しかし、6回に清水翔太(総4)が満塁本塁打を放ち先制する。このまま逃げ切りたい慶大だったが、7回に早大に5点を奪われ逆転されてしまう。ここで慶大打線に再び火が付く。満塁のチャンスを作り、柳町達(商2)がこの日チーム2本目となる満塁本塁打を放ち逆転に成功する。このまま慶大がリードを保ち、見事早慶戦勝利。優勝に王手をかけた。

 

早大

慶大

早大:小島、柳澤、●早川、北濱、二山―岸本、

慶大:高橋佑、菊地、○高橋亮―郡司

 

早大:佐藤晋甫2号ソロ(7回)

慶大:清水翔2号満塁(6回)、柳町1号満塁(7回)

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

天野康大(環4・智辯和歌山)

[5]

瀬尾翼(理4・早稲田佐賀)

[8]

柳町達(商2・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総4・比叡山)

 

中村健人(環2・中京大中京)

[2]

郡司裕也(環2・仙台育英)

[3]

清水翔太(総4・桐蔭学園)

[4]

倉田直幸(法4・浜松西)

[6]

照屋塁(環4・沖縄尚学)

[1]

高橋佑樹(環2・川越東)

 

菊地恭志郎(政3・慶應志木)

 

高橋亮吾(総2・慶應湘南藤沢)

是が非でも勝ちたい大事な初戦のマウンドを任されたのは、今季ここまで防御率リーグ3位の高橋佑。初回を2三振含む三者凡退に抑える見事な立ち上がり。その後も早大打線から三振の山を築き、6回まで被安打1、9奪三振の快投を見せる。一方、高橋佑の好投に報いたい慶大打線だったが、早大のエース小島に5回まで無安打に抑えられ、緊迫した投手戦の様相となっていく。

5回までパーフェクトピッチングだった髙橋佑

試合が動いたのは6回。1死から瀬尾翼(理4)がレフトフェンス直撃の二塁打を放つと、柳町の敬遠と早大のフィルダースチョイスで2死満塁のチャンスを作る。ここで打席には清水翔。小島が投じた高めの球を見逃さず振り抜き、打球は右翼手の頭上を越えライトスタンドへ。待望の先制点は、清水翔の満塁本塁打となった。

4点の援護をもらった高橋佑だったが、この回突如崩れる。先頭打者の佐藤晋にレフトスタンドへ本塁打を打たれると、さらに続く打者に連続四球を与え無死一、二塁としてしまう。次の打者のバントを素早く処理して三塁フォースアウトを取るが、ここでお役御免。二番手の菊地恭志郎(政3)に託す形となった。なんとか最少失点に抑えたい菊地だったが、四球で満塁とすると続く打者にセンター前へ適時打を打たれ、2点を失ってしまう。菊地はわずか打者2人でマウンドを降りることとなった。1死で迎えた三番手は高橋亮吾(総2)。ショートへの打ち取った当たりを照屋が本塁に投げ、本塁タッチアウトかと思われたが、際どいタイミングで判定はセーフ。さらにセカンドゴロの間に1点を追加され、不運な形で逆転されてしまう。

今季1号で満塁弾を放ちダイヤモンドをかける柳町

まずは同点に追いつきたい慶大。この回からマウンドに上がった早川から主将・照屋塁(環4)がレフト前へ安打を放つと、高橋亮がしっかりとバントを決め、1死二塁のチャンスを作る。続く天野康大(環4)、瀬尾が連続で四球を選び満塁とする。ここで打席には、前の打席で敬遠された柳町。初球、「狙い球」と語った肩口から入ってくるスライダーを完璧にとらえ、打球は一直線にライトスタンドへ。なんと今日二本目の満塁本塁打で、慶大が一気に3点リードとする。このまま逃げ切りたい慶大。8、9回を高橋亮が三者凡退に抑える完璧な投球でしっかりと締め、試合終了。慶大が見事な逆転勝利で、優勝に王手をかけた。

ピンチでの登板で要所を締めた髙橋亮

早慶戦2連勝。これが慶大優勝の絶対条件だ。実は、慶大は早慶戦2連勝を優勝した2014春以来達成していないのだ。しかし、今日の選手たちの熱気を見ていると、そんな心配は無用だろう。今日は満塁本塁打2本と誰もが予想できない勝利をした慶大。きっと明日も観客の期待をはるかに上回るプレーを見せてくれるだろう。六大学王者へ、もうあと一歩のところまで来ている。

 

 

This is YOUR day!!戦後初の1試合2本の満塁弾 清水翔太&柳町達

本塁生還し、ハイタッチする柳町(左)と清水翔(右)

