慶應スポーツ新聞会

【ラグビー 】春季大会開幕前特集第1弾。金沢篤HC

 

就任4年目を迎えた金沢HC

春季大会開幕が1週間後に迫った。

今年は春季リーグをAグループで戦うため、王者帝京大などなみいる強豪校と相見えることとなる。

初戦は4月28日。相手は昨年、慶大の日本一への道のりに立ちふさがった難敵、大東文化大。初戦から楽しみな対戦カードだ。

我々は、春季リーグ戦が開幕するにあたり、慶應蹴球部に計4回取材させていただいた。

その第1弾は、就任4年目を迎えた金沢篤HC。

現在のチーム状況はもちろんのこと、大学日本一になるために必要なことなどを伺った。

 

——昨年度は大学選手権準準決勝敗退で終わりましたが、大学選手権で優勝するために必要なことは

よく選手に言っていることですが、最後はベーシックなスキルの精度が優勝しているチームには備わっているなと感じています。ラグビーには魔法があるわけではないし、すごい戦術があってこれをやると絶対トライを取れるとかそういうものはなくて、最後は基本の積み重ねで、基本の精度が劣っている方が負けます。今になってわかったことではないのですが、やはりそれは改めて、その通りだなと思います。

もう一つは選手層です。長いシーズンなのでけが人も出てきます。当然その時のベストメンバーを組みますが、人が変わっていくなかでも同じように力を発揮できる準備を一年間していかないと最後に追い込まれてしまうのでその部分は意識してやっています。

 

——基本の精度を高めるために練習で取り組んでいることは

単純に回数を重ねることだと思います。ただ回数を重ねるだけではなくて、正しいスキルや正しい形でまずは量をやることが重要だと思っていて、やはりなにをやるにしても無意識にできるようにならないといけないんですね。ラグビーだと相手がいてプレッシャーもかかる中で、例えばキャッチング一つでも正確にやらないといけません。でも、実際にボールがきたのを、まず手をあげて、キャッチしてというふうに考えていたら無理なわけですよ。だから、練習から高いプレッシャーの中でプレーを繰り返し繰り返しやって、無意識にできるようになるというのが一番重要なのかなと思っています。

 

——今年度のチームの目標はやはり日本一か

はい。そうです。

 

——どういう戦いを目指していくか

この3年間で全く変わっていなくて、自分たちの強みといいますか、出したいラグビーのスタイルというのは3つあります。一つ目はディフェンス。二つ目はライズという運動量の部分。そして三つ目はコンタクトプレーでの激しさ。慶大蹴球部ではフィアースと読んでいます。この3つを自分たちのスタイルとしています。その部分が変わるということはないです。

 

——学生リーダーが8人の理由は

基本的にはポジションごとにリーダーを置きました。そして、コーチングスタッフがたくさんいるわけではないので、学生の中でもリーダーシップを発揮してもらってやってもらいたいという中で、自然とあの人数になりました。その時のメンバーなどによって人数が変わったりはしますが、今年はあの8人がベストなメンバーだということでそうしました。

主将は同期の中で話してSO古田京(医4・慶應)に決まり、その後に古田と自分が話してじゃあこれでいこうかと考えをすり合わせて決まりました。

 

——学生リーダーに期待することは

一番は、ある程度ポジションに分かれているのでその中でリーダーシップを持って引っ張っていって欲しいです。100人以上部員がいますので全て自分ではできませんし、彼らがそれぞれの小さいユニットでリーダーシップを発揮することが一番求めることかなと思っています。

 

——医学部生の古田さんが主将することに対して思うことは

今いろいろな取材があって医学部にすごくフォーカスされています。僕は医学部ではないのでわかりませんが、他の学部も普通に勉強しますし、授業も出て夜遅く帰ってきます。だから、医学部だけが大変なわけではないと思いますので、あまりそこについては医学部だからどうということは特にありません。

 

