慶應スポーツ新聞会

【ソッカー(女子)】見せつけた“勇姿”…定期戦初勝利はお預けも、若き荒鷲は美しき敗者に 第16回早慶女子サッカー定期戦

あと一歩、届かなかった。伊藤洋平新監督の下で臨んだ初めての早慶定期戦。「守備の慶應、攻撃の早稲田という構図を変えよう」(伊藤監督)と若きチームは果敢に戦った。しかし、30分にCKで喫した失点が最後まで響き、0-1で無念のタイムアップ。またしても定期戦初勝利はお預けとなったが、その勇姿には大きな拍手と歓声が送られ続けた。

 

第16回早慶女子サッカー定期戦

 

2017/07/15(土)15:30KO@等々力陸上競技場

 

慶應義塾大学0-1早稲田大学

 

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕

〔早〕30分 河野朱里

 

◇慶大出場選手

GK野村智美(総4・作陽高)

DF佐藤幸恵(総1・十文字高)

DF奥本くるみ(環2・浦和レッズレディースユース)

DF熊谷明奈(総1・十文字高)

DF足立智佳(環1・大阪桐蔭高) →88分 鈴村萌花(総3・村田女子高)

MF松木里緒(環2・常盤木学園高)→84分 齋藤宇乃(理4・慶應湘南藤沢高)

MF中島菜々子(総3・十文字高)

MF工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)

MF小川愛(総1・神村学園高)

FW志鎌奈津美(環3・常盤木学園高)→60分 山本華乃(理1・山手学園高)

FW鈴木紗理(総1・十文字高)

 

女王との大一番がやってきた。今年で16回目を数える早慶女子サッカー定期戦。会場となった等々力陸上競技場には、慶大が「史上初の定期戦勝利」を挙げる瞬間を見届けようと多くの観客が駆けつけた。伊藤洋平監督は9日に行われた関東リーグ後期第3節・国士大戦(2○0)と同じ11名を先発に起用。「守備の慶應、攻撃の早稲田という構図を変えよう」(伊藤監督)と、新たな歴史を刻むべく新体制での初の定期戦に臨んだ。

 

立ち上がり、慶大は前線から厳しく圧力をかけて早大を混乱させる。開始早々の1分、小川愛(総1・神村学園高)が右サイドの高い位置でボールを奪取。これはチャンスにつながらなかったが、アグレッシブな姿勢を見せる。9分には中島菜々子(総3・十文字高)が前線で体を張ると志鎌奈津美(環3・常盤木学園高)へとボールが渡り最後は松木里緒(環2・常盤木学園高)がシュート。ここは相手の体に当たりゴールとはならなかった。早大も徐々にチャンスシーンを作り始め、一進一退の攻防が続く中、30分に試合が動く。慶大はCKを押し込まれて失点。1点を先行されてハーフタイムを迎えた。

 

後半立ち上がり、慶大は再び前からプレスをかけて流れを取り戻しにいく。60分には志鎌に代えて山本華乃(理1・山手学園高)を投入。さらに鈴木紗理(総1・十文字高)をボランチの位置に下げて工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)を高い位置に配す。すると、この策が功を奏して徐々にチャンスが。70分、ピッチ中央でボールを持った鈴木が右サイドの足立智佳(環1・大阪桐蔭高)へ展開。足立が粘りを見せると、小川が相手のPA内に侵入する。クロスは惜しくも味方に合わなかったが、早大ゴールを脅かした。その2分後には小川からボールを受けた足立のクロスに山本が足で合わせていったが、これもゴールならず。最後の最後まで攻めの姿勢を貫いた慶大だったが、このままスコアは動かず試合終了。またしても、定期戦勝利の夢は叶わなかった。

 

「楽しかった」。野村智美(総4・作陽高)主将の言葉に、異論を唱える者はいないだろう。新たな歴史を作るべく、彼女たちは臆することなくこの一戦を戦い抜いた。もちろん、負けは負けであり、記録に残るのは0-1という試合結果だけである。しかし、この試合を見届けた観客の記憶には、その勇姿が刻み込まれたに違いない。彼女たちが見せた大きな可能性、野心。それが大きく花開く時、この試合の価値が証明される。

