【ホッケー(女子)】早慶ホッケー定期戦直前企画“BREAK THE HISTORY”第3弾 女子MF対談 荒川副将×花田×森田

女子ホッケー

左から森田、荒川副将、花田

早慶定期戦において、ここ11年勝利がない慶大ホッケー部女子。しかし、今年は春季リーグでの対戦で引き分けるなど確実に距離は縮まってきており、歴史を塗り替えるその瞬間はすぐそこまで迫ってきている。今回は、12年ぶりの勝利を目指すホッケー部女子のMFの中心選手、荒川理佳子副将(経4・慶應女子)、花田ともみ(政2・慶應湘南藤沢)、森田真衣(経2・慶應女子)の3人にお話を伺った。

(取材日 11月14日)

――まずはお互いに他己紹介をお願いします

森田花田

森田:スピード感のあるドリブルだったり、センスあるゲームメイクができるのが彼女です。すごくしっかりしていて、いつも学年をまとめてくれたりして、リーダーシップもあります。

 

花田荒川

花田:理佳子さん(荒川)は、基礎技術とかストロークがすごくしっかりとしていて、MFのラインからヒットを打って、FWに繋げたりとか、私たちにはできないプレーをしている印象が強いです。普段はとてもたくさん面倒を見てくれて、ホッケー以外の面とかでも絡んでくれて、とても優しいです(笑)。

 

荒川森田

荒川:そら(森田)は小さいのですが、2年生の中でもプレーが安定していて、見ていて安心感のある選手で、一緒にやっていてやりやすいです。本当に小さくて妹みたいですが、すごくしっかりとしていて、考えて分からないことだったりを聞いてきてくれるので、私よりしっかりしているんじゃないかなと思います(笑)。

 

「いい意味でチームも切り替えられている」(荒川副将)

 

下級生の多いMFをけん引する荒川副将

――春季リーグは6位でしたが、振り返っていかがでしょうか

荒川:早稲田に引き分けたのに立教に負けてしまって、そのせいで王座にも行けなかったし、インカレも決まらなかったので、チームとしてやりたいことが定まっていなかったなと思います。悔しさが残るシーズンでした。

 

森田:私とともみ(花田)は、まだFWをやっていたのですけど。

 

荒川:試合出てたっけ?

 

花田:ちょっとだけ(笑)。

 

森田:私はベンチ入りしてないです(笑)。でも立教に負けたのが、このチームでの大きな出来事だったと思いますし、ここからどうしていけば秋に向けて強くなっていけるかを考えました。例年であれば、王座にも出て、インカレもいけるようなチームだったのですが、壁にぶつかってもがいて、夏に頑張れたかなと思います。

 

花田:6位という結果は良くなかったと思いますが、山学戦も前半は結構抑えられていたし、早稲田にも引き分けましたし、チームとしてできた部分もあったと思います。そういう粘り強さとか、チームワークみたいなものは、秋に繋げられた部分だったのかなと思います。

 

――夏にMF陣で強化したポイントなどはありましたか

荒川:春と夏でMFのメンバーがかなり変わって、2年生が急に増えて、試合に出ていた上級生が私しかいなくなったので、スタメン争いとかに絡んできた2年生にいかにのびのびやってもらうかを考えたりしました。その中でもやるべきところはしっかりとやらなければいけないのですが。どう、プレスとか??

 

花田:最初は全然わからなかったです(笑)。

 

荒川:MFの基礎的な技術をみんなで頑張ってきたかなと思います。

 

森田:今まではDFと絡んでボールを持っていくとかがあまりなかったのですが、DFとの距離がすごく近くなって、コミュニケーションがすごく大事になってきました。最初は分からなかったですが、サイド展開とかFWではやらなかったことはできるようになったと思いますし、前のチームよりもビルドアップの中でMFを使うこととかもやっているかなと思います。

 

――秋季リーグは立大戦で敗戦し、春と同じく6位に終わりましたが、振り返っていかがでしたか

花田:悔しいです、本当に。そもそも立教戦は、ボールを持ってなくて、慶應が持っていた時間も少なかったですし、個人が持っている時間も少なかったので、ボールがもう少し入っていたら、ドリブルできていたりとかできたかもしれないのですが、ポゼッションを上げられなかったのが敗因だったかなと思います。

 

荒川:悔しいですね。秋としてもあまりいい思い出が無いと言うか、いい結果じゃなかったなと思います。立教に勝てばとは思ってましたが結局負けてしまって。Bインカレの決勝とか、農大(東京農業大)戦とかと比べて、学習院戦とか横市(横浜市立大)戦とか立教戦といった自分たちがやりたいことができなかった試合との差が大きくて、全部自分たちがやりたいことができていればもう少し違う結果だったのかなと思います。私は終わってしまったので、リーグ戦は来年に託します。

 

森田は今季からスタメンに定着した

――森田選手はスタメン出るのが初めてのシーズンとなったと思いますが

荒川:でも、「スタメンっしょ、私」みたいな感じじゃなかった(笑)?

