【野球】投打噛み合い紫紺を討伐!弾みをつけていざ首位攻防戦へ 明大③

9月24日(月)東京六大学秋季リーグ戦 明大3回戦

嶋田の2号本塁打で試合を決めた

3連覇へ向け、まずは一つ山場を乗り越えた。1勝1敗で勝ち点をかけた明大との3回戦。同点で迎えた5回表に、代わった森下暢から3連打で1点を勝ち越すと、さらに嶋田翔(環2・樹徳)にも3ランが飛び出し、一気にリードを広げた。先発の髙橋佑樹(環3・川越東)も打線の援護に応え、8回3失点と中1日の疲れを感じさせないピッチングを披露。投打が噛み合う快勝で、2つ目の勝ち点を手にした。

 

慶大

 

慶大バッテリー:○髙橋佑、髙橋亮―郡司

明大バッテリー:伊勢、竹田、●森下暢、髙橋裕、入江―西野、氷見

 

慶大本塁打:嶋田2号3ラン(5回)

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[9]

中村健人(環3・中京大中京)

[8]

渡部遼人(環1・桐光学園)

[7]

柳町達(商3・慶應)

[2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

[5]

内田蓮(総4・三重)

[3]

嶋田翔(環2・樹徳)

[4]

小原和樹(環3・盛岡三)

6]

瀬戸西純(政2・慶應)

髙橋佑樹(環3・川越東)

 

髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)

勝ち越しの適時二塁打を放った内田

日の嫌なムードを振り払い、何としてでも2つ目の勝ち点を奪いたい慶大。初回、この日先頭に入った中村健人(環3・中京大中京)がいきなりヒットで出塁するもここは後続が繋がらず。慶大の先発は、一昨日の1回戦でも好投を見せた髙橋佑。初回はランナーを二塁まで進められるも、4番平塚を打ち取り先制は与えず。上々の立ち上がりを見せる。

 

先に点を奪ったのは慶大。2回、2死から瀬戸西純(政2・慶應)、髙橋佑の連続の内野安打で一、二塁のチャンスを作る。すると続く1番中村が、2打席連続となるヒットをセンター前に放ち、瀬戸西が二塁から生還。泥臭く繋ぎ、幸先よく先制に成功した。

 

しかし明大も黙ってはいない。3回、9番西野の内野安打から一死満塁のピンチを招く。迎えた4番平塚の打球は、打ち取った当たりもレフト前へポトリ。三塁ランナーがホームを踏み同点となるも、逆転を狙った二塁ランナーは固い連携プレーで生還を許さず。なんとかこの回を最小失点で切り抜ける。

 

2本の安打で復調の気配を見せた郡司

早めに勝ち越したい慶大だったが、3、4回は2番手の竹田を前にランナーは出すものの得点は奪えず。続く5回に相対するは、前日敗北を喫した森下暢。しかし、陸の王者は同じ轍は踏まない。柳町達(商3・慶應)と郡司裕也(環3・仙台育英)の連打で無死一、三塁のチャンスを演出すると、5番内田蓮(総4・三重)が一塁手の横を鋭く抜けるタイムリーを放ち、勝ち越しに成功。さらに6番嶋田が高めに入ったストレートを強振すると、打球はレフトスタンドへ突き刺さる3ランに。「なんとかバットに当ててランナーを返す」と臨んだ結果は、最高の形となりチームのリードを広げた。4連打で相手エース森下暢をマウンドから引きずり下ろし、流れを一気に引き寄せる。

 

追加点は直後の6回に。1死一、三塁で4番郡司がセンター前へしぶとく運び、1点を追加する。さらに5番内田もライトへの犠牲フライを放ち、もう1点を追加。中軸の打線が繋がり、さらなるリードを奪う。

 

一方で先発の髙橋佑も、4回5回と危なげなく三者凡退に抑えてリズムを作る。援護をもらった後の6回に、6番越智に2ランを浴びたが、「大量点を取ってくれて楽になった」と直後も自分のペースは崩さなかった。

 

