7月15日(土)、等々力陸上競技場にて第16回早慶女子サッカー定期戦が開催される。今季、慶應義塾体育会ソッカー部女子は伊藤洋平新監督が就任し、新たな時代をスタートさせた。ケイスポでは、「史上初の早慶戦勝利」を目標に掲げる選手たちにインタビューを実施。今年の定期戦への意気込みをうかがった。
第2弾となる今回は、奥本くるみ(環2・浦和レッズレディースユース)、工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)、松木里緒(環2・常盤木学園高)による2年生対談をお届けする。昨季は1年生ながら多くの出場機会を得た彼女たち。今季は、中心選手として開幕からチームを引っ張っている。定期戦勝利には3選手の活躍が必要不可欠。そんな彼女たちに、お互いの印象や今季ここまでの総括、そして定期戦への思いなどを語り合ってもらった。
[取材日:6月29日(木)]
――まずは他己紹介をお願いします!
工藤 里緒はちょこちょこしてて、ドリブル上手くて、体の使い方がすごい上手いなって思います。くるは、なんか見た目さっぱりしてるんですけど、試合になるとすごい熱いプレーをしてくれるので、頼れるDFです。
奥本 真子は、常に安定したプレーしてくれるのでボール預けてもすごい安心できます。里緒は、真子も言ってたんですけどまあ見た目がこの小ささで(笑)、それを生かしてすばしっこいプレーしてくるんで、里緒のディフェンスするの嫌です。
一同 (笑)
松木 真子は、やっぱりメニーナからやってきたこともあって、すごい技術が誰よりもしっかりしてるなっていうのが一番感じることで、それにプラスして攻撃面でも守備面でもやっぱりチームに欠かせない存在だなって思います。
工藤 あざっす!(笑)
松木 くるは、まあ普段結構おっとりしてて、結構サバサバしてる感じなんですけど、真子も言ってたように試合になるとすごいディフェンスラインをコントロールしてくれて、頼りになるDFです。
――皆さんは好きな選手やプレーを参考にしている選手などはいますか?
松木 私は岩渕真奈選手(INAC神戸レオネッサ)が、やっぱり小柄っていう自分と似たこともあって、小柄でもボールの持ち方だったり体の使い方っていう部分ですごい海外の選手とも対等にやれてるので、そういう面では参考にしてます。
――他のお2人はいかがですか?
工藤・奥本 特にいないです(笑)。
――ソッカー部女子は一言で表すとどんなチームですか?
松木 一言って難しいね(笑)。
一同 (笑)
工藤 いろんな人に愛されてるかなって思います。
奥本 慶應は、なんだろ。サッカーだけじゃなくて結構いろんなことにみんな一生懸命だなって思います。
松木 帰国子女だったり、クラブチームから上がってきた人もいれば、高校の部活動でやってきた人もいて初心者もいたりする中で、様々なバックグラウンドを持った選手がいるので、サッカー面だけじゃなくて勉強面とかそういう私生活の面でもお互いが刺激しあえるチームだと思います。
――工藤選手と奥本選手はユース出身、松木選手は部活出身ですが、何か違いを感じることはありますか?
奥本 違い? なんだろう(笑)。
工藤 部活は結構団結力があるイメージがあります。クラブチームとかは、まあ団結力がないってわけじゃないんですけど、何だろう、チームに勝つために試合に出られるメンバー11人で戦ってた感があって、でも部活はみんなライバルでありながらも、お互いを支え合う感じがあるのかなって思います。
奥本 私は、結構真子と似たような感じで、クラブチームはなんか常に争いっていうんですかね、試合に出られるメンバーが限られていて、何人かいる中でやっぱり11人しか出られないわけだから、1人1人が何て言うんだろう…分かる?(笑)
工藤 うん、分かる(笑)。何か、ね。
奥本 ね、違うよね、たぶん。やっぱり競争意識が強いっていうのがクラブチームで。まあ部活はでもやっぱ、たぶん私たちのクラブチームよりいっぱいいるんですよ部員が。出られない人がかなりいる中でも、みんなで支え合ってる感じは部活の方があるのかなって思います。
松木 クラブチームはやっぱり「サッカーをやるために集まった集団」っていうイメージがあって、その中でセレクションとかもあったりするチームもあるし、サッカーをやるためだけに集まったスペシャリストっていうか…。
一同 (笑)
松木 高校の大会もレベルは高いんですけど、それでもやっぱりクラブチームの大会っていうのはすごいもっとレベルが高いなっていうイメージがあって、クラブチーム上がりの選手はやっぱり違うなっていうとこはすごい最初に感じました。
――今季これまでのチームの戦いぶりを振り返っていただけますか?