 

森田:何言ってるんですか?!全くそんなことないですよ!(笑)自分がチームのウィークポイントになっているなと感じていて、それが悔しいし申し訳ないと思っていました。相手の分析とかしているのですが、自分たちがされていたら私がウィークポイントだって言われてそうだなと。けれど、スタメンで出してもらっているからには、責任もありますし、自信なくやるのも失礼なので、自分にできる最大限のことはやろうとしていました。

 

――MF陣やチームとして手応えはどれくらい感じていますか

花田:早慶戦に向けてで言うと、春に戦って対面の選手の対策とかはイメージできているかなと思います。

 

森田:相手の特徴がやっとわかるようになってきて、心構えはできるようになってきたかなと思います。

 

荒川:立教戦が終わって、いい意味でチームも切り替えられているかなと思います。負けたことは悔しいですし、思い出すと少しむかつきますけど、チームの雰囲気としては引きずることなく、自分たちのやるべきことをやろうというようになっているかなと思います。

 

「大学で新しいスポーツをやろうと思っていた」(花田)

 

――皆さんがホッケー部に入ったきっかけは

花田:私は中高6年間サッカーをやっていて、フィールドの使い方とかがサッカーと似ていて、6年間やってきたことを生かせるスポーツかなと思っていて、大学で新しいスポーツをやろうと思っていた中で、ホッケー部に決めました。

 

森田:私はずっとバレーボールをやっていたのですが、大学で新しいスポーツをやりたくて、ホッケーは初心者でも始めやすいというので興味があって見に行きました。去年の春の試合を駿河台の方まで見に行って、そしたら女子高でもともと知っていた理佳子さんが出ていて、かっこいいなと思って。

 

荒川:絶対思ってないでしょ(笑)。

 

森田:思ってましたよ!すごく印象に残っています。

 

荒川:私はずっとテニスをやっていて、大学ではテニスを続けるか、初心者でも試合に出れる可能性があるラクロスかホッケーで迷いました。けれど、テニスだとAO入試の選手がいて試合に出るのは厳しいし、ラクロスは経験者もいるし人数も多いので厳しいかなと思って、ホッケー部の体験に行ったら、雰囲気も良さや設備の良さとかに惹かれて入りました。

 

森田:設備はラクロス部とかと比べるとうらやましがられます(笑)。私たちは、練習後でもシャワー浴びて、化粧して授業に行けるので、結構言われます(笑)。

 

荒川:「ずるい」ってね(笑)。小さい決め手の一つです(笑)。

 

――荒川選手から見て、花田選手や森田選手を含め2年生の代は見ていていかがですか

荒川:純粋にホッケーが上手いですね。私たちが2年生の時とかと比べると、こんなことできなかったというようなことをたくさんしてくれます。2年生から試合に出ていて、うらやましいと思いますし、助けられてばかりだと思います。全体を見ると人数がすごく多くて、まとまりがなさそうなのですが、意外とすごくまとまっています。10何人でお泊り会とかしてますよ(笑)。私たちの代12人でもしたこともないのに。オフとかも旅行行ったりとかしていて、わざわざオフにも同期に会ってるんですよ、いつも死ぬほど会ってるのに(笑)。

 

花田森田:(笑)

 

サッカー経験を生かしたプレーを見せる花田

――2年生のお二人は荒川選手の副将としての姿は見ていていかがですか

森田:本当に面倒見がいいですし、視野が広いなと思います。すごく細かい所にも気を配ってくれて、支えられています。上級生が多い中でプレーするのも緊張したりとかもありますが、それもほぐしてくれてお姉さんみたいです。

 

花田:試合中だと、理佳子さんがいる時のプレーの幅がすごく広くなります。プレスの声かけとかでチームを統率することもありますし、DFの人からの信頼もすごいなというのも見ていてわかります。本当に背中で引っ張ってくれているなと思います。

 

荒川:ありがとうございます(笑)。

 

――最近あった部内のホットニュースは

荒川:面白いことは毎日あるんですけどね(笑)。まだ、たまごっちやってる??

 

花田:もうやってないです(笑)。

 

森田:一時期、部内で結婚しまくってました。部室内で「オスの人~」「メスの人~」みたいな会話が飛び交ってました(笑)。最近は会話にも出てこないね。

 

荒川:私が最近面白かったのは、ある試合の時に私の対面がとある芸能人に似ていて、それをハーフタイムの時にやんやん(雑賀水紀副将=経4・慶應女子)に言ったら、「気が散るからやめて!」ってめっちゃ切れられたことですかね(笑)。

 

花田:あまり出てこないの悔しいですね(笑)。

 

――個人的にハマっていることなどはありますか

荒川:昼寝(笑)?あとは、ベンダー(笑)。

 

森田:4年生はベンダー大好きです(笑)。

 