中1日で再び好投を見せた髙橋佑

この日一番のピンチを迎えたのは8回。2番渡辺佳、3番逢澤に連打を許し、無死一、二塁としてしまう。球数も100球を超え正念場。しかし、髙橋佑はここも崩れなかった。4番平塚をピッチャー前への併殺で打ち取ると、続く5番北本の当たりはライトの中村が好捕。無失点で切り抜け、明大に流れを渡さない。

 

4点差で迎えた9回裏のマウンドには髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が上がる。先頭バッターを空振り三振で切って取ると、後続も難なく手玉に取り三者凡退。前日の流れを見事に断ち切る勝利で、2つ目の勝ち点を手にした。

 

投打でそれぞれの選手が役割を全うした試合だった。投げては髙橋佑が8回を投げて3失点と十分なゲームメイク。100球を投げた1回戦から中1日での登板となったが、この日も109球を投げて、タフな姿も見せつけた。打っては、中軸を任される柳町と郡司が得点にも絡むマルチ安打。ここまで当たりが出ていなかっただけに、「これをきっかけにして調子を上げてほしい」と指揮官の大久保監督も今後に期待を寄せる。1番に抜擢された中村、3ランを放った嶋田も、打つべき場面でしっかりと結果を残し猛アピール。打線は今後さらに厚みを増していきそうだ。

 

次なる相手は同率首位で並ぶ法大。同じく明大との厳しい戦いをものにし、今最も勢いがあるチームと言っても過言ではないだろう。3連覇を狙う慶大にとって、ここが大きな正念場となることは間違いない。紫紺を倒し加速する陸の王者。勢いそのままにオレンジ軍団を迎え撃つ。

(記事:重川航太朗 写真:小林歩)

◆打撃成績

 

 

[9]

中村

左安

左安①

 

敬遠

 

四球

 

遊ゴロ

 

[8]

渡部

中飛

遊ゴロ

 

二ゴロ

 

捕犠

 

空三振

 

[7]

柳町

三ゴロ

 

左安

 

中安

中安

 

空三振

 

[2]

郡司

四球

 

中飛

 

中安

 

 

右飛

[5]

内田

左飛

 

一ゴロ

 

右2①

右犠飛①

 

 

中飛

[3]

嶋田

 

空三振

空三振

 

左本③

空三振

 

 

投ゴロ

[4]

小原

 

中飛

 

四球

左飛

 

空三振

 

 

[6]

瀬戸西

 

二安

 

一犠

空三振

 

逃三振

 

 

[1]

髙橋佑

 

投安

 

空三振

遊ゴロ

 

一ゴロ

 

 

髙橋亮

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○髙橋佑

32

109

髙橋亮

11

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

まずは勝ててよかったです。勝つか負けるかでは全然違いますし、昨日も苦しい展開でしたし。ただ、昨日の試合で後半に苦しみながらも失点を防げたのが、今日に繋がったのかなと思います。

 

――昨日から今日に向けての気持ちの切り替えは

1勝1敗で今日が大事ということはみんな分かっていましたし、相手の対策も含めてしっかりとできたと思います。伊勢君をいい感じで打ち崩せて相手も代えざるをえなかったと思うので、打撃陣、特に3、4番の柳町、郡司と今日1番に入れた中村といった3年が頑張ってくれたと思います。

 

――中軸に当たりが出ましたが

ずっとこのまま打たないということは無いと思うけど、ヒットが出ると出ないとではかなり違うと思いますし、これをきっかけにして調子を上げてほしいなと思います。

 

――5戦連続でホームランが出ています

このチームで2桁ホームランが打てたら優勝できると言っていますが、それが形になっているかなと思います。打線は水物と言われる中ですけど、学習する姿勢を崩さず今後もやっていければと思います。

 

――髙橋佑投手のピッチングについては

ホームランは少しもったいなかったですけど、初戦に続いて持ち味を存分に発揮してくれて、期待通りやってくれたと思います。

 

――ここまでのチーム状態はどう捉えていますか

もう少し詰められるところはあるかなと思いますが、確実に成長はしているなと思います。

 