——主将にはどういう役割を期待するか

主将としてチームをしっかりと引っ張ることだと思います。議長ではなく、リーダーなのでみんなの意見を取りまとめるというよりも自ら先頭に立ってリードしていけるような主将になって欲しいと思っています。その人のスタイルもあるので微妙に変わるとは思いますが、やはり主将というのはチームを代表してリードしていく人だと思うので彼にはそういうことも話していますし、そういう役割を期待しています。

 

——金沢HCが就任4年目の年で、一年生の時から見ている選手が初めて四年生になりますが楽しみな部分は

コーチングすることが好きですし、それぞれの代でどういうラグビーができるのか、部員たちと話し合いながら目指していて、どの代でも楽しみにしてシーズンを迎えています。ただ、四年間やっているということで、ある程度自分がどういうラグビーをしようとしているのかを彼らが理解してくれているというのは現実的にあると思います。

 

——特に指導する上で大事にしていることは

自分のコーチングで言うと、どうやって選手のモチベーションをあげるかということが一番重要だと思っています。グラウンドでプレーするのは選手で、自分がプレーするわけではないですし、自分がどんなに気合いを入れても選手が気合入っていなかったらいいチームにはなりませんよね。時期的に今は始まったばかりなので日本一から遠い所にいるわけですよね。だから、どうやったら彼らが、この時期に決勝の前の日と同じような気持ちでいられるかが重要だと思っていて、彼らのモチベーションをどうやってそこに持っていくかが重要だと思っています。

 

——佐藤大樹(2017年度卒・総)選手が慶應には厳しい声がもっとあっていいというようなことを話していましたが、そのように思ったことは

それはたくさんありますよ。完璧なチームはないと思いますので当然。しかも去年は準々決勝で負けていますし、今慶應の取り組む姿勢が一番素晴らしいというわけでもないので、常によりよい練習、よりよい試合ができるように昨日よりも今日が、今日よりも明日がよくなるようにしていくしかないなと思います。だから、いつもそういう風に考えることばかりです。

 

——練習で声を出したりする部分は選手に任せることが多いのか、自ら言うことが多いのか

その日の練習や、その一週間の練習など、いい積み重ねができないと勝てないですよね。当然選手に任せるときもあれば自分で声を出さなければいけないときもありますし、どっちというのはそのとき選手がどう考えているかを感じながら選んでいます。

いい一週間、いい1日を過ごすために、今は自ら言ったほうがいいのか、ここは選手に任せたほうがいいのかは考えながら取り組んでいます。

 

——現在のチームの雰囲気は

よく選手で話し合いながらやっていると思います。特に、グラウンドから上がってきた後もみんなでビデオを見たりとか、そういうことはよくしているので、少しずつ自分たちでラグビーにかける時間も増えてきたと思いますし、そういう意味ではいい方向に進んでいると思います。

 

——新四年生の仲の良さはプラスに働いているか

最終的にそれがポジティブかネガティブか決めるのは結果だと思うので、今の時点ではなんとも言えません。

物事全てに表と裏があると思いますので、仲がいいということは佐藤も言っていたようにある意味では馴れ合いになることもあると思いますし、強いことが言えなくなったりすることもあります。だからそれを理解して行動できていればいいのではないかなと思います。

 

——昨年スターターとして出場していた選手が半分ほど抜けましたがどう対応していくか

トレーニングしかないと思います。大学ラグビーはそういうものなので。今回のキックオフミーティングでもいろいろなデータを出して、過去はこうだったというのを出しますが、大学ラグビーではまた新しいチームになります。半分以上メンバーが入れ替わるため、去年のデータは実際にはそこまで今年に影響するわけではありません。一つの歩みとしてはいいと思います。毎年同じではありますが、もう一回、一から作り直すと言ったら変ですが、新しい選手がそこに入ってくるのは楽しみでもありますし、一方で、下から上がってきた選手を育てていかないと次に続かないという危機感はあります。

 