工藤 勝ちきれるところで勝ちきれない試合だったり、関東リーグ2部でやってて、絶対負けられない、やっぱり1部に昇格するには勝ち点3が必要な中で、本当にもったいない試合とかたまにしてしまう時もあるので、そういうのがもったいないというか悔しいというか、そこを勝ちきれたらよかったのになっていう試合がたくさんある印象です。
奥本 やっぱり去年2部に降格してしまって、1部に昇格するには絶対勝ち点を積み重ねていかなければならない状況があって、でもその中で、やっぱり真子が言ったように、なかなか勝ちきれなかったり、あと相手によっては極端に引いて試合を運んできたり、そういう相手に対して自分たちがどうやって崩していくかとか、そういうことをもうちょっとうまく対応していったり。あと守備では、やっぱり失点してしまうことが多いので、そこを減らしていって、失点しなければ負けないので、そこは常に失点しないようにって思っていつもやりたいと思います。
松木 2人も言ってたんですけど、やっぱり勝ちきれないゲームが多くて、勝ち点3を取れたのに勝ち点1に留まったりした結果が、前期終わっての4位という結果だと思うんで、毎試合ごとに課題が出てそこを改善するためにって取り組んでて良い部分もあるんですけど、なかなか修正しきれない部分とかもあって。武蔵丘短期大戦とかは3-0で無失点でしっかり得点もすることで勝ちきれた良い試合だったんですけど、尚美大戦(3△3)だったり、この前の東洋大戦(2●3)だったり、点取ってるけど失点が響いてなかなか勝ち点3を取ることができなかったりする部分もあったので、しっかり無失点に抑えて、かつ得点をしっかり取れるチームになっていかないといけないなとすごい感じました。
――昨季からスタメンとして起用され主力として定着している皆さんですが、昨季と比べて自分の中で変化したと思う部分はありますか?
松木 去年は4年生に引っ張られてる感がすごいあって、でも今年は去年主力だった4年生がいなくなった中で、特に下級生が試合に多く出ている状況で、やっぱり自分たちが引っ張らなきゃいけないっていう思いが、責任感がすごい強くなってきたなっていうのが昨年と違うところだなって思います。
工藤 去年のポジション的にはトップ下っていう位置だったので、結構攻撃に関わることが多かったんですけど、今年はボランチで攻撃面でも守備面でもチームのために走ったり、やらなきゃなっていう感はすごいあって。さっき里緒も言ってくれたんですけど、去年主力だった4年生が抜けて、今このチームはすごい若い人たちが出てる中で、その中でもうちらの代がしっかりやらなきゃなっていうのはすごいあります。
奥本 個人的なんですけど、去年は自分のプレーを全うするっていう気持ちが結構強くあって、でも今シーズン下の学年の子が入ってきて、その中でやっぱり自分のプレーをただ全うするだけじゃなくて、もっと周りを見たり、自分から主体性を持ってやらないといけないと思って、でも全然まだまだできていない部分も多いので、もっと頑張らないとなって思ってます。
――今季より指揮を執る伊藤洋平監督はどんな方ですか?
松木 難しい(笑)。
工藤 何だろうね(笑)。
奥本 何かあったよね(笑)。
工藤 細い。
一同 (笑)
奥本 見た目(笑)。見た目ね(笑)。
工藤 スタイルは良い。
松木 それは間違いない(笑)。前監督の岩崎さん(岩崎陸前監督)もそうだったんですけど、伊藤監督もすごい情熱的な監督だと思います。
工藤 選手想いな、スタイルの良い監督。
一同 (笑)
――野村智美(総4・作陽高)主将はどんな方ですか?