――次戦は法大との対戦となります

いい選手がいっぱいいますし、勝ち点2で乗ってきています。いい試合をして勝つことができれば、それに越したことはないと思います。

 

郡司裕也(環3・仙台育英)

――今日の試合を振り返って

よかったことは先発の髙橋佑樹が要所、要所を締めて、試合を作ったことです。あと、外野のファインプレーが二つが本当に大きかったと思います。

 

――おとといに引き続き、髙橋佑樹投手が好投を見せました。

ちょっと疲れはあるかなと思ったのですが、その中でも変化球を丁寧に低めに集めたりとか工夫ができていたので本当に成長したなと思います。

 

――タイムリーヒットが出ました。調子は上向きですか。

これを機に上がっていけたらと思います。

 

――来週の法大戦へ意気込みをお願いします。

一番苦しい相手だと思います。チームとして9月6勝を目標にしているので、今日勝ったことで一回切り替えて、法政に勝つというのをやっていきたいと思います。

 

髙橋佑樹(環3・川越東)

――今日の試合を振り返って

中盤に野手が大量点を取ってくれて、それですごく楽になった試合かなと思います。

 

――一昨日に100球以上投げてから中1日の登板になりましたが

疲れがあるかなと思っていたんですけど、自分が思っていたほどはなくて、それなりに自分の投球ができたかなと思います。

 

――8回のピンチは見事無失点で切り抜けました

あれは運が良かったですね。本当に僕の目の前に飛んできてくれて、気付いたらゲッツー取ってました。まあ1点、2点は取られるなと思ってたんですけど、ゼロで済んだのは中村健人のファインプレーがあったからですね。あのゲッツーは狙って取ったわけじゃないですけど、本当に運が良かったですね。

 

――次は勝ち点2同士の法大との対戦になります

法政はやっぱり高校の頃有名だった選手が多いし、今回の六大学代表に入っている人もたくさんいるので、スター集団と戦わなきゃいけないのは辛いですけど、勝つためには粘らなきゃいけないので、タレント揃いのチームに対してどれだけ逃げずにやれるかが大事なんじゃないかと僕は思います。

 

中村健人(環3・中京大中京)

――1勝1敗で迎えた3回戦でした

負けられない試合で先制できたことは大きいと思います。守備で流れを作れたことも良かったです。押し切る形で勝つことができました。

 

――今日は1番での起用でした

特別変えることはありませんでしたが、1番としてチームを引っ張っていけるように中途半端なスイングではなく、自分のスイングができるように意識をしました。

 

――第2打席の先制タイムリーを振り返って

前の打者のピッチャーの髙橋佑がなんとか繋いでくれたので、綺麗な形ではなくてもどっかに落として点が入ればいいなと思っていました。

 

――次の法大戦に向けて

明治を倒している相手で勢いがあると思います。なんとかはね返して後ろの立教、早慶戦へと繋げたいです。

 

嶋田翔(環2・樹徳)

――今日の試合を振り返って

昨日負けて1勝1敗でしたが、序盤は競って途中突き放して、結果競り勝てて良かったです。

 

――その突き放す一発となったホームランを振り返っていかがですか

先輩が繋いでくれたチャンスだったので、前の2打席三振していましたがなんとかバットに当ててランナーを返すという気持ちで打席に立ちました。

 

――相手は昨日の先発森下暢投手でした

そうですね、1打席に一球あるかないかというボールをいかに集中して捉えるかが課題になってくると思っていたので、その球をしっかりと捉えることができて良かったと思います。

 

――感触は

打った瞬間入ってくれるな、とは思いましたね。

 

――既に今季のホームラン数は2本で昨季を超えています。打撃の調子はいかがですか

しっかり練習してこの調子をキープしていきたいと思っています。

 

――次の法政戦に向けて意気込みをお願いします

今日に森下さんみたいなピッチャーが法政にはいっぱいいて、高校時代に活躍した選手もたくさんいますが自分たちのやるべきことをしっかりやって一球一球に集中して法政戦も勝ちたいと思います。

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