花田:2年は4年生ほど、ベンダーには行かないですね(笑)。好きですけど。

 

荒川:今日スケジュール見ながら、練習とか考えてあと何回ベンダー行けるか考えていたら、あと3回しか行けないことに気づいて、悲しくなりました(笑)。

 

「勝つ慶應をみてほしい」(森田)

 

――早慶戦の話に戻していきます。春季リーグの早慶戦では引き分けでしたが、今振り返っていかがでしょうか

花田:一番緊張した試合だったかもしれないです。試合に出てない時間でも落ち着かないというか、常に緊張している感じがして、ホーンが鳴ったときには「ああ、引き分けたんだ」っていう感覚でした。

 

荒川:ずっと守っていた記憶がありますね。でも、早稲田の方もあまり点が入る雰囲気も無かったですし、こっちも点が入る感じもなかったです。試合が終わった後にはすごく悔しかったのはすごく覚えています。

 

森田:美紅さん(三宅主将=経4・慶應湘南藤沢)が集合で、「結果としては良かったけど、惜しかったねと言われるチームが嫌」というようなことを言っていて、それがすごく印象に残っています。早稲田に対して勝ちたいという気持ちが強いんだなと感じました。

 

先輩と後輩の間での信頼関係が見える対談となった

――昨年の定期戦は0-1で敗戦でしたが、いかがでしたか

荒川:早稲田は去年駒沢でやるのが初めてで、私たちの方が駒沢馴れしていて攻められるシーンも多くて、PCも取れました。守備もすごく頑張っていたのですが、後半の集中力が切れてしまった一瞬に点を決められて、本当に勝てるかもしれないと思っていた分、悔しかったです。4年生が泣いているのを見て、私もすごく悔しかったですし、来年は絶対に勝とうと思いました。

 

花田:「打倒早稲田」という目標があって、真由美さん(小野コーチ)が「このチームなら勝てる」と言ってくれたのですが、私は1年生ということもあって正直「本当に?」くらいの感じでいました。ただ、夏からしっかりと強化して、いざ戦ってみたらすごくいいゲームになって、最終的には負けましたが、勝てたかもしれないと思えるところまでチームが強くなったのを感じて、これが真由美さんが言っていたことなんだなと感じたのを覚えています。

 

森田:早慶戦は公式戦とは違った雰囲気で、応援部が来ていたり、観客席もすごくにぎやかだったのは印象に残っています。4年生の先輩が、本当に必死に倒れるくらいまで走っているのを見て、勝ちたい気持ちとか慶應が早慶戦にかける思いが強いんだなと感じました。

 

――今年の早慶戦ではどういった姿を見せたいですか

荒川:私たちの代になって、結果があまり出なかったと思います。毎回試合に来てくれる先輩だったり、監督やコーチ、OGたちにも、結果で恩返ししたいと思っています。春秋6位だったで終わるのではなくて、最後に早慶戦で勝って終われるように、慶應らしいプレーで観客の皆様にも感謝を伝えられればいいなと思います。

 

花田:リーグ戦では結果は出せなかったですが、立教は早稲田に負けているので、早慶戦に勝つことで立教も倒したと思える部分もあると思うので、絶対に勝ちたいです。あとは、最後に勝って終わるというのが、代の締めくくりとしていいものになると思うので、このチームは早慶戦に勝った代だと思ってもらえるようにしたいです。

 

森田:監督に「立教には負けてしまったけれど、まだ早慶戦というチャンスがある」と言われて、4年生の引退試合にもありますし、チームの集大成にもなるので、ここで勝つことでいい締めくくりで次に繋げたいです。後にもつながるような試合をして、勝つ慶應を見てほしいです。

 

――改めて早慶戦に向けて意気込みを

森田:絶対絶対勝ちます!

 

花田:絶対勝ちます!

 

荒川:絶対勝ちます!

 

――お忙しい中、ありがとうございました!!

 

(取材:重川航太朗/写真:津田侑奈)

《早慶ホッケー定期戦》

11月24日(土) 現役女子戦 13時10分試合開始

          現役男子戦 14時50分試合開始

@駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場

 

荒川理佳子(あらかわ・りかこ)副将:慶應女子高を経て、経済学部4年。試合経験も豊富な頼れる副将で、中盤でのゲームメイクには彼女の力は必要不可欠。面倒見の良さから後輩たちからも絶大の信頼を得ている。

 

花田ともみ(はなだ・ともみ):慶應湘南藤沢高を経て、法学部政治学科2年。1年秋からリーグ戦に出場すると、その後も実力を伸ばし今年はスタメンに定着した。中高6年間サッカーを経験して培った走力と判断力が武器。

 

森田真衣(もりた・まい):慶應女子高を経て、経済学部2年。チーム一小柄な体ながら、努力を重ね頭角を現した。春はあまり出場機会に恵まれなかったものの、この秋にはスタメンに定着するまでに成長。バレーボール部時代のコートネームから、あだ名は「そら」。

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