関東リーグ前期最終節の対戦相手は、ここまでリーグ3位の日体大。前半は押し込まれる展開になるも、守備陣の献身的な守備で失点を許さない。すると前半アディショナルタイムに山田盛央(総3・藤枝東)の上げたクロスから松木駿之介(総4・青森山田)のヘディングで先制に成功する。後半も勢いそのままに攻撃を仕掛け、幾多の決定機を作るも決め切れない。すると後半アディショナルタイムに自陣ペナルティエリア手前でファールを取られ、FKを直接決められてしまう。試合はそのまま終了し、前期最終節を白星で飾ることはできなかった。
第92回関東大学サッカーリーグ戦 第11節 vs日体大
2018/07/01(日)11:30KO @Shonan BMW スタジアム平塚
【スコア】
慶應義塾大学1―1日本体育大学【得点者】
1-0 45+2分 松木駿之介(慶應義塾大学)1-1 90+1分 伊藤 純也(日本体育大学)
◇慶大出場選手
GK上田朝都(総3・横浜F・マリノスユース) |
DF井出悠介(環4・桐蔭学園)→70分 岩崎湧治(商4・ベガルタ仙台ユース) |
DF鴻巣良真(総4・国学院久我山) |
DF篠原新汰(総1・FC東京U-18) |
DF野村京平(総3・国学院久我山) |
MF増田皓夫(商4・桐蔭学園) |
MF落合祥也(商3・横浜FCユース) |
MF山田盛央(総3・藤枝東)→90+2分 福本拓海(総3・済美) |
MF松木駿之介(総4・青森山田) |
MF江本優貴(総3・大宮ユース) |
FWピーダーセン世穏(経3・FCトリプレッタユース)→46分 多嶋田雅司(商3・国学院久我山) |
前節、終了間際の失点で辛酸をなめた慶大は、「調子の良い選手を使いたい」(冨田監督)ということもあり、トップ下に江本優貴(総3・大宮ユース)を起用。その他、中盤に落合祥也(商3・横浜FCユース)を加え、前期最終節を白星で終えるべく試合に臨んだ。
試合は前半から慶大がペースを握ったが、風下だったこともあり、攻められる時間が続く。しかし、篠原新汰(総1・FC東京U-18)のシュートブロックや、中盤での増田皓夫(商4・桐蔭学園)と落合を中心としたディフェンスで相手に得点を許さない。相手にボールを持たれるものの、徐々に裏へのスルーパスから慶大がチャンスを作る場面が増えていった。前半はスコアレスで折り返す、誰もがそう思った次の瞬間、待ち望んでいた瞬間が訪れた。45+2分、山田が右サイドから上げたクロスに、ファーサイドの松木がヘディングで合わせゴール。主将の8節ぶりのゴールで先制に成功したところでホイッスル。前半のうちにリードを奪ってハーフタイムを迎えた。
後半から多嶋田雅司(商3・国学院久我山)が1トップに入り、慶大攻撃陣はさらに攻撃の手を強めていく。前半とは打って変わって、慶大が試合を支配するも、あと1点が遠い。79分には右サイドの裏に抜け出した多嶋田が中央にスルーパスを出すと、中央で山田が横に流し、最後は走り込んだ江本がシュートするも、飛び出していた相手GKに当たり、追加点とはならなかった。その後も攻撃を続ける慶大だったが、終了間際に悪夢が待っていた。アディショナルタイムに自陣ペナルティエリア手前でファールをとられ、相手のFKは直接ゴールへ。まさかの失点で、前期最終節を引き分けで終えることとなった。
前半終了間際の劇的ゴールで先制したが、結局勝ち切ることが出来なかった慶大。思えば前節も同じように、終盤の同点弾に泣いた。前期最終節、そして早慶定期戦前最後の公式戦ということを考えると、この結果には満足いかないことだろう。今求められていることは、「チームで徹底することを徹底する」(松木)。今節、そしてこれまでの戦いの反省点を活かし、早慶定期戦、そして関東リーグ後期では強い荒鷲軍団が復活することを願っている。
(記事:中村駿作 写真:桑原大樹、髙橋春乃)
その他の写真はこちら
試合後コメント
冨田賢監督
――試合を振り返って
前期最後の試合で、一番良いゲームをしようという中で、前半は苦しみながら、風下ながらスカウティングしていた相手のウィークのところを突いて我慢しながら終了間際に得点取れてというところは良かったかなと。選手たちは本当にハードワークしていたなと。後半、今までなかなか後半になると劣勢になるような状況が多かった中、選手たちが強気に前から行って主導権を握れることが多かったかなと。最後、あれがファールだったかというのはあると思うんですけど、ああいう形で取られるってことは自分たちが足りてないところがあると思うので、そこの細かいところを直せれば。でもそこまで行けたってことは、僕の中では収穫というか、今後に繋がるゲームだったんじゃないかなと思います。