 

(記事 小林将平)

↓この試合の写真はこちら↓

試合前① 試合前②

試合写真① 試合写真②

試合後① 試合後②

 

試合後コメント

 

伊藤洋平監督

(試合を振り返って)悔しいですね。ほとんどゲームプラン通りに進んでいたんですけど、まあセットプレー一発でやられたって感じですね。(国士大戦後のインタビューからも相当自信があるように感じていたが)そうですね、策は練ったんですけど、選手は本当に頑張って、ただやっぱり早稲田は1枚上手だなと感じたんで。悔いはないですね。(早大も面食らった部分があったのでは)そうですね、守備の慶應、攻撃の早稲田という構図を変えようかなといろいろ試みたんですけど、見ている人にも伝わったんじゃないかなと思います。(狙いどころとしては)やっぱり高いサイドの裏のスペースを突くことと、あとは前半後半で立ち上がりの15分に前からかける、そこから1回引いてみるとか、プレスのかける位置を変えたりしてっていうゲームプランを立てていたんですけど、まあちょっとCKのところでね。1点だったら返せるかなと思ったんですけど、やっぱりあと一歩のところで及ばなかったですね。(ハーフタイムの指示は)やっぱりいけている時間は、立ち上がりの15分みたいにあっちのミスも誘えていて、0-1で負けているということで「もう1回行こう」ということと、あとは素直にサイドチェンジさせすぎたので、FWに「もう少しセンターバックを抑えよう」と。あとは球際のところとかヘディングのところですね。(鈴木選手と工藤選手のポジションチェンジ、山本選手の投入で流れが一気に変わったが意図としては)65分のところから勝負をかけるという話をしていたんで、まあピッチにはほとんど声が届かないんですけど(笑)、本当にみんながその意図をくみ取って、一つになったのかなと思います。(セットプレーの失点だけだったが相当に悔しいのでは)悔しいですね。まあサッカーってこんなもんですからね。(今後に向けて取り組むこととしては)もう一つの目標である「大学リーグ1部昇格」というのがあるので、選手たちは今日の敗戦を、もちろん悔しいという気持ちもあると思うんですけど、同時に手応えも感じていると思うので、方向性っていうのをしっかりぶらさずに、また良い準備をしていきたいと思います。(このレベルの相手と今日対戦できたのは大きな収穫では)本当にそうですね。早稲田さんのおかげで、我々もこの2週間本当に良い準備ができたので、本当に感謝していますね。(応援してくださった方々にメッセージを)何とか新しい体制でのチームで歴史を変えようと頑張ったんですけど、一歩及びませんでした。本当に皆さんの応援のおかげで、最後90分笛が鳴るまで走り切ることができました。本当に感謝しています。

 