勝てば優勝に王手となるこの一戦。勝利の立役者となったのはこの二人で間違いないだろう。六大学リーグでの1試合2本の満塁本塁打は戦後初となる偉業だ。間違いなく後世まで残る大記録だが、清水翔、柳町どちらの心にも油断は無い。明日は勝てば優勝の決まる大事な一戦。勝って兜の緒を締める。油断のない彼らがきっと明日も試合を決める一打を放ってくれるはずだ。

記事:内田 貴啓

 

◆打撃成績

 

 

[9]

天野

遊ゴロ

 

中飛

 

 

 二ゴロ

四球

 

 

[5]

瀬尾

一ゴロ

 

逃三振

 

 

 左2

四球

 

 

[8]

柳町

捕邪飛

 

 

投ゴロ 

 

 四球

右本④

 

 

[7]

岩見

 

空三振 

 

遊ゴロ

 

三野選

捕邪飛

 

 

中村

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

郡司

 

四球

 

一邪飛

 

捕邪飛

遊ゴロ 

 

 

[3]

清水翔

 

遊ゴロ

 

 

一ゴロ 

右本④

 

三直

 

[4]

倉田

 

中飛

 

 

 遊ゴロ

三邪飛

 

逃三振

 

[6]

照屋

 

 

三ゴロ 

 

死球

 

左安 

遊ゴロ 

 

[1]

高橋佑

 

 

 四球

 

左飛

 

 

 

 

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高橋亮

 

 

 

 

 

 

捕犠打

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

高橋佑

61/3

24

93

菊地

 0/3

○高橋亮

22/3

19

 

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

(優勝に王手がかかりました。今日の試合振り返っていかがでしたか)しんどい試合でした。負けたら終わり、連勝すれば優勝というわかりやすい状況で、まだ1つ勝ったというだけです。(試合前、選手にどのように声をかけましたか)特に声はかけてないです。充実感がありますし、野手もみんな状態がいいし、持てる力をすべて発揮してくれたらなと思っています。こんな経験はなかなかできないし、自分たちの頑張りでここまでたどり着いているので、最後まで頑張ってほしいです。(明日の試合に向けて)早慶どちらも四球が絡んでの得点だったので、それがなければ明日は勝てるという気持ちで選手たちには頑張ってほしいです。

 

清水翔太(総4)

(5回までノーヒットに抑えられた小島投手について)あまり調子は良くなさそうでした。前半は僕らが打ち損じていました。捉えきれていなかったのが、後半になって捉えられるようになったという感じです。(6回の先制グランドスラムを振り返って)気持ち良かったですね。打った瞬間は、ちょっと上がりすぎたかなと思ったんですけど、風にも乗ってくれて入ったので最高でした。(打席に入ったときの気持ちは)後ろのバッターにつなぐというのは、いつもリーグ戦でやってきたことなので、その通りに打ってやろうと思って打席入りました。気負うことはありませんでした。(ダイヤモンドを回っているときの観客の声援はいかがでしたか)すごかったですね。360度から来る感じで、テンパるくらいでしたけど本当に打てて良かったです。(ホームランの後ベンチに帰ってきたときは)手荒い祝福を受けました。まだ勝ってないという気持ちは共有できていて、5点取られましたがそれが柳町のホームランにもつながったのかなと思います。(明日の勝利で優勝が決まりますが明日へ向けて)9回裏が終わって、1点でも勝っていればいいので、どうなるかはわからないですけど自分たちの出来る精一杯のことをやって、絶対勝ちたいと思います。

 

瀬尾翼(理4)

(今日勝って率直な感想)優勝につながって、明日勝てば優勝なので、一勝できて良かったです。(自身2回目の早慶戦出場。いかがでしたか)昨年とは立場が違い、スタメンとしての出場ということで、かなり緊張したのですが、思ったよりかは緊張せずに、リラックスして臨めたので、良かったと思います。(5回まで慶大打線にヒットがない中、口火を切る2塁打)1番か2番のどちらかが出塁しなくてはいけないので、天野が打てなくて、フォアボールでもいいので塁に出られればと思っていたところに、たまたま甘い球が来てうまく打てたかなと思います。(6、7回の満塁弾、両方の本塁打で走者でした。その時の心境は)どちらのホームランも大体すぐに分かるような打球だったので、本当に嬉しいの一言です。やった!という感じでした。(今日の自分を百点満点で評価するなら)70点くらいです。フォアボールが選べたこと、ヒットが打てたこと、守備でミスがなかったことは良かったです。ですが、第1、第2打席で打てる球が打てなかったりして、無駄にした打席がありました。その時にもっとチームのために何かできればと思ったので、そこが残りの30点です。(チームとしての反省点)フォアボールが多かったというのは反省ではありますが、取られても逆転できる粘り強さというのは出せました。もう少しフォアボールが減らせれば、よりスムーズに勝てたと思います。圧勝できるように頑張りたいです。(明日勝てば優勝。意気込みを)よく言っているのですが「運を強くする」ために、やることをやって、準備をしっかりして、明日に臨みたいと思います。