工藤 バモ(笑)。
一同 (笑)
工藤 智美さんは誰よりもチームのことを考えてくれてて、すごい周りを見てるなって。何か、ね、怖い時あるよね(笑)。
一同 (笑)
松木 怖い時ある(笑)。
――今季のチームの雰囲気や魅力について教えてください。
工藤 フレッシュ?(笑)
奥本 プレー的なことなんですけど、すごい昨シーズンより点取れてると思うんですよ。攻撃の流動性があるので、私ディフェンスなんですけど、後ろから見ててなんか「あー、すごーい」って(笑)。
一同 (笑)
奥本 すごいって思って。上手いなーっていう感じです(笑)。
一同 (笑)
松木 去年はやっぱり4年生がほとんど試合に出てたっていうこともあって、4年生が引っ張るチームだった感じがあったんですけど、今年は下級生が試合に多く出てる中で、4年生が引っ張りつつも下級生が支えられてるチームかなって思います。
工藤 同じで(笑)。
――2年生はどのような代ですか?
奥本 個性が豊かです。とにかく。
工藤 そうですね(笑)。
一同 (笑)
工藤 不思議だよ、ほんとに。
松木 うん、面白い。
――1年生の印象はいかがですか?
工藤 すごい上手いなっていう印象で、やっぱり一緒にプレーしてても何かフィーリングが合うというか、すごい一緒にサッカーやってて楽しいです。
奥本 サッカー上手いです。レベル高いよね、みんな。
工藤 うん、高い。
松木 1年生仲良さそうです。
工藤 ずっと一緒にいるよね(笑)。
松木 2年生はバラバラではないけど、でもあんまり11人揃わないね。
工藤・奥本 そうだね。
松木 良い意味で個性が豊かです(笑)。
一同 (笑)
――オフの日は何をして過ごしていますか?
松木 オフの日は学校(笑)。
一同 (笑)。
松木 学校とバイトとあとたまーに外に遊びに行ったりはします。
工藤 自分はひたすら映画とか海外ドラマを見て過ごしてます。
松木 そうだね。くるのオフよく分かんない(笑)。
奥本 そうだよね、みんな分かんないよねたぶん。
松木 全然分かんない(笑)。
工藤 家でぼーっとしてる?(笑)
奥本 私は、食材買いに行ってます(笑)。一人暮らしなので。まああとは学校とかです。
一同 (笑)
――昨年初めて定期戦を経験して、どのような印象を持ちましたか?
松木 やっぱり早慶定期戦は1年に1回で、開催するにあたっていろんな人が尽力してくれて開催してるもので、早稲田と戦える、しかも等々力競技場で戦えるっていうのはやっぱりすごいことだなっていうのは改めて思って、負けられない戦いだなって思います。
工藤 去年とかすごいいろんな人が応援に来てくれて、ほんとに負けられない試合なんだなってすごく感じて、だから今年も絶対負けられないし、みんなで笑って早慶戦を終えたいなって思います。
奥本 早慶戦って聞くだけで何かドキドキしちゃうし、興奮するぐらい誰もが勝ちたいと思うすごい舞台だと思うので、まあどんな試合でも勝たないといけないといけないのはそうなんですけど、やっぱ早慶戦っていうのは特別で、慶應を背負って戦ってるっていう思いを一番強く感じます。いろんな人が早慶戦にあたって尽力してくださってるし、たくさんの観客の方も見に来てくださるし、場所も等々力陸上競技場っていうすばらしいところでできるので、もう絶対に勝つしかないって思ってます。
――リーグの早慶戦と定期戦はやはり特別感が違いますか?
工藤・奥本・松木 全然違います。
――では最後に今年の定期戦に向けて意気込みをお願いします!
松木 去年はチャンスをものにできずに、流れを変えられずに敗戦してしまって、すごい悔しい思いがあったので、今年はしっかりチャンスをものにして得点して、チームに貢献できるように、絶対初勝利を慶應が勝ち取れるように頑張っていきたいと思います。
工藤 去年は個人的にプレーがダメダメで、すごい悔しい思いをしたので、今年は絶対悔しい思いをしたくないし、年に1回の早慶戦なので、誰よりも熱く動いて攻撃でも守備でもチームに少しでも貢献できるように、頑張っていきたいです。
奥本 絶対に今年こそ初勝利したいと思ってるので、ディフェンスとして絶対体張って、無失点で絶対勝ちたいと思います。
――皆さんありがとうございました!
(取材 髙橋春乃)