——佐藤さんの代の選手たちが抜けた部分は現在どういう状況か。代わりになる選手はすでにいるか

これからだと思います。例えば去年までジュニアチームにいた選手でも、シニアに上がると急に伸びたりなど、周りに引っ張られてプレーもよくなったりしますので、秋に勝てるチームになるようにしっかり育てていきます。

 

——慶大の強みであるFWのスクラムやラインアウトは今年も強みになり続けるか

そのようにしていかないといけないと思います。スクラムに関しては大東文化大戦で相当苦戦を強いられました。それだけではありませんがその部分が結果にも繋がったと思いますので、引き続き強化をして強みにしていきたいなと思っています。

 

——BKの戦力は

いくつか四年生が抜けたところもありますし、逆にハーフ団ですとか、BK3も少し残っていたりします。

ただ、誰がけがをするかわからないので、しっかり下の人を育てていかないと長いシーズンで勝ちきるのはすごく難しくなります。だから、表面的に抜けた部分というよりはしっかりと下のグレードにいる選手たちを育てて、2セット、3セット、Aチームでできるような選手がいるという状況を作っていきたいと思っています。

 

——特に重点を置いて練習していることは

1月から3月は基本的にはベーシックなスキルのところを一番フォーカスしてやっています。

 

——ベーシックなスキルというと

個人のタックルですとか、ハンドリングですとか、ボールキャリーの仕方、そういう細かいところの自分たちが一番大切にしている部分に最も時間を費やしています。そこにこれからまた試合が始まるので少しチーム的なこともやっています。

 

——日本一への道のりの通過点である春季リーグを慶大はどういったスタンスで戦うか

基本的に考え方はあまり変わっていなくて、プロセスをしっかり大事にしたいということ、春季大会の1試合目までに自分たちがどういうことを練習して何をそこで達成したいのか、そして達成できたかどうかというところを大事にしていかなければいけないと思います。そして、勝ちにこだわるかどうかというのは少しメンタル的な部分でもあると思います。当たり前ですけど試合ですから勝とうとは思っています。負けていいやと思いながら試合をする人はいません。勝ちにはいつもこだわります。ただ、秋と比べると、日本一になるために一年間どうやってトレーニングしていくのかというのがありますので、春のある時点までのトレーニングの中でやってきたことを試合でできているのか確認しながら、進んでいくのが一番重要なのだと思います。

 

——他大学の動向は注目しているか

3年やっているので、どういう選手が残っているかは当然わかっています。しかし、他大学の動きと言っても練習が見れるわけではないですし、特に気にはしていないです。

初戦は、去年最後に負けた大東文化大との試合なので、楽しみにしています。

 

——金沢HCが学生時代の慶大蹴球部の雰囲気は

よく走っていたイメージがあります。今とは少しラグビーが違います。今はルールも変わりましたし、フィジカルも全然違います。ただ、ハードにやっていた記憶だけはあります。日々必死にやっていたイメージでした。周りに比べると慶大は比較的コーチングがあったので理不尽なことというよりはしっかり理論で組み立てられた練習でトレーニングしていたと思います。

 

——ファンの皆様へメッセージを

ご声援、ご支援本当にありがとうございます。応援してくださる方々のおかげで成り立っていると思っております。皆様には慶應のラグビーの魅力を感じてほしいです。必死にトレーニングしてそれを公式戦の場で出します。そして、見ている方々の心をふるわせられるような、感動するような試合をしたいと思っておりますので、是非グラウンドに足を運んでいただいて、選手に声をかけていただければと思っています。

 

お忙しい中ありがとうございました。

 

春季リーグ日程

4月28日(土) VS大東文化大 13:00KO(慶大日吉グラウンド)

5月5日(土)  VS流通経済大 14:00KO(保土ヶ谷公園ラグビー場)

5月20日(日) VS明治大   13:00KO(石巻市総合運動公園フットボール場)     

6月3日(日)  VS東海大   13:00KO(東海大学グラウンド)

6月10日(日) VS帝京大   14:00KO(富山県総合陸上競技場)

 

 

(取材:田中壱規、写真:川下侑美)

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