 

郡司裕也(環2)

(今の率直な感想は)勝ってよかったです。(打率トップの加藤選手を無安打に抑えました)やっぱり一番警戒していましたし、一球一球考えてリードしました。ボンバー(髙橋佑選手)もよく投げてくれました。ナイスピッチングでした。(今日は郡司選手の盗塁もありました)小島選手は牽制がいいのでそこを研究していました。監督から自由盗塁のサインも出ていて小島選手もこっち側を全然見ていなかったので、ほぼギャンブルで走りました。大成功でした。(今日の勝因はなんでしょう)しみしょ(清水翔選手)さんと達(柳町選手)が満塁弾打ってくれたのはもちろんですけど、逆転された後も誰も諦めていなかったですし照屋さんが塁にでてくれたり、四球で繋げたり、みんなで得点に繋げられたところだと思います。全員のまとまりが出た結果だと思います。(逆転された7回を振り返って)佐藤晋選手にホームラン打たれた時はやばいなと思ったんですけど、倉田さんがファインプレーしてくれたり野手全員頑張ってくれたので最少失点に抑えられたと思います。(優勝がかかっている明日の第2戦に向けて一言)明日は僕がお立ち台に立って優勝を決めたいと思います!

 

髙橋佑樹(環2)

(試合を振り返って)7回が申し訳なかったです。清水翔さんが満塁ホームラン打ってくれて、そのまますんなり抑えるのを期待してたと思いますが、先頭のホームランはともかく、そこからしっかり投げきれなかったのは反省です。(立ち上がりは完璧だったが)自分でもびっくりするぐらい結果がよくて、ものすごい緊張してましたが、自分の感覚で投げられました。決めなきゃいけないところで、しっかり決めることが出来たと思います。(5回途中までノーヒットだったが)絶対にノーヒットは無いと思っていたので、打たれた瞬間にはがっかりしましたが、それほどショックではなかったです。(7回に関しては)球が高くなってしまいました。それでストライクがとれなくなって、四球を出したのが一番良くなかったと思います。(明日に向けて)明日勝たないと、僕たちは目標を達成することが出来ないので、絶対勝つために全員で力を合わせたいと思います。

 

髙橋亮吾(総2)

(早稲田に一勝した今の率直な気持ちを教えてください)率直に嬉しいですが明日勝たないと優勝できないので、2連勝じゃないと意味がないので切り替えて明日の試合頑張ります。(初めての早慶戦はいかがでしたか)去年の秋ベンチに入っていて場の雰囲気は分かっていたので、実際に立ってみてあまり緊張しなくてよかったです。(今日の試合で特に良かったところは)先頭のフォークで三振とれたのが良かったです。(反省点はありますか)内野ゴロ・犠牲を打たせて、たまたま点を取られてしまいましたが自分的には悪くはなかったかなと思います。(ピンチで自分の出番がまわってきたとき、どのような意識で投げましたか)外野にフライが飛んだら1点取られてしまうので、1点もあげられない状況でした。相手が変化球を引っ掛ける事が多いので引っ掛けさせられればいいなと思っていました。(今日の自分を100点満点で表すなら)75点です。25点分は)右の外のストレートが少し内に入っていて、今日はたまたま球速があって合わせられましたが明日同じ球を投げたら打たれる可能性があるのでそこを意識したいです。(明日の試合に向けて意気込みをお願いします)今日の勝利は明日勝って優勝するための通過点なので、切り替えて明日頑張ります。

 

柳町達(商2)

(今の気持ちは)第1戦取れて良かったです。(優勝の懸かった早慶戦はどうでしたか)人が多かったですね。だけど、グラウンドに入ったら自然と集中できました。(6回の第3打席は敬遠でした)まさか敬遠されるなんて思わなかったので、びっくりしたんですけど、後ろの岩見さんが打ってくれると信じていました。(次の打席でホームランを打ちました)あの打席は狙い球を絞って打席に入って、それを初球からしっかり振っていこうという意識で立ちました。いい感じで振り抜けました。(打った球は)スライダーでした。肩口から入ってくるスライダーを完璧に捉えられました。(明日に向けて)優勝するには明日勝たないと意味がないので、明日全員で死に物狂いで頑張ります

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