――前節からスタメンを変更した意図は
トレーニングの中でサブ組も調子が良い中で、シーズンで調子の良い選手を使いたいっていうのがあって、そういう意味で、練習で良かった選手を起用しました。
――後半から多嶋田選手を今季初のトップ起用したことについて
彼を入れた意図ってのは、前から積極的にボールを奪いに行く動きで、それがひとつメッセージになったかなって。彼の役割をすごくやってくれたと思います。
――後半はリードした状態からだったが、守り切ることはそこまで優先していなかった
守るというよりは今日に関しては前からアグレッシブに行くところで。残り10分の使い方以外は基本的に。
――リーグ戦前期最終戦ということで、これまでを振り返って
1部昇格という目標を掲げて、開幕2連敗というスタートから入って、そこから選手も非常に苦しんだと思うんですけど、その中でもひたむきに戦って、それが結果が出ないっていうのは、僕も色々な失敗とか反省もたくさんあったので、そういうのを僕自身も変えないといけないし、チームとしても一人ひとり、何か足りなくてこういう結果だと思うので、もがきながら、ちょっとずつだけど僕の中では前に進めていると思うので、後期、そして早慶戦に向けて1日1日大事にして戦っていきたいと思います。
――早慶定期戦に向けて
そういう舞台でプレーできるってのは本当に、色々なOBとか大会を支えてくれている人とか、そういう人のおかげでプレーできるって感謝の気持ちを忘れないで、ピッチに出る選手だけでなく、当日仕事とかの面で貢献してくれている人とかを含めて、慶應っていう組織を見せられたらなって、見に来て良かったなって思ってもらえるようなゲームにしたいと思います。
松木駿之介(総4・青森山田)主将
――試合を振り返って
前期の前半、なかなか歯車が合わなくて難しいシーズンを過ごしたなかで、前期の後半5試合負けなしというところまできて、ただそれも1勝4分で勝ち切れないという課題は明確にあるし、今日もそれが出てしまったので、本当に前期で一番悔しい思いをした試合でした。
――自身の久々のゴールを振り返ってチームとして右でボールを運びながら最後クロスに僕が入って仕留めるっていうのは全員の共通理解でありましたし、今日はクロスが少なかったんですけど、1本目が上がってきた時に今日は向かい風でマイナスに流れると感じていたので、少し遅れて入ってみようかなと自分の中で修正して入れて、風もうまく読みながら入っていけたので、そこで勝負あったかなと思います。
――練習通りの形だったか僕はニアに飛び込みたいんですけど、先週横浜FCのトップチームと練習試合をさせてもらった時も同じ形でゴールが決まってて、山田からのクロスっていうのは入りやすいイメージはあったので、信じて入れたシーンでした。
――勝ち切れないという課題がまた顔を出したが、後期に向けてどう改善していくか本当に前期の明確な課題で、今日は90分までいった中で勝ち切れなかったので、チームで徹底することを徹底して、どんなシチュエーションであっても共通理解を持てるチームでないといけないと思います。あらゆるシチュエーションに対応できる策、引き出しを持っていきたいなと思います。今日も相手の11番がターゲットマンとして入ってきて、そこに蹴ってくるっていうのはもう分かっていたので、放り込んでくるDFとその11番の間にしっかり入ってコースを切るとか、もっともっとできることがあったと思うので、そういったところを今日を良い経験として、後期は本当に全勝する勢いでやらなきゃいけないので、まだまだ諦めずにやっていきたいと思います。
――次の早慶定期戦に向けて本当に長い間部員の仲間たちが早稲田の部員と協力し合って作り上げる特別な舞台だし、公式戦ではないですけど、1年間の中で一番勝ちたいと思っていると言っても過言ではない試合なので、本当に日頃の感謝の思いだったりをピッチで表現しなくちゃいけないと思うので、とにかく結果にこだわって全員で戦っていきたいと思います。
鴻巣良真(総4・国学院久我山)
――試合を振り返って
勝ちゲームを勝ち切れなかった、ただそれだけのゲームです。
――1点リードを保ち、後半も慶大がボールを持てていた
相手の背後を取ろうっていうイメージでやってたんですけど、
――試合終了間際の失点について
失点はまずあそこでファールが起きてしまったことと、
--リーグ前期を振り返って
勝ち切るところを勝ち切るのと、点を取るところで点を取る、
--早慶定期戦に向けて
頑張ります。