野村智美(総4・作陽高)主将

(試合を振り返って)いや~、勝ちたかったです。本当に勝ちたかったなというのが一番に出てくるんですけど、でもチーム全員が言っていたんですけど単純に楽しかったなっていうのもあって、早稲田相手に戦えたなって言う手応えもあったし、自分たちがやりたかったことができた場面も間違いなくあって、それは自信につなげて、ここで終わるわけじゃないので、この先のリーグ戦につなげていきたいなって、そういうふうに切り替えていきます。(自身最後の定期戦となったが)そうですね。定期戦は間違いなく最後で、そういう意味では本当に1年生の頃からピッチに毎年出させてもらっていて、結果を残したかったし残さなくちゃいけなかったなというのはすごく感じていて、そこだけが唯一の悔しさが残るところですね。でも間違いなく1年生の時よりはできたことも多かったし、自分自身の中でも成長したなという部分が多かったので。(今日はかなり手応えを感じたか)そうですね。本当に頼もしかったです、フィールドプレーヤーが。やっていて本当に力強かったし、早稲田相手にビビっている人なんて1人もいなくて、自分たちがやっているんだぞっていうのをすごくプレーで体現してくれていたので、キーパーとしても主将としてもチームにすごく誇りを感じました。(多くの方々が観戦に来ていたが雰囲気は)もう最高でしたね。本当にワンプレーワンプレーで後押しをしてくれていたし、それが自分の力になったっていうのは実感できていて、だからこそ結果でしっかり示したかったなというのはあるんですけど、でも本当にそれは自分の力になったので、一人ひとりお礼を言いに行きたいです。(試合前の狙いは)格上の早稲田に対してしっかり時間帯で前から行くところとセットして入るところというのを使い分けていこうという話をしていて、それがうまくはまって早稲田も立ち上がりは動揺していましたし、そこはすごく監督も一緒になって早稲田に対して準備した成果が出たかなと思います。(失点もCKからの1点のみだったが)そうですね。だからこそあれを止めたかったんですけど、でも本当にディフェンスも目の前で体を張って守ってくれていて、自分の前にGKがいるくらい、本当に心強かったです。(最後に応援してくれた方々にメッセージを)本当に最後の最後まで声を出し続けて励まし続けてくれて、それが私の力になったので、本当に今日の90分間はすごく幸せな時間で、自分の一生の思い出になると思うんですけど、これから続く大学サッカー人生ももっともっと上手くなって成長した姿を見せられるように頑張るので、これからも応援し続けてください。

 

中島菜々子(総3・十文字高)副将

(試合を振り返って)今までの定期戦に比べれば攻められるチャンスも多かったんですけど、やっぱり早稲田強いなって思わされたと同時に、悔しいなっていう気持ちが強いです。(今年は一度きりの早慶戦だったがどのような思いで臨んだか)今年こそは勝つっていうのと、本当に多くの人に支えられていて、その中で恩返しをしたいっていう気持ちが強かったです。本当に勝って恩返しをしたいっていう気持ちで臨んでいました。(立ち上がりは守備が安定していて流れが良かったが)前半の立ち上がりと後半の立ち上がり、前からプレスをかけようっていう自分たちの中でチャレンジをしていて、それがハマって結構自分たちのチャンスも作れていたんですけど、やっぱそこで点を取りきれなかったっていうのが苦しかったなって思いました。(後半も決定機が多く今後につながる好ゲームだったのでは)そうですね。今まで本当に早稲田と戦う時はもう守るだけっていう試合ばかりだったんですけど、今日は自分たちのチャンスも作ることができて、自分にはまだ来年もあるので、来年こそは絶対に勝ちたいと思います。(最後に応援に来てくださった方へメッセージを)本当にピッチの中で苦しい時もみんなの声が聞こえて、最後まで走ることができました。ありがとうございました。

 

工藤真子(総2・日テレ・メニーナ)

(今の気持ちは)負けたのは本当に悔しいですけど、思っていた以上に互角に戦えたと思うし、チャンスもあったし、負けてしまったんですけど自分的には後悔のない試合だったなと思います。(昨年の定期戦も経験して、今年は内容的にも結果的にも進歩したように感じるか)そうですね。去年はなかなかゴールに近づけなかったんですけど、今日はシュートチャンスもあったし、その面では成長できたのかなと思います。(互角に近い戦いをして、失点もCKからのものだけだった)そうですね。セットプレーでやられてしまったのは本当にもったいなかったなと思います。(後半途中から前にポジションを移したが意図は)(鈴木)紗理とポジションを変えて、自分がボールを持ったらもう前を向いてドリブルで仕掛けて、少しでもゴールに近づこうという意識でプレーしていました。(その辺りは通用したか)いや、まだまだやっぱり早稲田のディフェンスは堅かったですし、もっと自分が打開できるような能力をつけていかないと通用しないなと感じました。

 

試合後のお忙しいところにインタビューに応じてくださった伊藤監督と選手の皆様、ありがとうございました。また、このたび我々の取材活動にご協力いただいた皆様にも、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 

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